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本編
最終話 結婚式(挿絵あり)
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「ユーフィア様」
マリアが泣きながら迎えてくれました。
「申し訳ございません。私がお側を離れなければよかったのです。」
「あれは仕方がなかったと思います。それにシャーレン精霊王国までクストさんが迎えに来てくれましたから、大丈夫でしたよ。」
「そうですか。ルジオーネ様が走り回っただけの事はありましたね。旦那様がお役にたったようで」
「はい。聖女様を連れてきていただいてとても助かりました。流石にエルフ族を全滅させるのは気が引けましたので。」
「は?」
「役立たずですまん。」
呆けるマリアに落ち込んでいるクストさん。あれ?何か間違ってしまいましたか?
「相変わらずのことをしでかしたみたいですね。」
「ルジオーネさん。ありがとうございます。色々走り回ってくれたみたいで」
ルジオーネさんもお屋敷で待っていてくれていたようです。
「我が一族の為ですよ。まあ、転移できる者をあっちこっちと連れ回しましたが、聖女様までたどりつけてよかったです。」
「ユーフィア様!」
「う。」
セーラに思いっきり抱きつかれていますが、もう少し力加減を・・・。
「このセーラが付いていけばよかったのです。あのエルフの祭司供が付き添い人は一人だって言い張るのを無視してセーラが付いていけばー!」
ギブギブ。
「俺のユーフィアにいつまで抱きついているんだ!セーラ。」
セーラから引き離されやっとまともに呼吸ができるようになりました。
「そういえば、結婚式どうします?こんなことになってしまったので、しない方が良いですよね。」
「「「絶対にします。」」」
クストさんとマリアとセーラから言われてしまいました。ルジオーネさん何がそんなに可笑しいのですかね。
今日は晴天青い空が高く気持ちがいい日になりました。結婚式日和です。
教会で式を挙げるのではなく、ナヴァル公爵家のお庭で結婚式と披露宴を一緒にする形になりました。
広い庭に色とりどりの花を飾り、賓客用のテーブルが並べられ、元々素敵だった庭園がさら素敵になりました。ここまで、いろんな人に準備をしてもらって、感謝してます。
教会での結婚式もよいかもしれませんが、これもなかなかアットホームな感じで好きです。
祭司はエルフ族の方ではなく、聖女様が代わりをしてくださるそうで、それはありですか?聖女様からのお願いですか?聖女様があの惨状を見てスカッとされたそうです。え?あの、なんともいえないグチャグチャな惨状を見てですか?エルフ族にどれだけ嫌悪感をもっているのですか。
中央に作られた祭壇を模倣したところを背景に聖女さまが白い清楚な衣服を身にまとっていますが、どこかのアニメキャラが着ていた服装のように錯覚を覚えたのは気のせいでしょう。勇者が『流石の再現力や』と言っているのは聞こえないことにしておきます。
そして、私の隣には青い礼服を着たクストさん。ふふふ。いつもよりかっこよく見えてしまいますね。
『主は天を造られ、聖所には力と誉れがある。』
目の前の聖女様がこの婚姻を神へと報告するための口上の読み上げられています。
『汝、クスト・ナヴァルはユーフィア・コルバートと死するその時まで共に生きることを誓うか?』
「誓う。」
『汝、ユーフィア・コルバートはクスト・ナヴァルと死するその時まで共に生きることを誓うか?』
「誓います。」
『汝らの誓いを主に届けよう。』
そう聖女様が言われた途端、どこからともなく白い小さな花びらが降って来ました。小さな花びらが風に舞い躍るその姿は
「桜吹雪や」
勇者がそう言ったのが耳に届きます。そう、この目で二度と見ることが出来ないと思っていた、あの魂の故郷の風景。『お祝いだよ』ふとそんな声が聞こえた気がしました。
「ありが・・とうござい・ます。」
涙に揺れてちゃんと見ることができなくなってしまったけど、この風景は絶対に忘れることはないでしょう。
私はクストさんと共にこの世界を生きて行きましょう。
「ユーフィア、俺の側で生きてくれるか?」
クストさんに涙を拭われ尋ねられました。ふふふ。
「ユーフィアはクストの側で生きていきますよ。」
そして、白い花びらが舞う中、誓いの口づけをします。そう、共に生きるという誓いであり、私がこの世界で生きていくという誓いです。
数年後。
それから、私は何者にも強要されず好きなだけ好きな物を作ることができるようになりました。
ただ、夫となったクストのスキンシップがちょっと困ることがあるのですけど、膝の上に座らされるとか、そのまま食事をしなければならないとか、お風呂が一緒じゃないといけないとか。もちろん、ベッドも一緒です。
あと番の儀式というのを行いまして、獣人と人族の寿命を合わせる儀式だそうです。ですので普通の人より長く物を作ることが出来るのです。
そして、私は2人の男の子に恵まれ、クストと共に幸せに暮らしています。
エルフ族はあれからすっかり大人しくなり、迷惑料として大量の良質の魔石を置いて行きました。勇者がなにかしら脅しをしたようです。勇者様、カメラが欲しいからと言ってドラゴンの生首を持って屋敷に訪ねて来ないで欲しかったです。きっと聖女様を撮るのに使うのでしょう。
サウザール公爵家の悪業は相変わらず国を渡っていても聞こえる程です。この国まで来るようなら徹底交戦しますけどね。俺がなんとかするって?頼りにしていますよ。旦那様。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここまで読んでくださいましてありがとうございました。
かわいい旦那様と武器を持たすと最強の嫁という感じになりました。旦那様はもちろん強いですから。と、取り敢えず言っておきます。
本当は6話の短編でしたが、たくさんの読者様に支えられユーフィアの結婚式という一区切りまでたどり着きました。ありがとうございます。
本編はここで終わりとさせていただきます。
この話では、ざまぁはありません。スカッとはしない終わり方になっておりますが、ユーフィアはもの作りができればいいので、こういう形になっております。
読んでいただきました読者様に感謝申しあげます。
結婚式の挿絵追加します。
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マリアが泣きながら迎えてくれました。
「申し訳ございません。私がお側を離れなければよかったのです。」
「あれは仕方がなかったと思います。それにシャーレン精霊王国までクストさんが迎えに来てくれましたから、大丈夫でしたよ。」
「そうですか。ルジオーネ様が走り回っただけの事はありましたね。旦那様がお役にたったようで」
「はい。聖女様を連れてきていただいてとても助かりました。流石にエルフ族を全滅させるのは気が引けましたので。」
「は?」
「役立たずですまん。」
呆けるマリアに落ち込んでいるクストさん。あれ?何か間違ってしまいましたか?
「相変わらずのことをしでかしたみたいですね。」
「ルジオーネさん。ありがとうございます。色々走り回ってくれたみたいで」
ルジオーネさんもお屋敷で待っていてくれていたようです。
「我が一族の為ですよ。まあ、転移できる者をあっちこっちと連れ回しましたが、聖女様までたどりつけてよかったです。」
「ユーフィア様!」
「う。」
セーラに思いっきり抱きつかれていますが、もう少し力加減を・・・。
「このセーラが付いていけばよかったのです。あのエルフの祭司供が付き添い人は一人だって言い張るのを無視してセーラが付いていけばー!」
ギブギブ。
「俺のユーフィアにいつまで抱きついているんだ!セーラ。」
セーラから引き離されやっとまともに呼吸ができるようになりました。
「そういえば、結婚式どうします?こんなことになってしまったので、しない方が良いですよね。」
「「「絶対にします。」」」
クストさんとマリアとセーラから言われてしまいました。ルジオーネさん何がそんなに可笑しいのですかね。
今日は晴天青い空が高く気持ちがいい日になりました。結婚式日和です。
教会で式を挙げるのではなく、ナヴァル公爵家のお庭で結婚式と披露宴を一緒にする形になりました。
広い庭に色とりどりの花を飾り、賓客用のテーブルが並べられ、元々素敵だった庭園がさら素敵になりました。ここまで、いろんな人に準備をしてもらって、感謝してます。
教会での結婚式もよいかもしれませんが、これもなかなかアットホームな感じで好きです。
祭司はエルフ族の方ではなく、聖女様が代わりをしてくださるそうで、それはありですか?聖女様からのお願いですか?聖女様があの惨状を見てスカッとされたそうです。え?あの、なんともいえないグチャグチャな惨状を見てですか?エルフ族にどれだけ嫌悪感をもっているのですか。
中央に作られた祭壇を模倣したところを背景に聖女さまが白い清楚な衣服を身にまとっていますが、どこかのアニメキャラが着ていた服装のように錯覚を覚えたのは気のせいでしょう。勇者が『流石の再現力や』と言っているのは聞こえないことにしておきます。
そして、私の隣には青い礼服を着たクストさん。ふふふ。いつもよりかっこよく見えてしまいますね。
『主は天を造られ、聖所には力と誉れがある。』
目の前の聖女様がこの婚姻を神へと報告するための口上の読み上げられています。
『汝、クスト・ナヴァルはユーフィア・コルバートと死するその時まで共に生きることを誓うか?』
「誓う。」
『汝、ユーフィア・コルバートはクスト・ナヴァルと死するその時まで共に生きることを誓うか?』
「誓います。」
『汝らの誓いを主に届けよう。』
そう聖女様が言われた途端、どこからともなく白い小さな花びらが降って来ました。小さな花びらが風に舞い躍るその姿は
「桜吹雪や」
勇者がそう言ったのが耳に届きます。そう、この目で二度と見ることが出来ないと思っていた、あの魂の故郷の風景。『お祝いだよ』ふとそんな声が聞こえた気がしました。
「ありが・・とうござい・ます。」
涙に揺れてちゃんと見ることができなくなってしまったけど、この風景は絶対に忘れることはないでしょう。
私はクストさんと共にこの世界を生きて行きましょう。
「ユーフィア、俺の側で生きてくれるか?」
クストさんに涙を拭われ尋ねられました。ふふふ。
「ユーフィアはクストの側で生きていきますよ。」
そして、白い花びらが舞う中、誓いの口づけをします。そう、共に生きるという誓いであり、私がこの世界で生きていくという誓いです。
数年後。
それから、私は何者にも強要されず好きなだけ好きな物を作ることができるようになりました。
ただ、夫となったクストのスキンシップがちょっと困ることがあるのですけど、膝の上に座らされるとか、そのまま食事をしなければならないとか、お風呂が一緒じゃないといけないとか。もちろん、ベッドも一緒です。
あと番の儀式というのを行いまして、獣人と人族の寿命を合わせる儀式だそうです。ですので普通の人より長く物を作ることが出来るのです。
そして、私は2人の男の子に恵まれ、クストと共に幸せに暮らしています。
エルフ族はあれからすっかり大人しくなり、迷惑料として大量の良質の魔石を置いて行きました。勇者がなにかしら脅しをしたようです。勇者様、カメラが欲しいからと言ってドラゴンの生首を持って屋敷に訪ねて来ないで欲しかったです。きっと聖女様を撮るのに使うのでしょう。
サウザール公爵家の悪業は相変わらず国を渡っていても聞こえる程です。この国まで来るようなら徹底交戦しますけどね。俺がなんとかするって?頼りにしていますよ。旦那様。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここまで読んでくださいましてありがとうございました。
かわいい旦那様と武器を持たすと最強の嫁という感じになりました。旦那様はもちろん強いですから。と、取り敢えず言っておきます。
本当は6話の短編でしたが、たくさんの読者様に支えられユーフィアの結婚式という一区切りまでたどり着きました。ありがとうございます。
本編はここで終わりとさせていただきます。
この話では、ざまぁはありません。スカッとはしない終わり方になっておりますが、ユーフィアはもの作りができればいいので、こういう形になっております。
読んでいただきました読者様に感謝申しあげます。
結婚式の挿絵追加します。
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