# 魔女集会で会いましょう ~拾い物は、慎重に~

東川カンナ

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29.ほんとうの、純潔。

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 その魔女には、見覚えがあった。
 唯一、リリアンヌの他に知る魔女と言っても良かった。


 ピンクブラウンの髪、猫目の赤い瞳、小柄ながら肉感的な身体付き。
 リリアンヌとは正反対の位置にいる、魔女。
 肉欲を糧とする魔女。


 ローゼリカ。そう、確かそんな名前だった。
 リリアンヌと折り合いが悪くて、その昔自分をコレクションに欲しがり、三年に亘りしつこく手を出してきた魔女。
 当然、良い印象は一つもない。


「なんで……」
 こんなところで登場してくるのか分からない。
 これは自分とその過去が引き起こしている問題だ。過去というのは、リリアンヌに拾われるより前の話だ。この魔女は、何にも関係ないはずなのに。


「あれから何年経ったかしら。そりゃあ何年も何年も何年もこの日を待っていたに決まっているでしょう? 遅かったと言えば遅かったわ」


 けれど、その発言で全て合点が行く。
 この魔女は、復讐したがっている。サフィールとしては一方的に因縁をつけてきただけだと認識しているが、リリアンヌに恥をかかされたと思っているのだ。
 魔女は執念深いし、矜持が高いし、体面を大事にする生き物だから。そして永くを生きると、性格もどんどん面倒になっていくという。
 彼の魔女は割に良識的というか、心をちゃんと持っているとは思うが、確かに機嫌の良し悪しや許容の範囲が独特ではあるのだ。


 自分のせいだ、と思った。
 この魔女がその昔、因縁をつけてくるきっかけにしたのは自分の存在だったし、今回だってこの魔女がいなければ、こんなにも簡単に神殿側がサフィールを見つけ、攫えることもなかっただろう。
 リリアンヌに、ここまで迷惑がかかることもなかったはずだ。


「ここで、生まれたの。あそこの――――女の胎からね」
 そうして、何故か完全なる第三者であるはずの魔女から、自分の過去が語られていく。
 忘れた訳ではなかったが、本当に今回のことが起こるまで、もうなかったことになっていた過去。リリアンヌに一度も話したことのない過去。話す価値のなかった過去。
 彼女の必要としなかった、サフィールがサフィールになる前の話。


 呆然としたリリアンヌの様子が、遠くからでも窺える。
「――――いや、聖女、だろ?」
 そうだ、俄かには信じられないことだろう。
 でも、残念ながらそれが真実だった。
 今、自分に縋り付くようにしているこの女が、母親だった。恐怖と混乱で青白くなった顔は、けれど記憶にあるのとそう変わらない。
 確かに、いくらか年は取った。けれどやはりどこか浮世離れした、あどけない感じがして、女を必要以上に若く見せている。
 変わらない。そういう存在なのだから仕方がないのかもしれないが、“聖女”はあまりに俗世から隔離され、大切に大切に囲われ過ぎてしまっている。
 世の憂いなど知らなさそうな様子。無垢と言えば聞こえは良いが、多分これはただの思考停止の成れの果てなのだ。


 母親らしいことをしてもらったことは、ほぼなかった。自分はほとんどを奥に閉じ込められて過ごし、聖女には聖女の務めがあるからと、その姿を見ることも滅多になかった。
 ごく稀に、部屋の窓から回廊を通る姿や中庭で休む姿を眺めるだけ。時折、向こうもこちらに気付き、戸惑いの瞳でこちらを見返すだけ。声をかけられたことは数度。けれど聖女には常に誰かが付いており、彼女は周りの者に窘められるといつでもそれに諾々と従ってしまう。


 サフィールは自分の扱われ方を早々に理解していたし、だから母親に対する幻想も、随分幼い内に捨てることができていた。期待すると、その分早く心が死んでしまう。


 そして、今も無慈悲に自分の喉元に鞘を突き付けている、この男。
 聖女にも辟易していたが、この男は反吐が出るほど嫌いだった。血が繋がっていることが耐え難かった。
 禁忌を犯したのは自分のクセに、いつでもこの男はサフィールを手酷く扱った。閉じ込め、追いやり、ロクな言葉を与えなかった。まぁ禁忌を犯してまで関係を持ったくらいなので、聖女に対する愛情はあったようなのだが、それはあくまでも聖女にだけ向けられるものらしかった。


 意味もなく生かされ、殺されはしないが死んだも同然の日々。


 食事を忘れられることもしばしばだったし、風邪を引いても誰も気付きもしないことだってざらにあった。時間が過ぎるにつれ、自分の存在はどんどんこの神殿の奥で忘れ去られかけているようだった。


 手酷い終わりが与えられたのは、いつのことだったか。


 魔女・ローゼリカの説明には、当事者であるはずのサフィールでも知らないことが、沢山あった。


「ある日ねぇ、聖女様の力に翳りが見え始めちゃったの。そのことに、事情を知る者達は慌て始めた。理由はまぁ分かるわよね。聖女様がするように何か御業を扱うようなことはなかったけれど、子どもの加護の力はあまりに大き過ぎた。疑うには十分」


 そんなことは、知らなかった。
 そもそも、自分の特別さがどこから来るものか、あまりはっきりと認識していなかった。
 今までサフィールは自分が少し周りより特殊であることを、何か言語化したことはなかったのだ。それがどういう類の力なのか、名前を必要としたことはなかった。


 けれど、そうか。聖女の持つ力を、自分は“加護”という形で持って行ってしまっていたのか。
 なるほど、と思う。加護、と言われて、自分の強運の仕組みに理解が与えられる。


「そうそう、その当時、神殿の様子を疑う勢力があったことも理由の一つよね。結論はお分かり?」


 確かにそれは困った事態だっただろう。当たりがきつくなるはずだし、そりゃ処分したくなる訳だ。


 当時、急に扱いが粗雑になった。
 忘れられているというよりは意図的に食事がなくなり、飢えに堪え切れず部屋を抜け出し神殿内を彷徨っていたところを見つかれば、容赦のない折檻が待っていた。やがて弱りに弱ったところを、あの森に捨てられたのだ。


 禍々しくて、何か変な気配が沢山する場所。
 怖くて、寂しくて、辛くて仕方がなくて。
 反射的に置いて行かないでと縋れば、蹴飛ばされ、そのはずみで枯れ木の枝が腹に刺さった。
 あの枯れ枝をわざと引き抜かれた時の激しい痛みは、今もまだ生々しく記憶に刻まれている。


「子を成すことで力が流れる可能性が高いのよ。なら、今彼に留まっている力を次に継がせればいい」


 なんてくだらない世界に生きているのだろう、と思う。


「お嫁さん候補は沢山用意してくれてるんですって! 彼に求められているのは、血と力を繋ぐこと。子どもをね、次代の聖女を作ることなのよ」


 予想していた通り、自分は道具でしかない。使い捨てられるために、またここに引き摺り戻された。
 一連の出来事に、何か自分に責任のあることがあっただろうか。全てにおいて自分は被害者だ。
 けれど、ここはもう狂った世界。常識など、通じない。


 起こってしまったことはもうどうしようもないから、神殿の人間達はどうにかつじつまを合わせようとしている。“聖女”の機能を正常に働かせることだけが、全て。そして、その聖女は今ここにいるこの女でなくとも良いのだ。
 多分、自分に鞘を突き付けている男にとっても、その方が都合が良いのだろう。女が聖女でなくなれば、存分に独占できる。十年以上経っても、まだこの男が聖女に執着しているだろうことは、態度を見ていれば十分に理解できる。


「うふふ、それでね、情報提供と貴女への妨害と引き換えに、要らなくなったら私がもらうの。余所の女の唾が付いてると思うとちょっとアレだけど、私はまぁ、そこまでこだわらないから」


 魔女はやはり取り引きの末、ここにいるらしい。


 用済みになったら、払い下げ。
 そうそう、自分はここではそもそも人間ですらなかったのだ。懐かしい感覚だ。


「……死ぬより苦しい目に遭う覚悟はできていると見た」


 あぁ、でも。
 でも、今は違う。
 自分には彼女がいる。
 自分はここに繋がれ閉じ込められていた自分とは違う。
 もう、魔女・リリアンヌのものなのだ。


 彼女の怒りが、過去のサフィールを救う。
 自分の苦しみや悲しみに思いを馳せ、心を痛め、怒ってくれるから。彼女の怒りを目の当たりにして初めて、自分は不当な扱いを受けているのだと、そういう扱いを受けた時に抗議してもいいのだと、そう認識できるのだ。


 だが。


「ぐあっ!?」
 痛みと熱さは同義だった。予期せぬ凶行に、まず何よりも心が竦む。
 何の容赦もない。躊躇いもない。最大限の脅し。
「ひっ――――」
 突然振り下ろされた刃、どくどくと血液が流れる感覚。飛沫が女の白い衣に飛び跳ねる。
「魔女! 話が違う! これをここで殺されては困る!」
 神官長である男が剣呑な声を出しはしたが、次はこちらの胸の上に剣を翳した部下の動きを止めに入ることはなかった。
 いや、動けないのか。今刺してきた神官自身も蒼白な顔をしている。身体を操られているのだ。神官長の方も、動きを制限されていてもおかしくない。


 その場の人間の狼狽えた様子が、可笑しかった。
 何を今更、と痛みの端でそう思う。


 コイツらは皆、魔女という生き物をまるで理解していない。
 対等な契約を結ぶにはコツがいるし、曖昧な言葉は魔女に都合の良い解釈を与えてしまう。魔女と渡り合うには、相当の知略が必要なのに。


「さぁ、巡りの魔女、可愛いあの子を死なせたくなかったら、両手を上げて?」


 あぁ、でも、何てことだ。


「抵抗しないでね? どんな術も放っちゃ駄目よ? その前に、あの剣があの子の胸を貫く方が早いし」


 サフィールは、自分の存在に絶望する。


 自分は、格好の人質だ。
 リリアンヌは自分を救いにここまで来たのだ。そこまでする価値があるのだと、いや、三年に亘る攻防でも、相対する魔女はもうよく知っている。


 自分は、リリアンヌにとってこの上ない弱みなのだ。
 自分のせいで、彼女をとんでもない危険に晒している。


 彼女が、無言の内に両手を上げる。ローゼリカがそれを見てうっそりと笑う。


「貴女が何せず、私のすることに従ったら、あの子の傷をすぐに塞いであげる。ほら、私もあの子を無駄に殺したい訳ではないから、ここで嘘は吐かないわ」


 自分の、せいで。


「……セベトゥの呪詛」
「えぇ、有名で高等な魔女封じ」


 力を封じれば、彼女はか弱い存在で。
 それは愚行を犯したこの自分がよく知っている。とても簡単に、腕力だけで彼女を取り押さえられてしまうのだ。


「さて、その処女を望みもしない男相手に散らしてみましょう? そうして、本当の本当にその力を喪失しましょうか。うふふ、命までは奪らないでいてあげるわ。そこまでしなくても、貴女も方々で恨みを買ってるでしょうから、他がどうとでも嬲ってくれるでしょうし。私はその可哀想な末路を特等席から見物していてあげる」


 最低な魔女だ。
 控えていた配下の男が、彼の魔女に触れる。無遠慮に、汚い手で触れる。彼女は、簡単に押し倒されてしまう。


「アンヌ、やだ、アンヌ!」
 耐え難い不快感。あぁ、駄目だ。無理矢理に事を為されれば、彼女は魔女としての力を喪失してしまう。
 力の喪失云々の前に、知りもしない男に凌辱されることが、どれほど身と心を踏み荒し、殺しにかかる行為か。


「ローゼリカ」


 なのに。


「早く止血しろ。人間は私達よりずっと脆い」


 なのに、こんな時にそんなこと。


 首筋の傷が、ローゼリカの術により塞がれる。でも、そんなことはどうでも良くて。


「アンヌ! アンヌ駄目だ、逃げて、どうとでもできるでしょう、アンヌ! オレのことなんてどうでもいいから、アンヌ!」


 どうして自分はこんなにも無力なのだ。
 胸元に刃一つ突き付けられただけで、何の役にも立たなくなってしまう。何も、できなくなってしまう。


「お前、命令だからってよくどうでもいい女の相手なんかできるな?」
 けれど彼女はサフィールの悲痛な叫びなんて聞こえないみたいに、呆れた声で自分を組み敷く男に言った。


 何を、悟り切ったみたいな顔をして。


「主人の命とあらば、何でもする」
「は、面白味のない駄犬め」
 そう、男は命令とあれば何でもするつもりだ。サフィールでもきっと同じ。彼女はサフィールに下僕だとかそういう言葉を当て嵌めてきたことはなかったが、実態はそれに似ていた。何よりサフィールの心がそれに近いところにあった。


 サフィールは彼女のためなら何でもする。
 彼女の命令なら、何でもする。必要なら何だって。
 いつぞや、彼女が言っていた通り、例えそれが時に自分の心に染まないことでも。


 だから、あの男も間違いなくする。


「アンヌ……!」
 男の手が無遠慮に彼女の身体を開いていく。腿に手が掛かり、肩口から強引にドレスを引きおろし、そうして秘された場所に手が伸びる。


 こんな、公衆の面前で。


 耐え切れず、聖女は俯き両手で顔を覆っていた。周りの神官達も動けないようではあったが、必死に目を伏せていた。直視したいものではない。
「魔女を犯そうだなんて」
「末恐ろしい」
「末代まで祟られる……」
 思わずと言った様子で小声で漏らされる内容に、けれど首謀者たる魔女は小首を傾げ、不思議そうにしてみせた。
「祟られる? どうしてそんなものが心配なの? 何が怖いと言うの? この魔女はもう力を封じられているし、今から完全に失う。そして近いうちに死ぬのよ? 死者にできることは何もないわ。恐れることがどこにあって?」


 不甲斐ない自分が情けない。情けない、では済まない。
 このままでは、彼女が。


「っ…………!」
 恥辱に耐える、押し殺された声。
 あぁ、下着のあわいから、男の指が潜り込んでいる。きっと彼女の入口に、無遠慮に沈んでいる。歪む彼女の顔を、ローゼリカが愉快そうに眺めている。
「アンヌ……!」
 男の指がまた一本、彼女の下着の向こうへ潜り込む。上下する指の動きに、頭が焼き切れそうになる。そして男は反対の手で自身の履物を寛げていく。


 これ以上は、これ以上はもう。
 彼女が本当の本当に大切に大切に守ってきたものが、奪われてしまう。蹂躙されてしまう。
 取り返しが、つかなくなってしまう。


 男が彼女に覆い被さる。
 彼女はまだ、悲鳴一つ漏らさない。


 だが、これでは、もう――――――――


「アンヌアンヌアンヌアンヌっ!!」



 叫んだって、何にもならない。




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