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第2話 香凛はなんにも分かってない

分かってない【パパ編】 その14

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 ぱしゃんと湯の跳ねる音。


 辺りは暗闇に沈んでいる。
 だが浴場に灯された白熱灯のぼんやりした光が、その甘く華奢な身体を淡く照らしている。


「ん、っふ」
 眼前に突き出されたふくらみは押し殺した吐息と共にたゆんと揺れる。


 こちらに向かい浅めの湯で膝立ちになった香凛。


 恥ずかしい恥ずかしいと最後まで言い募っていたが、結局自分が先に入る、いいと言うまで入って来ない、を条件に混浴を認めた。


 入っていいと言われて覗けば、湯船の隅でこちらを視界に入れまいと丸くなっていた。何度も肌を交わしているというのに、やはり直視できないらしい。だが、手早く身体を洗って湯に入りそっと引き寄せると、観念していたのかこれと言って抵抗はされなかった。


 今日はホテル周辺の観光スポットを中心に回った。
 夕食も、ブランド牛を使ったメインだけでなく前菜の一つとっても美味で申し分なかった。
 予想していた通り、夜になると露天は星空を楽しめ、雰囲気がある。――――オレが楽しんでいるのは星空ではなく、香凛の身体ではあるが。


 とにかく、今のところ文句の付けどころのない、いい旅行となっている。


 口に含んだ頂きは、すっかり芯を持っている。嬲り、吸い上げ、痛くないギリギリを見極めて時折歯を立てる。
「んくっ」
 甘噛みの域ではあるが、歯を立てた後は慰めるように舌先でちろちろと舐め上げる。
 強い刺激の後に続く何とも微弱な刺激は相当もどかしいらしく、香凛の身体がそれでは足りないと言わんばかりに小刻みに震えた。
 それを眺めながら次は狙いを少しずらし、その周りの乳輪をくるりくるりとなぞっていく。
「あう、征哉、さん……」
 ねだるように頭を引き寄せられ、焦らすのは終わりにしてまた頂きを口に含んで強く扱いてみた。放置していた反対側のふくらみにも触れ、その柔らかさを楽しむように手の内でぐにゅぐにゅと揉みしだく。
「は、ぁん!」
 甘い声が反響すると、股の間で欲望が疼いた。もっとその声を聞きたいと、そう思う。


 ふくらみに触れていた手をずらして行く。
「あ、お腹……」
 触れると恥ずかしそうに身を捩ったが、白い腹は柔らかくすべやかでどれだけ撫で回しても飽きない。
 しかし香凛の方は下腹部を撫で回されるとその奥が疼くらしく、先ほどから大きく水面を揺らし続けていた。湯船に沈んだ蜜口は、きっととろとろと湯に別のものを混ぜ込んでいることだろう。


 ちゅぱ、とわざとらしい音を立ててから頂きから離れると、身を更に深く湯に沈めて撫で回していた腹に吸い付く。じゅうっと強めに吸い付けば、真っ白な雪原に赤く痕跡が残る。へそ回りを舌先でなぞり、柔らかな肌に夥しい口付けを落とす。
「ぁ、んんっ、もうお腹は」
 湯の中で香凛が両の腿を擦り合わせた気配がしたのをきっかけに、惜しいなと思いながらも口付けを止めた。


 そうだ、それにあまりこうも上半身を湯の外に出していては、身体が冷える。
 昼間はそうでもなかったが、夜はやはりそれなりに気温が下がっていた。


「香凛」
 後ろから抱き締めるように引き寄せれば、小柄な香凛は腕の中に簡単に収まった。いつの間にか大きく膨れ上がり反り返った自身が、その腰の付け根に当たる。
「っ!」
 それを感じ取って香凛の身体が震えた。
「そんな物欲しそうに震えなくても」
「も、物欲しそうだなんて」
「いらない訳じゃないだろ?」
 擦り付けるように腰を突き上げる。
「んやっ」
 香凛は恥じらって身体を丸めた。

 そんな風に縮こまられると、追い詰めたくなってしまう。


「だけど、香凛。コレはしばらくお預けだ」
 十分に昂ぶってはいるが、避妊具を付けていないのでナカには挿入れられない。例え安全日だと言われても、無責任なことはしたくないと思っている。
「後でいくらでもやるが、今はこれで我慢してくれ」
「んあぁあぁっ」
 だから代わりに腿の下から閉じられていたそこに侵入し、陰核をきゅっと押し潰した。突然の刺激に素直な嬌声が漏れ出る。
「香凛、距離はあるが、あんまり大きな声だと聞こえるかもしれないぞ?」
「ぁ……! んんー!」
 言うとハッとして香凛は自分の手で口を押えた。

 快感を耐え忍び、必死に我慢を重ねるその様子はこちらをけしかける。


「んくっ、ふっ、っぁ!」
 くりくりと捏ね回すと、そこは素直に徐々に膨れ上がっていった。足の間で香凛が刺激に耐え切れず腰を揺らす。
 後ろから桜色に染まった耳をぱくりと食めば、更に反応は良くなった。香凛が腰を揺らすと同時にオレのものが擦り上げられて堪らなく気持ちいい。
「か、りん……!」
 陰核を責めるだけでなく、花弁を割り開いていく。
 そこは、明らかに湯とは別物の何かでぬかるんでいた。
「はは、ぬるぬるじゃないか」
「それ、は、征哉さんが触るからっ」
「うん」
 秘裂に沿って何度も指を往復させる。湯の中では指に絡み付く蜜もすぐに溶けていってしまうが、刺激すればするだけソコは喜びを示してくれた。
「こっちは」
「やぁ……」
 屹立をぐりぐり押し付ける。
「挿入れてやれないから、今は指で我慢してくれ」
「~っ!」
 いきなり二本を差し込んでも、ソコは大して抵抗しなかった。ぬぷり、とゆっくりながら確実にこちらを飲み込む。
「あふぅ……!」
 圧迫感に香凛が啼いた。侵入したソコは、温泉の湯に負けないくらい熱くてとろけている。
「もう根本まで飲み込んだ」
「!」
 ぬるぬるで準備が整っているナカ。沈み込ませた指を少しだけ引き抜いて、指先で指圧するように中ほどのある一点を意識して刺激する。
「あ、あふ、そ、こ……!」
「香凛の、イイところな」
「ひゃうっ、つ、強い……!」
「でもこうされるの、好みだろ」
「でもっ、ぁあ……」
 きゅうきゅうとこれほどに締め付けられれば、こちらもそれに応えたくなるというものだ。
「ふっ、あ、んん、ゆきやさ」
 ストロークを変え、抜き差しするスピードを上げ、求められるままにナカを擦り上げる。押し広げた入口に三本目を入れ、触れられる全てに触れて行く。


「も、イク……!」


「好きなだけどうぞ」
 ぎゅっとこちらの腕に縋り付くその身体の限界が近いことは、触れ合う肌からも伝わって来ていた。


「ふぁっ、んー!」


 蒸気した頬、甘い声、絶え間ない水音、露天というこのシチュエーション。何もかもが熱を高めていく。


「……香凛、イけ」
「ひゃっ、――――~っ!!」
 駄目押しのように期待に膨らんだ蕾をぐりぃっと押し潰せば、必死に声を抑えながらも香凛は絶頂を迎えた。


「はふ……」
 脱力する身体を抱き上げて脱衣場に戻る。
 先ほどから込み上げている射精感を何とか気力で捩じ伏せて、自分の身体と香凛の身体を手早く拭き上げた。


 次は香凛のナカにきちんと沈みたい。


 和室には既に布団が敷かれていたはずだ。


 夜は長く、いくらでも楽しむ時間はある。




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