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8 魔女の死
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冬になり魔女の家の周りの木々の葉はもうほとんど枯れ落ちている。
かろうじて枝に縋りついている黄色い葉は弱い風に心もとなげに揺れた。
夏場は葉に隠れて見えなかった魔女の家はすぐに目に入るだろう。
だがそれはただの空き家としてしか映らないかもしれない。
花壇には秋に咲いた曼珠沙華の茎だけが残り、庭の野菜も森の動物に食い散らかされたままで蟻が群がっている。
玄関前の足場には雑草が生え始めて軒裏には蜘蛛の巣も張っている。
一瞬風が強く吹き、花壇の上に置いてあったジョーロがカタンと下に落ちた。
人が誰も住んでいない家はこんな風に荒れ果てていくのだろう。
しかしその家の中ではエメリアが静かにベッドに横たわっていた。
(最近力が出てこない……気力もなんだか……)
エメリアはいくら食べても全く太ることはなく日が経つにつれてやせ細っていった。
鏡で顔を見ると目の下に隈ができ、肌はくすんで頬はこけ、生気のない病人のようで鏡を見るたびに落ち込む。
エメリアが初めて見たベニアはこんな顔ではなかった。
もっと健康的で、赤い巻き髪にも艶があって気の強い顔をしていた。
他人の体だから、いずれ入れ替わる体だからと疎かにするつもりはなく、自分がこの体に入っている間は全て自分が感じることなので体調には気を遣っていたし清潔にもしていた。
魔法が使えるようになってからはしっかり食べてもいたのだ。
最大限の努力はしていた。
気を奮い立たせて絶望することなく一生懸命暮らしてきた。
それでも抗えない力によって体が弱ってくるのを止めることはできなかった。
年が明けて一月に入ってから急激に体調が悪化した。
ベッドから立ち上がる元気も失われ今ではほぼ寝たきりになってしまった。
こうなるといくら魔法が使えても何にもならない。
食事をする元気もないのだ。
エメリアをかろうじて支えているのはあと一か月ベニアとして過ごせば元に戻れるという儚い希望だけだった。
しかしそれは単に気づきたくない真実に蓋をしているだけだ。
死にゆく自分を認めたくない。
もしこのまま動くことができずにこの体が死んだとしても、気が付けばエメリアとして目が覚めるんだと、無理やりそう思うことにしていた。
(アンドレは少しも変だと思わなかったのかしら……)
天井を見つめながらアンドレの笑顔を思い出した。
温かいまなざし。温かい手。握り締める手から伝わる絶対的な愛情。
自分を宝物のように扱うアンドレの気遣い。
やさしい口づけ。
一年前のエメリアは周りから守られていたせいかあまりにも幼くて、男を奪ってやろうという女の悪意に気付くことができなかった。
ベニアが外の世界で暮らしたいと言ったことを信じた。
ただ騙されていてもいなくても、あの時は選択肢は一つしかなかったのだ。
仕方がない。仕方がない。
エメリアはギュッと目を瞑った。
(何も知らない彼も被害者だわ。でもずっと騙されたままでいれば被害者にはならないのかしら。それはそれで幸せ……?)
アンドレも、自分の体でさえも、エメリアにはもう遠い存在になってしまった。
外はパラパラと粉雪が降ってきた。
冷え込みは一段と強まり、エメリアは薄い布団にくるまって震えていた。
痩せこけた体には寒さが殊のほか堪える。
今日が何日なのか既にわからなくなっていて、朝と夜の感覚もない。
それでもまだかろうじて何かを考える力は残っていた。
(お父様……)
入れ替わったことで良かったことが一つだけある。
虹色の花を父親に飲ませることができたことだ。
それはこの家に住むようになっていなければ成し得なかったことだ。
(リリーは必ずお父様に飲ませたはず。私はお父様の命を助けることができた……)
そう思うだけでもエメリアの心に多少の明るい光が差し込んでくる。
その光は希望を捨てないという気持ちをもう一度思い起こさせるエネルギーになった。
エメリアは呪文のように戻れる、戻れると何度も頭の中で繰り返した。
その姿はまるで枝に必死に縋って落ちないでいる枯葉の様だった。
ベニアがアンドレに恋をした日から一年後――
静かな部屋の中で今にも途切れそうな弱弱しい呼吸だけが周りの空気を揺らしていた。
(大丈夫……大丈夫……)
(目覚めたら……)
(……アン…レ…)
うつろな目で天井を見つめていると急速に視界が小さい円の中に萎んでいくように遠のいていき、エメリアの意識がシャットダウンした。
エメリアはベニアの体と共にあの世へと旅立った。
**********
ベニアのつわりはすっかり良くなった。
メイドたちは常に気を遣ってくれいているしアンドレも優しい。
毎日が幸せで仕方がないベニアはエメリアが死んで以降、つわりが治まったのとは別に、確実に以前とは違う体調の良さを感じていて、魂と体の調和がとれたような気がしていた。
これでもう何も怖れるものはない。不自然に魔女の森を忌避する必要もない。
ただ一つ気にかかっていることは自分の体だ。
自分の体がどんな状態で亡くなっているのか知りたかったし、できるなら土に埋めたいとも思っている。
そのままにしておくことは自分の体だっただけに避けたかった。
そしてエメリアが死んだ三日後、アンドレが仕事に出た後に魔女の家に行くことを決めた。
妊娠しているため一人で行くのも心細かったので口の固い侍女と一緒だ。
魔女の家に到着したベニアは死体を探した。
死体を発見したら驚いたふりをして侍女に葬儀屋を呼んできてもらうつもりだった。
しかしベッドの上にも家の他の場所にもどこにもない。
不思議に思いながら庭の方を見ると、明らかに他の土とは色が違う場所がある。
急いで庭に出ると、人間が一人入るくらいの大きさに掘られた形跡があった。
そしてその近くに ”ベニアここに眠る” と書かれた木の板が立てかけてあり、花が添えられていた。
(一体誰が?)
まずガーラントではない。
彼はこの世界に暮らすことを大魔女から禁じられている。
ヨシュアがずっとこの世界に居たとしても頻繁に会いに来るはずで、こんなことをしたら必ずベニアに知らせに来るはずだ。
(私の知らない誰かと知り合いにでもなったのかしら。だとしたらその人に本当のことを話しているかもしれない。それがアンドレに知れたら……)
幸せだったベニアの心に大きな不安の種が蒔かれた。
心臓がバクバクして汗がにじみ出てくる。
そんな主人を見た侍女が心配そうに尋ねた。
「奥様、顔色が悪いように見えますが大丈夫ですか?」
「え、ええ……、大丈夫よ、なんでもないわ」
「体調が悪いようでしたらもう馬車に戻った方がいいのでは」
「そうね、戻るとするわ」
森の出口に向かって歩いていると侍女が尋ねてきた。
「あれはお墓の様でしたがその方にお会いになるためにいらしたのですか?」
「そうよ。具合が悪いのは知っていたのだけどまさが亡くなっていたなんて知らなかったわ。ちょうど私もつわりで調子が悪かったこともあって、なかなかお見舞いにも来ることができず……本当に残念だわ」
次から次へと嘘が口から出てくる。
「心配かけたくないから今日ここへ来たことはアンドレには内緒にしてね」
「承知しました」
侍女はあの家が魔女の家と言われていることを知っていたため、主人がそこに住んでいる人と知り合いだったと知って内心驚いた。
だが元々この領地の娘だったのだから知っていて当然なのかもしれないとあっさりと納得した。
かろうじて枝に縋りついている黄色い葉は弱い風に心もとなげに揺れた。
夏場は葉に隠れて見えなかった魔女の家はすぐに目に入るだろう。
だがそれはただの空き家としてしか映らないかもしれない。
花壇には秋に咲いた曼珠沙華の茎だけが残り、庭の野菜も森の動物に食い散らかされたままで蟻が群がっている。
玄関前の足場には雑草が生え始めて軒裏には蜘蛛の巣も張っている。
一瞬風が強く吹き、花壇の上に置いてあったジョーロがカタンと下に落ちた。
人が誰も住んでいない家はこんな風に荒れ果てていくのだろう。
しかしその家の中ではエメリアが静かにベッドに横たわっていた。
(最近力が出てこない……気力もなんだか……)
エメリアはいくら食べても全く太ることはなく日が経つにつれてやせ細っていった。
鏡で顔を見ると目の下に隈ができ、肌はくすんで頬はこけ、生気のない病人のようで鏡を見るたびに落ち込む。
エメリアが初めて見たベニアはこんな顔ではなかった。
もっと健康的で、赤い巻き髪にも艶があって気の強い顔をしていた。
他人の体だから、いずれ入れ替わる体だからと疎かにするつもりはなく、自分がこの体に入っている間は全て自分が感じることなので体調には気を遣っていたし清潔にもしていた。
魔法が使えるようになってからはしっかり食べてもいたのだ。
最大限の努力はしていた。
気を奮い立たせて絶望することなく一生懸命暮らしてきた。
それでも抗えない力によって体が弱ってくるのを止めることはできなかった。
年が明けて一月に入ってから急激に体調が悪化した。
ベッドから立ち上がる元気も失われ今ではほぼ寝たきりになってしまった。
こうなるといくら魔法が使えても何にもならない。
食事をする元気もないのだ。
エメリアをかろうじて支えているのはあと一か月ベニアとして過ごせば元に戻れるという儚い希望だけだった。
しかしそれは単に気づきたくない真実に蓋をしているだけだ。
死にゆく自分を認めたくない。
もしこのまま動くことができずにこの体が死んだとしても、気が付けばエメリアとして目が覚めるんだと、無理やりそう思うことにしていた。
(アンドレは少しも変だと思わなかったのかしら……)
天井を見つめながらアンドレの笑顔を思い出した。
温かいまなざし。温かい手。握り締める手から伝わる絶対的な愛情。
自分を宝物のように扱うアンドレの気遣い。
やさしい口づけ。
一年前のエメリアは周りから守られていたせいかあまりにも幼くて、男を奪ってやろうという女の悪意に気付くことができなかった。
ベニアが外の世界で暮らしたいと言ったことを信じた。
ただ騙されていてもいなくても、あの時は選択肢は一つしかなかったのだ。
仕方がない。仕方がない。
エメリアはギュッと目を瞑った。
(何も知らない彼も被害者だわ。でもずっと騙されたままでいれば被害者にはならないのかしら。それはそれで幸せ……?)
アンドレも、自分の体でさえも、エメリアにはもう遠い存在になってしまった。
外はパラパラと粉雪が降ってきた。
冷え込みは一段と強まり、エメリアは薄い布団にくるまって震えていた。
痩せこけた体には寒さが殊のほか堪える。
今日が何日なのか既にわからなくなっていて、朝と夜の感覚もない。
それでもまだかろうじて何かを考える力は残っていた。
(お父様……)
入れ替わったことで良かったことが一つだけある。
虹色の花を父親に飲ませることができたことだ。
それはこの家に住むようになっていなければ成し得なかったことだ。
(リリーは必ずお父様に飲ませたはず。私はお父様の命を助けることができた……)
そう思うだけでもエメリアの心に多少の明るい光が差し込んでくる。
その光は希望を捨てないという気持ちをもう一度思い起こさせるエネルギーになった。
エメリアは呪文のように戻れる、戻れると何度も頭の中で繰り返した。
その姿はまるで枝に必死に縋って落ちないでいる枯葉の様だった。
ベニアがアンドレに恋をした日から一年後――
静かな部屋の中で今にも途切れそうな弱弱しい呼吸だけが周りの空気を揺らしていた。
(大丈夫……大丈夫……)
(目覚めたら……)
(……アン…レ…)
うつろな目で天井を見つめていると急速に視界が小さい円の中に萎んでいくように遠のいていき、エメリアの意識がシャットダウンした。
エメリアはベニアの体と共にあの世へと旅立った。
**********
ベニアのつわりはすっかり良くなった。
メイドたちは常に気を遣ってくれいているしアンドレも優しい。
毎日が幸せで仕方がないベニアはエメリアが死んで以降、つわりが治まったのとは別に、確実に以前とは違う体調の良さを感じていて、魂と体の調和がとれたような気がしていた。
これでもう何も怖れるものはない。不自然に魔女の森を忌避する必要もない。
ただ一つ気にかかっていることは自分の体だ。
自分の体がどんな状態で亡くなっているのか知りたかったし、できるなら土に埋めたいとも思っている。
そのままにしておくことは自分の体だっただけに避けたかった。
そしてエメリアが死んだ三日後、アンドレが仕事に出た後に魔女の家に行くことを決めた。
妊娠しているため一人で行くのも心細かったので口の固い侍女と一緒だ。
魔女の家に到着したベニアは死体を探した。
死体を発見したら驚いたふりをして侍女に葬儀屋を呼んできてもらうつもりだった。
しかしベッドの上にも家の他の場所にもどこにもない。
不思議に思いながら庭の方を見ると、明らかに他の土とは色が違う場所がある。
急いで庭に出ると、人間が一人入るくらいの大きさに掘られた形跡があった。
そしてその近くに ”ベニアここに眠る” と書かれた木の板が立てかけてあり、花が添えられていた。
(一体誰が?)
まずガーラントではない。
彼はこの世界に暮らすことを大魔女から禁じられている。
ヨシュアがずっとこの世界に居たとしても頻繁に会いに来るはずで、こんなことをしたら必ずベニアに知らせに来るはずだ。
(私の知らない誰かと知り合いにでもなったのかしら。だとしたらその人に本当のことを話しているかもしれない。それがアンドレに知れたら……)
幸せだったベニアの心に大きな不安の種が蒔かれた。
心臓がバクバクして汗がにじみ出てくる。
そんな主人を見た侍女が心配そうに尋ねた。
「奥様、顔色が悪いように見えますが大丈夫ですか?」
「え、ええ……、大丈夫よ、なんでもないわ」
「体調が悪いようでしたらもう馬車に戻った方がいいのでは」
「そうね、戻るとするわ」
森の出口に向かって歩いていると侍女が尋ねてきた。
「あれはお墓の様でしたがその方にお会いになるためにいらしたのですか?」
「そうよ。具合が悪いのは知っていたのだけどまさが亡くなっていたなんて知らなかったわ。ちょうど私もつわりで調子が悪かったこともあって、なかなかお見舞いにも来ることができず……本当に残念だわ」
次から次へと嘘が口から出てくる。
「心配かけたくないから今日ここへ来たことはアンドレには内緒にしてね」
「承知しました」
侍女はあの家が魔女の家と言われていることを知っていたため、主人がそこに住んでいる人と知り合いだったと知って内心驚いた。
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