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第2章
夏合宿
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先輩が引退して、マネージャーは一人になった。一人になってすぐの、ある夏の日。
グラウンドが乾いていた。
水まきをしようか迷っている間に練習が始まってしまった。
練習後、ショートの川田先輩がちらっと私を見ながら
「今日、水まいて欲しかったな。」
ってポツリと言った。
(しまった。。)
マネージャーの仕事は部員がしてほしいことを自分で考えてやらなくちゃいけないんだ。肝に銘じた。(以降水まきは誰にも譲りたくないお気に入りの仕事になった。)
数日後、合宿が始まった。
事前に歴代OBに「ご指導ご協力」を願う葉書を出すのもマネージャーだった。
私が20期だったから前に19代のOBがいる。合宿が始まると、見たこともないOBがわらわらと集まってきた。
練習の手伝いと差し入れをするためだ。初めての合宿で訳のわからない私のためにヒトミ先輩も手伝いに来てくれた。
合宿と言ってもどこかに行くわけではなく、学校に泊まり込む。
学校の正門をくぐると急な上り坂(通称、遅刻坂という)があり、坂の右側に合宿棟がある。夏休みに各部活が交互に合宿に入る。お風呂と食堂と、畳の大部屋が4つくらいあった。しかし、あろうことか、男女共学なのにお風呂はひとつしかなかった。
合宿での練習は一日中行われた。
ノックするOBはたくさんいたが、受ける方は5人しかいない。
うだるような暑さの中の100本ノックに、今年からキャッチャーになったキャプテン佐々先輩の足腰は悲鳴をあげていた。
もつれる足。立とうとするがまたもつれる。
ザバッと頭から水をかけられた。
「もういっちょーっ!」
気合いでなんとか踏ん張り、初日の日程をこなした。
夜、部員とまめ先生と夕食。
疲労困憊でみんな食べられない。。
「しっかり食べろよ!」
と明るくみんなに声をかけたキャプテンがいきなり嘔吐した。
これから1週間続く合宿の過酷さを思い知った。
翌日から先輩たちが、ヨーグルトが食べたい、トマトが食べたいと言うと、私はすぐに調達した。なんとか食べて元気をつけてもらわないと!
マネージャーの私は水まき、洗濯、そして介護に追われ、お風呂に入るのは一番最後だった。
他の部は既に入浴を終え、一人でお風呂に入る。薄暗くてちょっとこわい。
目を凝らして浴槽を見てぎょっとする。
垢だらけ!
とっても入る気にならず、手早くシャワーを浴びた。でも不思議と気分はよかった。
みんなが頑張った青春の垢だ。
こんな垢風呂を見ることに、幸せすら感じていた。
グラウンドが乾いていた。
水まきをしようか迷っている間に練習が始まってしまった。
練習後、ショートの川田先輩がちらっと私を見ながら
「今日、水まいて欲しかったな。」
ってポツリと言った。
(しまった。。)
マネージャーの仕事は部員がしてほしいことを自分で考えてやらなくちゃいけないんだ。肝に銘じた。(以降水まきは誰にも譲りたくないお気に入りの仕事になった。)
数日後、合宿が始まった。
事前に歴代OBに「ご指導ご協力」を願う葉書を出すのもマネージャーだった。
私が20期だったから前に19代のOBがいる。合宿が始まると、見たこともないOBがわらわらと集まってきた。
練習の手伝いと差し入れをするためだ。初めての合宿で訳のわからない私のためにヒトミ先輩も手伝いに来てくれた。
合宿と言ってもどこかに行くわけではなく、学校に泊まり込む。
学校の正門をくぐると急な上り坂(通称、遅刻坂という)があり、坂の右側に合宿棟がある。夏休みに各部活が交互に合宿に入る。お風呂と食堂と、畳の大部屋が4つくらいあった。しかし、あろうことか、男女共学なのにお風呂はひとつしかなかった。
合宿での練習は一日中行われた。
ノックするOBはたくさんいたが、受ける方は5人しかいない。
うだるような暑さの中の100本ノックに、今年からキャッチャーになったキャプテン佐々先輩の足腰は悲鳴をあげていた。
もつれる足。立とうとするがまたもつれる。
ザバッと頭から水をかけられた。
「もういっちょーっ!」
気合いでなんとか踏ん張り、初日の日程をこなした。
夜、部員とまめ先生と夕食。
疲労困憊でみんな食べられない。。
「しっかり食べろよ!」
と明るくみんなに声をかけたキャプテンがいきなり嘔吐した。
これから1週間続く合宿の過酷さを思い知った。
翌日から先輩たちが、ヨーグルトが食べたい、トマトが食べたいと言うと、私はすぐに調達した。なんとか食べて元気をつけてもらわないと!
マネージャーの私は水まき、洗濯、そして介護に追われ、お風呂に入るのは一番最後だった。
他の部は既に入浴を終え、一人でお風呂に入る。薄暗くてちょっとこわい。
目を凝らして浴槽を見てぎょっとする。
垢だらけ!
とっても入る気にならず、手早くシャワーを浴びた。でも不思議と気分はよかった。
みんなが頑張った青春の垢だ。
こんな垢風呂を見ることに、幸せすら感じていた。
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