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27章 魔人と神人
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「しかし、そこまでして、肉体を変質させることだったのか?」
モルテ王が『キメラかぁ』と、叫んでいるシュロスを見て言っている。それは、この白い甲冑にそこまでする価値があるのかと言いたいのだろう。
何か考え事をしているシェリーに尋ねる。
「こいつは魔人化したラフテリアと同じだ。周りがどう言おうが、己の道を突き進むヤツだろう?」
シュロスという存在のために肉体を変質させてまで、接触すべきことだったのだろうかと。しかし、現に悪魔と呼ばれる存在が、シュロスが居た場所に現れた。
「アーク族のことや空島のことを知っていたエリザベート様でさえ、王の存在を知らなかったのです。きっと意味があったのでしょうが、私はアーク族ではないのでわかりませんよ」
アーク族ではないのでわからない。シェリーは当たり前のことを言った。ゲーム脳のシュロスに何を期待するのかと。
「レベリオンの血というものの方が私は気になりますね」
そう言いながらシェリーの頭の中では過去のことが思い出されていた。怪しい黒い水が溜まっていた場所だ。
シェリーの目で視たところでは『蠱毒の源』とあった。そして、オリバー曰く、次元の悪魔を作り出す元だと言っていた。
そしてシュロスは黒くドロっとしたものが死した神から出てきたと。
これは同じモノのことを言っているのではないのかとシェリーは考えていたのだ。
「それを全て浄化すれば、これ以上悪魔という存在が増えないのではと思うの……」
どこの場所にあるのかわからないが、次元の悪魔を増やさないためには根本的な解決が必要だろう。
「南側に行けって、ラフテリア様のところではなく、こっちにかかってくる?相変わらず説明が無いからわからない」
シェリーは考えながら言っている言葉を止めたかと思えば、また独り言を言い出した。それは何度も白き神から言われている大陸の南側に行くように言われたことだ。
それも散歩に行くようにちょっと行かないっていう感じにだ。
いや、そもそも神殺しが行われたのは既に空島が北側にしか無い時代の話だ。
だったらシュロスからの話から推測すると、レベリオンの血というモノが大陸の北側に至るところにあるはずである。そして、ラフテリア大陸には魔物が存在せず、白き神がある意味浄化したと神言したことから、レベリオンの血は存在していないように受け止められる。
シェリーは白い甲冑に視線を向けた。
「神殺しの後に出てきたモノは動いていましたか?」
神の成れの果てが動くのか疑問だが、とある世界の国には落神や祟神という言葉がある。その黒いドロっとしたモノに意思が存在していたとすればどうだろう?
「ああ、あれな。ベチャッって床に拡がったかと思えば、何かに成ろうとしたのか、起き上がってきたんだよなぁ。切っても燃やしても凍らせても全然効かないから、空島から捨てた。すっげーキモかったし」
「はぁ。動くということですね」
シュロスの答えに、シェリーは呆れるようにため息を吐き出す。動くということは、移動が可能だということだ。
「エリザベート様の資料にはレベリオンの血に関することはないのですか?」
シェリーは今度はレガートスに尋ねた。大魔女エリザベートであれば、その知識で正確なことを見抜いていたかもしれない。
「なかったと思いますね。そもそもレベリオンの血というのは、レグスという種族が戦士になるために必要なモノという我々の認識で、他国には知れ渡っていないと思いますね」
しかしレガートスは、そもそもカウサ神教国が、国を拡大させるために滅ぼした種族だから、レベリオンの血という言葉をエリザベートが知らない可能性があると。
「黒の聖女よ。我々が生きていた四千年間の間で、レグスの戦士という存在の噂が流れては来ていない。そんな個体が存在していれば、エリザベートが真っ先に興味を持つと思うからな」
モルテ王が言うように、次元の悪魔という存在が地上に現れたのは、30年前のグローリア国だ。
それ以前に存在していれば、当時の魔導師長であったオリバーが出てくるまで、苦戦を強いられることは無かったはず。
そして一種の魔導生物では無いのかと、今回なっているが、変わったモノがこの世界に存在していれば、エリザベートが興味を持ったことには間違いは無い。
「はぁ。毎回ですが、何かがわかったとなっても、結論には至りませんね。結局もう一度実物をみてみないことには話になりません」
シェリーは『蠱毒の源』という存在の話をしているはずなのだが、何故か白い甲冑をジト目で見ながら言っている。
大魔女エリザベートとアーク族の王という存在が、アーク族にとって神に等しいのではと結論付けた。しかし、その本人はただのゲーム脳で、国のためではなく、己のエンディングを迎える為に行動をしていただに過ぎなかったのだ。
「シェリー。見すぎ」
そのシェリーの目をカイルが片手で塞ぐ。文句を言いながら、シュロスを構うシェリーが嫌なのだろう。
いや、文句をシェリーは言いながらでも、その存在の大きさを認めていることが白き神を彷彿とさせ、イラついているのだ。
そう、シュロスの性格はあまりにも白き神に似通っていると。
「佐々木さんの彼氏の心、超狭っ!」
モルテ王が『キメラかぁ』と、叫んでいるシュロスを見て言っている。それは、この白い甲冑にそこまでする価値があるのかと言いたいのだろう。
何か考え事をしているシェリーに尋ねる。
「こいつは魔人化したラフテリアと同じだ。周りがどう言おうが、己の道を突き進むヤツだろう?」
シュロスという存在のために肉体を変質させてまで、接触すべきことだったのだろうかと。しかし、現に悪魔と呼ばれる存在が、シュロスが居た場所に現れた。
「アーク族のことや空島のことを知っていたエリザベート様でさえ、王の存在を知らなかったのです。きっと意味があったのでしょうが、私はアーク族ではないのでわかりませんよ」
アーク族ではないのでわからない。シェリーは当たり前のことを言った。ゲーム脳のシュロスに何を期待するのかと。
「レベリオンの血というものの方が私は気になりますね」
そう言いながらシェリーの頭の中では過去のことが思い出されていた。怪しい黒い水が溜まっていた場所だ。
シェリーの目で視たところでは『蠱毒の源』とあった。そして、オリバー曰く、次元の悪魔を作り出す元だと言っていた。
そしてシュロスは黒くドロっとしたものが死した神から出てきたと。
これは同じモノのことを言っているのではないのかとシェリーは考えていたのだ。
「それを全て浄化すれば、これ以上悪魔という存在が増えないのではと思うの……」
どこの場所にあるのかわからないが、次元の悪魔を増やさないためには根本的な解決が必要だろう。
「南側に行けって、ラフテリア様のところではなく、こっちにかかってくる?相変わらず説明が無いからわからない」
シェリーは考えながら言っている言葉を止めたかと思えば、また独り言を言い出した。それは何度も白き神から言われている大陸の南側に行くように言われたことだ。
それも散歩に行くようにちょっと行かないっていう感じにだ。
いや、そもそも神殺しが行われたのは既に空島が北側にしか無い時代の話だ。
だったらシュロスからの話から推測すると、レベリオンの血というモノが大陸の北側に至るところにあるはずである。そして、ラフテリア大陸には魔物が存在せず、白き神がある意味浄化したと神言したことから、レベリオンの血は存在していないように受け止められる。
シェリーは白い甲冑に視線を向けた。
「神殺しの後に出てきたモノは動いていましたか?」
神の成れの果てが動くのか疑問だが、とある世界の国には落神や祟神という言葉がある。その黒いドロっとしたモノに意思が存在していたとすればどうだろう?
「ああ、あれな。ベチャッって床に拡がったかと思えば、何かに成ろうとしたのか、起き上がってきたんだよなぁ。切っても燃やしても凍らせても全然効かないから、空島から捨てた。すっげーキモかったし」
「はぁ。動くということですね」
シュロスの答えに、シェリーは呆れるようにため息を吐き出す。動くということは、移動が可能だということだ。
「エリザベート様の資料にはレベリオンの血に関することはないのですか?」
シェリーは今度はレガートスに尋ねた。大魔女エリザベートであれば、その知識で正確なことを見抜いていたかもしれない。
「なかったと思いますね。そもそもレベリオンの血というのは、レグスという種族が戦士になるために必要なモノという我々の認識で、他国には知れ渡っていないと思いますね」
しかしレガートスは、そもそもカウサ神教国が、国を拡大させるために滅ぼした種族だから、レベリオンの血という言葉をエリザベートが知らない可能性があると。
「黒の聖女よ。我々が生きていた四千年間の間で、レグスの戦士という存在の噂が流れては来ていない。そんな個体が存在していれば、エリザベートが真っ先に興味を持つと思うからな」
モルテ王が言うように、次元の悪魔という存在が地上に現れたのは、30年前のグローリア国だ。
それ以前に存在していれば、当時の魔導師長であったオリバーが出てくるまで、苦戦を強いられることは無かったはず。
そして一種の魔導生物では無いのかと、今回なっているが、変わったモノがこの世界に存在していれば、エリザベートが興味を持ったことには間違いは無い。
「はぁ。毎回ですが、何かがわかったとなっても、結論には至りませんね。結局もう一度実物をみてみないことには話になりません」
シェリーは『蠱毒の源』という存在の話をしているはずなのだが、何故か白い甲冑をジト目で見ながら言っている。
大魔女エリザベートとアーク族の王という存在が、アーク族にとって神に等しいのではと結論付けた。しかし、その本人はただのゲーム脳で、国のためではなく、己のエンディングを迎える為に行動をしていただに過ぎなかったのだ。
「シェリー。見すぎ」
そのシェリーの目をカイルが片手で塞ぐ。文句を言いながら、シュロスを構うシェリーが嫌なのだろう。
いや、文句をシェリーは言いながらでも、その存在の大きさを認めていることが白き神を彷彿とさせ、イラついているのだ。
そう、シュロスの性格はあまりにも白き神に似通っていると。
「佐々木さんの彼氏の心、超狭っ!」
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