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106 俺の目がおかしい?
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戻って来たことを報告するために、ジェームズの執務室に向かう。何故かソルも一緒に付いてきた。いつもならフィーディス商会に着いたら役目は終わったとばかりに去っていくのに今回はどうしたんだろうな。
執務室の扉をノックすると直ぐに返事があり、入るように言われた。そして、ジェームズが俺の顔を見た瞬間
「今度は何があったんだ?」
と聞いてきた。何故、毎回毎回、何かあると思っているんだ!いや、あるんだけどな。
「ジェームズ。流石エンだ。転移門を起動できたぞ。」
ソルが俺の頭をゴリゴリ撫でながら言ってきた。ソル、もう少し優しくできないか?首がもげそうだ。
「転移門を?使うほどの事があったのか?」
「大魔女の弟子の弟子って言うやつに目を付けられたらしい。俺はその場にいなかったから詳しくはわからないがな。」
「はぁ。ソル、一体何の為に付いて行っているんだ。エンの御守りをするためじゃないのか?」
おい、ジェームズ。俺の御守りって何だ!そこまで、俺は子供じゃないぞ。
「しかし、大魔女の系統か。エン、詳しく何があったか話してみろ。」
ジェームズに聞かれたから、あの頭のおかしい少女の事を話た。すると、ジェームズは眉間を押え、ため息を吐き出していた。
「あ、まぁ。思っていた事を違うが、ある意味、危険だな。転移門を使えば足取りもつかめないだろうから、間違いではないが、エンだからな。何があるかわからんな。」
ジェームズ、俺だからって酷くないか?あの少女も流石にミュルムからミレーテまで来ることは出来ないだろう。
できないはずだ。それなのに俺の目の前に金髪のツインテールの少女がいる。
おかしい。俺の目がおかしいのか?
俺はジェームズから5日間の休みをもらったので、休みの初日からやることもなくフィーディス商会の中庭でくつろいでいた。アイリスとフェーラプティスが仲良くハーブを摘んでいるのを遠目で眺めていたら、ヴィーネの突撃を受け、アイスを脅迫の様にねだられ、ガリガリな棒アイスをヴィーネの口に突っ込んでいるときに上から影が降ってきた。
顔を上げれば不機嫌そうに頬を膨らませ、赤い目は俺を逃さないとばかりに睨みつけ、金髪のツインテールを風になびかせながら、空から降りてくる見覚えのある少女がいた。
「いつの間にか居なくなってるし、なんでこんな所にいるの!」
少女はそんな事を言ってきたが、普通、怪しい人物から逃げるだろ。それに俺は戻って来ただけだし。
「エンに何の用なの!いきなり空から来るなんて失礼なの!」
ヴィーネがガリガリなアイスを手に持ちながらまともな事を言っているが、お前も空から突撃することあるよな。
「精霊がいる。凄いね。流石、私が目を付けた事だけはあるね。やっぱり、君に付きまとう事にするよ。」
「するな。」
即座に否定しておく。しかし、なんでここに俺がいることがわかったんだ?
「なぜ、俺がここにいることがわかった。ミュルムとミレーテは大分距離が離れているし、ミレーテもかなり大きな街だ。たどり着けるはずがない。」
「ああ、ここは首都なの?私からしたらそんなの簡単。君に魔力で印を付けておいたから、転移で一直線!」
あ?そんな印をいつ付けられた?もしかして手を握られたときか。それを目印にして転移をする?そんなこと初めて聞いたぞ。
いや、理に適っていると言えばそうだな。人に自分の魔力を目印としてつけていれば、行ったところの無いところにも転移ができるということか。
ただ、その人物がどういう状況かわからないのが難点だが、目の前の少女のように自分勝手に行動をするなら、便利かもしれない。
「はぁ。ここに来れた理由はわかったが、俺はお前の要望を叶えることはない。」
「いいよ。私は、君に付き纏うと決めたから」
それは、本当にやめてくれ。
「エンに付き纏っていいのは、愛人のヴィーネだけなの!」
おい、ヴィーネ!意味がわからないことを堂々と言うな。
「へー。精霊が愛人なのね。やっぱ君、面白いね。」
「なぜ、そこを本気で捉えるんだ。そんなわけないだろう!」
ここはきちんと否定しておかなければならな・・・後ろから誰かに捕獲されてしまった。誰だ!上を見上げると白い髪と白い三角の耳が見えた。アルティーナか。いつの間に俺の後ろにいたんだ。
「私の彼氏に付き纏うって、どういうこと?エン、また女の子を拾ってきたの?」
「アルティーナの彼氏でもないし、アレは拾っていない。勝手にここに来たんだ。」
「キアナさんの恋人に手を出そうってことね!」
「キアナ!違うと何度も言っているだろ!」
キアナ、お前もいつの間にいたんだ。
「お前ら、仕事はどうした。」
「アイリスが『エンがまた女の子を拾ってきたみたいです』と教えてくれたのよ。」
「フェーラプティスが『エンさんの新しい恋人が来たみたいですよ』と教えてきたけど?」
アイリスとフェーラプティスが!周りを見渡すと物陰に隠れた人、人、人。この暇人どもが!仕事をしろ!
執務室の扉をノックすると直ぐに返事があり、入るように言われた。そして、ジェームズが俺の顔を見た瞬間
「今度は何があったんだ?」
と聞いてきた。何故、毎回毎回、何かあると思っているんだ!いや、あるんだけどな。
「ジェームズ。流石エンだ。転移門を起動できたぞ。」
ソルが俺の頭をゴリゴリ撫でながら言ってきた。ソル、もう少し優しくできないか?首がもげそうだ。
「転移門を?使うほどの事があったのか?」
「大魔女の弟子の弟子って言うやつに目を付けられたらしい。俺はその場にいなかったから詳しくはわからないがな。」
「はぁ。ソル、一体何の為に付いて行っているんだ。エンの御守りをするためじゃないのか?」
おい、ジェームズ。俺の御守りって何だ!そこまで、俺は子供じゃないぞ。
「しかし、大魔女の系統か。エン、詳しく何があったか話してみろ。」
ジェームズに聞かれたから、あの頭のおかしい少女の事を話た。すると、ジェームズは眉間を押え、ため息を吐き出していた。
「あ、まぁ。思っていた事を違うが、ある意味、危険だな。転移門を使えば足取りもつかめないだろうから、間違いではないが、エンだからな。何があるかわからんな。」
ジェームズ、俺だからって酷くないか?あの少女も流石にミュルムからミレーテまで来ることは出来ないだろう。
できないはずだ。それなのに俺の目の前に金髪のツインテールの少女がいる。
おかしい。俺の目がおかしいのか?
俺はジェームズから5日間の休みをもらったので、休みの初日からやることもなくフィーディス商会の中庭でくつろいでいた。アイリスとフェーラプティスが仲良くハーブを摘んでいるのを遠目で眺めていたら、ヴィーネの突撃を受け、アイスを脅迫の様にねだられ、ガリガリな棒アイスをヴィーネの口に突っ込んでいるときに上から影が降ってきた。
顔を上げれば不機嫌そうに頬を膨らませ、赤い目は俺を逃さないとばかりに睨みつけ、金髪のツインテールを風になびかせながら、空から降りてくる見覚えのある少女がいた。
「いつの間にか居なくなってるし、なんでこんな所にいるの!」
少女はそんな事を言ってきたが、普通、怪しい人物から逃げるだろ。それに俺は戻って来ただけだし。
「エンに何の用なの!いきなり空から来るなんて失礼なの!」
ヴィーネがガリガリなアイスを手に持ちながらまともな事を言っているが、お前も空から突撃することあるよな。
「精霊がいる。凄いね。流石、私が目を付けた事だけはあるね。やっぱり、君に付きまとう事にするよ。」
「するな。」
即座に否定しておく。しかし、なんでここに俺がいることがわかったんだ?
「なぜ、俺がここにいることがわかった。ミュルムとミレーテは大分距離が離れているし、ミレーテもかなり大きな街だ。たどり着けるはずがない。」
「ああ、ここは首都なの?私からしたらそんなの簡単。君に魔力で印を付けておいたから、転移で一直線!」
あ?そんな印をいつ付けられた?もしかして手を握られたときか。それを目印にして転移をする?そんなこと初めて聞いたぞ。
いや、理に適っていると言えばそうだな。人に自分の魔力を目印としてつけていれば、行ったところの無いところにも転移ができるということか。
ただ、その人物がどういう状況かわからないのが難点だが、目の前の少女のように自分勝手に行動をするなら、便利かもしれない。
「はぁ。ここに来れた理由はわかったが、俺はお前の要望を叶えることはない。」
「いいよ。私は、君に付き纏うと決めたから」
それは、本当にやめてくれ。
「エンに付き纏っていいのは、愛人のヴィーネだけなの!」
おい、ヴィーネ!意味がわからないことを堂々と言うな。
「へー。精霊が愛人なのね。やっぱ君、面白いね。」
「なぜ、そこを本気で捉えるんだ。そんなわけないだろう!」
ここはきちんと否定しておかなければならな・・・後ろから誰かに捕獲されてしまった。誰だ!上を見上げると白い髪と白い三角の耳が見えた。アルティーナか。いつの間に俺の後ろにいたんだ。
「私の彼氏に付き纏うって、どういうこと?エン、また女の子を拾ってきたの?」
「アルティーナの彼氏でもないし、アレは拾っていない。勝手にここに来たんだ。」
「キアナさんの恋人に手を出そうってことね!」
「キアナ!違うと何度も言っているだろ!」
キアナ、お前もいつの間にいたんだ。
「お前ら、仕事はどうした。」
「アイリスが『エンがまた女の子を拾ってきたみたいです』と教えてくれたのよ。」
「フェーラプティスが『エンさんの新しい恋人が来たみたいですよ』と教えてきたけど?」
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