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27章 魔人と神人
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「既に人が生きる倍は生きているんだ!身体が成長しているってことは、このゲームも寿命っていうやつがあるよな!」
相変わらずゲームの世界と思い込んでいるシュロスだが、案外現実的な考えを持っていた。
「今更だが、国造り系は次代を作らないといけないと思ったのだ。しかし今いる身体が老化すれば、次の身体に移らないと続きが出来ないだろう?」
「やめろ!」
いつもとは違って、シェリーは言葉を吐き捨てる。この考えだとシュロスは魂がない器を作ってそこに己の魂を入れようとするだろう。それは本当に永劫の王となってしまう。
「でもさぁ。その体は今の力が使えるのか?この俺の力はこの肉体だけで、新しい身体を得るとリセットされて一からなのか……よくあるだろう?引き継げない系って」
シュロスは己の力は特別だと認識している。そして、その能力がリセットされる懸念が残されている限り、怪しい魂の器を作ることはなさそうだ。
「でだ、聖女の佐々木さんは会った頃と何も変わらない。っと言うことはずっと生きる事ができる手段があるってことだ!その秘術を教えてくれ!」
シュロスはシェリーを見上げながらキラキラした目で見てくる。そのシュロスをシェリーはクソ虫を見る視線で見下ろす。二人の温度差が酷かった。
「私がここにいるのは白き神の所為ですから」
「それは神さんに願えってことか?」
「やめろ……それはろくな事にならない」
シェリーの言葉を安直に解釈したシュロスの答えに、またしてもシェリーはぶった切る。
「だったらどうしろって言うんだ!このままだと、俺はいつまで経ってもエンディングを迎えられないだろう!」
シュロスはありもしないエンディングを未だに追い求めるようだ。まぁ、それが彼の在り方なのだから、仕方がないというものだ。
「普通にレベルを上げてください」
クソ虫を見る視線のままシェリーは答えた。だが、その答えにシュロスは首をかしげる。
「レベル……」
これはどうしたのだろうか。ゲーム脳のシュロスが首を傾げている。
レベルという言葉がわからないわけではないだろう。
「はぁ……未だにレベル20とは、どういうことかと思っていたら、レベラゲしていなかったのですか」
シェリーの目はシュロスのレベルが20とみえているようだ。そしてそのレベルの低さにため息を吐いている。
しかしだ。今の時代は魔物が存在していない世界だ。そもそもどうやってレベルを上げるというのだろう。
いや、レベルが20にまでなっているということは、何かしらの経験値を得て、レベルが20にまで上がったということだ。
「ちょっと待て!レベルがあるのか?ステータスオープンで見れなかったぞ!」
どうやら一度は試していたようだ。しかしそれで見れなかったので、それ以降試すことがなかったようだ。
「モンスターとかいないし!ダンジョンとかも無いし!絶対にほのぼの系のゲームだろう!」
「レベルは存在しますよ。それに試してみたのはいつのときですか?」
「物心がついて直ぐだ!」
流石ゲーム脳のシュロスだ。ここが異世界……ゲームの世界だとわかって、直ぐに試してみたようだ。しかし、ステータスは見れなかったと。
「それ、まだ魔力が安定していない時期なので、見れなかったと思います」
「魔力もあるのかよ!」
シュロスの心からの叫びに、今までどうしていたのだと、ため息が耐えないシェリーは星を見ることで心を落ち着かせる。
無自覚のゲーム脳は馬鹿でしかないと。
「その翼。翼で飛んでいるようで、浮遊の魔術で飛んでいると、気づいていなかったのですか?」
この時代の鳥人は空を飛べていた。その飛べていた理由は、浮遊の魔術を使って翼は揚力を生み出す役目しかないのだろう。
そして物心がつく前に鳥人の習性として空を飛べていたとすれば、無自覚なのも頷ける。
「幼い頃は魔力の出力が不安定なので、見れませんが、成長すれば『ステータス』と言えば見れます」
「後出し!後出し過ぎる!佐々木さん!サポーターなら、それは最初に言うことだろう!ほら!チュートリアルみたいなときに!」
今まで地面に腰を下ろしていたシュロスは、あまりにもの理不尽なシェリーの言葉に、立ち上がって問い詰める。今更感があり過ぎると。
「大抵の人はレベル90が頭打ちです」
「無視!無視なのか!NPCでも会話してくれたじゃないか!」
シュロスはシェリーの肩を揺さぶって、会話の成立を望むも、シェリーは会話が成り立つことを放棄し、そのまま話続けた。
「レベル100。それ以上が英雄と言われる指標です。そこから先は種族の枠を超えることが可能です」
「え?」
シェリーの言葉にシュロスは揺さぶっていた手を止めて、目を見開いている。
「更に先、超越者と呼ばれる者が到達するレベル200以上。正に世界を制することができる力の持ち主たちがいます」
「世界を制する力……」
「その一人に1000年生きている人がいます。ただ種族が長命の種族ではありますが」
「1000年……1000年……千年王国……ミレニアム!」
シェリーの言葉の何かがシュロスの何かに引っかかったのだろう。怪しい言葉を言い始めた。
補足
シェリーはいつもは真理の眼を使っているので、『ステータス』というものではみていません。それ以外に炎王は鑑定を用いてみています。陽子はダンジョンマスターの能力でステータスをみることができます。
ではゲーム脳シュロスがなぜステータスを見れなかったのか。一つは16歳ぐらいになるまで普通は魔力の扱いが安定しないと言われています。
(この辺りは『俺にとってこの異世界は理不尽すぎるのでは?』で少し説明しています)
そして一度見れなかった物は、見れないとシュロスが切り捨てたために、ステータスの存在を長きに渡って知りませんでした。
そして魔術を使うという意味では、シュロスの能力が完璧過ぎたので、魔術を使うという認識には至りませんでした。
残念なシュロスです。
相変わらずゲームの世界と思い込んでいるシュロスだが、案外現実的な考えを持っていた。
「今更だが、国造り系は次代を作らないといけないと思ったのだ。しかし今いる身体が老化すれば、次の身体に移らないと続きが出来ないだろう?」
「やめろ!」
いつもとは違って、シェリーは言葉を吐き捨てる。この考えだとシュロスは魂がない器を作ってそこに己の魂を入れようとするだろう。それは本当に永劫の王となってしまう。
「でもさぁ。その体は今の力が使えるのか?この俺の力はこの肉体だけで、新しい身体を得るとリセットされて一からなのか……よくあるだろう?引き継げない系って」
シュロスは己の力は特別だと認識している。そして、その能力がリセットされる懸念が残されている限り、怪しい魂の器を作ることはなさそうだ。
「でだ、聖女の佐々木さんは会った頃と何も変わらない。っと言うことはずっと生きる事ができる手段があるってことだ!その秘術を教えてくれ!」
シュロスはシェリーを見上げながらキラキラした目で見てくる。そのシュロスをシェリーはクソ虫を見る視線で見下ろす。二人の温度差が酷かった。
「私がここにいるのは白き神の所為ですから」
「それは神さんに願えってことか?」
「やめろ……それはろくな事にならない」
シェリーの言葉を安直に解釈したシュロスの答えに、またしてもシェリーはぶった切る。
「だったらどうしろって言うんだ!このままだと、俺はいつまで経ってもエンディングを迎えられないだろう!」
シュロスはありもしないエンディングを未だに追い求めるようだ。まぁ、それが彼の在り方なのだから、仕方がないというものだ。
「普通にレベルを上げてください」
クソ虫を見る視線のままシェリーは答えた。だが、その答えにシュロスは首をかしげる。
「レベル……」
これはどうしたのだろうか。ゲーム脳のシュロスが首を傾げている。
レベルという言葉がわからないわけではないだろう。
「はぁ……未だにレベル20とは、どういうことかと思っていたら、レベラゲしていなかったのですか」
シェリーの目はシュロスのレベルが20とみえているようだ。そしてそのレベルの低さにため息を吐いている。
しかしだ。今の時代は魔物が存在していない世界だ。そもそもどうやってレベルを上げるというのだろう。
いや、レベルが20にまでなっているということは、何かしらの経験値を得て、レベルが20にまで上がったということだ。
「ちょっと待て!レベルがあるのか?ステータスオープンで見れなかったぞ!」
どうやら一度は試していたようだ。しかしそれで見れなかったので、それ以降試すことがなかったようだ。
「モンスターとかいないし!ダンジョンとかも無いし!絶対にほのぼの系のゲームだろう!」
「レベルは存在しますよ。それに試してみたのはいつのときですか?」
「物心がついて直ぐだ!」
流石ゲーム脳のシュロスだ。ここが異世界……ゲームの世界だとわかって、直ぐに試してみたようだ。しかし、ステータスは見れなかったと。
「それ、まだ魔力が安定していない時期なので、見れなかったと思います」
「魔力もあるのかよ!」
シュロスの心からの叫びに、今までどうしていたのだと、ため息が耐えないシェリーは星を見ることで心を落ち着かせる。
無自覚のゲーム脳は馬鹿でしかないと。
「その翼。翼で飛んでいるようで、浮遊の魔術で飛んでいると、気づいていなかったのですか?」
この時代の鳥人は空を飛べていた。その飛べていた理由は、浮遊の魔術を使って翼は揚力を生み出す役目しかないのだろう。
そして物心がつく前に鳥人の習性として空を飛べていたとすれば、無自覚なのも頷ける。
「幼い頃は魔力の出力が不安定なので、見れませんが、成長すれば『ステータス』と言えば見れます」
「後出し!後出し過ぎる!佐々木さん!サポーターなら、それは最初に言うことだろう!ほら!チュートリアルみたいなときに!」
今まで地面に腰を下ろしていたシュロスは、あまりにもの理不尽なシェリーの言葉に、立ち上がって問い詰める。今更感があり過ぎると。
「大抵の人はレベル90が頭打ちです」
「無視!無視なのか!NPCでも会話してくれたじゃないか!」
シュロスはシェリーの肩を揺さぶって、会話の成立を望むも、シェリーは会話が成り立つことを放棄し、そのまま話続けた。
「レベル100。それ以上が英雄と言われる指標です。そこから先は種族の枠を超えることが可能です」
「え?」
シェリーの言葉にシュロスは揺さぶっていた手を止めて、目を見開いている。
「更に先、超越者と呼ばれる者が到達するレベル200以上。正に世界を制することができる力の持ち主たちがいます」
「世界を制する力……」
「その一人に1000年生きている人がいます。ただ種族が長命の種族ではありますが」
「1000年……1000年……千年王国……ミレニアム!」
シェリーの言葉の何かがシュロスの何かに引っかかったのだろう。怪しい言葉を言い始めた。
補足
シェリーはいつもは真理の眼を使っているので、『ステータス』というものではみていません。それ以外に炎王は鑑定を用いてみています。陽子はダンジョンマスターの能力でステータスをみることができます。
ではゲーム脳シュロスがなぜステータスを見れなかったのか。一つは16歳ぐらいになるまで普通は魔力の扱いが安定しないと言われています。
(この辺りは『俺にとってこの異世界は理不尽すぎるのでは?』で少し説明しています)
そして一度見れなかった物は、見れないとシュロスが切り捨てたために、ステータスの存在を長きに渡って知りませんでした。
そして魔術を使うという意味では、シュロスの能力が完璧過ぎたので、魔術を使うという認識には至りませんでした。
残念なシュロスです。
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