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一章 現実

僕の日常

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20XX年 夏 F県K市 ✕✕中学校 校舎裏


ドカッ  ガコッ  ドゴッ 
「オラ泣けよォ!!」
「助けてぇ~ってな!!」
「こいつにそんな度胸ないデショ」ピロン

痛い。助けて。でも、助けを求めたら迷惑がかかるのかな。じゃあいいか。

汐人しおと、この動画あとで送るね」
「お、サンキュ」ドッ
「てか璃櫻りおはいいのか?こいつ蹴るとストレス発散になるぜ?」ガッ
「いや、動画撮る方が楽しいから。汐人と鐘眞しょうまで楽しんでてよ」
「変なやつだな」ドガッ
「なんとでもどうぞ」

こうして会話してる間にも、僕への攻撃は止まらない。痛いなぁ。でも毎日牛乳飲んでてよかった。骨は折れてないみたい。あとどれくらいだろう。まだ日は……暮れない……か……

「だれ……か……」

「あ゛ぁ゛!?今なんか言ったかァ!?」
「黙れよクズがっ!!」
「……喋んないほうが良いんじゃナイ?」

でも。でも……

「た……すけ……て……」

「黙れって言ってんだろォが!!」

いつもより、強いのがくる。そう身構えたときだった。

小鳥遊たかなし!!桐生きりゅう!!調月つかつき!!」

どこからか、強気な女の子の声がした。

「チッ……面倒なのが来やがった……」
「帰ろっか」

3人はその女子生徒を見るなり、そそくさと退散していった。その子は全く、困ったガキだ、と呟きながら僕の傍らにやってきた。

「大丈夫か?」

コク、とうなずいて応答した。たしかこの子は……

「私のこと分かる?」
「となりのクラスの……」
「そう。学級委員のゆずりは有栖ありす。」

そうだ。怒らせたら恐いと有名な名物委員長、楪有栖。その威勢の良さは先程のように男子をも蹴散らしてしまう。小学生じゃあるまいし……。
その楪が怒っている。あ、止めなきゃ大事おおごとになっちゃう。

「あ、あのっ……」
「どっか痛いか?全くこんなことして何が楽しいんだか……ていうか絶対常習犯だよな……これ以上悪化する前に教務主任にでm「あのっ……!」

どうにか声を振り絞って途中から独り言になった楪を止めた。

「どうかしたか?」
「あのっ……大事おおごとには……しないでくれるかな……?」
「なんでだよ」

恐る恐るになってしまったが、どうにか伝えた言葉を彼女は即座に切り替えしてきた。仕方ないが、こういうタイプには理由を説明しないと引いてはくれないだろう。そう思って彼女に説明を始めた。

(皆さんにはわかりやすいよう僕の言葉じゃないもので説明しよう)
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