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19章 神の威
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オリバーから言われた言葉は厳しい現実だった。勇者でもなく、ラースでもない、ただの聖女のツガイが魔眼耐性を簡単に得られると思っているのかと。
翌朝、朝食を食べているシェリーはドルロール遺跡のダンジョンについて問われていた。
「私は行かないと言いましたよね。」
「それは聞いたよ。ただ、シェリーの意見を聞きたいんだ。俺たちがダンジョンに行って戻ってくるとして、どれぐらいの期間がかかると思う?」
カイルからそのような質問を受けた。その言葉にシェリーは首を傾げる。昨日まではそのダンジョンが何のダンジョンか分かっていないような話方だったが、今の質問はダンジョンの有り様を理解している質問だった。また、オリバーがお節介でもしたのだろう。
「3ヶ月。」
シェリーは端的に答える。
「理由は?」
「あのダンジョンは50階層まで行くことができれば良いほうだと以前グレイさんが言っていましたよね。普通は耐性を得る前に死にます。精神支配と魔眼の脅威に耐えられず狂い死にです。だから、ラースとなるものはダンジョンに潜る何年も前から教育されるそうです。あと、魔眼を持つ魔物が少ないのです。その魔物をダンジョン中を徘徊し探して、耐性を得る。だから、どうしても時間がかかってしまう。」
「だから、3ヶ月か。」
「でもそれは、カイルさんとグレイさんの話です。お二人は魔眼に対して抵抗力を持っていますから、ダンジョンに潜ることはできるでしょうね。」
他の3人はダンジョンに潜ることすらできないと。
「シェリーが魔眼を使って抵抗力を上げていけば問題ない?」
「え?なぜ私がそこまでしなければならないのですか?それに私はギルドから依頼を受けていますので、無理です。」
シェリーはきっぱりと断る。目の前でツガイであるシェリーから遠回しに使いものにならないように言われた3人は落ち込んでしまった。
そんなシェリーに声が降ってきた。
『そ、そんなこと言わないで、つ、付き合ってあげてよぅー。』
このおどおどした感じの言い方は
「時間の無駄です。ウエール様。」
『だ、だって、可哀想。』
「可哀想?一体なにが可哀想なのですか?」
いきなり独り言を言いだしたシェリーにカイルは膝の上に乗せているシェリーを抱きしめ、グレイとスーウェン、オルクスが立ち上がる。ただ一人、リオンの頭の上にはてなが飛んでいた。
『ほら、無理だって言っただろ?人らしい優しさなんて全部あのでっけー胸に置き換わっているんだろ?』
この失礼な物言いは・・・シェリーはカイルの手を払い、立ち上がって歩き出し、右手を何も無い空間の中に突き刺した。
『げ!』
空間に消えた右手を思いっきり引き抜き、左手に拳を作って思いっきり突き出す。
『うぎゃ!』
何も無かった空間から、一人の男性が引っ張り出されてきた。そして、鳩尾にシェリーの拳が突き刺さっている。
「お久しぶりです。テロスさま。」
そう言いながらシェリーは右手を離す。床に腹を抑えている赤い髪の男性が崩れ落ちていく。その姿をシェリーは冷たい眼差しで眺めていた。
『ご、ごめんね。て、テロス。僕が付いて来てって言ったばかりに。しくしく。』
その倒れていった赤い髪の男性に覆いかぶさるように、黄緑色の髪をした男性が顕れた。
「ウエール様。その失礼なバカは自業自得です。」
『て、テロスはバカじゃないよぅー。』
ウエールと呼ばれた神は涙目でシェリーを見上げた。
『痛すぎだ!』
赤髪の男性が文句を言いながらムクリと起き上がってきた。
『何で!神界に空間干渉してんだよ!このデカ乳聖女!』
シェリーは先程と同じ鳩尾を蹴り飛ばす。
テロスと呼ばれた神は部屋の端まで飛ばされていった。
「ワタシ、セイジョですから、それぐらいできますヨ。」
シェリーはそう言いながら赤髪の神に近づいていく。その端まで蹴飛ばされたテロス神は起き上がり、ヨタリと立ち上がる。
『なんで、神である俺が人の攻撃で痛い思いをしているんだ。そもそも、神を殴って蹴るって普通はしないだろ!』
そのテロス神の言葉にシェリーは淡々と
「いつか殴ってやろうと虎視眈々と狙ってますから。」
と答える。
『それはあの御方に対してだろ!本当に乳のでかい女は優しさが全部胸に吸われているんじゃn・・・』
テロス神がシェリーに暴言を吐いていると後ろの空間から、白い細い腕に真っ赤に染められた爪が伸びて来てテロス神の頭を鷲掴みし、そのままテロス神を空間に引きずり込んでいった。
『イヴェール!暴力は駄目だと思う。話し合いをしよう。俺が悪かっt・・・グフっ。』
とテロス神の声が聞こえることから、先程の暴言に対してお仕置きをされているようだ。あの失礼なテロス神はあちらにまかせておいて、シェリーは未だに涙目で震えているウエール神に向き合う。
「流石に今回のことは干渉しすぎではないのでしょうか?ウエール様。」
翌朝、朝食を食べているシェリーはドルロール遺跡のダンジョンについて問われていた。
「私は行かないと言いましたよね。」
「それは聞いたよ。ただ、シェリーの意見を聞きたいんだ。俺たちがダンジョンに行って戻ってくるとして、どれぐらいの期間がかかると思う?」
カイルからそのような質問を受けた。その言葉にシェリーは首を傾げる。昨日まではそのダンジョンが何のダンジョンか分かっていないような話方だったが、今の質問はダンジョンの有り様を理解している質問だった。また、オリバーがお節介でもしたのだろう。
「3ヶ月。」
シェリーは端的に答える。
「理由は?」
「あのダンジョンは50階層まで行くことができれば良いほうだと以前グレイさんが言っていましたよね。普通は耐性を得る前に死にます。精神支配と魔眼の脅威に耐えられず狂い死にです。だから、ラースとなるものはダンジョンに潜る何年も前から教育されるそうです。あと、魔眼を持つ魔物が少ないのです。その魔物をダンジョン中を徘徊し探して、耐性を得る。だから、どうしても時間がかかってしまう。」
「だから、3ヶ月か。」
「でもそれは、カイルさんとグレイさんの話です。お二人は魔眼に対して抵抗力を持っていますから、ダンジョンに潜ることはできるでしょうね。」
他の3人はダンジョンに潜ることすらできないと。
「シェリーが魔眼を使って抵抗力を上げていけば問題ない?」
「え?なぜ私がそこまでしなければならないのですか?それに私はギルドから依頼を受けていますので、無理です。」
シェリーはきっぱりと断る。目の前でツガイであるシェリーから遠回しに使いものにならないように言われた3人は落ち込んでしまった。
そんなシェリーに声が降ってきた。
『そ、そんなこと言わないで、つ、付き合ってあげてよぅー。』
このおどおどした感じの言い方は
「時間の無駄です。ウエール様。」
『だ、だって、可哀想。』
「可哀想?一体なにが可哀想なのですか?」
いきなり独り言を言いだしたシェリーにカイルは膝の上に乗せているシェリーを抱きしめ、グレイとスーウェン、オルクスが立ち上がる。ただ一人、リオンの頭の上にはてなが飛んでいた。
『ほら、無理だって言っただろ?人らしい優しさなんて全部あのでっけー胸に置き換わっているんだろ?』
この失礼な物言いは・・・シェリーはカイルの手を払い、立ち上がって歩き出し、右手を何も無い空間の中に突き刺した。
『げ!』
空間に消えた右手を思いっきり引き抜き、左手に拳を作って思いっきり突き出す。
『うぎゃ!』
何も無かった空間から、一人の男性が引っ張り出されてきた。そして、鳩尾にシェリーの拳が突き刺さっている。
「お久しぶりです。テロスさま。」
そう言いながらシェリーは右手を離す。床に腹を抑えている赤い髪の男性が崩れ落ちていく。その姿をシェリーは冷たい眼差しで眺めていた。
『ご、ごめんね。て、テロス。僕が付いて来てって言ったばかりに。しくしく。』
その倒れていった赤い髪の男性に覆いかぶさるように、黄緑色の髪をした男性が顕れた。
「ウエール様。その失礼なバカは自業自得です。」
『て、テロスはバカじゃないよぅー。』
ウエールと呼ばれた神は涙目でシェリーを見上げた。
『痛すぎだ!』
赤髪の男性が文句を言いながらムクリと起き上がってきた。
『何で!神界に空間干渉してんだよ!このデカ乳聖女!』
シェリーは先程と同じ鳩尾を蹴り飛ばす。
テロスと呼ばれた神は部屋の端まで飛ばされていった。
「ワタシ、セイジョですから、それぐらいできますヨ。」
シェリーはそう言いながら赤髪の神に近づいていく。その端まで蹴飛ばされたテロス神は起き上がり、ヨタリと立ち上がる。
『なんで、神である俺が人の攻撃で痛い思いをしているんだ。そもそも、神を殴って蹴るって普通はしないだろ!』
そのテロス神の言葉にシェリーは淡々と
「いつか殴ってやろうと虎視眈々と狙ってますから。」
と答える。
『それはあの御方に対してだろ!本当に乳のでかい女は優しさが全部胸に吸われているんじゃn・・・』
テロス神がシェリーに暴言を吐いていると後ろの空間から、白い細い腕に真っ赤に染められた爪が伸びて来てテロス神の頭を鷲掴みし、そのままテロス神を空間に引きずり込んでいった。
『イヴェール!暴力は駄目だと思う。話し合いをしよう。俺が悪かっt・・・グフっ。』
とテロス神の声が聞こえることから、先程の暴言に対してお仕置きをされているようだ。あの失礼なテロス神はあちらにまかせておいて、シェリーは未だに涙目で震えているウエール神に向き合う。
「流石に今回のことは干渉しすぎではないのでしょうか?ウエール様。」
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