31 / 35
31
しおりを挟む
「さて、ベニアを目覚めさせるとしましょうか」
大魔女がそう言った途端、ベニアの目がパッと開いた。
「あ、私寝ちゃってたの? え? ここは? お母様!? え、どうして? 何、どうなっているの? アンドレ?」
狼狽しながらもアンドレを探すとその隣にしっかりと抱きしめられている自分がいる。
ベニアは震える両手を胸の前で合わせ、小さく「嘘、嘘」と呟く。
見覚えのあるここは大魔女の城の大広間。
自分の目から見える赤い巻き毛、白い手、少し痩せたがグラマーな体、ぴったりとした紺色のドレス。
玉座に座る大魔女。
そしてアンドレとエメリア。
ベニアはその事実を受け入れたくなかった。
泣きそうな目でアンドレを睨み怒り声を上げた。
「卑怯よ! 眠っている間にこんなことをするなんて! 酷すぎる! やっぱり知っていて……ずっと私を騙してたのね!」
「笑わせるな! 騙されていたのはこっちだ!」
「最近優しくなったのは……」
「幸せから絶望のどん底に落とされる気分はどうだ、ベニア」
ベニアは衝撃で頭が真っ白になった。
優しいアンドレにそんな仕打ちを受けるとは!
アンドレが優しくなったのはエメリアを殺そうとしたベニアを油断させそれ以上エメリアを狙わないようにさせるためだ。
そして優しく振る舞った後、どん底に突き落として不幸を味わわせてやりたかった。
エメリアが不幸だったように。
「本当なら今すぐにでもお前を殺してしまいたいんだぞ!」
「なっ」
「お前がエメリアに刺客を送ったのを知らないとでも思っているのか!」
ベニアは息を呑んだ。
「し、知らない、私じゃないわ」
大魔女は重い口調で言う。
「お前は自分の体までも殺そうとしたのか。なんと愚かな」
「私じゃないって言っているでしょう!」
しかし侍女がグロス酒場に行ったことを証言した。通常なら貴族令嬢が行く所ではない。
それだけで傭兵ギルドに殺人を依頼しに行ったも同然だ。
「……ベニア、お前は他人の体で愛されて幸せだったか? お前を愛しているのではないのだぞ」
「幸せだったわ! バレる前まではとても幸せだったのよ! でもどうして……?」
アンドレはゾッとした。知らなかった頃の自分が愛していたのはこの女だなんてとんでもない黒歴史だ。
「ある女性が魔女から貰った花で熱病の男性を治したというから伯爵の為に魔女の家に行ったんだ」
「虹色の……花? じゃあエメリアが乾燥させていたのね……」
(あの時私も伯爵家に行っていればアンドレを魔女の家に行かせなかったのに!!)
伯爵家を避けていたことが悔やまれてならない。
「ベニア、本当のお前は愛されたくないのか?」
「え?」
「本当のお前を愛してもらおうとは思わないのか」
「あ、愛してもらおうとしたわ! でも愛してくれなかったの! 彼は私を拒否したの!」
ベニアは頭を抱えながら声を張り上げる。
「男はリトランド伯爵だけではない。心からエルシーを愛していた伯爵がその姉のお前を愛すると思うか? エルシーと出会わなくても、伯爵はお前の事を愛することはなかっただろう。お前とエルシーは違いすぎる」
ベニアの顔が羞恥で赤くなる。
ベニアは時間をかけてでも伯爵を振り向かせようと考えていたのだ。
しかし突然エルシーが自殺して……。
(だめ、だめ、考えたらいけない。考えるな)
ベニアが大きく深呼吸する音が聞こえる。その音は必死に呼吸しようともがき苦しんでいるかのように大袈裟に周りの者に聞こえた。
「他人の振りをしてもいつかは綻びが出る。性格の違う人間の振りをするのはさぞストレスだったに違いない」
(でも舞踏会まではうまくいっていたのよ、何もかも……)
「私はいつもお前に違和感があった」
「何ですって……」
「最初からおかしいと思っていてあまり心が休まる時はなかった」
「ふっ、でも、それなのにあんなに私を愛してくれたじゃない。だからあなたはそんな私でも良かったのよ」
「それは違う! 私はどんなエメリアでも愛することはできるがそれはエメリアでさえあればこそだ。中身がエメリアじゃないなら愛することはできない! あのままだったとしても違和感はどんどん膨らんで愛したいのに愛することができない自分が嫌になって苦しんだかもしれない」
「なによ、そんな綺麗ごと言って」
ここできっぱりと否定しなければ。エメリアを悲しませたくない。
アンドレの手が熱を持ち汗ばんでくる。
エメリアは汗ばむアンドレの手を握り返し、大丈夫だと合図した。
中身が入れ替わっているなんて普通思わない。
アンドレが必死に言い訳をするのが可哀想に思えてくる。
周りは事の次第を理解してざわめいている。
ベニアが気にして周りを見渡すと魔法で作られた檻の中にガーラントがいるのを見つけた。
「ガーラント!」
ベニアに名前を呼ばれてガーラントは力なく微笑む。
「あなたまさか――」
ベニアが檻の中のガーラントを睨みつけると大魔女はベニアの言葉を遮り怒鳴りつけた。
「いい加減にしろ!!」
大広間中に響き渡る声は幾重にもこだまし、人々を震え上がらせるほどの威力がある。
魔法使いの子どもたちは涙目になって母親のスカートの後ろに隠れた。
「ガーラントは何も言っていない。あやつのしたことはアンドレの話で分かったのだ。ああ、もう無駄な話は終わりだ。ベニア、お前に罰を与える」
ベニアは微動だにせず大魔女を見つめる。
あと数か月の命なのに今度はどんな罰だろうか。また呪いだろうか。
どこからともなく、誰に向けていいのかも分からない怒りが体の奥底からメラメラと湧いてくる。
抵抗の様な、覚悟の様な、鋼の鎧で心を武装するような気持ちだ。
ベニアの口の中は緊張でカラカラに乾いている。
「金輪際人間界へ行くことを禁止し――」
「待ってください、母上、姉上は呪いがかかっていなければこんなことはしなかったに違いありません! 魂を入れ替えたのは呪いから逃れたかったのが理由の大部分だったはずです。解いてくれたらもう二度とこんな過ちは犯さないと思います。そうでしょう? 姉上!」
ヨシュアは必死にベニアを庇うが、彼の言うことは間違っている。
呪いから逃れたかったから魂を入れ替えたのではない。
ベニアはただアンドレを愛し、愛されたかっただけなのだ。
「――魔力を無くす」
広間にいる魔法使いから大きなざわめきが起こる。ヨシュアも口をわなわなさせ、あり得ないと耳を疑う。
老化防止魔法をかけている魔法使いならそれは絶対にあってはならないことなのだ。
ベニアは息が止まりそうなほどショックで放心状態になった。
「あんまりだ……。どうしても呪いを解いてくれないと言うのならどうかこのままで残りの数か月を過ごさせてはくれませんか! お願いします、母上! 自分の娘ではないですか!!」
ヨシュアは声が枯れる程懇願するが大魔女にその声が届くことはない。
「大魔女様! 大魔女様!」
ガーラントが叫んでいるのが聞こえる。
「どうか俺も一緒に魔力を奪って下さい! 俺も共犯です」
「ガーラント……」
「ベニア、愛している。お前が俺を愛することがなくても。そしてお前を止めることができなかった俺を許してくれ」
「……ごめんなさい……」
ベニアから大粒の涙が流れ落ちた。
それはガーラントの愛を受け入れることができない謝罪の涙か、自分のこれからに対する恐怖からの涙か、ベニアにもわからない。
「愚か者め。最後の最後までお前のことなどどうでもいいと思っている女の為に……。ガーラント、お前は老化防止魔法をかけた時の留意点を覚えているか」
「承知の上です」
魔力を奪えば老化防止の魔法が解除される。
そして……
「お前の場合すぐ死ぬかもしれないぞ」
「先に逝って待っています」
「そうか。そこまでの覚悟があるのならいいだろう」
大魔女がそう言った途端、ベニアの目がパッと開いた。
「あ、私寝ちゃってたの? え? ここは? お母様!? え、どうして? 何、どうなっているの? アンドレ?」
狼狽しながらもアンドレを探すとその隣にしっかりと抱きしめられている自分がいる。
ベニアは震える両手を胸の前で合わせ、小さく「嘘、嘘」と呟く。
見覚えのあるここは大魔女の城の大広間。
自分の目から見える赤い巻き毛、白い手、少し痩せたがグラマーな体、ぴったりとした紺色のドレス。
玉座に座る大魔女。
そしてアンドレとエメリア。
ベニアはその事実を受け入れたくなかった。
泣きそうな目でアンドレを睨み怒り声を上げた。
「卑怯よ! 眠っている間にこんなことをするなんて! 酷すぎる! やっぱり知っていて……ずっと私を騙してたのね!」
「笑わせるな! 騙されていたのはこっちだ!」
「最近優しくなったのは……」
「幸せから絶望のどん底に落とされる気分はどうだ、ベニア」
ベニアは衝撃で頭が真っ白になった。
優しいアンドレにそんな仕打ちを受けるとは!
アンドレが優しくなったのはエメリアを殺そうとしたベニアを油断させそれ以上エメリアを狙わないようにさせるためだ。
そして優しく振る舞った後、どん底に突き落として不幸を味わわせてやりたかった。
エメリアが不幸だったように。
「本当なら今すぐにでもお前を殺してしまいたいんだぞ!」
「なっ」
「お前がエメリアに刺客を送ったのを知らないとでも思っているのか!」
ベニアは息を呑んだ。
「し、知らない、私じゃないわ」
大魔女は重い口調で言う。
「お前は自分の体までも殺そうとしたのか。なんと愚かな」
「私じゃないって言っているでしょう!」
しかし侍女がグロス酒場に行ったことを証言した。通常なら貴族令嬢が行く所ではない。
それだけで傭兵ギルドに殺人を依頼しに行ったも同然だ。
「……ベニア、お前は他人の体で愛されて幸せだったか? お前を愛しているのではないのだぞ」
「幸せだったわ! バレる前まではとても幸せだったのよ! でもどうして……?」
アンドレはゾッとした。知らなかった頃の自分が愛していたのはこの女だなんてとんでもない黒歴史だ。
「ある女性が魔女から貰った花で熱病の男性を治したというから伯爵の為に魔女の家に行ったんだ」
「虹色の……花? じゃあエメリアが乾燥させていたのね……」
(あの時私も伯爵家に行っていればアンドレを魔女の家に行かせなかったのに!!)
伯爵家を避けていたことが悔やまれてならない。
「ベニア、本当のお前は愛されたくないのか?」
「え?」
「本当のお前を愛してもらおうとは思わないのか」
「あ、愛してもらおうとしたわ! でも愛してくれなかったの! 彼は私を拒否したの!」
ベニアは頭を抱えながら声を張り上げる。
「男はリトランド伯爵だけではない。心からエルシーを愛していた伯爵がその姉のお前を愛すると思うか? エルシーと出会わなくても、伯爵はお前の事を愛することはなかっただろう。お前とエルシーは違いすぎる」
ベニアの顔が羞恥で赤くなる。
ベニアは時間をかけてでも伯爵を振り向かせようと考えていたのだ。
しかし突然エルシーが自殺して……。
(だめ、だめ、考えたらいけない。考えるな)
ベニアが大きく深呼吸する音が聞こえる。その音は必死に呼吸しようともがき苦しんでいるかのように大袈裟に周りの者に聞こえた。
「他人の振りをしてもいつかは綻びが出る。性格の違う人間の振りをするのはさぞストレスだったに違いない」
(でも舞踏会まではうまくいっていたのよ、何もかも……)
「私はいつもお前に違和感があった」
「何ですって……」
「最初からおかしいと思っていてあまり心が休まる時はなかった」
「ふっ、でも、それなのにあんなに私を愛してくれたじゃない。だからあなたはそんな私でも良かったのよ」
「それは違う! 私はどんなエメリアでも愛することはできるがそれはエメリアでさえあればこそだ。中身がエメリアじゃないなら愛することはできない! あのままだったとしても違和感はどんどん膨らんで愛したいのに愛することができない自分が嫌になって苦しんだかもしれない」
「なによ、そんな綺麗ごと言って」
ここできっぱりと否定しなければ。エメリアを悲しませたくない。
アンドレの手が熱を持ち汗ばんでくる。
エメリアは汗ばむアンドレの手を握り返し、大丈夫だと合図した。
中身が入れ替わっているなんて普通思わない。
アンドレが必死に言い訳をするのが可哀想に思えてくる。
周りは事の次第を理解してざわめいている。
ベニアが気にして周りを見渡すと魔法で作られた檻の中にガーラントがいるのを見つけた。
「ガーラント!」
ベニアに名前を呼ばれてガーラントは力なく微笑む。
「あなたまさか――」
ベニアが檻の中のガーラントを睨みつけると大魔女はベニアの言葉を遮り怒鳴りつけた。
「いい加減にしろ!!」
大広間中に響き渡る声は幾重にもこだまし、人々を震え上がらせるほどの威力がある。
魔法使いの子どもたちは涙目になって母親のスカートの後ろに隠れた。
「ガーラントは何も言っていない。あやつのしたことはアンドレの話で分かったのだ。ああ、もう無駄な話は終わりだ。ベニア、お前に罰を与える」
ベニアは微動だにせず大魔女を見つめる。
あと数か月の命なのに今度はどんな罰だろうか。また呪いだろうか。
どこからともなく、誰に向けていいのかも分からない怒りが体の奥底からメラメラと湧いてくる。
抵抗の様な、覚悟の様な、鋼の鎧で心を武装するような気持ちだ。
ベニアの口の中は緊張でカラカラに乾いている。
「金輪際人間界へ行くことを禁止し――」
「待ってください、母上、姉上は呪いがかかっていなければこんなことはしなかったに違いありません! 魂を入れ替えたのは呪いから逃れたかったのが理由の大部分だったはずです。解いてくれたらもう二度とこんな過ちは犯さないと思います。そうでしょう? 姉上!」
ヨシュアは必死にベニアを庇うが、彼の言うことは間違っている。
呪いから逃れたかったから魂を入れ替えたのではない。
ベニアはただアンドレを愛し、愛されたかっただけなのだ。
「――魔力を無くす」
広間にいる魔法使いから大きなざわめきが起こる。ヨシュアも口をわなわなさせ、あり得ないと耳を疑う。
老化防止魔法をかけている魔法使いならそれは絶対にあってはならないことなのだ。
ベニアは息が止まりそうなほどショックで放心状態になった。
「あんまりだ……。どうしても呪いを解いてくれないと言うのならどうかこのままで残りの数か月を過ごさせてはくれませんか! お願いします、母上! 自分の娘ではないですか!!」
ヨシュアは声が枯れる程懇願するが大魔女にその声が届くことはない。
「大魔女様! 大魔女様!」
ガーラントが叫んでいるのが聞こえる。
「どうか俺も一緒に魔力を奪って下さい! 俺も共犯です」
「ガーラント……」
「ベニア、愛している。お前が俺を愛することがなくても。そしてお前を止めることができなかった俺を許してくれ」
「……ごめんなさい……」
ベニアから大粒の涙が流れ落ちた。
それはガーラントの愛を受け入れることができない謝罪の涙か、自分のこれからに対する恐怖からの涙か、ベニアにもわからない。
「愚か者め。最後の最後までお前のことなどどうでもいいと思っている女の為に……。ガーラント、お前は老化防止魔法をかけた時の留意点を覚えているか」
「承知の上です」
魔力を奪えば老化防止の魔法が解除される。
そして……
「お前の場合すぐ死ぬかもしれないぞ」
「先に逝って待っています」
「そうか。そこまでの覚悟があるのならいいだろう」
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠 結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お腹の子も君も僕のものだ。
2度目の離婚はないと思え」
宣利と結婚したのは一年前。
彼の曾祖父が財閥家と姻戚関係になりたいと強引に押したからだった。
父親の経営する会社の建て直しを条件に、結婚を承知した。
かたや元財閥家とはいえ今は経営難で倒産寸前の会社の娘。
かたや世界有数の自動車企業の御曹司。
立場の違いは大きく、宣利は冷たくて結婚を後悔した。
けれどそのうち、厳しいものの誠実な人だと知り、惹かれていく。
しかし曾祖父が死ねば離婚だと言われていたので、感情を隠す。
結婚から一年後。
とうとう曾祖父が亡くなる。
当然、宣利から離婚を切り出された。
未練はあったが困らせるのは嫌で、承知する。
最後に抱きたいと言われ、最初で最後、宣利に身体を預ける。
離婚後、妊娠に気づいた。
それを宣利に知られ、復縁を求められるまではまあいい。
でも、離婚前が嘘みたいに、溺愛してくるのはなんでですか!?
羽島花琳 はじま かりん
26歳
外食産業チェーン『エールダンジュ』グループご令嬢
自身は普通に会社員をしている
明るく朗らか
あまり物事には執着しない
若干(?)天然
×
倉森宣利 くらもり たかとし
32歳
世界有数の自動車企業『TAIGA』グループ御曹司
自身は核企業『TAIGA自動車』専務
冷酷で厳しそうに見られがちだが、誠実な人
心を開いた人間にはとことん甘い顔を見せる
なんで私、子供ができた途端に復縁を迫られてるんですかね……?
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる