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15章 コルバートの魔女
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「遅くなりました。」
そう言いながらスーウェンはシェリーの側に来て、シェリーの手を取りくちびるを落とす。
「時間がかかってしまい申し訳ございません。こんなにお側を離れるつもりは無かったのですが。」
シェリー的には戻ってこなくても問題なかったのだが、付属品を付けて戻ってくるなど予想外だった。
「スーウェンさん、それでどうでしたか?」
「妹のところに転移しましたら、昨日から目覚めないと騒ぎになっていたところだったのです。それで渡された液体を眠っている妹に飲ませましたら、目が開いたのです。本当にありがとうございます。」
そのスーウェンの言葉にシェリーは不快感を感じた。タイミングが良すぎると、普通なら2度目の発症は半年から1年後に多く再発していた。2度目を再発しシェリーが呪を解かなかった場合、2週間もせずに亡くなってしまうと言う話を聞いてた。
あれから2ヶ月も経っていない。謎の生命体が発症を早めるように手を加えたのだろう。
この薬を有用性を認めさすために。
シェリーにとってスーウェンの妹で効力があるかないかなど認められなくても良かったのだ。スーウェンの妹が呪いから解放されたという事実だけがあれば良かったのだ。
しかし、謎の生命体が手を加えた事でエルフに薬の効力を認識されてしまった。エルフという種族に関わりを持ちたくなかったというのに。
「それから、父がどうしても聖女様に会いたいと申しまして連れて来ました。」
先程から、スーウェンの後ろで立っているエルフはシェリーの事をずっと見ていたのだ。観察するように、人族と言うものを見下す様にシェリーを見ていた。
「お初にお目にかかります。5代目の聖女様。私は「6代目です。」」
シェリーは名を名乗ろうとした目の前のエルフの言葉を遮って、訂正した。お前たちの種族が初代聖女と言い張っているが、そうではないと言う意味を込めて遮った。
「私は6代目の聖女です。お間違えなきよう。」
シェリーが挨拶を遮った事で不快に思ったのか、中性的で美しい容姿に不快感を顕にした。
「たかが人族の癖に。」
その言葉にシェリーはエルフの長に近づき、彼にしか聞こえない声で囁く。
「・・・の・・・・なかった癖に。」
シェリーの言葉を聞いたエルフの長は怒りを顕にし、魔力の渦が部屋中を満たしていく。
「キサマ。」
「ユーフィア避難だ!転移しろ!」
クストが番であるユーフィアを逃がそうと転移を指示するが
「ここでは無理。結界があるの。」
オリバーの結界はオリバーが許可した人物しか転移が出来ないように設定されているため、ユーフィアは転移が出来ないのだ。
「父上、落ち着いてください。人族の聖女だと言ったではありませんか。」
スーウェンが父親であるエルフの長をなだめるが、エルフの長はスーウェンに向かって
「黙れ!この下等生物は言ってはならない事を言ったのだ!何故、キサマが知っている!たかが人族の癖に!」
シェリーはその質問に答える。巨大な魔力で圧迫感に満ちた空間など存在しないかのように淡々と
「炎王が教えて下さいましたよ。たかが人族ですか、そのたかが人族に一族を壊滅させられたそうじゃないですか。ねぇ。ユーフィアさん。」
「その話は私に振らないで!やりすぎただけなのよ。ほんのちょっとさじ加減が・・・ひっ!」
エルフの長はユーフィアに視線を向けているが、クストがユーフィアを己の背中に隠して見えないようにしている。
「コルバートの魔女か。スーウェンザイル!コルバートの魔女がここに居ることを知って私に黙っていたのか!」
コルバートの魔女。ユーフィアが作り出した魔道具や魔武器は今までに存在しない物だった。まるで魔女のようだと言い出した者がいたためにその様な二つ名が彼女に付けられたのだ。
そして、エルフ族は魔女と言われたユーフィアに手を出し、逆にしてやられたのだ。エルフ族の存続が危機となるほどの被害が出てしまった。
「父上、話しても聞く耳を持たなかったではありませんか、聖女をシャーレンに連れて来いと言うばかりで、そのことは白き神から否定されていると言っても、今はコルバートの魔女が居るからダメだと言っても、連れて来いというばかり。」
「我らが神の言葉を聞ける者が人族にいるはずないだろ!聖女を掲げれば我らは再び世界の頂点に立てるのだぞ!」
エルフの長のその言葉はシェリーの勘に触った。聖女を掲げれば?それからどうするというのだ。
城の奥深くに聖女を押し込んだ猛将プラエフェクト将軍のように、教会の奥深くの牢屋のような部屋に聖女を監禁した教皇グラシアドース猊下のように、誰も出入りが出来ない塔に聖女を隔離した暴君レイアルティス王のようにシェリーの聖女としての名前だけをいいように使おうと言っているのだろう。
そう言いながらスーウェンはシェリーの側に来て、シェリーの手を取りくちびるを落とす。
「時間がかかってしまい申し訳ございません。こんなにお側を離れるつもりは無かったのですが。」
シェリー的には戻ってこなくても問題なかったのだが、付属品を付けて戻ってくるなど予想外だった。
「スーウェンさん、それでどうでしたか?」
「妹のところに転移しましたら、昨日から目覚めないと騒ぎになっていたところだったのです。それで渡された液体を眠っている妹に飲ませましたら、目が開いたのです。本当にありがとうございます。」
そのスーウェンの言葉にシェリーは不快感を感じた。タイミングが良すぎると、普通なら2度目の発症は半年から1年後に多く再発していた。2度目を再発しシェリーが呪を解かなかった場合、2週間もせずに亡くなってしまうと言う話を聞いてた。
あれから2ヶ月も経っていない。謎の生命体が発症を早めるように手を加えたのだろう。
この薬を有用性を認めさすために。
シェリーにとってスーウェンの妹で効力があるかないかなど認められなくても良かったのだ。スーウェンの妹が呪いから解放されたという事実だけがあれば良かったのだ。
しかし、謎の生命体が手を加えた事でエルフに薬の効力を認識されてしまった。エルフという種族に関わりを持ちたくなかったというのに。
「それから、父がどうしても聖女様に会いたいと申しまして連れて来ました。」
先程から、スーウェンの後ろで立っているエルフはシェリーの事をずっと見ていたのだ。観察するように、人族と言うものを見下す様にシェリーを見ていた。
「お初にお目にかかります。5代目の聖女様。私は「6代目です。」」
シェリーは名を名乗ろうとした目の前のエルフの言葉を遮って、訂正した。お前たちの種族が初代聖女と言い張っているが、そうではないと言う意味を込めて遮った。
「私は6代目の聖女です。お間違えなきよう。」
シェリーが挨拶を遮った事で不快に思ったのか、中性的で美しい容姿に不快感を顕にした。
「たかが人族の癖に。」
その言葉にシェリーはエルフの長に近づき、彼にしか聞こえない声で囁く。
「・・・の・・・・なかった癖に。」
シェリーの言葉を聞いたエルフの長は怒りを顕にし、魔力の渦が部屋中を満たしていく。
「キサマ。」
「ユーフィア避難だ!転移しろ!」
クストが番であるユーフィアを逃がそうと転移を指示するが
「ここでは無理。結界があるの。」
オリバーの結界はオリバーが許可した人物しか転移が出来ないように設定されているため、ユーフィアは転移が出来ないのだ。
「父上、落ち着いてください。人族の聖女だと言ったではありませんか。」
スーウェンが父親であるエルフの長をなだめるが、エルフの長はスーウェンに向かって
「黙れ!この下等生物は言ってはならない事を言ったのだ!何故、キサマが知っている!たかが人族の癖に!」
シェリーはその質問に答える。巨大な魔力で圧迫感に満ちた空間など存在しないかのように淡々と
「炎王が教えて下さいましたよ。たかが人族ですか、そのたかが人族に一族を壊滅させられたそうじゃないですか。ねぇ。ユーフィアさん。」
「その話は私に振らないで!やりすぎただけなのよ。ほんのちょっとさじ加減が・・・ひっ!」
エルフの長はユーフィアに視線を向けているが、クストがユーフィアを己の背中に隠して見えないようにしている。
「コルバートの魔女か。スーウェンザイル!コルバートの魔女がここに居ることを知って私に黙っていたのか!」
コルバートの魔女。ユーフィアが作り出した魔道具や魔武器は今までに存在しない物だった。まるで魔女のようだと言い出した者がいたためにその様な二つ名が彼女に付けられたのだ。
そして、エルフ族は魔女と言われたユーフィアに手を出し、逆にしてやられたのだ。エルフ族の存続が危機となるほどの被害が出てしまった。
「父上、話しても聞く耳を持たなかったではありませんか、聖女をシャーレンに連れて来いと言うばかりで、そのことは白き神から否定されていると言っても、今はコルバートの魔女が居るからダメだと言っても、連れて来いというばかり。」
「我らが神の言葉を聞ける者が人族にいるはずないだろ!聖女を掲げれば我らは再び世界の頂点に立てるのだぞ!」
エルフの長のその言葉はシェリーの勘に触った。聖女を掲げれば?それからどうするというのだ。
城の奥深くに聖女を押し込んだ猛将プラエフェクト将軍のように、教会の奥深くの牢屋のような部屋に聖女を監禁した教皇グラシアドース猊下のように、誰も出入りが出来ない塔に聖女を隔離した暴君レイアルティス王のようにシェリーの聖女としての名前だけをいいように使おうと言っているのだろう。
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