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24章-1 魔の大陸-魔女への依頼
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23章がやっと終わりました。長かったです。24章も長いと思います。
【魔女への依頼】の章として分けようかと思ったのですが、それだと短すぎて、章だけが増える感じになってしまうので、【魔の大陸】という全く章の題名と合わない話が入っていきます。
__________
シェリーの言いようにピクリと三角の耳を動かしたキョウは、シェリーを見ているようで、視線がどこか合わない目をしながら、考えるように唸った。
「う゛ーん?そういうことか」
何かを考えるようにして、何か一人で納得したキョウは視線を黒い鳥に合わし首を傾げながら言った。
「先程はありがとうございました?いや、連れて来い?あー。ザックはなんて言っていたか」
キョウはシェリーへの炎王からの伝言を言い終えた後に、シェリーと言い合いをしてしまった為、ダンジョンマスターへの言葉を忘れてしまったようだ。
『ハハハ。うまいものでも食いに行こうかなー』
そう言って黒い鳥はキョウの肩に乗ってキョウの頭をパシパシと翼で叩いている。キョウがお使いの言葉を忘れるのはよくあることらしい。しっかりしたザックにダンジョンマスターは用件を確認しに行くのだろう。
「シェリー・カークス。魔武器は置型にしろ」
キョウはシェリーにそう言い、シェリーのツガイ達の方を見て頭を下げ、『お時間をいただきましてありがとうございました』と、そう言って踵を返して背を向け、去っていった。
「彼は公爵夫人を否定していたのに魔武器を指定してきたんだね」
カイルがキョウの去っていく背中を見ながら疑問を口にした。
「キョウは先見ができるからな。恐らくなにかが見えたのだろ」
リオンがそのような事を言う。そう、キョウはアリス程ではないが、未来を見ることができる。先程、キョウはシェリーが提示したユーフィアの魔武器に関しての未来を見てしまったのだろう。
シェリーは魔石を足元に転がす。
「シェリー、待って」
用が終われば、ここには用が無いと言わんばかりに転移の陣を形成する。もともとユールクスに言われ、この地にきたのだ。アリスの碑文を確認できればこの地に用はない。
シェリーの転移陣に慌てて5人が入り込み、エルトの地を去った。
家に戻ったシェリーは早速地下に降りていく。約10日程しか家を空けていなかったにも関わらず、怪しい生物が屋敷の中を徘徊していた。
やはり駆除は毎日しないといけないようだ。
シェリーは地下の階段にはびこる怪しい生物を蹴り飛ばしながら降りていく。降りていった突き当りの扉を部屋の住人に入室の許可を取らずに開け、中に入っていった。
部屋の中は相変わらずモノが散乱し、何に使うのかわからない素材や鉱石など多種多様のものが散らばっている。部屋の住人はというと長椅子で寝ていた。
今は夕刻になろうかという時間帯なので、昼夜逆転しているオリバーからしたら就寝時間だ。その寝ている住人に対してシェリーは側に寄って揺り起こす。
「なんだね。人が寝ているというのに」
相変わらず目の下のクマが酷い顔をシェリーに向けて、オリバーが目を開けた。
「お土産と相談がある」
「急ぎか?」
寝ているオリバーを起こす程の事だ。どうでもいいことで起こすなと匂わしている。
「早めに対処したほうがいいと思ったから起こした」
シェリーがそのような事をいうなどよっぽどのことなのだろうとオリバーは体を起こす。
「その相談は彼らでは駄目なのかね」
彼ら。シェリーのツガイたちに出来ない相談なのかと。
寝ているところを起こされたオリバーは機嫌が悪いようだ。
そんなオリバーにシェリーは赤い鉱石を手渡す。その鉱石を受け取ったオリバーは目を輝かせ赤い鉱石を見た。
「『アルテリカの火』か。これはどうしたのだね。盗掘してきたのかね?」
盗掘。失礼な言い方だ。
「依頼を受けたから多めに貰って来た。これを使える状態にして欲しい」
「どこで使うつもりだ?」
「ウランザール」
そう答えてシェリーは一抱えある大きさの鉱石を8個床に積み上げた。ただでさえ物で溢れかえっている部屋が一段と狭く感じてしまう程の量だ。
「よくこれ程持って来れたものだ」
「途中でダンジョンマスターに止められてしまった」
「それはそうだろうね。それで、相談とは?」
オリバーは珍しい素材を目の当たりにして幾分か機嫌が良くなったようだ。
「アリスからの未来視で、魔人ミゲルロディアをラースの大公に戻すようにあったのだけど、それって可能だと思う?」
シェリーの言葉にオリバーは赤い鉱石に囚われていた視線をシェリーに向け、考え込む。
「ふむ」
部屋の中はカサカサと何かが動く音やズルズルと何かが這いずる音が響いている。異様でしかない。そして、シェリーの足元には黒い四つ目の猫がまとわり付いていた。
「魔人は魔人化する要因となったモノに触れない限り普通の人と変わらないと言われているが、実際どこまでが本当かはわからない」
結局オリバーでもわからないという回答だったかとシェリーは思い。現実的ではないということなのだろうと結論を出そうとしたところで、オリバーが続きを話し出す。
「初源の魔人は魔の大陸とこちらの大陸を自由に移動しているが、暴れたのは4千年前の一度きり、周りの環境さえ整えれば魔人を大公にというのは案外いけるのかもしれないな」
初代聖女にして初源の魔人。その名はラフテリア。己の番の死によって魔人化した者の名だ。
【魔女への依頼】の章として分けようかと思ったのですが、それだと短すぎて、章だけが増える感じになってしまうので、【魔の大陸】という全く章の題名と合わない話が入っていきます。
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シェリーの言いようにピクリと三角の耳を動かしたキョウは、シェリーを見ているようで、視線がどこか合わない目をしながら、考えるように唸った。
「う゛ーん?そういうことか」
何かを考えるようにして、何か一人で納得したキョウは視線を黒い鳥に合わし首を傾げながら言った。
「先程はありがとうございました?いや、連れて来い?あー。ザックはなんて言っていたか」
キョウはシェリーへの炎王からの伝言を言い終えた後に、シェリーと言い合いをしてしまった為、ダンジョンマスターへの言葉を忘れてしまったようだ。
『ハハハ。うまいものでも食いに行こうかなー』
そう言って黒い鳥はキョウの肩に乗ってキョウの頭をパシパシと翼で叩いている。キョウがお使いの言葉を忘れるのはよくあることらしい。しっかりしたザックにダンジョンマスターは用件を確認しに行くのだろう。
「シェリー・カークス。魔武器は置型にしろ」
キョウはシェリーにそう言い、シェリーのツガイ達の方を見て頭を下げ、『お時間をいただきましてありがとうございました』と、そう言って踵を返して背を向け、去っていった。
「彼は公爵夫人を否定していたのに魔武器を指定してきたんだね」
カイルがキョウの去っていく背中を見ながら疑問を口にした。
「キョウは先見ができるからな。恐らくなにかが見えたのだろ」
リオンがそのような事を言う。そう、キョウはアリス程ではないが、未来を見ることができる。先程、キョウはシェリーが提示したユーフィアの魔武器に関しての未来を見てしまったのだろう。
シェリーは魔石を足元に転がす。
「シェリー、待って」
用が終われば、ここには用が無いと言わんばかりに転移の陣を形成する。もともとユールクスに言われ、この地にきたのだ。アリスの碑文を確認できればこの地に用はない。
シェリーの転移陣に慌てて5人が入り込み、エルトの地を去った。
家に戻ったシェリーは早速地下に降りていく。約10日程しか家を空けていなかったにも関わらず、怪しい生物が屋敷の中を徘徊していた。
やはり駆除は毎日しないといけないようだ。
シェリーは地下の階段にはびこる怪しい生物を蹴り飛ばしながら降りていく。降りていった突き当りの扉を部屋の住人に入室の許可を取らずに開け、中に入っていった。
部屋の中は相変わらずモノが散乱し、何に使うのかわからない素材や鉱石など多種多様のものが散らばっている。部屋の住人はというと長椅子で寝ていた。
今は夕刻になろうかという時間帯なので、昼夜逆転しているオリバーからしたら就寝時間だ。その寝ている住人に対してシェリーは側に寄って揺り起こす。
「なんだね。人が寝ているというのに」
相変わらず目の下のクマが酷い顔をシェリーに向けて、オリバーが目を開けた。
「お土産と相談がある」
「急ぎか?」
寝ているオリバーを起こす程の事だ。どうでもいいことで起こすなと匂わしている。
「早めに対処したほうがいいと思ったから起こした」
シェリーがそのような事をいうなどよっぽどのことなのだろうとオリバーは体を起こす。
「その相談は彼らでは駄目なのかね」
彼ら。シェリーのツガイたちに出来ない相談なのかと。
寝ているところを起こされたオリバーは機嫌が悪いようだ。
そんなオリバーにシェリーは赤い鉱石を手渡す。その鉱石を受け取ったオリバーは目を輝かせ赤い鉱石を見た。
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盗掘。失礼な言い方だ。
「依頼を受けたから多めに貰って来た。これを使える状態にして欲しい」
「どこで使うつもりだ?」
「ウランザール」
そう答えてシェリーは一抱えある大きさの鉱石を8個床に積み上げた。ただでさえ物で溢れかえっている部屋が一段と狭く感じてしまう程の量だ。
「よくこれ程持って来れたものだ」
「途中でダンジョンマスターに止められてしまった」
「それはそうだろうね。それで、相談とは?」
オリバーは珍しい素材を目の当たりにして幾分か機嫌が良くなったようだ。
「アリスからの未来視で、魔人ミゲルロディアをラースの大公に戻すようにあったのだけど、それって可能だと思う?」
シェリーの言葉にオリバーは赤い鉱石に囚われていた視線をシェリーに向け、考え込む。
「ふむ」
部屋の中はカサカサと何かが動く音やズルズルと何かが這いずる音が響いている。異様でしかない。そして、シェリーの足元には黒い四つ目の猫がまとわり付いていた。
「魔人は魔人化する要因となったモノに触れない限り普通の人と変わらないと言われているが、実際どこまでが本当かはわからない」
結局オリバーでもわからないという回答だったかとシェリーは思い。現実的ではないということなのだろうと結論を出そうとしたところで、オリバーが続きを話し出す。
「初源の魔人は魔の大陸とこちらの大陸を自由に移動しているが、暴れたのは4千年前の一度きり、周りの環境さえ整えれば魔人を大公にというのは案外いけるのかもしれないな」
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