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19章 神の威
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「それでシェリー。先程の事は、なんだったのか説明しれくれないのか?」
目の前に座ったリオンに再度尋ねられた。しかし、これも曖昧な質問だった。
「どのことでしょう?テロス様のことですか?ウエール様のことですか?それとも、白い手の方のことですか?」
「全部だ。」
全部・・・。シェリーはため息を吐く。
「テロス様はウエール様の付き添いでいらしたようですが、イヴェール様の怒りに触れて排除されました。イヴェール様はかなりお怒りだったようなので、一部の化現だけで周りへの影響を与えてしまったようですね。ウエール様は・・・押し付けがましい祝福をされて、イヴェール様に連れ戻されました。以上。」
「あ、それもそうなんだが、あれが神と言うものか?」
リオンからおかしな言葉が漏れた。あれが神と?炎国の王族であり王太子でもあったリオンが言う言葉だろうか。
「光の神が守護されている炎国の王太子が言う言葉とは思えません。」
「俺はお会いしたことがない。そう言えばさっきシェリーは言っていたな。光の神がいるから初代様があのようにあることができると。どう言うことだ?」
会ったことがないか。炎国で光の神の化現に立ち会える存在は限られているということか。
「それは直接、炎王から聞いてください。私が話すことではありません。」
シェリーの言葉にリオンは「教えてくれるとは思えない。」と言葉をもらす。
「シェリー。シェリーはダンジョンに行かないと言っているけど、俺達が側に居ないと困ったことになるんじゃないのかな?」
隣に座ったカイルから言われる。困ったこと・・・ステルラ様からの祝福か。それは仕方がないとシェリーは受け入れることにしている。敵意ではなく好意を向けられることに
「私にとってそれは問題になりません。ダンジョンで無駄な時間を過ごすことの方が問題です。」
『私が作ったダンジョンが無駄って悲しいわ。』
突如として、先日聞いた鈴のような美しい声が響いた。
「今度はナディア様ですか。はぁ。」
リオンの横に赤髪の美しい女性がテーブルに肘を付いて顎を手の上に乗せ、その姿でずっと居たように寛いだ姿で存在していた。
「なんの用ですか?」
本当に立て続けに神が顕れるとは、今日は何という厄日なのだろうか。
『イヴェールがテロスとウエールを連れて謝ってきたから何事かと思ってね。来てみたら、私のダンジョンを否定されているじゃない?私、悲しいわ。』
女神ナディアは涙なんて出ていないのに拭う素振りをみせ、横にいるリオンを見る。視線が合ったリオンはいきなり直ぐ側に顕してきた存在に、固まっていた。
『5人目の鬼人。流石、エン君ね。貴方が一番かしら?キジンに、ねぇ?』
「一番?」
女神ナディアの言葉に首を傾げるリオン。鬼である自分に何を言っているのだろうと思っているのだろう。しかし、シェリーはその言葉の威を理解してしまった。
「神々の威はそこにあるのですか?だから、ラースが2度続けて聖女に選ばれたのですか?」
シェリーの質問に女神ナディアは微笑みを返す。
『あのムカつくヤローが何を考えているかなんて知らないわ。でも、そういうことなのでしょう。』
シェリーは下唇を噛みしめる。ここに来て神々が動き出した理由。押し付けがましい祝福。女神ナディアの言葉が全てを示していた。
『ラースが会いたいって、だから絶対に来なさい。』
それだけ言葉を残して女神ナディアが消えていった。
「シェリー、噛みすぎで血が滲んでしまっている。」
カイルから唇を舐められてしまった。
「あ、ずるい。」
グレイがそう言って膝の上に乗せているシェリーに口づけをする。
「傷になってしまっては大変ですからね。」
スーウェンはシェリーの側に寄って光の癒しを施しなから口づけをする。
「神がどういう考えでも、シェリーの側にいるからな。」
オルクスもシェリーの側に寄って来てグレイの膝の上にいたシェリーを抱え唇をついばむ。
「あの女神は何が言いたかったんだ?」
リオンがオルクスからシェリーを奪い、傷が癒えたシェリーの唇に触れる。
「はぁ。上位種への進化ですよ。私がただの人族ではなく聖人であるように」
「それとラースであることになんの関係があるのかな?」
今度はカイルがリオンからシェリーを奪い取るように抱きかかえる。
「私は誰の血が入っているかです。神の血が入った人。ラースは神人です。だから、この人々の世界に住むには大きすぎる力を持つがために管理される存在。」
あのラースを管理する魔道具のことをいっているのだろう。シェリーもルークもオーウィルディアもビアンカも神人であるがために管理されていると。
目の前に座ったリオンに再度尋ねられた。しかし、これも曖昧な質問だった。
「どのことでしょう?テロス様のことですか?ウエール様のことですか?それとも、白い手の方のことですか?」
「全部だ。」
全部・・・。シェリーはため息を吐く。
「テロス様はウエール様の付き添いでいらしたようですが、イヴェール様の怒りに触れて排除されました。イヴェール様はかなりお怒りだったようなので、一部の化現だけで周りへの影響を与えてしまったようですね。ウエール様は・・・押し付けがましい祝福をされて、イヴェール様に連れ戻されました。以上。」
「あ、それもそうなんだが、あれが神と言うものか?」
リオンからおかしな言葉が漏れた。あれが神と?炎国の王族であり王太子でもあったリオンが言う言葉だろうか。
「光の神が守護されている炎国の王太子が言う言葉とは思えません。」
「俺はお会いしたことがない。そう言えばさっきシェリーは言っていたな。光の神がいるから初代様があのようにあることができると。どう言うことだ?」
会ったことがないか。炎国で光の神の化現に立ち会える存在は限られているということか。
「それは直接、炎王から聞いてください。私が話すことではありません。」
シェリーの言葉にリオンは「教えてくれるとは思えない。」と言葉をもらす。
「シェリー。シェリーはダンジョンに行かないと言っているけど、俺達が側に居ないと困ったことになるんじゃないのかな?」
隣に座ったカイルから言われる。困ったこと・・・ステルラ様からの祝福か。それは仕方がないとシェリーは受け入れることにしている。敵意ではなく好意を向けられることに
「私にとってそれは問題になりません。ダンジョンで無駄な時間を過ごすことの方が問題です。」
『私が作ったダンジョンが無駄って悲しいわ。』
突如として、先日聞いた鈴のような美しい声が響いた。
「今度はナディア様ですか。はぁ。」
リオンの横に赤髪の美しい女性がテーブルに肘を付いて顎を手の上に乗せ、その姿でずっと居たように寛いだ姿で存在していた。
「なんの用ですか?」
本当に立て続けに神が顕れるとは、今日は何という厄日なのだろうか。
『イヴェールがテロスとウエールを連れて謝ってきたから何事かと思ってね。来てみたら、私のダンジョンを否定されているじゃない?私、悲しいわ。』
女神ナディアは涙なんて出ていないのに拭う素振りをみせ、横にいるリオンを見る。視線が合ったリオンはいきなり直ぐ側に顕してきた存在に、固まっていた。
『5人目の鬼人。流石、エン君ね。貴方が一番かしら?キジンに、ねぇ?』
「一番?」
女神ナディアの言葉に首を傾げるリオン。鬼である自分に何を言っているのだろうと思っているのだろう。しかし、シェリーはその言葉の威を理解してしまった。
「神々の威はそこにあるのですか?だから、ラースが2度続けて聖女に選ばれたのですか?」
シェリーの質問に女神ナディアは微笑みを返す。
『あのムカつくヤローが何を考えているかなんて知らないわ。でも、そういうことなのでしょう。』
シェリーは下唇を噛みしめる。ここに来て神々が動き出した理由。押し付けがましい祝福。女神ナディアの言葉が全てを示していた。
『ラースが会いたいって、だから絶対に来なさい。』
それだけ言葉を残して女神ナディアが消えていった。
「シェリー、噛みすぎで血が滲んでしまっている。」
カイルから唇を舐められてしまった。
「あ、ずるい。」
グレイがそう言って膝の上に乗せているシェリーに口づけをする。
「傷になってしまっては大変ですからね。」
スーウェンはシェリーの側に寄って光の癒しを施しなから口づけをする。
「神がどういう考えでも、シェリーの側にいるからな。」
オルクスもシェリーの側に寄って来てグレイの膝の上にいたシェリーを抱え唇をついばむ。
「あの女神は何が言いたかったんだ?」
リオンがオルクスからシェリーを奪い、傷が癒えたシェリーの唇に触れる。
「はぁ。上位種への進化ですよ。私がただの人族ではなく聖人であるように」
「それとラースであることになんの関係があるのかな?」
今度はカイルがリオンからシェリーを奪い取るように抱きかかえる。
「私は誰の血が入っているかです。神の血が入った人。ラースは神人です。だから、この人々の世界に住むには大きすぎる力を持つがために管理される存在。」
あのラースを管理する魔道具のことをいっているのだろう。シェリーもルークもオーウィルディアもビアンカも神人であるがために管理されていると。
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