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「んーーーー」
エメリアはお風呂の湯船に水を注いだ後大きく伸びをした。
「ふぅ……魔女なんだから魔法くらい使えたらよかったのに」
体が入れ替わって一週間が経った。
体のあちこちが筋肉痛で悲鳴を上げている。
この体が筋肉痛になるということは普段からベニアは水汲みなんかしておらず、魔法でやっていたのだ。
エメリアはあと少しで注ぎ終わるという所で一休みしながらぶつぶつ文句を言っている。
どうせ一年間魔女の体で生活するなら魔法を使ってみたかったがその方法がわからない。
「魂が違うと使えないのかな。聞いておけばよかった。でも教えてなんてくれないわよね」
今のところ一番苦労しているのはお風呂だ。
まず何往復もして井戸から水を汲んでそしてそれを温める薪も用意して火をつけなくてはいけない。
その一連の作業を魔法でできればいいのにとエメリアは心から思った。
料理は茹でたり炒めるだけだがなんとか自分で作ることができるようになった。
この森から出ることができないので買い物には行けず全て自分で用意しなければならないのは一応貴族として育ったエメリアにはハードルが高かった。
しかし幸いジャガイモやにんじんなど野菜は沢山保存されていたので今のところ食材に困ることはない。
畑にはえんどう豆やラディッシュが生っていたしいざとなったらそこら辺に生えている草だって食べる覚悟はある。
薬草と思えばいいのだ。
ただ、森の動物を捕獲してそれを捌いてたべるなんて芸当はとてもじゃないができない。
エメリアの一日は生活するのに精いっぱいで、夜には疲労困憊している。
これをあと一年、正確には十一か月だとベニアは言っていたが、続けなければいけない。
(リリーにはちゃんと薬草を飲ませてくれたかしら。お父様は私の中身が違うって気付いたかしら。お仕事で忙しいから無理かな。アンドレはもしかしたら少し気付くかもしれないけど。……やっぱり淋しいな。……ああ、でもベニアはこの環境でずっと一人だったのよね。命を救ってくれた恩返しと人助けと思えばどうってことないわ)
もう入れ替わってしまったのだから今更嘆いても仕方がない。
自分でまいた種なんだからとベッドに横になってあれこれ考えていたら眠くなって寝てしまった。
春分の日がやってきた。
毎年この日は乳母と一緒に春分の日と秋分の日の二日間だけ咲く万病に効くという虹色の花を魔女の森に探しに来ていた。
(今日リリーが探しに来たら会えるかもしれない!)
だがすぐにエメリアはその考えを捨てた。
ベニアが魔女の森に来るわけがない。
リリーもエメリアが行かないと言ったら一人で来ることなんてしないだろう。
エメリアはいつもは探さなかった魔女の家の裏手の方に探しに行こうと家を出た。
するとすぐに遺跡の様なものが見えてきた。
人間の背丈の半分くらいの高さの石がいくつか円形に並べられている。
(遺跡のようだけど。でも聞いたことない。こんなのあったんだ)
それほど遺跡には興味を示さずに今日はその周りで花を探し続けることにした。
そもそもどんな花なのか見たことが無いので、ただ虹色に輝くということだけを頼りに探すのは結構大変だ。
せめて大きい花か小さい花かくらいはわかっていればいいのにそれすらわかっていない。
暫く探したが花は見つからず、気づけば日も暮れそうになっていたので早々に切り上げて帰ることにした。
バン!
「ベニアー」
「ひっ!」
家に帰ってきてローズヒップティーでも飲もうとお湯を沸かしていたらいきなり玄関を開けて紫の髪と紫の瞳をした男が入って来た。
ベニアの事を知っている男らしい。
内心怖かったが親しげに入って来たから悪い人ではなさそうだ。
(ベニアは訪ねてくる人はいないって言っていたのに。私はベニアじゃないって言った方がいいかしら。どうしよう……)
どうしていいかわからず戸惑っていると男はいきなり抱き着いてきた。
びっくりして男の腕から逃げようとしたが力が強くて逃げられない。
「ちょっと離して!」
「なんだよ、俺とお前の仲だろ。今更どうしたんだよ」
(えー、仲ってそういう仲ってこと? 聞いてないわよ!)
「あれ、ちょっと痩せたか?」
エメリアが漸く腕から逃れ男から距離を取ると男は何かに気付いたように目を見開いて言った。
「お前、誰だ?」
「……」
エメリアが黙っていると何かを察したようにしてチッと舌打ちをした。
そしてテーブルの椅子に座り呆れたようにため息を吐き、人差し指でトントンとテーブルの上を叩いている。
エメリアは自分がベニアではないことを言ってもよさそうだと判断した。
「あの……私はベニアじゃありません」
「……ああ。どういうことなのか聞かせてくれ」
ヤカンから湯気がもくもくと出ている。
お湯が沸いたのでエメリアは自分のローズヒップティーと一緒にこの男にも同じものを出した。
お茶請けの様なものはもちろん無いが別にいいかと思っていたら、いつの間にかテーブルの上にはキャンディーやクッキーなど様々なお菓子とフルーツが沢山並んでいた。
この男が魔法で出したようだ。
エメリアはそれらにびっくりしながらも入れ替わった経緯を話した。
魔法の契約書、欲しいものは私の体だと言われた話。
そして呪いであと一年の命だから森の外で生きてみたいと言っていたと言うと、男の顔は俄かに真っ青になった。
「呪い? じゃあベニアは誰かを好きに? だから……。ああクソ!」
男はテーブルの上に両肘をついて頭を抱えた。
「誰かを好きにって?」
「何も聞いていないのか?」
「一年後に死ぬ呪いがかけられているとだけ聞きました」
「……ベニアには愛する男ができたその日から一年後に死ぬという呪いがかかっている」
「え、愛する男ができたら?」
男はエメリアに何か言いたそうにするも少し考えてそれ以上は言うのを止めた。
彼はエメリアの味方ではなくベニアの味方でありベニアを愛しているのだ。
そして出されたローズヒップティーを飲み終わると無言で立ち上がり玄関へ向かった。
ベニアのいないここに留まっても意味はない。
「あそうそう、ベニアの体、大事にしろよ。ちゃんと食え」
テーブルの上を指さしながら男は出て行った。
窓越しからは花壇の前で立ち止まりそして裏手に歩いて行く男が見えた。
去って行ったのを見届けると、エメリアはこれからはちゃんと鍵をかけなければと自分に言い聞かせ玄関の鍵をかけた。
(悪い人じゃなくて良かった。あっ、魔法の使い方聞いてみればよかったな。もー、私ったらなんて間抜けなの)
エメリアは肩をがっくりと落としながらもテーブルの上のお菓子とフルーツを眺め、遠慮なく食べることにした。
久しぶりに食べるお菓子は質素で味気ない食生活の中では御馳走だ。
フルーツは魔法で出したからなのか季節など関係なくスイカやメロン、みかん、葡萄などが並んでいる。
食べながら伯爵家での食事を思い出し知らずと涙が頬を伝うがこんなことで弱気になったらいけない。
まだまだこの体で生きなければいけないのだ。
このお菓子やフルーツだってすぐに無くなる。
そうしたらまた質素な食事に戻るんだからこれを普通と思ったらいけない。
そう思ったエメリアがもう少し食べたかったが我慢した。
そして酸っぱいローズヒップティーを最後に飲み干して夕食のジャガイモの皮を剥きはじめた。
(好きな人ができたら死ぬ呪いか。もしかして好きな人に会うために体を入れ替わりたかったとか? でもどうしてそんな呪いがかけられたのかしら)
十一か月後に死ぬと言っていたからベニアは二月に好きな人ができたのだ。
その時期に森に入るのはエメリアくらい。
しかし二月にはアンドレも一緒に入って魔女の家の前まで来た。
ベニアが会う男といえばアンドレくらいではないだろうか。
(もしあの日このカーテンの中から自分たちを見ていたら……。いえ、いくらなんでも一目見たくらいでそんなに好きになったりするかしら。でも……)
エメリアは「まさかね」と呟いた。
エメリアはお風呂の湯船に水を注いだ後大きく伸びをした。
「ふぅ……魔女なんだから魔法くらい使えたらよかったのに」
体が入れ替わって一週間が経った。
体のあちこちが筋肉痛で悲鳴を上げている。
この体が筋肉痛になるということは普段からベニアは水汲みなんかしておらず、魔法でやっていたのだ。
エメリアはあと少しで注ぎ終わるという所で一休みしながらぶつぶつ文句を言っている。
どうせ一年間魔女の体で生活するなら魔法を使ってみたかったがその方法がわからない。
「魂が違うと使えないのかな。聞いておけばよかった。でも教えてなんてくれないわよね」
今のところ一番苦労しているのはお風呂だ。
まず何往復もして井戸から水を汲んでそしてそれを温める薪も用意して火をつけなくてはいけない。
その一連の作業を魔法でできればいいのにとエメリアは心から思った。
料理は茹でたり炒めるだけだがなんとか自分で作ることができるようになった。
この森から出ることができないので買い物には行けず全て自分で用意しなければならないのは一応貴族として育ったエメリアにはハードルが高かった。
しかし幸いジャガイモやにんじんなど野菜は沢山保存されていたので今のところ食材に困ることはない。
畑にはえんどう豆やラディッシュが生っていたしいざとなったらそこら辺に生えている草だって食べる覚悟はある。
薬草と思えばいいのだ。
ただ、森の動物を捕獲してそれを捌いてたべるなんて芸当はとてもじゃないができない。
エメリアの一日は生活するのに精いっぱいで、夜には疲労困憊している。
これをあと一年、正確には十一か月だとベニアは言っていたが、続けなければいけない。
(リリーにはちゃんと薬草を飲ませてくれたかしら。お父様は私の中身が違うって気付いたかしら。お仕事で忙しいから無理かな。アンドレはもしかしたら少し気付くかもしれないけど。……やっぱり淋しいな。……ああ、でもベニアはこの環境でずっと一人だったのよね。命を救ってくれた恩返しと人助けと思えばどうってことないわ)
もう入れ替わってしまったのだから今更嘆いても仕方がない。
自分でまいた種なんだからとベッドに横になってあれこれ考えていたら眠くなって寝てしまった。
春分の日がやってきた。
毎年この日は乳母と一緒に春分の日と秋分の日の二日間だけ咲く万病に効くという虹色の花を魔女の森に探しに来ていた。
(今日リリーが探しに来たら会えるかもしれない!)
だがすぐにエメリアはその考えを捨てた。
ベニアが魔女の森に来るわけがない。
リリーもエメリアが行かないと言ったら一人で来ることなんてしないだろう。
エメリアはいつもは探さなかった魔女の家の裏手の方に探しに行こうと家を出た。
するとすぐに遺跡の様なものが見えてきた。
人間の背丈の半分くらいの高さの石がいくつか円形に並べられている。
(遺跡のようだけど。でも聞いたことない。こんなのあったんだ)
それほど遺跡には興味を示さずに今日はその周りで花を探し続けることにした。
そもそもどんな花なのか見たことが無いので、ただ虹色に輝くということだけを頼りに探すのは結構大変だ。
せめて大きい花か小さい花かくらいはわかっていればいいのにそれすらわかっていない。
暫く探したが花は見つからず、気づけば日も暮れそうになっていたので早々に切り上げて帰ることにした。
バン!
「ベニアー」
「ひっ!」
家に帰ってきてローズヒップティーでも飲もうとお湯を沸かしていたらいきなり玄関を開けて紫の髪と紫の瞳をした男が入って来た。
ベニアの事を知っている男らしい。
内心怖かったが親しげに入って来たから悪い人ではなさそうだ。
(ベニアは訪ねてくる人はいないって言っていたのに。私はベニアじゃないって言った方がいいかしら。どうしよう……)
どうしていいかわからず戸惑っていると男はいきなり抱き着いてきた。
びっくりして男の腕から逃げようとしたが力が強くて逃げられない。
「ちょっと離して!」
「なんだよ、俺とお前の仲だろ。今更どうしたんだよ」
(えー、仲ってそういう仲ってこと? 聞いてないわよ!)
「あれ、ちょっと痩せたか?」
エメリアが漸く腕から逃れ男から距離を取ると男は何かに気付いたように目を見開いて言った。
「お前、誰だ?」
「……」
エメリアが黙っていると何かを察したようにしてチッと舌打ちをした。
そしてテーブルの椅子に座り呆れたようにため息を吐き、人差し指でトントンとテーブルの上を叩いている。
エメリアは自分がベニアではないことを言ってもよさそうだと判断した。
「あの……私はベニアじゃありません」
「……ああ。どういうことなのか聞かせてくれ」
ヤカンから湯気がもくもくと出ている。
お湯が沸いたのでエメリアは自分のローズヒップティーと一緒にこの男にも同じものを出した。
お茶請けの様なものはもちろん無いが別にいいかと思っていたら、いつの間にかテーブルの上にはキャンディーやクッキーなど様々なお菓子とフルーツが沢山並んでいた。
この男が魔法で出したようだ。
エメリアはそれらにびっくりしながらも入れ替わった経緯を話した。
魔法の契約書、欲しいものは私の体だと言われた話。
そして呪いであと一年の命だから森の外で生きてみたいと言っていたと言うと、男の顔は俄かに真っ青になった。
「呪い? じゃあベニアは誰かを好きに? だから……。ああクソ!」
男はテーブルの上に両肘をついて頭を抱えた。
「誰かを好きにって?」
「何も聞いていないのか?」
「一年後に死ぬ呪いがかけられているとだけ聞きました」
「……ベニアには愛する男ができたその日から一年後に死ぬという呪いがかかっている」
「え、愛する男ができたら?」
男はエメリアに何か言いたそうにするも少し考えてそれ以上は言うのを止めた。
彼はエメリアの味方ではなくベニアの味方でありベニアを愛しているのだ。
そして出されたローズヒップティーを飲み終わると無言で立ち上がり玄関へ向かった。
ベニアのいないここに留まっても意味はない。
「あそうそう、ベニアの体、大事にしろよ。ちゃんと食え」
テーブルの上を指さしながら男は出て行った。
窓越しからは花壇の前で立ち止まりそして裏手に歩いて行く男が見えた。
去って行ったのを見届けると、エメリアはこれからはちゃんと鍵をかけなければと自分に言い聞かせ玄関の鍵をかけた。
(悪い人じゃなくて良かった。あっ、魔法の使い方聞いてみればよかったな。もー、私ったらなんて間抜けなの)
エメリアは肩をがっくりと落としながらもテーブルの上のお菓子とフルーツを眺め、遠慮なく食べることにした。
久しぶりに食べるお菓子は質素で味気ない食生活の中では御馳走だ。
フルーツは魔法で出したからなのか季節など関係なくスイカやメロン、みかん、葡萄などが並んでいる。
食べながら伯爵家での食事を思い出し知らずと涙が頬を伝うがこんなことで弱気になったらいけない。
まだまだこの体で生きなければいけないのだ。
このお菓子やフルーツだってすぐに無くなる。
そうしたらまた質素な食事に戻るんだからこれを普通と思ったらいけない。
そう思ったエメリアがもう少し食べたかったが我慢した。
そして酸っぱいローズヒップティーを最後に飲み干して夕食のジャガイモの皮を剥きはじめた。
(好きな人ができたら死ぬ呪いか。もしかして好きな人に会うために体を入れ替わりたかったとか? でもどうしてそんな呪いがかけられたのかしら)
十一か月後に死ぬと言っていたからベニアは二月に好きな人ができたのだ。
その時期に森に入るのはエメリアくらい。
しかし二月にはアンドレも一緒に入って魔女の家の前まで来た。
ベニアが会う男といえばアンドレくらいではないだろうか。
(もしあの日このカーテンの中から自分たちを見ていたら……。いえ、いくらなんでも一目見たくらいでそんなに好きになったりするかしら。でも……)
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