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2章 闇と勇者と聖女
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巻き上がる砂ぼこりがこちらに向かってくる。
「俺の番!!!」
シェリーは辺りを見渡し考えた。そして
「俺の番。会いたかった。」
シェリーは勇者の盾を手に入れた。
タララッタッタッター!
もとい、勇者を盾にした。
「黒の悪魔がなぜいる。」
「佐々木さん、俺を盾にせんといてーな。」
赤金の髪に三角の耳がぴんと出た赤い目の金狼族の男がナオフミを睨み付けていた。
シェリーは一直線に向かって来た者に対して目の前のナオフミ胸ぐらを掴んで引き寄せ、場所を入れ替わり、背中を押し出したのだ。
「あなたが招いたものなので対処してください。わたしは関わりたくありません。」
「おれは泥沼三角関係にかかわりとうない。」
「番から否定された。」
「シェリー、このまま行こうか。」
「え?そこの兄ちゃんも番で、赤い人も番?」
カオスである。
とりあえず、シェリーに押し付けられたナオフミが問う。
「そこの大公閣下の次男の兄ちゃん。ちょっと落ち着い聞いてや。」
「だから、なぜ俺の番の隣に黒の悪魔がいるんだ。」
「いや、よう見てや。」
黒髪のシェリーの隣にはカイルがシェリーの腰を抱き寄せ立っている。肝心のシェリーの目は死んでいるが、番フィルターがかかっているものには関係がない。
「テメー。俺の番から離れろ。」
赤い男の頭をはたきながらナオフミは言う。
「違うわ。自分が番ゆうてる子の髪は黒色やろ。俺の子やで。」
「なんだと!黒い髪。悪魔の子が番。」
「嫌なら、さっさとどこかに行けばいいよ。俺の番をそんな目で見ないで欲しいな。」
カイルは殺気を込めた目で言う。
-シェリーをそんな風に言うやつがシェリーの隣にいる資格はない。-
「俺の番だと!そいつは俺のだ。」
「黒髪が受け入れられないんだよね。」
「いや。いや。受け入れる。俺の番、名をなんと言う?」
シェリーは無表情のまま答えない。目は相変わらず死んでいるが
「あっ。さっきのは間違いだ。悪魔とかは嘘だ。違うんだ。」
「落ち着きや犬の兄ちゃん。取り敢えず、自分から名乗りや。それから、隣の竜の兄ちゃんが番ゆうてるのはほんまやで、番が5人いるそうや。」
「5人!え・・?あっ。グレイシャル・ラースという。グレイと呼んでくれ。番の名を教えてくれないか?」
「悪魔と呼ばれています。石を投げられたりします。炎の矢の魔術が飛んで来たりもします。
ユウマさんこれが黒の色を持つ人族に対するこの世界の人の対応です。目の前で見られて勉強になりましたね。」
グレイシャル・ラースと名乗った男は四つん這いになって項垂れた。
夢にまで見た番に出会えたことと、己のトラウマの男に遭遇したこでパニックなり、番に対して言ってはいけないことを口にしてしまったが為に番に嫌われてしまった。
「いや。勉強になったというか。俺よりもすっげー項垂れているけど、これどおすんだ。」
「そのままでよろしいですわ。」
いつの間にか聖女ビアンカがナオフミの横に立っていた。
「ナオフミがなかなか戻って来なくて心配しましたのよ。」
「すまんなぁ。」
ビアンカが虫けらを見るような目で、グレイを見下し
「ナオフミや子供たちの黒色をけなすような者は捨てておけば宜しいのです。お兄様の金狼の第三婦人の子がわたくしを訪ねに来たのでしょう?ここ数日、結界の外を徘徊しているものがいるのはわかっておりましたから。」
「叔母上」
ビアンカの言葉でグレイは顔を上げ、ビアンカを見上げる。
「叔母上、父上を助けてください。頼れる方は叔母上しかいないのです。」
「わたくしは悪魔の妻ですから、無理ですわね。」
「グフッ」
シェリーとビアンカの母子のトゲトゲしい言葉と氷点下の視線にグレイは完全に撃沈した。
「俺の番!!!」
シェリーは辺りを見渡し考えた。そして
「俺の番。会いたかった。」
シェリーは勇者の盾を手に入れた。
タララッタッタッター!
もとい、勇者を盾にした。
「黒の悪魔がなぜいる。」
「佐々木さん、俺を盾にせんといてーな。」
赤金の髪に三角の耳がぴんと出た赤い目の金狼族の男がナオフミを睨み付けていた。
シェリーは一直線に向かって来た者に対して目の前のナオフミ胸ぐらを掴んで引き寄せ、場所を入れ替わり、背中を押し出したのだ。
「あなたが招いたものなので対処してください。わたしは関わりたくありません。」
「おれは泥沼三角関係にかかわりとうない。」
「番から否定された。」
「シェリー、このまま行こうか。」
「え?そこの兄ちゃんも番で、赤い人も番?」
カオスである。
とりあえず、シェリーに押し付けられたナオフミが問う。
「そこの大公閣下の次男の兄ちゃん。ちょっと落ち着い聞いてや。」
「だから、なぜ俺の番の隣に黒の悪魔がいるんだ。」
「いや、よう見てや。」
黒髪のシェリーの隣にはカイルがシェリーの腰を抱き寄せ立っている。肝心のシェリーの目は死んでいるが、番フィルターがかかっているものには関係がない。
「テメー。俺の番から離れろ。」
赤い男の頭をはたきながらナオフミは言う。
「違うわ。自分が番ゆうてる子の髪は黒色やろ。俺の子やで。」
「なんだと!黒い髪。悪魔の子が番。」
「嫌なら、さっさとどこかに行けばいいよ。俺の番をそんな目で見ないで欲しいな。」
カイルは殺気を込めた目で言う。
-シェリーをそんな風に言うやつがシェリーの隣にいる資格はない。-
「俺の番だと!そいつは俺のだ。」
「黒髪が受け入れられないんだよね。」
「いや。いや。受け入れる。俺の番、名をなんと言う?」
シェリーは無表情のまま答えない。目は相変わらず死んでいるが
「あっ。さっきのは間違いだ。悪魔とかは嘘だ。違うんだ。」
「落ち着きや犬の兄ちゃん。取り敢えず、自分から名乗りや。それから、隣の竜の兄ちゃんが番ゆうてるのはほんまやで、番が5人いるそうや。」
「5人!え・・?あっ。グレイシャル・ラースという。グレイと呼んでくれ。番の名を教えてくれないか?」
「悪魔と呼ばれています。石を投げられたりします。炎の矢の魔術が飛んで来たりもします。
ユウマさんこれが黒の色を持つ人族に対するこの世界の人の対応です。目の前で見られて勉強になりましたね。」
グレイシャル・ラースと名乗った男は四つん這いになって項垂れた。
夢にまで見た番に出会えたことと、己のトラウマの男に遭遇したこでパニックなり、番に対して言ってはいけないことを口にしてしまったが為に番に嫌われてしまった。
「いや。勉強になったというか。俺よりもすっげー項垂れているけど、これどおすんだ。」
「そのままでよろしいですわ。」
いつの間にか聖女ビアンカがナオフミの横に立っていた。
「ナオフミがなかなか戻って来なくて心配しましたのよ。」
「すまんなぁ。」
ビアンカが虫けらを見るような目で、グレイを見下し
「ナオフミや子供たちの黒色をけなすような者は捨てておけば宜しいのです。お兄様の金狼の第三婦人の子がわたくしを訪ねに来たのでしょう?ここ数日、結界の外を徘徊しているものがいるのはわかっておりましたから。」
「叔母上」
ビアンカの言葉でグレイは顔を上げ、ビアンカを見上げる。
「叔母上、父上を助けてください。頼れる方は叔母上しかいないのです。」
「わたくしは悪魔の妻ですから、無理ですわね。」
「グフッ」
シェリーとビアンカの母子のトゲトゲしい言葉と氷点下の視線にグレイは完全に撃沈した。
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