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223 また羞恥心を持てと?
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衝撃の新事実が発覚し、ロゼが叫声が響き渡った。それにより、シスター・マリアの標的がロゼに移った隙に私はルディに捕獲されて宿舎まで戻ってきたのが、昨日あったことだった。
「今日は日の出の時間に、合同訓練場に集合と命令を受けたからな」
ルディがため息を吐きながら言っている通り、今日は朝食前に集合するようにと事前に命令があった……らしい。
勿論命令を出したのは、団長からだ。夕食前にルディがいなくなって、一人の時間を堪能していたら直ぐにルディが戻ってきて、団長から命令が出されたと言っていたけど、どう考えても神父様からだと思われる命令だ。
神父様の傀儡化しているけれど、団長としてそれでいいのだろうか。いや、元大将校の命令は直立不動で聞かなければならないのかもしれない。
「この時間を堪能したいが、そろそろ起きなければ間に合わなくなるな」
ルディ。この騒音が響いている時間を堪能できるなんて凄いよ。私はもう焼き鳥のことしか頭にないというのに。
そうしていると、ルディの部屋の方から扉をノックする音が聞こえてきた。
「いつまで寝ているんだ!早く起きないと間に合わなくなるぞ」
とても慌てたファルの声が聞こえてきた。
ファル、集合時間は日の出の時間なので、あと1時間はあるはず。
「今から行っても、外で待ちぼうけだとおもうのに、何を慌てているのかな?」
私はファルの慌てように疑問を投げかけていると、ルディがクスクスと笑い始めた。
どうしたのだろう?
「アンジュは教会で集合と命じられたら、ギリギリに行っていたのか?」
「ギリギリじゃなくて、5分前だよ。間に合えばいいのだから、焦らなくていいと思う」
でも、5分前に集合場所に行っても大抵、私が一番最後だったけれどね。時間に間に合えばいいの。間に合えば。
「その時間だと、皆からの視線が痛いほど受けたのではないのか?」
「はぁ。早く行ったとしても、時間にならない限り何も始まらないのだから、その時間を有意義に使うべきだよね」
あと、私は神父様と直接交渉して訓練を免除されていたっていうところもある。
「シュレイン!アンジュ!いい加減に起きろ!」
ウキョー鳥も煩いけれど、今日はファルまで煩い。仕方がない起きて、ファルをシメてからウキョー鳥をシメるか。
「ルディ。起きるから離してほしい」
私をギュウギュウに抱きしめているルディに解放するように言うと、今日は素直に放してくれた。そして、起き上がった瞬間、ドンドンと鳴らされている扉に向かってベッドを蹴り、扉の前に片足を着いたところで扉を開け、回し蹴りを放ちながら言い放つ。
「朝からウキョー鳥と合唱するな……ぁ」
私の回し蹴りはファルに届く前に、身体を後ろに引き寄せられ、目の前の扉が閉められてしまった。
「アンジュの部屋は逆だ」
「知っているよ」
何故か、魔王様の気配を背後で感じている。何がルディの機嫌を損ねてしまったのだろう。
「アンジュ。以前も言ったが羞恥心を持てと」
ファルの呆れたような声が扉の向こうから聞こえてきた。羞恥心……私の格好を首を下げて見る。ルディがお気に入りのロリーターっぽい寝間着だ。何も問題ない。……はっ!
「まさかヨダレが!」
「「違う!」」
二人から否定されてしまった。では、何を恥じることがあるのかさっぱりわからない。
疑問符が飛んでいる私は、そのままルディに私の部屋まで連れて行かれてしまったのだった。
合同訓練場。他の部隊同士で訓練を行うために設けられた広い訓練場らしい。らしいというのは第13部隊が使用することがない。私がここに来たのは初めてなので、ファルから訓練場にたどり着くまでに説明されたのだ。
位置的には第13部隊のぽつんと一軒家の詰め所とは正反対の南側に位置している。とても広い訓練場だ。その訓練場の中には既に来ている人たちがまばらに立っている。
うん。見慣れた顔の人たちばかりだ。そんな中、第13部隊は全員揃って訓練場内に入る。そう全員。これはファルが騎士の四人と見習い騎士もどきの酒呑と茨木にまで昨日夕方に、絶対に集合時間30分前に来るように言いつけていたのだ。
まだ、30分あるのに暇すぎる。30分あれば、ウキョー鳥をシメられたと思う。
「シュレイン、ファルークス。王都に呼び出された早々に集まれと命じられたのだが、何があるんだ?」
ルディとファルに声を掛けてきたのは、第4部隊長とその後ろに付き従う第4副部隊長だ。
会議室で顔を見た程度だけど、ルディと同期だったはず。なんとなく見たことがあるなぁとしか記憶がない。
恐らく第9部隊管轄のゴタゴタの後始末のあと、王都に呼び出されたのだろう。
「リュミエール神父からのお小言があるのでしょうか?」
第4副部隊長。その線は微妙に当たっているけど、少し違うよ。
「シスター・マリアが来ている」
ファルの言葉に第4部隊長と第4副部隊長の顔色が血の気が引いたように青くなった。
「え?リュミエール神父の他にシスター・マリアが?もしかして、今日が俺の命日か?」
「カインレイザ。体調不良で部屋に引きこもっていいでしょうか?」
シスター・マリアの名前は体調に変化を及ぼすほど威力があるらしい。おかしいなぁ。シスター・マリアはそんなに怖い人ではないのにね。
「今日は日の出の時間に、合同訓練場に集合と命令を受けたからな」
ルディがため息を吐きながら言っている通り、今日は朝食前に集合するようにと事前に命令があった……らしい。
勿論命令を出したのは、団長からだ。夕食前にルディがいなくなって、一人の時間を堪能していたら直ぐにルディが戻ってきて、団長から命令が出されたと言っていたけど、どう考えても神父様からだと思われる命令だ。
神父様の傀儡化しているけれど、団長としてそれでいいのだろうか。いや、元大将校の命令は直立不動で聞かなければならないのかもしれない。
「この時間を堪能したいが、そろそろ起きなければ間に合わなくなるな」
ルディ。この騒音が響いている時間を堪能できるなんて凄いよ。私はもう焼き鳥のことしか頭にないというのに。
そうしていると、ルディの部屋の方から扉をノックする音が聞こえてきた。
「いつまで寝ているんだ!早く起きないと間に合わなくなるぞ」
とても慌てたファルの声が聞こえてきた。
ファル、集合時間は日の出の時間なので、あと1時間はあるはず。
「今から行っても、外で待ちぼうけだとおもうのに、何を慌てているのかな?」
私はファルの慌てように疑問を投げかけていると、ルディがクスクスと笑い始めた。
どうしたのだろう?
「アンジュは教会で集合と命じられたら、ギリギリに行っていたのか?」
「ギリギリじゃなくて、5分前だよ。間に合えばいいのだから、焦らなくていいと思う」
でも、5分前に集合場所に行っても大抵、私が一番最後だったけれどね。時間に間に合えばいいの。間に合えば。
「その時間だと、皆からの視線が痛いほど受けたのではないのか?」
「はぁ。早く行ったとしても、時間にならない限り何も始まらないのだから、その時間を有意義に使うべきだよね」
あと、私は神父様と直接交渉して訓練を免除されていたっていうところもある。
「シュレイン!アンジュ!いい加減に起きろ!」
ウキョー鳥も煩いけれど、今日はファルまで煩い。仕方がない起きて、ファルをシメてからウキョー鳥をシメるか。
「ルディ。起きるから離してほしい」
私をギュウギュウに抱きしめているルディに解放するように言うと、今日は素直に放してくれた。そして、起き上がった瞬間、ドンドンと鳴らされている扉に向かってベッドを蹴り、扉の前に片足を着いたところで扉を開け、回し蹴りを放ちながら言い放つ。
「朝からウキョー鳥と合唱するな……ぁ」
私の回し蹴りはファルに届く前に、身体を後ろに引き寄せられ、目の前の扉が閉められてしまった。
「アンジュの部屋は逆だ」
「知っているよ」
何故か、魔王様の気配を背後で感じている。何がルディの機嫌を損ねてしまったのだろう。
「アンジュ。以前も言ったが羞恥心を持てと」
ファルの呆れたような声が扉の向こうから聞こえてきた。羞恥心……私の格好を首を下げて見る。ルディがお気に入りのロリーターっぽい寝間着だ。何も問題ない。……はっ!
「まさかヨダレが!」
「「違う!」」
二人から否定されてしまった。では、何を恥じることがあるのかさっぱりわからない。
疑問符が飛んでいる私は、そのままルディに私の部屋まで連れて行かれてしまったのだった。
合同訓練場。他の部隊同士で訓練を行うために設けられた広い訓練場らしい。らしいというのは第13部隊が使用することがない。私がここに来たのは初めてなので、ファルから訓練場にたどり着くまでに説明されたのだ。
位置的には第13部隊のぽつんと一軒家の詰め所とは正反対の南側に位置している。とても広い訓練場だ。その訓練場の中には既に来ている人たちがまばらに立っている。
うん。見慣れた顔の人たちばかりだ。そんな中、第13部隊は全員揃って訓練場内に入る。そう全員。これはファルが騎士の四人と見習い騎士もどきの酒呑と茨木にまで昨日夕方に、絶対に集合時間30分前に来るように言いつけていたのだ。
まだ、30分あるのに暇すぎる。30分あれば、ウキョー鳥をシメられたと思う。
「シュレイン、ファルークス。王都に呼び出された早々に集まれと命じられたのだが、何があるんだ?」
ルディとファルに声を掛けてきたのは、第4部隊長とその後ろに付き従う第4副部隊長だ。
会議室で顔を見た程度だけど、ルディと同期だったはず。なんとなく見たことがあるなぁとしか記憶がない。
恐らく第9部隊管轄のゴタゴタの後始末のあと、王都に呼び出されたのだろう。
「リュミエール神父からのお小言があるのでしょうか?」
第4副部隊長。その線は微妙に当たっているけど、少し違うよ。
「シスター・マリアが来ている」
ファルの言葉に第4部隊長と第4副部隊長の顔色が血の気が引いたように青くなった。
「え?リュミエール神父の他にシスター・マリアが?もしかして、今日が俺の命日か?」
「カインレイザ。体調不良で部屋に引きこもっていいでしょうか?」
シスター・マリアの名前は体調に変化を及ぼすほど威力があるらしい。おかしいなぁ。シスター・マリアはそんなに怖い人ではないのにね。
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