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53 不甲斐ない
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スッキリ爽快に目が覚めたにも関わらず、目の前のLUK -1000000 に項垂れてしまった。本当に毎朝の憂鬱の原因はなんとかならいのだろうか。折角、昨日フルステータスの状態になったジュウロウザを寝る前までにLUK 0 までにしたのに、朝にはこの状態。LUK 0 にしなければいいと思うかもしれないけど、マイナス百万のまま一晩放置すれば正に魔王が降って来そうじゃない。
しかし、思っていたより、このロッジの使い心地がよかった。キッチンは最新式が入っていた。強い火力が出せる、火属性の魔石の魔道コンロ。水属性の魔石が5つも付いている水の大型タンク。氷属性の魔石が付けられた保冷庫。そして、オーブンすら備え付けられていた。
お風呂も浴槽があり、湯が溜められ、トイレも違和感なく普通だった。素晴らしい!テントを入った入り口の横側には騎獣舎の入り口があり、ベルーイも寒さを感じることもなく休むことができた。
ただ、要望を言えば部屋を区切ってほしかった。室内を暖炉で温めるには区切りがなく一部屋の方が効率がいいのはわかるけど、個室が欲しかった。
「キトウさん、なんだか疲れています?」
ジュウロウザの隣で朝食を食べているが、なんだかドヨーンとした雰囲気が感じられる。
「やはり、2日も休まないと疲れますよね。少し眠られます?」
ジュウロウザに頼りっきりの私も悪いのだ。この後の事を考えると、戦力は必要になってくるだろう。無理をして進むことはない。命を大事にをモットーにしないといけない。
「いや、大丈夫だ。昨日、夜中に女神殿が来られて少し話をされていっただけだから」
は?女神が来た?それでジュウロウザに話をした?なんで?イラッとする!
イラッ?なんで、私がイラッすることがあるのだろう?
私は首を傾げながら、ジュウロウザが大丈夫というのなら、今日はこのまま雪華藤があるところまで行こうと決めた。
出発の用意をして、通ってきた廊下を戻っていき、女神像の前で祈りを捧げてから入ってきた中央の廊下を進んでいく。
祈った時にジュウロウザに何を言ったんだと文句も言ってはみたものの女神からの言葉はなかった。本当に何を言ったのだろう。
そして、私の目の前に2つの選択肢が示された。速くて体力も奪わないが、絶対にGに耐えられないであろうエレベーターと30階建てのマンションを階段で上るかという選択肢だ。
「これ上らないと駄目ですか?私、絶対に両方無理なんですけど」
遠い目をして言い切る。30階建てってキツすぎるわ!それは誰も来なくなるわ!信徒の修行だと言われればそうなんだけど、そもそも私は信心深くないから!
「では直ぐに着くのと時間がかかるのとどちらがいいという選択肢はどうだ?」
ジュウロウザがそのような事を言ってきた。確かに言い回しとしては間違いではない。間違いではないが、それは私を抱える前提の話だろう。
わかってはいる。選択肢なんて一つしかないというぐらい。恐らく私の体はエレベーターもどきのGに耐えきれないだろう。毛細血管が破けるのはもちろんのこと、内臓も破裂することは予想される。
「はぁ。階段でお願いします。多分、あの床に乗ると私は全身から血を噴き出して死にます」
「そこまで酷くならないと思うが?」
そう言っているジュウロウザの横で小さな魔石を取り出し、青い光を放っている床に投げてみる。
すると、魔力を感知したことで起動した床は凄い勢いで上って行った。
···だと思った。行きしに祈っている時間で床が目の前に到着したのだ。普通の速さではないと思っていて正解だった。
「キトウさん。私、あの速さに耐えきれず内蔵破裂していると思います」
「あ、ああ」
ジュウロウザも納得してくれたみたいだ。そして、床が降りてくる前に私が投げた魔石が下まで落ちてきて割れた。ああ、これは完璧に死ぬわ。
結局、私はジュウロウザに抱えられ階段を登っている。その後ろからは自分の体格より細い階段を器用に登って付いてきているベルーイ。
「キトウさん。大丈夫です?私が不甲斐ないばかりに迷惑ばかりかけてしまって」
流石に30階を人を抱えて登るってないわ。自分のことながら、酷い人間だ。
「迷惑だとは思っていない」
「流石にこの階段を私を抱えて登るのは申し訳無いと」
おおよそ、半分ぐらいまで登っては来ている。ジュウロウザの歩くペースは落ちてはいないが、上を見てみても程遠い。グルグルと四角い壁沿いに階段が続いている。
「それならモナ殿が口づけをしてくれるのd···俺は何を言っているのか。聞かな方ことにしてくれ」
ああ、あれか。守護スキルの発動条件。昨日、ジュウロウザが全回復した時に新たに発生したスキルと称号に気がついていた。
スキルの発動条件はカミトからの親愛なる口づけだ。
親愛と問われると首を傾げるが、信頼という意味ならジュウロウザに対して心を持っている。カミト。意味はわからないが恐らく護衛対象の私の事だと思われる。
まぁ、迷惑を掛けていることに変わりはないので、体を傾け、ジュウロウザの頬に唇を落とした。
しかし、思っていたより、このロッジの使い心地がよかった。キッチンは最新式が入っていた。強い火力が出せる、火属性の魔石の魔道コンロ。水属性の魔石が5つも付いている水の大型タンク。氷属性の魔石が付けられた保冷庫。そして、オーブンすら備え付けられていた。
お風呂も浴槽があり、湯が溜められ、トイレも違和感なく普通だった。素晴らしい!テントを入った入り口の横側には騎獣舎の入り口があり、ベルーイも寒さを感じることもなく休むことができた。
ただ、要望を言えば部屋を区切ってほしかった。室内を暖炉で温めるには区切りがなく一部屋の方が効率がいいのはわかるけど、個室が欲しかった。
「キトウさん、なんだか疲れています?」
ジュウロウザの隣で朝食を食べているが、なんだかドヨーンとした雰囲気が感じられる。
「やはり、2日も休まないと疲れますよね。少し眠られます?」
ジュウロウザに頼りっきりの私も悪いのだ。この後の事を考えると、戦力は必要になってくるだろう。無理をして進むことはない。命を大事にをモットーにしないといけない。
「いや、大丈夫だ。昨日、夜中に女神殿が来られて少し話をされていっただけだから」
は?女神が来た?それでジュウロウザに話をした?なんで?イラッとする!
イラッ?なんで、私がイラッすることがあるのだろう?
私は首を傾げながら、ジュウロウザが大丈夫というのなら、今日はこのまま雪華藤があるところまで行こうと決めた。
出発の用意をして、通ってきた廊下を戻っていき、女神像の前で祈りを捧げてから入ってきた中央の廊下を進んでいく。
祈った時にジュウロウザに何を言ったんだと文句も言ってはみたものの女神からの言葉はなかった。本当に何を言ったのだろう。
そして、私の目の前に2つの選択肢が示された。速くて体力も奪わないが、絶対にGに耐えられないであろうエレベーターと30階建てのマンションを階段で上るかという選択肢だ。
「これ上らないと駄目ですか?私、絶対に両方無理なんですけど」
遠い目をして言い切る。30階建てってキツすぎるわ!それは誰も来なくなるわ!信徒の修行だと言われればそうなんだけど、そもそも私は信心深くないから!
「では直ぐに着くのと時間がかかるのとどちらがいいという選択肢はどうだ?」
ジュウロウザがそのような事を言ってきた。確かに言い回しとしては間違いではない。間違いではないが、それは私を抱える前提の話だろう。
わかってはいる。選択肢なんて一つしかないというぐらい。恐らく私の体はエレベーターもどきのGに耐えきれないだろう。毛細血管が破けるのはもちろんのこと、内臓も破裂することは予想される。
「はぁ。階段でお願いします。多分、あの床に乗ると私は全身から血を噴き出して死にます」
「そこまで酷くならないと思うが?」
そう言っているジュウロウザの横で小さな魔石を取り出し、青い光を放っている床に投げてみる。
すると、魔力を感知したことで起動した床は凄い勢いで上って行った。
···だと思った。行きしに祈っている時間で床が目の前に到着したのだ。普通の速さではないと思っていて正解だった。
「キトウさん。私、あの速さに耐えきれず内蔵破裂していると思います」
「あ、ああ」
ジュウロウザも納得してくれたみたいだ。そして、床が降りてくる前に私が投げた魔石が下まで落ちてきて割れた。ああ、これは完璧に死ぬわ。
結局、私はジュウロウザに抱えられ階段を登っている。その後ろからは自分の体格より細い階段を器用に登って付いてきているベルーイ。
「キトウさん。大丈夫です?私が不甲斐ないばかりに迷惑ばかりかけてしまって」
流石に30階を人を抱えて登るってないわ。自分のことながら、酷い人間だ。
「迷惑だとは思っていない」
「流石にこの階段を私を抱えて登るのは申し訳無いと」
おおよそ、半分ぐらいまで登っては来ている。ジュウロウザの歩くペースは落ちてはいないが、上を見てみても程遠い。グルグルと四角い壁沿いに階段が続いている。
「それならモナ殿が口づけをしてくれるのd···俺は何を言っているのか。聞かな方ことにしてくれ」
ああ、あれか。守護スキルの発動条件。昨日、ジュウロウザが全回復した時に新たに発生したスキルと称号に気がついていた。
スキルの発動条件はカミトからの親愛なる口づけだ。
親愛と問われると首を傾げるが、信頼という意味ならジュウロウザに対して心を持っている。カミト。意味はわからないが恐らく護衛対象の私の事だと思われる。
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