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190 まとめると、この兄弟の方が悪役
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今回の第9部隊の報告をしているはずだったのに、いつの間にかブタを陥れようぜ計画会議になっていた。
聖女のお披露目は一ヶ月後の新年を祝うパーティーにされるらしい。そこで、ブタをブヒブヒ言わす予定らしい。その計画で私を囮にすることは3対1で決定された。反対している“1”は勿論ルディだ。
私は聖女の護衛騎士として聖女の彼女についていって、そのまま一緒に攫われてこいという計画だ。
そこでルディが転移で来て、現行犯で捕まえ、ブタ貴族を公爵の座から引きずり下ろし、第1部隊長を公爵の地位に引き上げようという話だ。
第1部隊長って確か
「侍従。第1部隊長が苦戦しているって、何に苦戦しているわけ?ここで第1部隊長になにかあったら、計画台無しだね」
私のその言葉にこの場に居る全ての視線が、再び突き刺さってきた。
「雪です。この時期には考えられない程の豪雪の上に姿が見えないモノに攻撃されると報告を受けています。第1部隊と第7部隊の管轄地で起こっているおかしな現象です」
雪?雪ん子?……雪男!もふもふかも!雪の妖怪って程々にいるからわからないし、姿が見えないものっていうのも、もっとわからない。
「それで1ヶ月以内にはなんとかなりそうなわけ?1ヶ月後のパーティーのときに第1部隊長さんがいないと話にならないからね」
これは下剋上なのだ。平民と一般的に思われている第1部隊長さんが豚貴族の行いを世間一般に知らしめて、民意をかき集めて豚貴族を表に立てないようにしなければならない。そして豚貴族の血を持つ第1部隊長さんが公爵の地位に立つ。だから第1部隊長さんがその場に居ないと話にならない。
「ふむ。戦況の情報を詳しく知る必要がありますな。不明な点が多すぎます」
侍従の背後に立っている団長が腕を組んで頷いている。情報の精査が出来ていないのか。情報収集が出来ていないのか。2つの部隊をつぎ込んでも対処しきれていないのは問題だと思う。
「ねぇ、情報収集に普通の騎士団は使えないの?キルクスにはいなかったけど、近くの街に青竜騎士団が常駐していたはず」
時々キルクスで、第12部隊の人と青竜騎士団の人が険悪な状態で膠着しているのを見たことがある。……あれ?もしかして聖騎士団と竜騎士団って仲が悪かったりする?
「え?それは私に赤竜騎士団に頭を下げろと言っています?」
侍従がいい笑顔で棘のある言い方をしてきた。うん。仲が悪いらしい。
「竜騎士団は我々に対して予算を食いつぶす犬だとか。神の名を正義に掲げる愚者だとか言いたい放題ですからね」
神父様もいつもの胡散臭い笑顔でトゲトゲしい言葉を言ってきた。昔から仲が悪いらしい。
「太陽の聖女よ。聖痕は人の領域を超える物だ。普通の人ではついては行けぬ」
偽物の王様は聖騎士と一般の騎士との力は雲泥の差があると言っているのだろう。気軽に言ってしまったけど、駄目なようだ。
となると、人海戦術は他の部隊の手を借りなければならないということ。第10は酒吞と茨木の所為で被害が出ているので、第3と第11から人を借りてきて、第11の管轄地は第5がフォローに入るぐらい……いやそもそも部隊の縛りがあるからややこしい。はぁ、だから第13部隊が存在しているのか。
「第13部隊の騎士4人に情報収集をしてもらうというのはどう?」
「おや、アンジュ自身が動くとは言わないのですか?」
神父様が意外だと言わんばかりだけど、そんな安易なことは言わない。
私が行くと言えば、ルディも付いてくるし、ルディが付いてくるとファルもお目付け役として付いてくる。そして、聖女の聖騎士として神父様と第12部隊長も付いてきて、面白そうだと言って酒吞と茨木も付いてくる。次いで、今は天井裏で私の行動を監視している朧も付いてくる。
情報収集にどれだけの人を費やしているのかという状態になるのは目に見えているので、私は安易なことは言わない。
「そうですね。騎士ティオたちに任せれば、状況報告ぐらいはできるでしょう」
ルディは賛成してくれるようだ。あの4人であれば、大抵のことは成し遂げてくれると思う。
「では、第1部隊と第7部隊が手をこまねいている状況の打破には第13部隊の騎士に情報収集をしてもらうことして、1ヶ月以内に解決することにする方向でよろしいですかね。そして、プルエルト公爵の首をとるでよろしいでしょうか?」
侍従が澄ました顔をしてまとめてくれた。私の意見がそのまま通ってしまったけれど、いいのだろうか。
そして侍従、君も豚貴族の首を取るき満々だったわけ?この兄弟が集まると碌な事がないと思うのは私だけなのだろうか。
聖女のお披露目は一ヶ月後の新年を祝うパーティーにされるらしい。そこで、ブタをブヒブヒ言わす予定らしい。その計画で私を囮にすることは3対1で決定された。反対している“1”は勿論ルディだ。
私は聖女の護衛騎士として聖女の彼女についていって、そのまま一緒に攫われてこいという計画だ。
そこでルディが転移で来て、現行犯で捕まえ、ブタ貴族を公爵の座から引きずり下ろし、第1部隊長を公爵の地位に引き上げようという話だ。
第1部隊長って確か
「侍従。第1部隊長が苦戦しているって、何に苦戦しているわけ?ここで第1部隊長になにかあったら、計画台無しだね」
私のその言葉にこの場に居る全ての視線が、再び突き刺さってきた。
「雪です。この時期には考えられない程の豪雪の上に姿が見えないモノに攻撃されると報告を受けています。第1部隊と第7部隊の管轄地で起こっているおかしな現象です」
雪?雪ん子?……雪男!もふもふかも!雪の妖怪って程々にいるからわからないし、姿が見えないものっていうのも、もっとわからない。
「それで1ヶ月以内にはなんとかなりそうなわけ?1ヶ月後のパーティーのときに第1部隊長さんがいないと話にならないからね」
これは下剋上なのだ。平民と一般的に思われている第1部隊長さんが豚貴族の行いを世間一般に知らしめて、民意をかき集めて豚貴族を表に立てないようにしなければならない。そして豚貴族の血を持つ第1部隊長さんが公爵の地位に立つ。だから第1部隊長さんがその場に居ないと話にならない。
「ふむ。戦況の情報を詳しく知る必要がありますな。不明な点が多すぎます」
侍従の背後に立っている団長が腕を組んで頷いている。情報の精査が出来ていないのか。情報収集が出来ていないのか。2つの部隊をつぎ込んでも対処しきれていないのは問題だと思う。
「ねぇ、情報収集に普通の騎士団は使えないの?キルクスにはいなかったけど、近くの街に青竜騎士団が常駐していたはず」
時々キルクスで、第12部隊の人と青竜騎士団の人が険悪な状態で膠着しているのを見たことがある。……あれ?もしかして聖騎士団と竜騎士団って仲が悪かったりする?
「え?それは私に赤竜騎士団に頭を下げろと言っています?」
侍従がいい笑顔で棘のある言い方をしてきた。うん。仲が悪いらしい。
「竜騎士団は我々に対して予算を食いつぶす犬だとか。神の名を正義に掲げる愚者だとか言いたい放題ですからね」
神父様もいつもの胡散臭い笑顔でトゲトゲしい言葉を言ってきた。昔から仲が悪いらしい。
「太陽の聖女よ。聖痕は人の領域を超える物だ。普通の人ではついては行けぬ」
偽物の王様は聖騎士と一般の騎士との力は雲泥の差があると言っているのだろう。気軽に言ってしまったけど、駄目なようだ。
となると、人海戦術は他の部隊の手を借りなければならないということ。第10は酒吞と茨木の所為で被害が出ているので、第3と第11から人を借りてきて、第11の管轄地は第5がフォローに入るぐらい……いやそもそも部隊の縛りがあるからややこしい。はぁ、だから第13部隊が存在しているのか。
「第13部隊の騎士4人に情報収集をしてもらうというのはどう?」
「おや、アンジュ自身が動くとは言わないのですか?」
神父様が意外だと言わんばかりだけど、そんな安易なことは言わない。
私が行くと言えば、ルディも付いてくるし、ルディが付いてくるとファルもお目付け役として付いてくる。そして、聖女の聖騎士として神父様と第12部隊長も付いてきて、面白そうだと言って酒吞と茨木も付いてくる。次いで、今は天井裏で私の行動を監視している朧も付いてくる。
情報収集にどれだけの人を費やしているのかという状態になるのは目に見えているので、私は安易なことは言わない。
「そうですね。騎士ティオたちに任せれば、状況報告ぐらいはできるでしょう」
ルディは賛成してくれるようだ。あの4人であれば、大抵のことは成し遂げてくれると思う。
「では、第1部隊と第7部隊が手をこまねいている状況の打破には第13部隊の騎士に情報収集をしてもらうことして、1ヶ月以内に解決することにする方向でよろしいですかね。そして、プルエルト公爵の首をとるでよろしいでしょうか?」
侍従が澄ました顔をしてまとめてくれた。私の意見がそのまま通ってしまったけれど、いいのだろうか。
そして侍従、君も豚貴族の首を取るき満々だったわけ?この兄弟が集まると碌な事がないと思うのは私だけなのだろうか。
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