# 魔女集会で会いましょう ~拾い物は、慎重に~

東川カンナ

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26.捨てた、はずの。

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 まどろみを一瞬で破ったのは、壁一つ向こうから響いた爆音だった。
「はっ!?」
 成人男性が一人乗っている寝台が震え、いや、寝台だけではない、家自体がビリビリと小刻みに揺れていた。天井からパラパラと、サフィールの頬へ何か細かな破片が落ちてくる。
「な、にが」
 明らかな異常事態だった。扉の向こうで、何かが起きている。
 この感じだと、リビングの辺りはひどいことになっていそうだった。


 何者かが侵入してきたのだ。リリアンヌが結界を十重二十重と重ねているこの家に。
 それが、どれだけあり得ないことなのか。


「ぐっ」
 身体を起こそうとしたら、激痛が走った。うっかり右腕を支えにしてしまったのだ。折れているし、肩の傷もまだ痛みを訴えている。そして、折れてはいないが右の足も痛めていた。
 そう、どのみちこの足では自力では逃げられない。
「アンヌ……!」
 この寝室に、彼の魔女の姿はない。
 まさか、扉の向こうに、破壊されただろうあの空間にいるのだろうか。一挙に不安が押し寄せる。
「いや、でもアンヌがそう簡単に」
 彼女は名高い魔女だ。強い魔女だ。今まで沢山のものを退けて来たのを、サフィールはその目で見て来た。
 どんなに巨大な魔獣でも、狡猾な悪魔でも、執拗な魔女でも、徒党を組んだ人間達でも。彼女は華麗に退けてみせた。華奢なその見目で侮ってはいけない。彼女は、その身に恐るべき力を秘めている。
 だから、この程度のことでどうこうなったりしない。ちゃんと自分の身を守れているはず。
「…………」
 耳を澄ませば、部屋の中を踏み荒しているのだろう、荒々しい靴音が聞こえた。それから、野太い声。神官達だろう、とすぐに察せられた。しつこくも、またサフィールを捕えに来たらしい。
 そう、聞こえるのは男達が家探ししているような音だけだ。争う様子も、すっと通る高めの声も聞こえない。リリアンヌの声は、聞こえない。


 留守なのかもしれない。何か用があって、出かけてくれているのかも。


 その事実に、サフィールは密かに安堵の息を吐く。
 だって、それなら彼女には絶対にかすり傷一つ、ついていない。


「そっちは」
「いないぞ!」
「ではこちらか」
 無遠慮な声が近付いてきたと思ったら、勢いよく扉が開かれる。そこから神官の服を来た男達が現れても、想定内過ぎてサフィールはちっとも驚かなかった。
「――――魔女はいないな」
「不在とは聞いていたが、鉢合わせずに済んだのは僥倖だ」
 ぐるりと部屋を眺め回して、男達が言う。


 不在と聞いていた、という言葉には疑問を覚えた。


 一体誰がそんな情報を?


 そう思うが、今のサフィールにできることは何もない。


「抵抗――――は、できる身体ではないな」
「いや、あの高さから飛び込んでおいてその程度で済むとは、やはり侮れない」
 男達が近付いてくる。抵抗する気はなかった。下手に抵抗すれば、力ずくで抑えられるに違いない。怪我が増えれば、それだけ回復するのに時間が必要になる。
 先日の襲い方から言っても、すぐに殺されることだけはないだろうなと、それは分かっていた。自分には、まだ何か利用価値があるのだ。だから、諦めてはいない。


 大丈夫。生きてさえいれば、大丈夫。


 その内に身体が治ってくれば、逃げ出す機会も生まれるに違いない。それに多分、彼の魔女はこのままでは済まさない。彼を助けようとしてくれるだろう。
 その時に、少しでも足手まといになりたくないと思った。せめて自力で立って、逃げられるくらいにはなりたい。だから、ここで余計な抵抗はいらない。
「アンヌ……」
 今、ここには不在の魔女を想う。
 帰ってきた時、彼女は荒れ果て、空になった家を見て、何を思うだろうか。


 あぁ、きっとものすごく怒るだろうな、と思った。
 部屋を滅茶苦茶にされて、きっと烈火の如く怒るに違いない。


 ちらりと覗いたリビングの様子を思いながら、サフィールはそんなことを呑気に考える。


 沢山の術式が散りばめられた部屋。窓辺には乾燥中の薬草があったし、部屋の真ん中のローテーブルは彼女のお気に入りのデザインだったし、クッションも新しくしたばかりだった。
 きっと元通りにするのにものすごく労力が必要だ。なんて手間を増やしてくれたんだと、苛立ちに顔を歪ませる彼女が容易に想像できる。


 もう少し身体が良くなったら、自分が後片付けをするのに、と思う。
 彼女は何もしなくていい。暫く不便だろうけど、仕事部屋もあることだしどうにかなるだろう。あぁ、でも、彼の身体が本調子を取り戻すまで、彼女は部屋をそのままにしておくことを我慢できるだろうか。壁も吹き飛ばされているようだし、流石に誰かの手を借りなくてはならないか。
 彼女は綺麗好きだし、それに結構短気だ。あの惨状をそのままにして許せる訳がない。
 自分の身体が自由に動かないのが悔やまれる。
 彼女に関わることは、何でも自分がしたいのに。あの時はこれしか思いつかなかったとは言え、下らない怪我をしてしまったと今更ながらに思う。


 でも、違う。そうじゃない。
 部屋がどうとかこうとかの前に。


「……余計な心配をかけてしまう」


 彼女は心優しき魔女だから。
 一等意地っ張りだけど、その態度とは裏腹にとても優しいから。
 自分を今の今までずっと傍に置いてきてくれた、そんな魔女だから。
 きっととても心を痛める。心配させてしまう。不安にさせて、それからきっとすごくすごく怒るだろう。
 部屋のことなんて、きっと気にもしない。それより何より、自分が連れ去られたことに、激しい怒りを覚えるに違いない。


 あぁ、余計な迷惑ばかりをかけてしまう。
 彼女には、ただ自由に、気ままにいてほしいのに。


「さて、今の様子から言うと心配は要らないようだが、抵抗はしないことだ。してもいいことは何もない」
 見覚えがあるのかないのかよく分からない、つまらない顔をした男が何やら布きれを手にそう言う。鼻を微かに突くその匂いから、それが睡眠薬の類だということは知れた。
「……一体何が目的で、今更」
 抵抗する気はなかったが、それだけはと問いかけてみる。けれど、男の答えはひどく端的で身勝手だった。
「知る必要はない」
 ない訳あるか。当事者だぞ。
 そうは思ったが、布を押し当てられた瞬間、サフィールに意識は強制的に現実から切り離された。










 意識は、割とすぐに戻ったような気がする。


「おい、どうする」
「目覚めるまでは」
「いや、聖女様は大神殿に籠っておられるらしい。まずはそちらに連れて行った方が、話が早いだろう」
「例の魔女は」
「全く忌々しい」
 少し頭がぼんやりしていて、上手く状況が掴めない。けれど、神殿に連れ戻されたことは分かっていた。
 腹の辺りから伝わる、一定のリズムで上下するこの感覚、どうやら肩に担がれて運ばれているらしい。
 サフィールはそれほどひょろくはないつもりなのだが、成人男性をこうも軽々運ぶとはと考えながら、しかし神官達の中に妙に体格のいいのがいたなぁなどと、どうでもいいことを思い出す。
「…………」
 辺りの空気が遠い昔の記憶と一緒で、起き抜けから最悪の気分になる。


 何の揺らぎもない。同じ気配で一定に保たれた空間。
 凪いでいて、逆に気持ち悪い。


「ただいま戻りました」
 やがて男達の歩みは止まった。
 薄目を開けば視界は逆さまだが、きっと大聖堂だと当たりはついた。聖女がどうとか言っていたし、きっと間違いない。
「あぁ、連れて来たか」
 平坦に響く声には聞き覚えがあった。反吐が出そうなほど、不快な声。
「先日の報告通り、多少怪我は負っていますが、生きています」
「生きていれば問題ない」
 この声は、ロクなことを喋らない。


「…………怪我の具合はどうなの? 酷いの?」


 そこに一つ、異質な声が混ざった。
 男達の声の中に、不安げに揺れる細い女の声。


 何も、変わらない。この声にも覚えがある。


「聖女様、ご覧になりますか」
「え、えぇ。傷に障るわ、そっとお願い」
 また身体が揺れる感覚がする。段差を登るこの感覚は、祭壇に上がっているからだろう。
 やがて身体を返され横たえられる。狸寝入りもそろそろ面倒になっていたので、サフィールは瞳を開けた状態で、その人間と対面した。
「っ!!」
 まさか意識があると思っていなかったのだろう。瞳がかち合って、女――――聖女は息を呑み、びくりと小さくその身体を震わせた。


 零れそうなほど見引かれた瞳の色は浅い青。その心根を表すような真っ直ぐ絹のように流れる榛色の髪に、陶器のような白い肌。華奢以外の言葉が当てはまらない、繊細なラインを描く身体。
 こちらに伸ばされたその手には当然ながらあかぎれ一つなく、彼女がそういった苦労からは全く縁遠い生活をしていることが窺える。


 彼の魔女は違った。
 炊事洗濯、薬草の採取、薬の精製、触媒の作製。日々の暮らしの中で時にささくれ、あかぎれる小さな手。その手を取り、指先まで丹念に薬を塗り込むのは、彼にとって大切な作業だった。


「●●●●●」
 見開いた瞳を潤ませながら、女が呼びかけてくる。けれどその声が、サフィールには全て雑音に思える。
「あぁ、もう二度とまみえることは叶わないと思っていた」


 この女は、何をどこまで知っているのだろうか。


 対照的に無感動な視線を返しながら、そんなことを考える。
 大切に大切に囲われ、祀り上げられている存在だ。怖いこと、悲しいこと、汚いこと、苦しいこと、そんなものから全力で隔離された存在。ただ祈り、その身に宿す力を捧げることだけが全て。


「生きて、いたなんて」
 どうやら死んだとは思っていたらしい。多分、不慮の事故やら人買いに攫われたとか、周りの人間が適当に言いくるめていたのだろう。
 彼に傷を負わせた上で惑いの森に捨てたのは、この神殿の人間達だ。けれど、聖女の周りの人間がそんな野蛮なことをしただなんて、聖女自身に告げられるはずがない。それでは聖女が安心して祈りの日々を送れない。
 だから多分、適当な理由をでっち上げられているのだろう。そしておめでたくも、この聖女はそれを信じているのである。
 疑うことなど、必要とされていないから。
 疑っても、この閉鎖的な世界では息苦しさが増すだけだから。


「良かった…………」
 今更、何が良かったというのか。取り戻せるものはないし、そもそも取り戻したいなどと思っていない。
 頬に落ちた生温い雫がひどく不愉快だった。
「髪色はすっかり変わっているけれど、その瞳、その顔を見ればひと目であなたと分かったわ。……今まで、一体どれほどの苦労があなたにあったことか。想像するだけで胸が張り裂けそうよ」
 貧困な想像力だ。その平和に作られた頭で、どれだけの不幸が想像できるのだろか。
 それに間違えてもらっては困る。
 サフィールにとってはここでの暮らしこそが地獄で、不幸そのものだった。そこから得た人生の続きには、喜びしかなかった。一日一日、どの日も彼は幸せだった。なのに。
「でも全て済んだら、今度こそ、今度こそやり直せるわ。私達が本来あるべき形を、取り戻せる」
 そのとんちんかんな発言を聞いて、さすがにもう黙っていることはできなかった。込められるだけの侮蔑を込めて、彼は嗤う。
「今更、何をふざけたことを。そもそもロクにらしいことをしなかったクセに」
 言ったら、人の悪意や怒りに慣れていない女は、分かりやすく怯え、傷付いたような表情を浮かべた。そして言い訳のように口早に告げる。


「ち、違うわ、できなかったのよ」


 できなかった。


 女があの頃何一つ彼に対して役割を果たさなかったことは、その一言に尽きるらしい。


 したかったのに“できなかった”のか、最初からする気がなくて“しなかった”のか。
 そんなことはどうでもいいと思った。そこに大した違いなどない。結果的に、彼女はサフィールに何も与えなかった。


 “してくれた”のはいつだって、全て、リリアンヌだ。
 リリアンヌだけが、サフィールにあらゆることをしてくれた。


 食事を、服を、教養を、森で生きていく術を。
 心配を、叱責を、喜びを、慈しみを。
 愛を。


 そう、愛すること、愛されること、受け入れてもらえるということ、大事にされるということ、柔らかい感覚、胸に灯る温かな感情、生きていてもいいのだという発想、幸せとは何かということ。
 それら全てを教え、与え、してくれたのは、リリアンヌなのだ。彼の魔女だけなのだ。彼女が全てをサフィールにくれたのだ。


 それは、人間としての真っ当な扱い。
 個として尊重されるということ。
 とても初歩的なことで、けれど何よりかけがえのない肯定。


 他ならぬリリアンヌが、サフィールを“人間”の形にしてくれたのだ。


「くだらない。言い訳にもなっていない」
「口の利き方に気を付けなさい」
 吐き捨てたら、長剣の収められた鞘が喉元に突き付けられた。
「っ、やめ、」
 女が庇うように身を乗り出したが、男は冷たい目でこちらを見下ろしていた。
 この男は、神官長。この神殿を取り仕切る、この場で一番地位のある男。


 お互いの冷めた視線がぶつかり合う。


 何かを問うべきだろうか、とサフィールは思った。
 自分を今更こんなところに連れ戻した理由を、そろそろ知っておくべくかもしれない。
「…………一体、」
 けれど、問いかけは途中で止まった。
 カツン、と石造りの床を鳴らす、鋭く澄んだ音が響いたからだ。
「?」
 その足音は、あまりにこの場に不似合いだった。
 違和感に気付いた他の神官達もその音に耳を澄ます。
 男ものの靴が鳴らす音ではない。そう、この一点集中した、この軽やかな音は、ヒールが生み出すもので。
 ヒール。そう、ピンヒール。女と言えば、聖女とその身の回りの世話をする侍女数名だけ。彼女らはピンヒールだなんて、安定の悪いものは履かない。


 彼女だ、とサフィールは思った。


 さすが、反応が早い。あまりに早い。
 もう迎えに来られてしまった。こんなところまで、彼女を引き摺り出してしまった。
 申し訳ない。でも、それ以上に嬉しい。


 やがて入口にその小さな姿が現れた。
 黒衣を纏い、艶やかな黒髪を靡かせ、誰よりも強い意志を宿した赤い瞳。
 見た目は華奢で、ひ弱そうな女性だ。けれど圧倒的な存在感で、その場の空気を支配していく。
 カツン! と彼女が最後に鳴らした靴音は、場の空気をビリリと震わせたような気すらした。


 巡りの魔女・リリアンヌ。彼の、魔女。


「誰の許可を得て、それを勝手に連れ出した?」
 発される声は驚くほど通り、その場にいる人間の心臓を鷲掴みにするような圧があった。


 魔女は怒りを練りに練って、凄絶に微笑む。


「さぁ、その子を返してもらおうか」




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