8 / 121
8 短時間の間に一体何が!
しおりを挟む
翌日も順調に進み、広大な麦畑を収穫を終えることができた。今晩は収穫祭だ。と言っても飲んで騒いで、子供は遅くまで起きててもいい日だ。
皆がジュウロウザに感謝の言葉を述べている。それはそうだろう、働き手の大人の男性は外の町に出稼ぎに行っており、老人と女子供だけでの収穫をするはずだったのだ。
私はそれを横目で見ながら、村長に話をする。この前手に入れた大きな魔石を持って。
「村長。ちょっといいですか?」
白髪の老人は私の姿を見て頬を緩ませる。
「お。モナ、ちょうど良かった。モナの彼氏にお礼を「彼氏じゃありませんから」」
変な勘違いをしないで欲しい。私は魔石を差し出して、用件を言う。
「これを代えに使って欲しい。そろそろ交換しなければならないでしょ?」
魔石を見た白髪の老人は目を見開き、笑いだした。
「ははは、流石モナだ。こんな上質な魔石を見つけて来るなんて、ありがたくもらっておくよ」
そう言って、村長は魔石を受け取った。
「それから、南側に用水路を引いていいかな?前から言っていたけど予算の算段がついたから、南側の水田を広げたいんだ」
「ああ、言っていたね。いいよ。モナのおかげで今年も麦の収穫は良かったからね」
よし、許可はもらえた。近い内に町に行って水路の工事の依頼をしよう。
「そうなると、水車も増やしてもらえるのか?」
ああ、そうかこの村に流れる川は小川の大きさしかなく雨が振らないと直ぐに干やがってしまう水量しかない。しかし、近くにある谷に流れる川の水量は膨大で、早々に枯れない水量はあるということは、地下には膨大な水量があると言える。だから、地下水を汲み上げて農業用水にしているのだ。魔石を動力源にして水を汲み上げ、水路に流し込む。
もう一本用水路を増やすということは、水量が足りなくなるということだから、別のところから地下水を汲む必要があるといえる。
「いいよ。それも予算に入れておく」
これで、お米が好きなときに食べれるというのなら安いもの。
「モナの彼氏は「彼氏では、ありません」···いつまで、村にいてくれるのか?もう少しすると米の植え付けも大豆の種まきもあるだろ?」
人手がいると?しかし、今まで問題なくしてきたじゃないか。
「麦の収穫が終わるまでです」
「いや、そのもう少し「ないです」····はぁ」
なに?そのため息は。
私は村長に確認が取れたので、満足して踵を返す。そして、私はそのまま家に戻る。私にはやらねばならぬことがあるのだ。そう、ミサンガを作るという作業だ。
本当は両親に送る為に作ったのに、昨日と今日で全て使いきってしまった。
私の部屋に入り明かりを灯す。これも魔石を使ったランプだ。明かりの側で糸を編み込みミサンガを作る。両親が怪我なく無事でありますように、そう願いを込めながら編んでいく。
「······ちゃん」
あ、この色とこの色は合うかもしれない。
「·····ぇちゃん」
ふふふ、この色もいいかも。
「おねぇちゃん!」
ん?目の前には頬を膨らませたソフィーがいた。どうしたんだろう。外はまだ騒がしいから、村の人達は外で騒いでいると思うんだけど?
「ソフィー。どうしたの?」
「おねぇちゃん!直ぐにどっかに行っちゃったと思ったら家に戻っているし、ご飯食べたの?」
ああ、私がご飯を食べたが心配してくれたのか。
「食べたよ」
家にあったパンを作業しながらかじっていたから、空腹ではない。
「ソフィーも食べた?まだ、楽しんで来て良いんだよ。ルードもまだいるんでしょ?」
すると肉の塊を差し出された。その先を視線で追うと、ルードがお皿を持って立っている。
「いるけどさぁ。モナねぇちゃん、一言、言ってから戻ってよ。凄く探したんだよ」
あ、確かに誰にも言わずに戻ってきてしまった。
「ごめん。ごめん。父さんと母さんに渡すのを作っておきたかったんだ。ほら、全部使ってしまったし」
私は作りかけのミサンガを二人に見せる。すると、思ってもみない声が降ってきた。
「もしかして、ご両親に贈る物を俺が使ってしまったのか?」
何故かジュウロウザも私の部屋に····あー、私の目がどうかしてしまったのだろうか。頭痛が痛い。失礼。
目が疲れてしまったのかと目頭を指でグリグリと揉みほぐす。
この夜の祭りが始まるまでにLUK-10000に上げていたのだ。なのに私の目には、ゼロが六つに見える。この短時間の間に一体何が起こったというのだ!
「その前にキトウさん。その数値はどういうことですか?この二時間程で元に戻っているじゃないですか!」
「なぜだろうか?」
首を傾げながら私に聞くな!私の方が知りたいわ!
皆がジュウロウザに感謝の言葉を述べている。それはそうだろう、働き手の大人の男性は外の町に出稼ぎに行っており、老人と女子供だけでの収穫をするはずだったのだ。
私はそれを横目で見ながら、村長に話をする。この前手に入れた大きな魔石を持って。
「村長。ちょっといいですか?」
白髪の老人は私の姿を見て頬を緩ませる。
「お。モナ、ちょうど良かった。モナの彼氏にお礼を「彼氏じゃありませんから」」
変な勘違いをしないで欲しい。私は魔石を差し出して、用件を言う。
「これを代えに使って欲しい。そろそろ交換しなければならないでしょ?」
魔石を見た白髪の老人は目を見開き、笑いだした。
「ははは、流石モナだ。こんな上質な魔石を見つけて来るなんて、ありがたくもらっておくよ」
そう言って、村長は魔石を受け取った。
「それから、南側に用水路を引いていいかな?前から言っていたけど予算の算段がついたから、南側の水田を広げたいんだ」
「ああ、言っていたね。いいよ。モナのおかげで今年も麦の収穫は良かったからね」
よし、許可はもらえた。近い内に町に行って水路の工事の依頼をしよう。
「そうなると、水車も増やしてもらえるのか?」
ああ、そうかこの村に流れる川は小川の大きさしかなく雨が振らないと直ぐに干やがってしまう水量しかない。しかし、近くにある谷に流れる川の水量は膨大で、早々に枯れない水量はあるということは、地下には膨大な水量があると言える。だから、地下水を汲み上げて農業用水にしているのだ。魔石を動力源にして水を汲み上げ、水路に流し込む。
もう一本用水路を増やすということは、水量が足りなくなるということだから、別のところから地下水を汲む必要があるといえる。
「いいよ。それも予算に入れておく」
これで、お米が好きなときに食べれるというのなら安いもの。
「モナの彼氏は「彼氏では、ありません」···いつまで、村にいてくれるのか?もう少しすると米の植え付けも大豆の種まきもあるだろ?」
人手がいると?しかし、今まで問題なくしてきたじゃないか。
「麦の収穫が終わるまでです」
「いや、そのもう少し「ないです」····はぁ」
なに?そのため息は。
私は村長に確認が取れたので、満足して踵を返す。そして、私はそのまま家に戻る。私にはやらねばならぬことがあるのだ。そう、ミサンガを作るという作業だ。
本当は両親に送る為に作ったのに、昨日と今日で全て使いきってしまった。
私の部屋に入り明かりを灯す。これも魔石を使ったランプだ。明かりの側で糸を編み込みミサンガを作る。両親が怪我なく無事でありますように、そう願いを込めながら編んでいく。
「······ちゃん」
あ、この色とこの色は合うかもしれない。
「·····ぇちゃん」
ふふふ、この色もいいかも。
「おねぇちゃん!」
ん?目の前には頬を膨らませたソフィーがいた。どうしたんだろう。外はまだ騒がしいから、村の人達は外で騒いでいると思うんだけど?
「ソフィー。どうしたの?」
「おねぇちゃん!直ぐにどっかに行っちゃったと思ったら家に戻っているし、ご飯食べたの?」
ああ、私がご飯を食べたが心配してくれたのか。
「食べたよ」
家にあったパンを作業しながらかじっていたから、空腹ではない。
「ソフィーも食べた?まだ、楽しんで来て良いんだよ。ルードもまだいるんでしょ?」
すると肉の塊を差し出された。その先を視線で追うと、ルードがお皿を持って立っている。
「いるけどさぁ。モナねぇちゃん、一言、言ってから戻ってよ。凄く探したんだよ」
あ、確かに誰にも言わずに戻ってきてしまった。
「ごめん。ごめん。父さんと母さんに渡すのを作っておきたかったんだ。ほら、全部使ってしまったし」
私は作りかけのミサンガを二人に見せる。すると、思ってもみない声が降ってきた。
「もしかして、ご両親に贈る物を俺が使ってしまったのか?」
何故かジュウロウザも私の部屋に····あー、私の目がどうかしてしまったのだろうか。頭痛が痛い。失礼。
目が疲れてしまったのかと目頭を指でグリグリと揉みほぐす。
この夜の祭りが始まるまでにLUK-10000に上げていたのだ。なのに私の目には、ゼロが六つに見える。この短時間の間に一体何が起こったというのだ!
「その前にキトウさん。その数値はどういうことですか?この二時間程で元に戻っているじゃないですか!」
「なぜだろうか?」
首を傾げながら私に聞くな!私の方が知りたいわ!
10
お気に入りに追加
170
あなたにおすすめの小説
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
異世界で婚活を ~頑張った結果、狼獣人の旦那様を手に入れたけど、なかなか安寧には程遠い~
リコピン
恋愛
前世、会社勤務のかたわら婚活に情熱を燃やしていたクロエ。生まれ変わった異世界では幼馴染の婚約者がいたものの、婚約を破棄されてしまい、またもや婚活をすることに。一風変わった集団お見合いで出会ったのは、その場に似合わぬ一匹狼風の男性。(…って本当に狼獣人!?)うっかり惚れた相手が生きる世界の違う男性だったため、番(つがい)やら発情期やらに怯え、翻弄されながらも、クロエは幸せな結婚生活を目指す。
シリアス―★☆☆☆☆
コメディ―★★★★☆
ラブ♡♡―★★★★☆
ざまぁ∀―★★☆☆☆
※匂わす程度ですが、性的表現があるのでR15にしています。TLやラブエッチ的な表現はありません。
※このお話に出てくる集団お見合いの風習はフィクションです。
※四章+後日談+番外編になります。
【完結】推しの悪役にしか見えない妖精になって推しと世界を救う話
近藤アリス
恋愛
「え、ここって四つ龍の世界よね…?なんか体ちっさいし誰からも見えてないけど、推しから認識されてればオッケー!待っててベルるん!私が全身全霊で愛して幸せにしてあげるから!!」
乙女ゲーム「4つの国の龍玉」に突如妖精として転生してしまった会社員が、推しの悪役である侯爵ベルンハルト(通称ベルるん)を愛でて救うついでに世界も救う話。
本編完結!番外編も完結しました!
●幼少期編:悲惨な幼少期のせいで悪役になってしまうベルるんの未来を改変するため頑張る!微ざまあもあるよ!
●学園編:ベルるんが悪役のままだとラスボス倒せない?!効率の良いレベル上げ、ヒロインと攻略キャラの強化などゲームの知識と妖精チート総動員で頑張ります!
※推しは幼少期から青年、そして主人公溺愛へ進化します。
【完結】若き最強のサムライ、異世界でも剣を振るう ~神威一刀流の秘剣を伝授された拙者、異世界に誘拐された婚約者を見つけるため剣鬼とならん~
岡崎 剛柔
ファンタジー
片桐進之介は、江戸で最強の流派の1つと言われていた神威一刀流の正統継承者。
その進之介には剣の師匠の1人娘であり婚約者でもあった梓がいたのだが、ある日、梓は神隠しに遭ったように姿が消えてしまった。
進之介は行方不明の婚約者・梓を探すため、「神隠し」の噂が絶えない時坂神社へ向かう。
そこで進之介は異世界から来た謎の人物――クラウディオスと出会い、梓を攫った犯人だと思い戦いを挑む。
人間を超えた激闘の末、クラウディオスは進之介から逃げるように古池に飛び込んで姿を消してしまう。
進之介は驚愕しながらも、クラウディオスのあとを追って古池に飛び込む。
そして気づいたときには、進之介は見知らぬ異世界へ転移していた。
行方不明の婚約者・梓がいるかもしれない、南蛮国のような異世界へと――。
果たして進之介は、異世界で梓を見つけられるのか?
若き最強のサムライが、異世界で婚約者を見つけるために剣を振るう壮絶な冒険譚、ここに大開幕!
【完結】気づいたら異世界に転生。読んでいた小説の脇役令嬢に。原作通りの人生は歩まないと決めたら隣国の王子様に愛されました
hikari
恋愛
気がついたら自分は異世界に転生していた事に気づく。
そこは以前読んだことのある異世界小説の中だった……。転生をしたのは『山紫水明の中庭』の脇役令嬢のアレクサンドラ。アレクサンドラはしつこくつきまとってくる迷惑平民男、チャールズに根負けして結婚してしまう。
「そんな人生は嫌だ!」という事で、宿命を変えてしまう。アレクサンドラには物語上でも片思いしていた相手がいた。
王太子の浮気で婚約破棄。ここまでは原作通り。
ところが、アレクサンドラは本来の物語に無い登場人物から言い寄られる。しかも、その人物の正体は実は隣国の王子だった……。
チャールズと仕向けようとした、王太子を奪ったディアドラとヒロインとヒロインの恋人の3人が最後に仲違い。
きわめつけは王太子がギャンブルをやっている事が発覚し王太子は国外追放にあう。
※ざまぁの回には★印があります。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる