雪に舞う桜吹雪

白凪雪緒

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3話 休日

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 さて、何日も何ヶ月も何年も、この仕事ばかりではいつか倒れかねないので、俺は定休日というものを設けている。
 とは言っても、政府が「お前はいつ休め」と命令された日だけは休む…みたいなもので、中には月曜と金曜の2日という人もいれば、土日休みという2連休を獲得するラッキーなやつもいる。…因みに後者が俺だ。
 余談だが、これはある時侍が職業のブラックさに訴訟をし、B級以上のほぼ全ての侍が署名活動に参加した。そのため、新たに労働基準法に侍という職業について細かく記入され、改善された結果今に至る。
 …まぁ何が言いたいかと言うと、結論俺は休日をいいことに街に繰り出していたということだ。
 正直意外と言われても仕方ないが、俺は中々の甘党なのだ。スイーツのひとつや2つ食わずして生きていけるかってものだ。
 それで今回は、この前たまたま見つけた、とあるスイパラ…もといスイーツパラダイスに向かっている。
 こういうのはスイパラ=女子の巣窟と割り切って諦める男が一般的だが、それは個人論としてフェミと思っている。元々職業柄顔が割れているのだ。ウィキペディアを調べれば俺が甘党だなんて事実いくらでも書いてある。つまりもう諦めた。
 なんて考えている間に着いた…のだが。
 そこには「男性のみのご来店お断り」と書いてあった。
 いやふざけるなよ。せっかくここまで来て門前払いはないだろうが。
 いやしかしどうしたものか。赤裸々な話こういうスイパラには何度か女装して潜入した事がある。しかしそれは侍A判定を受ける前の話だ。今となっては雰囲気とかから身バレしかねない。そもそもとして普段から女装グッツやら化粧品を持ち歩く質ではないのだ。手段として女装するだけであって別に普段から好んでするわけじゃない。
 …本当だぞ?
 いや、根本的な話女友達と入店すればいいだけなんだが、俺は友人関係というものに疎かった。
 生まれてこの方彼女いない歴=年齢というレッテルを持って生きてきた。つまりは、そういうことだ。
 などと悶々と悩み、渋々帰ろうとした時、「そいつ」は俺に話しかけた。
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