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86 気持ち悪い
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目覚めるとソフィーから凄く謝られた。どうやら、苦味を抑える物を入れ忘れたらしい。
まぁ、私もリアンにイライラしすぎて勝手に死にかけて、体力回復薬を作ってくれたソフィーに不信感を抱いてしまったのだ。私こそソフィーに謝らなければならない。
「ソフィー、ごm「ですからモナをここに連れて来てと言ってるのです!」····」
そう、今一階に客人が来ている。その客人の声で目が覚めたのだけど。はぁ、頭痛が痛い。いや、頭が痛い。
思わず頭を手で押さえてしまう。
リアンが朝早くから押しかけてきたらしい。それもハーレム状態のパーティメンバーを引き連れて。ハーレムかぁ。今度はどんなメンバー構成になったのか。
「姫、うるさいハエ共を木っ端微塵にして来ようぞ」
シンセイ、扉の横で杖をトントンつきながら、そんな物騒なことを言わないでほしい。新しい家が木っ端微塵になりそうだ。
「しなくていいです」
「しかし、モナ殿。これではゆっくり休めないだろ?」
ジュウロウザがベッドの上の私の隣に腰を下ろして、私の顔色をうかがいながら言ってきた。
あれから死んだように爆睡したから体力は完璧に回復している。これ以上寝る必要はない。
しかし、一階からは私を出せと言う女性の声がずっと聞こえ続けている。これもまた一種の嫌がらせだろうか。
「はぁ」
ため息が出てしまう。そんなにロズワードに行きたいのなら勝手に行けばいい。ん?なんだか下の方がいきなり騒がしくなった。
「これはこれは如何なものか」
シンセイが扉の向こう側を厳しい表情をしながら横目で見ている。
「ソフィー殿、扉の方は危険なゆえ、モナ殿の方に」
き、危険ってなに!ソフィーはジュウロウザの言葉に従って、ベッドの上に上ってきて、ジュウロウザとは反対側の私の左側にヒシッとしがみついて来た。
え?だから何が危険なの!
するとドッドッドッドッと重い足音が廊下から響いてきた。こんな足音の人はこの家には居ない。
すると扉の前で止まり、突然扉がぶっ飛んだ。ベッドは部屋の端にあるので私への被害は何もないが、南側の窓を突き破って扉が外に飛んでいった。
村の皆が一生懸命作ってくれた家を壊す奴は誰だ!と、扉があった場所を睨みつけると····シンセイだけしか居ない。あれ?
「キトウさん。扉を壊した人はどこに?」
ジュウロウザの袖を引っ張って確認してみる。私にはわからなかったが、ジュウロウザには見えていたのかもしれない。
「シンセイが一撃で伏した」
ああ、カウンター攻撃ですか。
ジュウロウザはシンセイの事をいつの間にか敬称を使わずに呼ぶようになっていた。仲がよろしいようで。
「ルアンダ!じいさん、お前さんがルアンダをこの様にしたのでありましょうか?」
そんな声が廊下から聞こえた。ルアンダ?あれか、燃費がとてもとても悪い女剣士。
「そうじゃぞ」
「許せないであります!」
その言葉の後、シンセイの姿が一瞬ぶれた。そして、何かが倒れる音。
「シュリーヌ!お主!シュリーヌまでも許さないのじゃ」
幼い子供の様な声が聞こえ廊下に雷鳴が響いた···えっと、耳を塞いでくれてありがとうございますと言えばいいのか。私はジュウロウザに両耳を塞がれていた。
しかし、この行動は必要なのだろうかと無言でジュウロウザを仰ぎ見る。と、額に口づけをされた。ふぉぉ!ジュウロウザ!村に戻って来てから不意打ちが多くないか!
どうやら雷鳴は鳴り止んだようで、両耳は解放されジュウロウザに頭を撫ぜられた。
くー。心臓のドキドキが収まらない。
「メリーローズ!」
うぉ!リアンの声に思わず体がビクリと反応してしまった。
「リアン、あのボケ老人に手を出してはいけませんよ」
「でも、ルナ」
「わたしが説得してみましょう」
「わかったよ。ルナ」
うぉぉぉぉ!鳥肌が!もの凄い勢いで全身に鳥肌が立った!なぜかわからないけど、リアンのルナルナ攻撃に私は全身を震わせた。おかげで、心臓のドキドキは収まったけれど。
「リアンにぃちゃん。気持ち悪い」
私の隣から同じ様にルナルナ攻撃を受けたソフィーから『気持ち悪い』の言葉が出てきた。姿は確認できないけど、声だけでキモいよね。
「おじいさん、そこを退いていただけるかしら?何故ここに貴方がいるのかわからないけど、わたしはモナに用があるのよ」
私に用があると言って、強行突破されたけど、それって普通じゃないよね。家の中で武器を振り回して、魔術を撃ち放って、普通じゃないよね。
「吾は護るべき御方のために武器を取っておる。洟垂れ小僧たちのように人を無闇に傷つける為に武器を持っているわけではない」
「ですから、モナに用があると言っているのですよ。世界を救うためには必要なのです」
「人様の家で武器を振り回す輩が何を言っても意味はなさぬ」
「ちっ!だから!あたしは!モナに会わせろって言ってんの!」
ルナさん。被っていた猫でも逃げ出しましたか?
まぁ、私もリアンにイライラしすぎて勝手に死にかけて、体力回復薬を作ってくれたソフィーに不信感を抱いてしまったのだ。私こそソフィーに謝らなければならない。
「ソフィー、ごm「ですからモナをここに連れて来てと言ってるのです!」····」
そう、今一階に客人が来ている。その客人の声で目が覚めたのだけど。はぁ、頭痛が痛い。いや、頭が痛い。
思わず頭を手で押さえてしまう。
リアンが朝早くから押しかけてきたらしい。それもハーレム状態のパーティメンバーを引き連れて。ハーレムかぁ。今度はどんなメンバー構成になったのか。
「姫、うるさいハエ共を木っ端微塵にして来ようぞ」
シンセイ、扉の横で杖をトントンつきながら、そんな物騒なことを言わないでほしい。新しい家が木っ端微塵になりそうだ。
「しなくていいです」
「しかし、モナ殿。これではゆっくり休めないだろ?」
ジュウロウザがベッドの上の私の隣に腰を下ろして、私の顔色をうかがいながら言ってきた。
あれから死んだように爆睡したから体力は完璧に回復している。これ以上寝る必要はない。
しかし、一階からは私を出せと言う女性の声がずっと聞こえ続けている。これもまた一種の嫌がらせだろうか。
「はぁ」
ため息が出てしまう。そんなにロズワードに行きたいのなら勝手に行けばいい。ん?なんだか下の方がいきなり騒がしくなった。
「これはこれは如何なものか」
シンセイが扉の向こう側を厳しい表情をしながら横目で見ている。
「ソフィー殿、扉の方は危険なゆえ、モナ殿の方に」
き、危険ってなに!ソフィーはジュウロウザの言葉に従って、ベッドの上に上ってきて、ジュウロウザとは反対側の私の左側にヒシッとしがみついて来た。
え?だから何が危険なの!
するとドッドッドッドッと重い足音が廊下から響いてきた。こんな足音の人はこの家には居ない。
すると扉の前で止まり、突然扉がぶっ飛んだ。ベッドは部屋の端にあるので私への被害は何もないが、南側の窓を突き破って扉が外に飛んでいった。
村の皆が一生懸命作ってくれた家を壊す奴は誰だ!と、扉があった場所を睨みつけると····シンセイだけしか居ない。あれ?
「キトウさん。扉を壊した人はどこに?」
ジュウロウザの袖を引っ張って確認してみる。私にはわからなかったが、ジュウロウザには見えていたのかもしれない。
「シンセイが一撃で伏した」
ああ、カウンター攻撃ですか。
ジュウロウザはシンセイの事をいつの間にか敬称を使わずに呼ぶようになっていた。仲がよろしいようで。
「ルアンダ!じいさん、お前さんがルアンダをこの様にしたのでありましょうか?」
そんな声が廊下から聞こえた。ルアンダ?あれか、燃費がとてもとても悪い女剣士。
「そうじゃぞ」
「許せないであります!」
その言葉の後、シンセイの姿が一瞬ぶれた。そして、何かが倒れる音。
「シュリーヌ!お主!シュリーヌまでも許さないのじゃ」
幼い子供の様な声が聞こえ廊下に雷鳴が響いた···えっと、耳を塞いでくれてありがとうございますと言えばいいのか。私はジュウロウザに両耳を塞がれていた。
しかし、この行動は必要なのだろうかと無言でジュウロウザを仰ぎ見る。と、額に口づけをされた。ふぉぉ!ジュウロウザ!村に戻って来てから不意打ちが多くないか!
どうやら雷鳴は鳴り止んだようで、両耳は解放されジュウロウザに頭を撫ぜられた。
くー。心臓のドキドキが収まらない。
「メリーローズ!」
うぉ!リアンの声に思わず体がビクリと反応してしまった。
「リアン、あのボケ老人に手を出してはいけませんよ」
「でも、ルナ」
「わたしが説得してみましょう」
「わかったよ。ルナ」
うぉぉぉぉ!鳥肌が!もの凄い勢いで全身に鳥肌が立った!なぜかわからないけど、リアンのルナルナ攻撃に私は全身を震わせた。おかげで、心臓のドキドキは収まったけれど。
「リアンにぃちゃん。気持ち悪い」
私の隣から同じ様にルナルナ攻撃を受けたソフィーから『気持ち悪い』の言葉が出てきた。姿は確認できないけど、声だけでキモいよね。
「おじいさん、そこを退いていただけるかしら?何故ここに貴方がいるのかわからないけど、わたしはモナに用があるのよ」
私に用があると言って、強行突破されたけど、それって普通じゃないよね。家の中で武器を振り回して、魔術を撃ち放って、普通じゃないよね。
「吾は護るべき御方のために武器を取っておる。洟垂れ小僧たちのように人を無闇に傷つける為に武器を持っているわけではない」
「ですから、モナに用があると言っているのですよ。世界を救うためには必要なのです」
「人様の家で武器を振り回す輩が何を言っても意味はなさぬ」
「ちっ!だから!あたしは!モナに会わせろって言ってんの!」
ルナさん。被っていた猫でも逃げ出しましたか?
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