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【第三話】美貌の騎士に中身込みで惚れたんだが、親友ポジから身動き取れなくなってるうち娼館に走られた件とその後の顛末について

【第三話】その7

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「――――」
「――――」
 ルブラン家の応接間は重苦しい沈黙に支配されている。
 アンナ嬢の腕は確かで、シオンの首筋は凝視してもそこにキスマークがあるとは分からない、見事な仕上がりになっていた。
 片側のソファにはシオンと俺が並び、向かいのソファにはご両親が揃っていた。
 シオンの表情はむっつりとしており、相対する父親たるルブラン法務官は淡々とした表情をしている。
 柔らかな榛色の髪を結いあげた夫人は、メイドが給仕した紅茶に優雅な所作で口を付けた。こちらがどう切り出すのか、それを待っているかのような。
「……シオン」
 あまりに膠着状態が続くので、見兼ねてそっと声を掛ける。
「紹介してくれるんだろう」
 シオンは両親に俺を紹介すると言った。正式に恋人であると自分の口から告げるのだと。
 そうすることで俺に植え付けられたマイナスのイメージを払拭したいのだろう。
 だが、それとは別に怒りの気持ちもきっとある。どうして反対するのだ、アレクにだけ牽制をかけたりしたのだ、黙ってそんなことをするなんて。
 そういう心境もきっとある。


「こちら」


 それでもようやくシオンが口を開いた。
 が、その声はあまりにぶすくれていて、いやいや初めからその調子じゃ絶対この後揉めるだろ、と思わせるに十分なものだった。
「同じ騎士団所属のアレクセイ・ウィストン。同僚だって話は何回かしたと思うけど、今は……」
「きゃあっ!」
「痛~い!」
「ルリア、重いのよぉ」
 ハラハラと成り行きを見守っていたところに、突如予想もしない愛らしい声が響いた。
 声がした方へ顔を向けると、いつの間に開いたのやら部屋の入り口に目にも鮮やかなドレスが花のように重なっている。どうも覗かれていたらしい。
「お前たち……」
「あらまぁお行儀のなってないこと。ごめんなさいね、本当に」
 ご両親が渋い顔をしたり、呆れ顔をしたりしている一方、
「三人とも、興味本位で覗いたりして!」
 シオンはマズい相手に見つかったと言いたげな表情を浮かべた。
「だって興味津々だもの!」
「お兄さまが恋人を連れて来たのよ!」
「真夏に雹が降るようなものだもの!」
 対する三人はバツの悪そうな顔をするどころか、体勢を立て直してこちらへわっと寄って来る。


「レイラ! リーゼ! ルリア!」


 こちらを囲んで見上げて来る瞳は、どれもキラキラ輝いている。
 興味津々、なるほど申告通りである。


「こら! 今大切な話してるところなんだから……」
 そしてまぁ、この三人の連携がすごい。
「そうよ、お兄さま、恋人紹介なんてビッグイベントなのに、ものすごく重い空気」
「お父さまも怖い顔作っちゃって」
「アレはその実、お兄さまがカンカンだからバツが悪いのよ」
「違うわ、アレよ、娘は貴様にはやらん! って様式美よ」
「それこそ違う! あと娘じゃない、リーゼ、面白がって適当言うな」
「そんな、だってお兄さま、私たち花のルブラン四姉妹じゃない?」
 とにかく一人喋り出すと会話が数珠繋がりに、怒涛の流れとなる。口を挟む隙がないし、挟めてもそれも次の会話に繋げられてしまう。
 聞いているだけでも大変だ。
 が、“花のルブラン四姉妹”は聞き逃さなかった。


 花のルブラン四姉妹。
 それは巷で通る、ルブラン家の美人姉妹を現す名だ。
 そう、姉妹。
 大変不本意だろうが、その姉妹の筆頭に数えられるのがシオンである。
 ルブラン家の次男と三姉妹の麗しさを誰かがそう呼び出して、巷に定着してしまったのだ。
 実際、こうして間近で四人勢揃いの状況を見ると圧倒される。あまりに眼前が華やかだ。花がそこら中にふわりと咲き零れているかのような印象。


「お前の言う通り、オレは“お兄さま”なんだが? オレ、その通り名嫌い」
「でもルブラン四姉妹の一番美人はお兄さまよ、お兄さまが私たちの中で一番綺麗」
 そう、性別はあまり意味を持たない。三人の妹の中にいても違和感などない。ただただ馴染み、美しさをひと際放つ。
 そんな風に言ったら絶対にシオンは嫌がって怒るだろうから、その感想は胸の中だけに秘めるしかないが。


「お肌もすべもち」
「まつ毛もばっさばさ」
「髪もさらっさら」


 妹たちは美しい兄を殊更好いているようだった。そこには対抗心も何もなく、美しいお兄さまを愛でたいといった空気だけを感じる。
「髪は皆さらさらだろ、レイラが譲らないからオレ、お前たちと同じ洗髪剤使ってるんだから……」
「だってお兄さまのキューティクルは大切」
「そうよ、とっても大切」
 妹たちとの距離が近いな、可愛がっているのだなと今までも普段の会話の中で感じていたが、実際は可愛がっているし、同じようにシオンも懐かれ愛され、そしてあれこれ可愛がられているのだろう。
 そして妹たち相手だからこそ可愛い、綺麗、美容、流行、そう言ったものを並べられて、お兄さまもお兄さまもと言われてもシオンは拒まない、拒めないようだ。
 実家に連れて来てもらわないと、見れなかった一面。
 王立騎士団第四団のシオン・ルブランは決して見せない顔。
 妹たちの乱入は、きっといい流れを作ってくれた。
 彼女たちも半分分かってやっているのではないだろうか、と思う。もちろん、興味津々というのも本当なのだろうが。


「シオン、妹さんたちに俺を紹介してくれ」
「うわっ、ごめん!」
 数多の輩を決闘の名の下にちぎっては投げて来たシオンも、妹たちの前ではそのペースに巻き込まれてしまう。
「えっと、えーっと」
 では仕切り直し、とシオンはごほんと一つ、喉の調子を整えた。
「右から長女のレイラ、十八歳」
 何故か家族側の紹介から始める。
 紹介された背中まで流れるような真っ直ぐの金髪を持った令嬢が微笑む。
「レイラです。宜しくお見知りおきを」
「二女のリーゼ、十七歳」
 次は榛色の柔らかく波打つ髪を持つ令嬢が優雅にお辞儀をした。
「リーゼです。お兄さまを宜しくお願いします」
「それから三女のルリア、この間十四歳になったところ」
「ルリアです。ふふっ、お兄さまに聞いていた通りの方!」


 聞いていた通り?
 シオンは俺のことを家族に聞かせることがあったのか。それは単なる同僚としてではなく、もっと深く俺という人間を描写するものだったのか。
 シオンの方を見遣ると、照れ隠しかぷいと視線を背けられた。


「母のクレイア・ルブラン」
 そのまま家族紹介を続行される。シオンの母上は見る者によってどうとでも取ることができる、実に玉虫色のニュアンスの笑みを浮かべてこちらに軽く会釈を一つ。
 歓迎されているのか、一昨日いらっしゃいと拒絶されているのか、パッとは判断がつかない。社交界を生きるご婦人の高度なテクニックの賜物である。
「それから……」
 さて、最後にして難関の人物である。
「まぁ顔合わせてるでしょうけど?」
 シオンの声に急に棘が混じった。
「父のヴィクトー・ルブラン。城の法務部に勤めていることは、もちろんアレクも知ってるよな」
「それは、もちろん」
 口をむっつり引き結んだルブラン法務官は、僅かに顎を引いた。ような気がした。
 見間違いや願望でないのなら、もしかすると微かな会釈だったのかもしれない。そんな可能性もある。
「そしてこちら、アレクセイ・ウィストン。団の同期で、オレのこ、恋人。真剣にお付き合いしてる。まぁ誰かさんのおかげで? さっきまで散々な感じだったけど?」
 途中までちょっと照れてつっかえたりして、いい感じだったと言うのに。
 ここにきてめちゃくちゃ揉めの姿勢である。
「シオン……」
 ここは穏便にと言おうとしたら、ルブラン法務官もルブラン法務官だった。


「それでどうにかなる程度ならそれまでだ」


 あれ、仲良し家族はどこに行った。
 いや、これは俺のせいでヒビが入ってるのか?


「父さん! 破局させたいのかよ!」
「もう、アナタったら。シオンも、せっかくの場なんだからそんなにカッカしないで」
 またあわや一触即発の空気になったところを、やんわり止めに入ったのは夫人。
「ごめんなさないね」
 俺の傍まで来て、そっと手を取られる。
「でも、良くも悪くもどう転じるか分からないのが人間ですもの。この人の心配が、私も分からない訳ではないの」
 言下に込められた、貴方は本当に大丈夫なの? というメッセージ。彼女もきっと基本のスタンスは夫と同じなのだ。
「反対なんじゃないわ、不安で心配なのをどうしても拭えないの」
 俺が真にシオンに相応しいか、息子を不当に不幸にしないか、それを考えている。
「手放しで喜んでみせれないなんて、とは思うけれど。ね、でも別にアナタも何が何でも反対なんて、シオンが連れて来た子にそんなことは言わないでしょう?」
 夫人に言われて、ソファに腰かけたままだったルブラン法務官は眉間に深いシワを刻んだ。


「……元々反対とは言ってない」
「「え」」


 シオンと共に思わず声が漏れ出る。
 いや、それは嘘では? と思わずにはいられない。


「私は誠意を見せろと言ったんだ」
「いや、」
 いやいやいや、十分反対の意が込められたセリフでしたが。
 手籠めにした、後ろ暗いところはないのか、沙汰を持て、君を社会的に殺す手立てはいくらでもある、こう言われて反対されていないと思う方が難しい。
「めちゃくちゃ威圧して言ったんじゃないの? それだけじゃない、他にもあれこれ釘を刺したりしただろ。誠意を見せろなんて、反対してるからこその発言じゃん。反対してないって、そんな主張は苦しいんじゃないの」
「…………」
 シオンの詰問にルブラン法務官は答えなかった。カップの紅茶を飲み干してから、無言のままに立ち上がる。このまま退出するつもりなのだ。
「父さん……!」
 シオンは何か言い募ろうとしたが、ルブラン法務官はそちらには取り合わず何故か俺の肩を掴んだ。
「緊急魔法通信をに私的に使う人間だぞ。しかも、周りに根回しした上でだ。見境のない付き纏いストーカーになると、かなりマズい部類の男だろうに」
「…………」
 耳元で囁かれた。
 やはり、全て見抜かれている。
「ご心配は尤もです」
 言えば、溜め息を吐かれる。
「では、それを払拭して見せたまえ」
 その言葉を最後に、応接間を出て行かれた。


 これは認められたのか、未だ審議中なのか。審議継続なだけ可能性があると思うべきなのか。
 どう捉えるべきだろうかと思案していたら、姉妹たちは気楽そうににこにこと代わる代わるに口を開く。
「まぁまぁ、ウチの敷地内に入れている時点で大丈夫」
「本当に駄目だったら、門前払いだもの」
「ね、お兄さま、アレクセイさん。あまり深刻にとらえなくていいやつよ」
「それよりも!」
 年頃の妹が三人。なかなかに強烈な環境である。三人が三人ともお喋り大好きな属性のようなので、囲まれるともうその包囲網から逃げ出せそうにない。ルブラン法務官の背を追いかけるどころではない。
「ねぇ、お兄さまも面食い!」
「リーゼ、それよりもこの筋肉じゃない? 筋肉フェチなのよ、きっと」
「アレクセイさん、ねぇ、腕に触れても? はしたないかしら」
「いや、構わないが」
 断るほどのことでもないと頷くと、二女のリーゼ嬢が俺の腕にそっと触れた。触れた瞬間、“まぁ……!”と声を上げて、そのまま腕を堪能される。
 ルブラン法務官もそうだが、長男のフェリクス氏も肉体派という感じではない。シオンも鍛錬は怠らないので筋肉がない訳ではないが、体質の問題で隆々といった感じはない。
 もしかすると、自分のようなタイプはこの家では珍しいのかもしれなかった。
「ずるーい、ね、私も私も! わぁ……」
 一番物怖じしないタイプそうな三女のルリア嬢が参戦する。
「レイラ姉さまも触ってみて! この筋肉がお兄さまを虜にしてるんだわ」
「まぁ、これを独り占めに?」
 ご令嬢に取り囲まれて両の二の腕の触り心地を確かめられるという妙な状況。だが、こうなればもう好きにしてくれと身を任せるしかない。
 が、されるがままになっていると、


「こら、あんまりベタベタしない」


 横から腕が入って来て、三人を追い払った。
 たまたまそうなっただけだろうが、三人の間に無理をして割り入ってきたので、こちらに密着するような形になっていて非常に良い体勢である。


「嫉妬だわ!」
「独占欲よ!」
「焼きもちだなんて!」


 そして三姉妹とは非常に仲良くなれそうだと思った。


「もう! 部屋に戻りなさい!」
 もっと言ってくれ。あのシオンがこうも見事に、しかも特別に警戒なんて必要ないだろう身内相手に嫉妬!
 しかも指摘されて耳が赤くなっているのが、見下ろす俺からはよく見える。あと、ついでに言えば右巻きのつむじも可愛い。最高の眺めである。
 そして妹たちはちょっと兄が口うるさくしたくらいではめげないのである。
「ねぇねぇ、アレクセイさん、アルバムを見せて差し上げますわ」
「可愛いのが盛り沢山なんですのよ」
「お兄さまの子どもの頃、ドレスを着たのも沢山あるんですの」
「!」


 ドレス。ドレス!?


「それは本当か。ぜひ拝見したい」
 子どもの頃のシオンなど、天使も目じゃないレベルで可愛いに決まっている。そんなぷちシオンのあんな思い出やこんな思い出だけに留まらず、ドレス姿まであるとは。どう考えてもはちゃめちゃに可愛いに決まっている。見たい。
「こら! こらレイラ! 何をいきなり……!」
「家族写真をご覧頂こうかしらってだけの話よ?」
「っ、駄目! 写真は絶対駄目だ……!」
 シオンはますます顔を真っ赤にして首を横に振ったが、簡単に諦められるものではない。どうしても見たい。
「シオン、見たい」
「駄目だ」
 が、断固として拒否される。
「待ってらして、今用意しますわ。ね、お母さま、アルバムはどこにやったかしら?」
 娘に尋ねられて、部屋に残っていた夫人が思案顔になった。
「どこだったかしら……確か二階の……」
「だ、駄目だって!」
「ね、お母さまとお姉さまがアルバムを見つけて来るまでお話しましょ」
「アレクセイさん、何かお聞きになりたいことはなくて?」


 あぁそうか。当たり前のことだが、ここには俺の知らないシオンが目一杯詰まっているのだ。
 知りたいことが沢山ある。聞かせてもらいたい。
 妹君たちが友好的で良かった。今後お互いにシオンの情報をぜひ交換し合いたいものである。
 が。


「っ、アレク!」
 アルバムを見ることも、昔の話を聞くことも当の本人が許さなかった。
 腕を取られたと思ったら、ものすごい勢いで引かれる。その勢いのまま、部屋の外へと連れていかれた。
「お、おい、シオン!」
「お兄さま!」
「せっかくの機会なのに!」


 妹たちの声が背中で響く。
 が、何やら言い募る声も、すぐに聞こえなくなった。



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