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26章 建国祭
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「うぁ~。もしかして、魔王ってやつは、頭がかなり回るのか?やり方が、えげつない」
人の心を折り方をよく理解しているというのだ。持ち札をどう使えば、人を貶めることができるのかわかっていると。
しかし、話し合いの中で魔王という存在が確定して会話が進んでいる。いや、それほどの異常事態なのだ。
「それで、これからどうするんだ?佐々木さん」
魔王が動いているという前提で話をしているのであれば、聖女としてどうするのだと炎王はシェリーに尋ねた。
「何もしません」
シェリーは、はっきりと言った。世界の聖女として存在して、そのために色々力を手に入れようとしているシェリーが何もしないと言い切ったのだ。
「情報が現段階では何もありませんので、動くことはないです。それに色々不具合が発覚したので、調整に入りたいですね」
そもそも魔王という存在が、どこにいるかはわからないので、対処のしようがない。いや、帝国と手を組んているとすると、帝国に存在している可能性が高い。
だが、ここ最近シェリーは自分のスキル創造が不具合を見せているので、細かな調整をしたいということだ。
「ですので、情報収集にシュピンネ族の力が必要ですので、一人ください」
結局そこに至るのだ。炎国で御庭番という役職について、次元の悪魔を倒すことのできるという人材確保をシェリーは望んでいる。
「だから、彼奴等は気難しいから無理だと言っている。強いていうなら、弱みにつけ込んで言うことを聞かせれば、動いてくれるんじゃないのか?」
炎王は酷いことを口にする。弱みを掴みそれで脅すと言っているのだ。
「炎王。非道ですね」
「いや、俺はそんなことはしていない。あいつらを思い通りに動かそうと思ったらそれぐらいしないと駄目だということだ」
「その割には、炎国で忍者をしているではないですか」
「だから、忍者じゃないからな。それに種族としての性だろう。俺は何も命令していない」
シュピンネ族として、国という組織の中での役目をわかっているというのだろう。
「だからですか、色々見逃しているのは」
チクリと炎王に言うシェリー。見逃しているのはマルス帝国のことだろう。
「はぁ、言わないでくれ、性だと言っただろう。基本的には動かずに巣に引っかかったモノを仕留めるのだ。範囲外のモノは基本的にスルーする」
「かなり範囲の狭い巣なのですね」
シェリーは狭いと言うが、炎国全土というよりも炎王の言葉のニュアンスとしては、炎王が住まう場所を守る存在という感じだ。
「いや、何度も言うがシュピンネ族だからな。機嫌を損ねると暗殺されるからな。もし、佐々木さんが交渉するなら、相手の弱点を交渉材料にすべきだな」
「私に鬼畜になれと?」
「あまり変わらないだろう?」
毒舌のシェリーとしては、大したことはないことだと炎王は苦笑いを浮かべて言い切った。
「しかし、話しているだけで、殺気立って睨みつけなくても、いいと思うが?」
炎王の苦笑いはシェリーに対して浮かべたものではなく、シェリーのツガイの5人に対して浮かべたものだった。
シェリーの毒舌に対して言い返しただけだ。強いていうのであれば、友達という範囲を出ない仲と言って良い。
「それから君たちは魔眼への耐性は得られたのか?今は次元の悪魔だけだが、魔王が存在しているとなれば、完全体の悪魔が出てくる可能性があるぞ」
炎王は5人からの殺気もただの空気のように受け流し、問題であった魔眼への耐性は得られたのかと問いかけた。その言葉に視線を反らす者たちがいる。リオンとオルクスだ。
その二人の反応を見てため息を吐く炎王。
「次元の悪魔ぐらいなら、今のままでも問題ないだろうが、完全体の悪魔が現れれば、今のままでは死ぬぞ」
鬼族として新たな力を得たリオンだとしても、完全体の悪魔には敵わないと炎王は言い切った。
そこにシェリーが問題発言を投下した。
「既に完全体の悪魔は存在しています」
「は?」
「なんと!」
「なんですって!」
シェリーの言葉に反応したのは勿論、炎王とミゲルロディアとオーウィルディアだ。
次元の悪魔が現れたという情報はもたらされてはいたが、年末に発覚したダンジョン内で起こった問題は彼らの耳には入っていなかったのだ。
そのことにシェリーは舌打ちをする。
「ちっ!国同士で情報の共有はしないのですか」
シェリーは国家間の情報共有はしないのかと言っているが、そんな物があるのであれば、ギラン共和国はラース公国に探りを入れようとはしないし、モルテ国の現状の把握も出来ていただろう。
人の心を折り方をよく理解しているというのだ。持ち札をどう使えば、人を貶めることができるのかわかっていると。
しかし、話し合いの中で魔王という存在が確定して会話が進んでいる。いや、それほどの異常事態なのだ。
「それで、これからどうするんだ?佐々木さん」
魔王が動いているという前提で話をしているのであれば、聖女としてどうするのだと炎王はシェリーに尋ねた。
「何もしません」
シェリーは、はっきりと言った。世界の聖女として存在して、そのために色々力を手に入れようとしているシェリーが何もしないと言い切ったのだ。
「情報が現段階では何もありませんので、動くことはないです。それに色々不具合が発覚したので、調整に入りたいですね」
そもそも魔王という存在が、どこにいるかはわからないので、対処のしようがない。いや、帝国と手を組んているとすると、帝国に存在している可能性が高い。
だが、ここ最近シェリーは自分のスキル創造が不具合を見せているので、細かな調整をしたいということだ。
「ですので、情報収集にシュピンネ族の力が必要ですので、一人ください」
結局そこに至るのだ。炎国で御庭番という役職について、次元の悪魔を倒すことのできるという人材確保をシェリーは望んでいる。
「だから、彼奴等は気難しいから無理だと言っている。強いていうなら、弱みにつけ込んで言うことを聞かせれば、動いてくれるんじゃないのか?」
炎王は酷いことを口にする。弱みを掴みそれで脅すと言っているのだ。
「炎王。非道ですね」
「いや、俺はそんなことはしていない。あいつらを思い通りに動かそうと思ったらそれぐらいしないと駄目だということだ」
「その割には、炎国で忍者をしているではないですか」
「だから、忍者じゃないからな。それに種族としての性だろう。俺は何も命令していない」
シュピンネ族として、国という組織の中での役目をわかっているというのだろう。
「だからですか、色々見逃しているのは」
チクリと炎王に言うシェリー。見逃しているのはマルス帝国のことだろう。
「はぁ、言わないでくれ、性だと言っただろう。基本的には動かずに巣に引っかかったモノを仕留めるのだ。範囲外のモノは基本的にスルーする」
「かなり範囲の狭い巣なのですね」
シェリーは狭いと言うが、炎国全土というよりも炎王の言葉のニュアンスとしては、炎王が住まう場所を守る存在という感じだ。
「いや、何度も言うがシュピンネ族だからな。機嫌を損ねると暗殺されるからな。もし、佐々木さんが交渉するなら、相手の弱点を交渉材料にすべきだな」
「私に鬼畜になれと?」
「あまり変わらないだろう?」
毒舌のシェリーとしては、大したことはないことだと炎王は苦笑いを浮かべて言い切った。
「しかし、話しているだけで、殺気立って睨みつけなくても、いいと思うが?」
炎王の苦笑いはシェリーに対して浮かべたものではなく、シェリーのツガイの5人に対して浮かべたものだった。
シェリーの毒舌に対して言い返しただけだ。強いていうのであれば、友達という範囲を出ない仲と言って良い。
「それから君たちは魔眼への耐性は得られたのか?今は次元の悪魔だけだが、魔王が存在しているとなれば、完全体の悪魔が出てくる可能性があるぞ」
炎王は5人からの殺気もただの空気のように受け流し、問題であった魔眼への耐性は得られたのかと問いかけた。その言葉に視線を反らす者たちがいる。リオンとオルクスだ。
その二人の反応を見てため息を吐く炎王。
「次元の悪魔ぐらいなら、今のままでも問題ないだろうが、完全体の悪魔が現れれば、今のままでは死ぬぞ」
鬼族として新たな力を得たリオンだとしても、完全体の悪魔には敵わないと炎王は言い切った。
そこにシェリーが問題発言を投下した。
「既に完全体の悪魔は存在しています」
「は?」
「なんと!」
「なんですって!」
シェリーの言葉に反応したのは勿論、炎王とミゲルロディアとオーウィルディアだ。
次元の悪魔が現れたという情報はもたらされてはいたが、年末に発覚したダンジョン内で起こった問題は彼らの耳には入っていなかったのだ。
そのことにシェリーは舌打ちをする。
「ちっ!国同士で情報の共有はしないのですか」
シェリーは国家間の情報共有はしないのかと言っているが、そんな物があるのであれば、ギラン共和国はラース公国に探りを入れようとはしないし、モルテ国の現状の把握も出来ていただろう。
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