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14 ちゃっかりハーレム作ってるよ
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「そ、そうなのね」
母さんが額の汗を拭う。美人はどんな姿でも絵になるね。
「で、母さん達がここにいる理由は何?」
私の言葉に母さんは困ったような顔をする。え?何その顔?
「そのね。私達、勇者くんに冒険の指導をするように言われてね」
ああ、リアンの指導ね。確かにベテラン冒険者が付いてダンジョンに潜るっていうイベントがあったけど、それってもっと先の話のだったような?王都で訓練でもするのだろうか。
「本当なら王都で指導を行うはずだったのだけど····」
母さんが言いどもってしまった。どうしたのだろう。
「モナちゃんがリアンを鍛えてくれたんだって?」
フェリオさんからそんな言葉が聞こえてきた。リアンを鍛えた?いや、鍛えるもなにも、村の周りにはスライムや一角兎しかいないから、鍛えるなんt·····あっ!
やってしまった。ゲームではLv.30にならないと王都から出られないのだ。そこまでレベルを上げるのに掛かる歳月が2年。
今のリアンのレベルは30だ。
スライムでも倒していけばLv.300まで行けるなんていう私の戯言を本気にしたリアンは10年掛けてLv.30まで達したのだ。
と、言うことは?
「今、ここにリアンがいる?先日、村を出たばかりのリアンがここに?」
私はなんて怖ろしい事だと、恐怖する。一週間も経っていないけど?王都に着いて直ぐに出発したって感じじゃない?直ぐに村に帰ろう!こんな所には居られない!
「モナちゃんそれでね」
母さんが意を決したように言葉を口にした。
「ここで、キールに会ってね。明日リリーちゃんと結婚式をするっていうじゃない?」
「ひっ!ま、まさか」
「村に寄ってから行こうって事になってね。今、モナちゃんへのお土産を買いに行っているの」
「いやー!!ムリムリムリ」
もう、心臓がバクバク言っている。今の私はリアン対策を何もしていない。村人の私が唯一武器として持てるのが、家畜の調教用の鞭だ。
ナイフでもいいのだけど、食材は切れるけど、スライムには刃が突き刺さらないという摩訶不思議現象が起きるのだ。
Lv.20ともなれば、攻撃力は低いが鞭はそれなりに当てられるようになっている。
「今の私、リアンに会っても対抗できないよ。下手すると死ぬよ」
ジュウロウザの影から訴える。これはもう生死に関わることだ。
「困ったわね。この3年で更に悪化していない?」
「リアンはいったい何をしたのかな?」
「おい、お前の息子だろ!」
なんて親同士で話しているが、私は先に武器を調達するべきだろうか。
「そうね。モナちゃん、さっきの依頼を王都のギルドにも出さない?今王都には『翠玉の剣』と『金の弓』が居るわ。どうせ年越ししか帰らないでしょうから、こういう事がない限り村に顔を出さないでしょう?」
母さんがとんでもない事を提案してきた。王都!王都に行くの?いや、遠すぎるでしょ。それにシルワリザードを借りっぱなしにもできないよ。
「母さん、無理があるよ。王都は遠いよ。それにシルワリザードを村長さんから借りているし、ソフィーとばぁちゃんだけにしておくのは心配だし、一人で王都に行くのは無謀ってものでしょ?」
「あら?リザードはキールに頼んでおけばいいわ。すごい荷物持っていたもの。きっと喜ぶわ。それに母さんとソフィーのことはトゥーリに頼んでおくわ。後、路線馬車に乗れば往復5日よ。キトーさんもいるし大丈夫でしょ?」
「は?」
なぜ、ジュウロウザと一緒に行動する事が当たり前のように言われているんだ?
母さんに言い返そうとすると、ギルドに入ってくる人の声で妨げられてしまった。
「父さん!お土産買ったから早く村に帰ろう!」
ひっ!
思わずジュウロウザを掴んでいる手に力が入ってしまった。
心の準備も出来ていない。
武器もない。
私がここにいることが分かれば、猛犬のように突進してくることは分かりきっている。
腕の骨が折れるか、肋骨が折れるか。恐怖でしかない。
「おじ様たち。早く行きましょ!プルム村でしたか?」
ん?
「わたくし、聞いたことありませんでしたわ」
んん?
「幼馴染みさんに会いに行くんだよね!」
あ゛?
「私は何方かと申しますとダンジョンの方が興味あります」
リアン!!お前、ちゃっかりハーレム作っているじゃないか!
私は外套のフードを深く被り、ジュウロウザの後ろから伺い見る。
桜色の髪をふわりとなびかせ、金色の瞳をリアンに優しく向けているのが、聖女(今は見習い)のフィーリア。
情熱的な赤い髪をドリルの様に巻いて、ギルド内を珍しそうに赤い瞳で眺めているのがこの国の王女カテリーナ。
ショートカットの緑髪が印象的な、元気いっぱいのボクっ娘が魔術師イリス。
最後にダンジョンの方が気になると言った人物はフルプレートアーマーを着ているので姿はわからないが、騎士のミディアだろう。
リアンの頭の中は腐っているのか?あれらを連れて本当にダンジョンに行く気なのだろうか。
いや、母さんたちが居るから大丈夫だと思っているのだろうか。
母さんが額の汗を拭う。美人はどんな姿でも絵になるね。
「で、母さん達がここにいる理由は何?」
私の言葉に母さんは困ったような顔をする。え?何その顔?
「そのね。私達、勇者くんに冒険の指導をするように言われてね」
ああ、リアンの指導ね。確かにベテラン冒険者が付いてダンジョンに潜るっていうイベントがあったけど、それってもっと先の話のだったような?王都で訓練でもするのだろうか。
「本当なら王都で指導を行うはずだったのだけど····」
母さんが言いどもってしまった。どうしたのだろう。
「モナちゃんがリアンを鍛えてくれたんだって?」
フェリオさんからそんな言葉が聞こえてきた。リアンを鍛えた?いや、鍛えるもなにも、村の周りにはスライムや一角兎しかいないから、鍛えるなんt·····あっ!
やってしまった。ゲームではLv.30にならないと王都から出られないのだ。そこまでレベルを上げるのに掛かる歳月が2年。
今のリアンのレベルは30だ。
スライムでも倒していけばLv.300まで行けるなんていう私の戯言を本気にしたリアンは10年掛けてLv.30まで達したのだ。
と、言うことは?
「今、ここにリアンがいる?先日、村を出たばかりのリアンがここに?」
私はなんて怖ろしい事だと、恐怖する。一週間も経っていないけど?王都に着いて直ぐに出発したって感じじゃない?直ぐに村に帰ろう!こんな所には居られない!
「モナちゃんそれでね」
母さんが意を決したように言葉を口にした。
「ここで、キールに会ってね。明日リリーちゃんと結婚式をするっていうじゃない?」
「ひっ!ま、まさか」
「村に寄ってから行こうって事になってね。今、モナちゃんへのお土産を買いに行っているの」
「いやー!!ムリムリムリ」
もう、心臓がバクバク言っている。今の私はリアン対策を何もしていない。村人の私が唯一武器として持てるのが、家畜の調教用の鞭だ。
ナイフでもいいのだけど、食材は切れるけど、スライムには刃が突き刺さらないという摩訶不思議現象が起きるのだ。
Lv.20ともなれば、攻撃力は低いが鞭はそれなりに当てられるようになっている。
「今の私、リアンに会っても対抗できないよ。下手すると死ぬよ」
ジュウロウザの影から訴える。これはもう生死に関わることだ。
「困ったわね。この3年で更に悪化していない?」
「リアンはいったい何をしたのかな?」
「おい、お前の息子だろ!」
なんて親同士で話しているが、私は先に武器を調達するべきだろうか。
「そうね。モナちゃん、さっきの依頼を王都のギルドにも出さない?今王都には『翠玉の剣』と『金の弓』が居るわ。どうせ年越ししか帰らないでしょうから、こういう事がない限り村に顔を出さないでしょう?」
母さんがとんでもない事を提案してきた。王都!王都に行くの?いや、遠すぎるでしょ。それにシルワリザードを借りっぱなしにもできないよ。
「母さん、無理があるよ。王都は遠いよ。それにシルワリザードを村長さんから借りているし、ソフィーとばぁちゃんだけにしておくのは心配だし、一人で王都に行くのは無謀ってものでしょ?」
「あら?リザードはキールに頼んでおけばいいわ。すごい荷物持っていたもの。きっと喜ぶわ。それに母さんとソフィーのことはトゥーリに頼んでおくわ。後、路線馬車に乗れば往復5日よ。キトーさんもいるし大丈夫でしょ?」
「は?」
なぜ、ジュウロウザと一緒に行動する事が当たり前のように言われているんだ?
母さんに言い返そうとすると、ギルドに入ってくる人の声で妨げられてしまった。
「父さん!お土産買ったから早く村に帰ろう!」
ひっ!
思わずジュウロウザを掴んでいる手に力が入ってしまった。
心の準備も出来ていない。
武器もない。
私がここにいることが分かれば、猛犬のように突進してくることは分かりきっている。
腕の骨が折れるか、肋骨が折れるか。恐怖でしかない。
「おじ様たち。早く行きましょ!プルム村でしたか?」
ん?
「わたくし、聞いたことありませんでしたわ」
んん?
「幼馴染みさんに会いに行くんだよね!」
あ゛?
「私は何方かと申しますとダンジョンの方が興味あります」
リアン!!お前、ちゃっかりハーレム作っているじゃないか!
私は外套のフードを深く被り、ジュウロウザの後ろから伺い見る。
桜色の髪をふわりとなびかせ、金色の瞳をリアンに優しく向けているのが、聖女(今は見習い)のフィーリア。
情熱的な赤い髪をドリルの様に巻いて、ギルド内を珍しそうに赤い瞳で眺めているのがこの国の王女カテリーナ。
ショートカットの緑髪が印象的な、元気いっぱいのボクっ娘が魔術師イリス。
最後にダンジョンの方が気になると言った人物はフルプレートアーマーを着ているので姿はわからないが、騎士のミディアだろう。
リアンの頭の中は腐っているのか?あれらを連れて本当にダンジョンに行く気なのだろうか。
いや、母さんたちが居るから大丈夫だと思っているのだろうか。
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