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11 第13部隊は問題児集団

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『ウッキョー!ウッキョー!』

 この耳をつんざくような鳥の鳴き声と、まぶたの裏に朝日の光を感じて、微睡んでいる意識が覚醒する。この甲高い鳴き声を朝から聞くのは不快だ。
 今日から新入社員···じゃなかった。聖騎士の見習いとして部隊に配属される。成るつもりのなかった聖騎士。仕方がなく起きようかと思うが、なんだか違和感がある。まさかと思い目を開けると、黒い色が視界に入ってきた。

 なんでルディが一緒のベッドに寝ているんだ!昨日散々、新人用の宿舎に案内するように言ったのに、二人に上官用の宿舎にいろと言われ、なら部屋を分けるようにと。これは譲れないと言えば、ルディの隣の空き部屋に案内されたはず。
 視線を巡らせば、ベッドしかない簡素な部屋なので、私の与えられた部屋で間違いはない。

 っていうか、私はもう幼女ではない。寝ていても侵入者の気配で起きる私が気づかないなんて、ルディはどうやってこの部屋に入ってきたんだ!
 ええ、何度か教会の宿舎に侵入者が入って来たことぐらいありましたよ。同室の子たちと、これでもかというぐらい攻撃したけどね。

「どうせ、起きているのでしょ?なんで、私の部屋に侵入しているわけ?」

 するとルディは目を開け、私を見てニコリと笑う。やっぱり起きていたのか。

「アンジュが攫われたら大変じゃないか」

 一度私を攫った本人が言う言葉じゃない。

「アンジュが生きている。ここにいる。それが、それだけが、俺の救いだ」

 朝からクッッソ重い言葉を言うな。これ、本当に普通になるのだろうか。

「私は死んでないからね。それから、私いい加減に起きて着替えたいのだけど?自分の部屋に戻ってくれる?」

「もう少しこのままで」

 そう言って、私を抱き寄せるルディを私はベッドから蹴り落とす。王族だろうが、なんだろうが、関係ない。

「出ていけ!」

「仕方がないなぁ」

 ルディはベッドから蹴り落とされたというのに、笑って立ち上がり、扉から出ていった。何が仕方がないんだ!

 これが日々続くかと思うと、憂鬱だ。ため息を一つ吐き、ベッドから出て、濃い灰色の隊服に着替え、左腕を固定する。治そうと思えば治せるけど、いきなり折れた骨が治るとこれは怪しんでくれと言わんばかりなので、面倒だけどこのままにしておく。

 昨日の話を聞いて安易に使うことは危険だと改めて認識した。私が天使の聖痕を持っているとバレれば聖女に祀り上げられてしまう。それだけは避けなければならない。

 壁に立てかけられているこの部屋の備品である鏡の前に立ち、着崩れしていないか確認をする。

 鏡の中の私は16歳というより、もう少し幼さを感じる。やせ細っており、普通の16歳の子たちと違って体の凹凸はない。だから、隊服が微妙に余っているところがあり、不格好なのは仕方がない。
 貴族なら、自分の体型にあった隊服を仕立てるのだろうけど、既製品を支給してもらっている身としては贅沢は言わない。

 そして、寝癖はついているが、揃えられた銀髪がさらりと肩に落ちている。そう、灰色の髪じゃなく銀髪。わざと色を濁していたのがバレて元に戻させられ、髪も切られ揃えられてしまった。だから、私の長いまつ毛に縁取られたピンクの目があらわになってしまった。

 そのピンクの目の中にある金色に輝く虹彩が鏡に映り込む。ああ、これはいけないと光を押さえるようにする。
 そうこれが私の【天使の聖痕】だ。本来なら、王冠のような輪が頭上に頂くように光輝き、正に天使の様相になるのだけど、私は右目の中に隠した。それは例え光っていても光の加減かと勘違いしてもらえるようにだ。しかし、万全には万全を期して前髪を伸ばして隠していたというのに、目の上でぱっつりと切られてしまった。
 おかげでやせ細った天使アンジュの姿が鏡の中に映り込んでしまった。

 くー!これが私じゃなかったら、可愛い服を着せて、洋服の宣伝に使いたいぐらいだ。


 身なりを整えたので、寝室から居間の方に移動する。
 そう、なんと上官用の宿舎の間取りは1LDK!キッチンや水回りも備え付けられている。新人の宿舎はトイレ・風呂共同で部屋は何もない一間だけらしい。これだけでも上官用の宿舎にしたかいはあった。

 居間の方に移動すると、見慣れない扉が目に飛び込んできた。昨日までは無かったはずだ。寝室とは反対側の壁に扉。その方向はルディの部屋がある方向····まさか、壁を壊して扉をつけたのか!私の了承を得ずに?

 そして、トレイを持ったルディがその扉から現れた。やはり繋がっているのか。少し、どこでも繋がるドアかと期待してみたが、普通に隣に繋がっているだけのようだ。

「アンジュ。朝食を持ってきた」

 そう言って、昨日まで無かったダイニングテーブルに置いた。おかしい、これは流石におかしい。見覚えのないダイニングテーブル。ソファにローテーブル、そして、壁際に本棚がある。
 これは誰の部屋だ?

「ねぇ。昨日まで無かった物があるのはなぜ?」

「ああ、用意してもらった」

 誰に!!

「その壁の扉も無かったはずだけど?」

「付けた。ああ、気に入らなかったら、新しい家具を用意する。いや、それよりもアンジュが気にいる物を作らせよう!」

 作らせなくていい!ある物で十分だ!
 はぁ、やはり扉はつけられたのか。っていうか、そんな大物が搬入されても壁に穴を開けて扉を付けられても私が目を覚まさないってありえないのだけど!!


 扉が付けられてしまうなんて、部屋を分けた意味がない!
 食事の席につきながら、ルディに尋ねる。

「で、なんで扉を付けたの?」

「婚約者だから」

 ····私には理解ができない理由だった。そして、テーブルに置かれた食事に視線を落とす。
 ドライフルーツが入ったパンに野菜スープ、赤みの肉を焼いた物にカットフルーツ。それに紅茶が付けられている。
 朝からこんなに食べれないのだけど?

「この朝食は何?」

「作ってもらった」

 それはそうなのだろうけど、そうじゃなくて。

「確か食堂があるって言っていたと思ったのだけど?それに朝からこんなに沢山食べれない」

「食堂は確かにあるけど···あれだ。んー。使い勝手が悪いから持って来てもらうようにしている」

 はぁ。使い勝手ねぇ。また、以前言われていたようなことを言われたのだろうか。『お前がいると飯が不味くなる』みたいな事を。しかし、その後も普通に教会の食堂を使っていたのになぁ。

「アンジュは何かと食事を1食ですまそうとするからね。これからは、少しづつでもいいから食べることを増やそう」

 いや、それはルディの決めることじゃない。それに1食なのは教会の方針であって、私の希望じゃない。

「アンジュとまた一緒に食事ができるなんて幸せだな」

 くっ。ルディが不憫すぎる。こんな年下の私と食事を摂ることが幸せだなんて、これも全て悪魔神父の所為だ。

 食事は普通に美味しかったが、やはり量が多すぎた。パンを半分と野菜がゴロゴロ入ったスープ半分で十分だった。
 作ってくれた人には申し訳ないが、それ以上お腹の中に入れることは出来なかった。

「アンジュ。お肉は?」

「ムリ」

「果物は?アンジュの好きなトゥールベルもあるけど?」

「ムリ」

 本当に無理。これ以上は本当に何も入らない。私は口を押さえて首を横に降る。
 だから、フォークにトゥールを刺して差し出されても無理!!



 そして、ルディに右手を恋人繋ぎされ、所属する部隊の詰め所に向かっている。上官の宿舎の中では、すれ違う人の視線がとても痛かった。
 やっぱりさぁ。上官の宿舎に見習いの隊服を着た者がいるって駄目だよね。

 ルディの足は迷うことなく進んでいるが、どう見てもここは森の中のような気がする。宿舎の周りにはいくつもの建物が見られたが、そこではないのだろうか。

 木々が生い茂った整備などされていない獣道と言っていい道を抜けた先に蔦で覆われた2階建ての洋館が見えてきた。
 え?ここ?

「ここが、第13部隊の建物になります」

 ルディが神父様のような胡散臭い笑顔で言った。はぁ、なんとなくわかってしまった。
 神父様のような胡散臭い笑顔と話し方をするルディに、ぽつんと一軒家みたいな建物が部隊の詰め所ということは、めっちゃ邪魔者扱いされているってことじゃないか!

 洋館の中に入ると、広い玄関ホールに二階に繋がる階段が目の前に広がっている。恐らく、ここは元々貴族の避暑地とかに使われていたのではないのだろうか。普通なら絵や美術品が飾られているだろう玄関ホールには何もなく。寂れた感じがした。 

 その玄関ホールを抜け、奥にある一室に連れて行かれた。そこは、普通に居間だった。
 え?私いったい何処に連れて来られたのだろう。
 座り心地が良さそうなソファに、今は夏の終わりの季節なので使われていないが、大きな暖炉があり、壁一面に本が並んでおり、中央にはビリヤード台がドンと構えていた。その部屋の中では、各個人がくつろいでいる。

 マジでここ何処?

「お、来た来た。アンジュ、こっちだ」

 そう言っているのは、座り心地の良さそうなソファに座り、何か飲み物を飲んでいる····うーん?ファルだ。

「新人が入って来たから紹介するぞ」

 すると、くつろいでいた人たちがファルの前に薄い灰色の隊服を着た者たちが整列した。全員で4人だ。4人···これが第13部隊の全員ってこと?

「左から順番に自己紹介してやれ」

 ファルが左端の男性を指して言う。なんか適当だな。これでいいのか?先に私の自己紹介をすべきでは?

「ティオっす!燃やすのは得意っすからよろしく!」

 赤髪の男性が軽い感じで言う。そういうノリの人ってことか。

「ミレーよ。家名は無いので、気軽に話掛けてくれたらいいわ。私が使うのは雷撃。国一つぐらいなら滅ぼせるわよ。これからよろしくね」

 金髪の女性が何気に恐ろしい自己紹介をしてくれた。国を滅ぼせる雷撃ってなに?!

「僕はシャール。僕も家名はないから。得意なのは氷。だから、凍らすのは得意だけど溶けないから」

 空色の髪の少年からまたしても恐ろしい言葉が聞こえた。しかし、見た目は本当に少年だ。私より年下なのではないのだろうか。

「ああ、シャールは10歳で聖騎士団に入った逸材だ。今年で13だったか?」

 ファルが私が疑問に思っていたことを補足してくれた。逸材ねぇ。

「ヴィオーラ・アングストです。あ、あのアングスト男爵の3女ですが、ヴ、ヴィオと気軽に呼んでください。わ、私の得意なのは···ー··ー··ーですぅーーー」

 薄い紫色の髪を2つに三編みにした私より少し上の女性がもじもじと両手の指を絡め、歯切れなく自己紹介してくれたが、毒ねぇ。それは大きな声で言えないか。

 軽い感じのティオに、恐らく何処かの国に恨みがあるミレー、凍らせる事に特化して扱いづらいシャール、貴族だが毒を発現してしまったヴィオ。
 第13部隊って問題児集団じゃないか!!



 4人に視線を向けたあと、ファルに視線を向ける。これは部隊として成り立つのかと。いや、恐らく部隊としては成り立たない。個人の力が強すぎるため、集としてよりも個を重視する部隊なのだろう。

「それで、新しい新人さんは何をしでかしたのですか?」

 金髪のミレーが言葉を発した。やはり問題児集団か。
 ミレーの質問に皆が興味津々なのかファルに視線集中した。普通は隊長であるルディが質問に答えるべきなのだろうが、誰もがファルが答えると思われている。
 ルディはというと胡散臭い笑顔を絶やしていない。

「新人のアンジュだ。彼女も家名は持っていないが、シュレインの婚約者だ」

「え?」
「はい?」
「嘘?」
「ふぇ?」

 4人の8つの目が私に集中し、ルディと繋がれた手に視線が移動した。そして、胡散臭い笑顔のルディと私の顔を交互にみている。

「副長、この前までそんな事、言ってなかったすよね」
「隊長に脅されましたの?」
「隊長は見た目は優しそうだけど、ヤバイよ。止めたほうがいい」
「可哀想です」

 3人が私に同情の言葉を投げかける。誰もがルディの本性をわかっているようだ。

「酷い言われようですね。きちんと説明をしてアンジュは納得してくれましたよ」

 いや、ルディ。納得ではなく、私にはそれしか選択肢がなかったのだ。ルディの言葉に更に同情する視線が向けられる。
 本当にこの部隊ってどうなんているのだろう。上官に普通は否定する言葉なんて掛けられないはずなのに。

「アンジュです。るでぃとファル様とはキルクスの教会からの知り合いですので、問題の把握はしています」

 私が取り敢えず同情してもらうことはないと言うと納得はしてもらえた。
 解散とファルから声をかけられると、また個人個人が自分の時間に戻っていった。私はファルの斜め横の一人がけのソファに腰をおろす····ルディに抱えられルディの膝の上に座ることになってしまった。
 はぁ。

「ファル様。この問題児集団はなんですか?」

「ぶっ!問題児!いや、当たってはいるが、問題児って·····まぁ、あれだ。どこの部隊にいても肌に合わない者たちを集めた部隊だ」

 それで、こんな森の中に押し込められたというわけか。何かあっても被害を最小限にするためか。

 しかし、この部屋に来てから目にしていたものがとても気になる。昨日まで無かったものだ。口に出しても人には理解できないので、聞こうにも聞けない。だが、すぐにその理由はわかった。

「シュレイン。さっき命令が来て、セスト湖の大穴から大物が出てきたから討伐に行けと。この前はシュレインが出撃したから、次は俺とシャールとティオで行こう」

 これか!!すぐさま私は右手を上げる。

「見習いとして付いて行きたいです!」

「駄目だ」
「アンジュ。左手を治してから言ってくれ」

 やはり駄目か。

「じゃ、従騎士エスクァイアとして行きたいです!」

「駄目だ」
「いや、あまり変わっていないし」

 ルディは駄目の一点張りか。

 しかし、ここで引いては駄目だ。私の目には、正確には天使の聖痕が入った右目に見えてしまっているのだ。ファルとティオとシャールに絡まった地面から生える黒い鎖が。

 ティオとシャールはまだいい。ティオは左足にぐるぐる巻にされ、シャールは右手だ。だが、ファルはほとんど全身だ。私には声でしかファルを判別するしかない状態だったのだ。まぁ、金髪は垣間見えていたが、黒い鎖にぐるぐる巻になった物体がもそもそ動くさまは異様でしかない。

 【黒の鎖】。私は死の鎖と呼んでいる。これは私にしか見えない死。初めてこれを見たのは10歳の頃、ポーターとして荷物持ちの小遣い稼ぎをしていたときのことだ。冒険者の一人に黒い鎖が全身に絡まっていた。その冒険者は横から飛び出てきた魔物に喰われて生命を絶たれた。
 最近では同室の子が聖水の審判を受けに行くと部屋に戻ってきたときだ。その子も全身に黒い鎖を巻き付けて戻ってきた。きっとあの子は森で生命を落としたのだろう。

 だから、ファル達だけで行かすのは駄目だ。私が行けば最悪、助けられる。
 ルディにはファルがいなければならない。

「ファル様。新人の教育はしなけばならいと思いませんか?丁度いいのではないのですか?新人教育に」

「だからな。そんな偉そうな新人はいないからな」

「ゴブリンキングのいるコロニーを壊滅するぐらい単独でできますよ」

「だから、そんな新人いないからな」
「アンジュはすごいですね」

 部屋の奥の方で、『やっぱり只者じゃなかったわ』とか『新人教育って何っすか?部隊に配属されているから、しなくてもいいんじゃないっすかね』とか『僕もそれぐらいできるし』とか『た、隊長の膝の上って、す···すごい』とか聞こえてくるが無視だ。

「アンジュ。本音はなんだ?これは遊びじゃないんだぞ。けが人を連れて行く余裕なんて無い。ただでさえ、セスト湖の穴は要注意なんだ」

 やはり、問題があったのか。それをこんな少数部隊に命令する上層部はなんなのだろう。信頼をしているのか、それとも····。

「はぁ」

 私はため息を吐き、ファルの言葉にどう答えるか迷っていた。ファルを見る。先程と何も変わらない。ぐるぐる巻の黒い鎖の所為でファルかどうかはわからないのも同じ。

「うーん。真実と建前どちらがいい?」

「いや、本音に真実も建前もないだろう。本音は本音だ」

 本音かー。顔が見えないファルを見る。
 そして、ファルの顔に指をさす。

「ファル様、死にたい?」

 部屋が静まり返った。

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