16 / 35
16
しおりを挟む
五月になって温かく快適な気候になると街は活気づき社交シーズンが始まる。
特に六月の夏至の日の王室主催の舞踏会に向けブティックや宝石店はバタバタと忙しい。
現在アンドレの邸には舞踏会用のドレスを作成するため首都の人気デザイナーが赴いている。
デザイナーはスタイルがよく美しいエメリアにドレスを作成できるなど光栄だと褒め称え、ベニアもすっかりその気になって機嫌が良い。
そしてここにはもう一人、結婚式のガーデンパーティーでエメリアと知り合いになったマリナ嬢がいた。
彼女はエメリアの美しさに憧れ是非お友達になりたいと言って、それ以来たくさんの手土産と共に頻繁にこの邸に遊びに来るようになった。
実はこの舞踏会には最初は出席する意思はなく、もう少し貴族のマナーを学んでから冬の舞踏会に出ればいいと考えていた。
王族に会えるかもしれない場所で失敗したくはない。
しかしマリナが絶対参加するべきだ、王族も絶対にエメリアの美しさを褒め称え一躍社交界で脚光を浴びる存在になるに違いないなどと囃し立てたため、ベニアはその気になってしまい出席すると返事を出してしまったのだ。
この国では満十七歳から大人とみなされ、舞踏会は十七歳以上でなければ出席できないと法律で決まっている。
出席を勧めたマリナ本人は十六歳で出席できないため、羨ましそうにしている。
マリナを余所に、デザイナーがエメリアの肌に合う色見本を手に持って、色の白さを際立たせるなら青系統の色、華やかさを強調したいなら青みがかったピンク系などもいいと、鏡に映るエメリアを見ながら色々とアドバイスしている。
「どのようなスタイルのドレスになさるかはお決めになっているのでしょうか」
「いいえ、まだなの。よくわからなくて。でもボリュームのあるスカートはあまり好きではないわ」
「でしたらちょうど今年の流行はボリュームを抑えたドレスになっておりますので奥様のお気に召すデザインがこの中にあるかもしれません」
そう言って分厚いデザイン画を取り出した。
マリナ嬢は横からそれを覗いて喜々としてあーでもないこーでもないと口を出し まるで自分のドレスを選ぶような熱の入れようだ。
大人しそうな顔をして、結構図々しいマリナがベニアはちょっと苦手だ。
一方、侯爵邸に通い仕事をしているアンドレは休憩中、結婚してからのエメリアが結婚前とは大分違うことに違和感を覚えなんともいえない気持ちになっていた。
(どんなエメリアでも愛しているがまるで別人なんだよなぁ)
友達と一緒にいるよりは魔女の森で薬草を摘んだり知識を深めたり、そういうことの方が好きだったはずが、今ではすっかり普通の令嬢のようにドレスや宝石に興味を持って薬草の事などどこ吹く風だ。
魔女の森に行かなくなったのでアンドレとしては安心すべきことだがやはりもやもやする。
それにもう一つの大きな違和感は、彼女との夫婦生活だ。
エメリアは確かに処女だった。
だが彼女の振る舞いがどうしても慣れた女性のようにしか思えず、男の自分でさえびっくりしてしまうこともある。
エメリアは一度は自分との婚約破棄を考えたほどだ。
多少自信を失っているアンドレの思考はどんどん悪い方へと向かって行く。
(ガーデンパーティーでの社交性……)
(もしかして……)
(……)
アンドレはブルンブルンと頭を大きく横に振って考えを打ち消した。
息抜きをするとすぐに変わってしまったエメリアの事を考えてしまい、幸せな気持ちになるどころかかえって心が休まらない。
「どうした、浮かない顔して」
「別になんでもありません」
「さっきからため息ばかりついているぞ。夫婦喧嘩でもしたのか」
「してません」
「ならいいが。そうだ、今度領地視察に行こうと思うが気分転換に私の代わりに行ってみるか」
「いいのですか」
「リトランド領と接しているなんの問題もない所だ。今回は次期領主として顔を見せてこい」
「はい、わかりました」
**********
魔女の家でエメリアは虹色の花を十日以上天日干しにして乾燥したものをハサミで細かく刻んでいた。
虹色の花はドライフラワーにしても輝きだけは失われず、飾っておくだけでも美しいがやはり万能薬として使う方がいい。
刻んだその細かい輝きは小さな宝石の粒のようだ。
エメリアは入れ替わった最初の頃は絶望してただ悲観する毎日を送っていたが、そんな毎日にも飽きてきて、ただ死ぬ日を待つだけではなくなんとか役に立つことをしてから死のうと考えるようになった。
そして春分の日からちょうど三週間後に三本の虹色の花が花壇に咲いているのを見つけた。
最初は咲く時期が違うためまさかそうだとは思わなかったが、どう見ても花弁は虹色に輝いている。
だから自分たちが今まで信じていた方が間違いだったんだと思い至った。
見つからないはずである。
万能薬は三本分しか作ることはできないが、半年後も咲くだろうから少しずつ作っていけばいい。
後はリリーになんとかして渡すだけだがそれをどうやって伝えるかをエメリアは考えていた。
砕き終わってベッドに横になると大きく伸びをした。
「んーーーふぅ、疲れた」
体がすぐ根を上げるのは圧倒的に食べる量が少ないからだ。
(なんだか来年になる前に死にそうだわ)
エメリアは自虐的になることで平静を装っている。
死ぬまでの時間を精一杯悔いなく過ごそうとしたくても体力が追い付かない。
体力が無くなると気力も無くなり思考が段々ネガティブになってくる。
そんな状態の時にこうなった経緯とアンドレ、父、リリー宛に一通ずつ手紙を書いて引き出しにしまってある。
内容はネガティブ思考の時に書いただけあってなかなか暗く女々しいが何回か書き直してなんとか普通の手紙に近づけたつもりだ。
エメリアは死んだ後でもいいからいつかここにいた自分が本当のエメリアなのだと分かればいいと思っている。
今日は昼にジャガイモとにんじんを茹でたものとヨモギやつくし、カラスノエンドウなどの野草と畑のえんどう豆、ビワを食べた。
それぞれが少量ずつなのでお腹いっぱいにはならない。
森に出るとキイチゴやビワ、杏が生っているが量としては微々たるものだ。
既に虫や鳥に食われていたりする。
幸い火の起こし方はリリーに教えてもらっていた。
正直貴族令嬢には必要ないことでも教えてくれたのは、エメリアはそういうことに興味がある子どもだとリリーが思ったからだ。
リリーは軍人だった父親から授かった知識をエメリアに受け継がせようと、子どもの頃から機会があるごとに教えていた。
それがこんな風に役立つとは。いや、でもこんな所で役立ってもリリーは決して嬉しくはないだろう。
火の起こし方だが、教えてもらったのは火きり板と火きり棒の間に摩擦熱を起こす方法だ。火きり板などは自然にあるものをナイフで加工して作ることができる。
しかし入れ替わった日に暖炉が焚かれていたのでわざわざ火起こしする必要なくとても助かった。
現在その火を絶やさないようにして料理やお風呂に使用しているが、最近は気温も高くなってきたので暖炉はそろそろおしまいだ。
(ベニアは魔女だから料理なんてしなくても良かったのかしら。でも一応食材は保存してあるし、なんでもかんでも魔法でってことでもなかったのかも)
エメリアは重い腰を上げてジャガイモの皮を剥きはじめた。
特に六月の夏至の日の王室主催の舞踏会に向けブティックや宝石店はバタバタと忙しい。
現在アンドレの邸には舞踏会用のドレスを作成するため首都の人気デザイナーが赴いている。
デザイナーはスタイルがよく美しいエメリアにドレスを作成できるなど光栄だと褒め称え、ベニアもすっかりその気になって機嫌が良い。
そしてここにはもう一人、結婚式のガーデンパーティーでエメリアと知り合いになったマリナ嬢がいた。
彼女はエメリアの美しさに憧れ是非お友達になりたいと言って、それ以来たくさんの手土産と共に頻繁にこの邸に遊びに来るようになった。
実はこの舞踏会には最初は出席する意思はなく、もう少し貴族のマナーを学んでから冬の舞踏会に出ればいいと考えていた。
王族に会えるかもしれない場所で失敗したくはない。
しかしマリナが絶対参加するべきだ、王族も絶対にエメリアの美しさを褒め称え一躍社交界で脚光を浴びる存在になるに違いないなどと囃し立てたため、ベニアはその気になってしまい出席すると返事を出してしまったのだ。
この国では満十七歳から大人とみなされ、舞踏会は十七歳以上でなければ出席できないと法律で決まっている。
出席を勧めたマリナ本人は十六歳で出席できないため、羨ましそうにしている。
マリナを余所に、デザイナーがエメリアの肌に合う色見本を手に持って、色の白さを際立たせるなら青系統の色、華やかさを強調したいなら青みがかったピンク系などもいいと、鏡に映るエメリアを見ながら色々とアドバイスしている。
「どのようなスタイルのドレスになさるかはお決めになっているのでしょうか」
「いいえ、まだなの。よくわからなくて。でもボリュームのあるスカートはあまり好きではないわ」
「でしたらちょうど今年の流行はボリュームを抑えたドレスになっておりますので奥様のお気に召すデザインがこの中にあるかもしれません」
そう言って分厚いデザイン画を取り出した。
マリナ嬢は横からそれを覗いて喜々としてあーでもないこーでもないと口を出し まるで自分のドレスを選ぶような熱の入れようだ。
大人しそうな顔をして、結構図々しいマリナがベニアはちょっと苦手だ。
一方、侯爵邸に通い仕事をしているアンドレは休憩中、結婚してからのエメリアが結婚前とは大分違うことに違和感を覚えなんともいえない気持ちになっていた。
(どんなエメリアでも愛しているがまるで別人なんだよなぁ)
友達と一緒にいるよりは魔女の森で薬草を摘んだり知識を深めたり、そういうことの方が好きだったはずが、今ではすっかり普通の令嬢のようにドレスや宝石に興味を持って薬草の事などどこ吹く風だ。
魔女の森に行かなくなったのでアンドレとしては安心すべきことだがやはりもやもやする。
それにもう一つの大きな違和感は、彼女との夫婦生活だ。
エメリアは確かに処女だった。
だが彼女の振る舞いがどうしても慣れた女性のようにしか思えず、男の自分でさえびっくりしてしまうこともある。
エメリアは一度は自分との婚約破棄を考えたほどだ。
多少自信を失っているアンドレの思考はどんどん悪い方へと向かって行く。
(ガーデンパーティーでの社交性……)
(もしかして……)
(……)
アンドレはブルンブルンと頭を大きく横に振って考えを打ち消した。
息抜きをするとすぐに変わってしまったエメリアの事を考えてしまい、幸せな気持ちになるどころかかえって心が休まらない。
「どうした、浮かない顔して」
「別になんでもありません」
「さっきからため息ばかりついているぞ。夫婦喧嘩でもしたのか」
「してません」
「ならいいが。そうだ、今度領地視察に行こうと思うが気分転換に私の代わりに行ってみるか」
「いいのですか」
「リトランド領と接しているなんの問題もない所だ。今回は次期領主として顔を見せてこい」
「はい、わかりました」
**********
魔女の家でエメリアは虹色の花を十日以上天日干しにして乾燥したものをハサミで細かく刻んでいた。
虹色の花はドライフラワーにしても輝きだけは失われず、飾っておくだけでも美しいがやはり万能薬として使う方がいい。
刻んだその細かい輝きは小さな宝石の粒のようだ。
エメリアは入れ替わった最初の頃は絶望してただ悲観する毎日を送っていたが、そんな毎日にも飽きてきて、ただ死ぬ日を待つだけではなくなんとか役に立つことをしてから死のうと考えるようになった。
そして春分の日からちょうど三週間後に三本の虹色の花が花壇に咲いているのを見つけた。
最初は咲く時期が違うためまさかそうだとは思わなかったが、どう見ても花弁は虹色に輝いている。
だから自分たちが今まで信じていた方が間違いだったんだと思い至った。
見つからないはずである。
万能薬は三本分しか作ることはできないが、半年後も咲くだろうから少しずつ作っていけばいい。
後はリリーになんとかして渡すだけだがそれをどうやって伝えるかをエメリアは考えていた。
砕き終わってベッドに横になると大きく伸びをした。
「んーーーふぅ、疲れた」
体がすぐ根を上げるのは圧倒的に食べる量が少ないからだ。
(なんだか来年になる前に死にそうだわ)
エメリアは自虐的になることで平静を装っている。
死ぬまでの時間を精一杯悔いなく過ごそうとしたくても体力が追い付かない。
体力が無くなると気力も無くなり思考が段々ネガティブになってくる。
そんな状態の時にこうなった経緯とアンドレ、父、リリー宛に一通ずつ手紙を書いて引き出しにしまってある。
内容はネガティブ思考の時に書いただけあってなかなか暗く女々しいが何回か書き直してなんとか普通の手紙に近づけたつもりだ。
エメリアは死んだ後でもいいからいつかここにいた自分が本当のエメリアなのだと分かればいいと思っている。
今日は昼にジャガイモとにんじんを茹でたものとヨモギやつくし、カラスノエンドウなどの野草と畑のえんどう豆、ビワを食べた。
それぞれが少量ずつなのでお腹いっぱいにはならない。
森に出るとキイチゴやビワ、杏が生っているが量としては微々たるものだ。
既に虫や鳥に食われていたりする。
幸い火の起こし方はリリーに教えてもらっていた。
正直貴族令嬢には必要ないことでも教えてくれたのは、エメリアはそういうことに興味がある子どもだとリリーが思ったからだ。
リリーは軍人だった父親から授かった知識をエメリアに受け継がせようと、子どもの頃から機会があるごとに教えていた。
それがこんな風に役立つとは。いや、でもこんな所で役立ってもリリーは決して嬉しくはないだろう。
火の起こし方だが、教えてもらったのは火きり板と火きり棒の間に摩擦熱を起こす方法だ。火きり板などは自然にあるものをナイフで加工して作ることができる。
しかし入れ替わった日に暖炉が焚かれていたのでわざわざ火起こしする必要なくとても助かった。
現在その火を絶やさないようにして料理やお風呂に使用しているが、最近は気温も高くなってきたので暖炉はそろそろおしまいだ。
(ベニアは魔女だから料理なんてしなくても良かったのかしら。でも一応食材は保存してあるし、なんでもかんでも魔法でってことでもなかったのかも)
エメリアは重い腰を上げてジャガイモの皮を剥きはじめた。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
誰にも言えないあなたへ
天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。
マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。
年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。

いつかの空を見る日まで
たつみ
恋愛
皇命により皇太子の婚約者となったカサンドラ。皇太子は彼女に無関心だったが、彼女も皇太子には無関心。婚姻する気なんてさらさらなく、逃げることだけ考えている。忠実な従僕と逃げる準備を進めていたのだが、不用意にも、皇太子の彼女に対する好感度を上げてしまい、執着されるはめに。複雑な事情がある彼女に、逃亡中止は有り得ない。生きるも死ぬもどうでもいいが、皇宮にだけはいたくないと、従僕と2人、ついに逃亡を決行するのだが。
------------
復讐、逆転ものではありませんので、それをご期待のかたはご注意ください。
悲しい内容が苦手というかたは、特にご注意ください。
中世・近世の欧風な雰囲気ですが、それっぽいだけです。
どんな展開でも、どんと来いなかた向けかもしれません。
(うわあ…ぇう~…がはっ…ぇえぇ~…となるところもあります)
他サイトでも掲載しています。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる