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【第一話】意中の騎士がお見合いするとかで失恋が決定したので娼館でヤケ酒煽ってたら、何故かお仕置きされることになった件について
【第一話】その5
しおりを挟む「どうした、そんな無抵抗で本当にいいのか」
「ぁ、は? ひぇっ」
気が付いたら何故だかズボンをずり下げられて、ナニを扱かれていた。
身体と言うのは実に素直で、酔いに酔っている割にはすぐに反応してどんどん硬度を増していた。
くちゅくちゅと音が鳴るのは、オレが先走りの汁を垂らしているからか。
「ん、やめ、こんなのおかし」
「おかしい? こんなにガチガチにしておいて?」
オレの反応はおかしくない。すこぶる正常だ。
好きなヤツに扱かれているのである。反応しない方が無理。
おかしいのは、お前の方だ、アレク。
「ひっ、まて、まって……!」
どうしてお前がオレのを扱いてみたりする。そっちの穴を指で解したり?
見合い相手はどうした、店の女の子でなくていいのか、相手を間違いすぎでは。
オレは不貞の相手に、泥棒猫になる気はないぞ。
言いたいことはいっぱいあるのに、その全部がろくに言葉にならない。だって与えられる刺激があまりに大きい。
「ひゃうっ!?」
が、先端にねろりと今までとは違う感覚を与えられて、オレは寝台の上で小さく撥ねた。驚いて僅かにシーツから背を浮かせると、とんでもない光景が飛び込んで来る。
「お、お前、オレのしゃぶれんの」
アレクが、オレのものを咥えている。とんでもないことが起きている。
それを見た瞬間、オレの頭の中に一つの答えが弾き出された。
あぁ、なるほど理解した。これは夢だ。
だって超都合のいい、ご褒美みたいな展開だ。何もかもがおかしい。
実際のアレクはオレに欲情とか絶対したりしないしな。
腹立つくらい爽やかで、オレに対して一度もよこしまな空気など出さず、つまりこの顔にもちっとも靡かず、ただただ友人として一番の信頼をオレに寄こして来る。それがアレクセイ。そういうとこが好きになった理由の一部なんだけど。
だから泥酔して、寝落ちして、それでこんな夢を見てるのだとしたなら、めちゃくちゃ納得できる。
こんだけ酒が入っててオレよく勃つなぁとも思っていたが、夢ならいくらでも自由が利くだろう。すごく納得。
「ん、んぁっ、ヤバイ、それ、あ」
それにしてもオレの願望丸出しでウケるなぁてっ言うか、オレ、こんなことまで望んでたのか。
深層心理ってやつ?
思ってたよりえろえろだなー、自分にびっくり、でもきもちーからもうそれでいいや、っていうかヤバい。これちょっと気持ちよすぎでは。オレの妄想力逞しすぎでは。
「アレク、アレク、あ、ホントダメ、出る、出ちゃうからっ」
「ん、飲んでやる」
「いらな、あぁっ!」
背筋に抑えがたい甘い痺れが走る。頭の中が真っ白になる。夢の中でオレはアレクの口淫を受けて、あっさりと頂点に達してしまっていた。
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