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90 剣が捻じれ折れるなんて
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普通に話せるじゃないか。アマツが行ったと言うダンジョンは以前ルギアが話してくれた、アリスの伝言があった西のダンジョンのことだろう。裏ダンジョンまであるということは、それなりの大きさのダンジョンだと思われる。入り口が壊され誰も来なくなったダンジョンを維持をするためには仕方がないことだったのかもしれないが、少しやりすぎのような気がする。
「ああ、街をダンジョンに取り込んで人の住みやすい環境にしておけば、ダンジョンの維持が用意にできるだろ?」
『確かに、町をダンジョンとしてしまえば、常に人がいることになる。ダンジョンの維持をするのに、もう困らなくていいのか。理に適っている。』
黒い鳥は雷に打たれたようにぷるぷるとしている。大丈夫か?
「一つ聞きたいのだが、あのリヴァイアサンは一撃で倒せるものなのか?HPを視た限りでは無理のような気がしたのだが。」
『ん?なんだ、お前はステータスを見れるのか?そんなものダンジョン内でのステータスだ。ダンジョンの外では半減する。だが、レベル100を超えたお前なら、倒せる相手だ。』
何!レベルが100を超えているだって!いつだ!いつレベルが100になったんだ?
『だから、ロロも普通の鳥とかわらん。』
いや、普通の鳥は「アホー」とは鳴かない。
『それじゃ、今から緊急工事にはいるから、良い情報ありがとうな。経験値は倍にしておいたから。じゃあな。』
そして、アホー鳥は『アホー』っと鳴きながらリヴァイアサンがいたことでそこだけ海面が見えている海の中に潜っていった。あの鳥、海の中でも泳げるんだ。
「ソル。戻ろうか。」
「ああ。それから一旦ミレーテに戻っていいか?」
「どうした?」
ソルは手に持っている物を見せながら
「剣が耐えられたくて、折れた。」
ソルの手には剣の柄だけが握られていた。
「それは、リヴァイアサンが硬すぎて折れたのか、強化しすぎで折れたのか?」
「リヴァイアサンの鱗には刃は入ったんだが、変なふうに力が入りすぎて、捻じり折れた。」
俺が悪いと。
「はぁ。レッドドラゴンの牙で作った剣が捻じれ折れるなんて、聞いたことないぞ。」
ドラゴンの牙で作った剣!そんな物を普通に使っていたのか、いいなぁ。じゃなくて、その牙で作った剣が外因的要因で折れたってことが問題なんだよな。それも、硬いとされたリヴァイアサンの鱗ではなく、ソルの力わざで折れてしまった。
「悪ぃ。」
「いや、謝ることじゃない。いつかは壊れるものだ。まだ、一本予備があるが、エンに強化してもらうときは気をつけなければならないなぁ。」
マジですまん。そこまで、強化されてしまうなんて思わなかったんだ。もしかして、最後の斬撃強化はいらなかったのか?
そして、俺はソルに荷物のように抱えられ、氷の海を疾走している。俺を抱えているソルはまだ、魔術の効果が残っているので、氷の上を滑るように駆けていくのを楽しんでいるが、俺は風に煽られて息が出来ない。速すぎだ!
舟を引っ張ってもらった行きとは違い、2、3分程で陸にたどりついたが、それ以上は持たなかったぞ。俺の息が。
「エン!よくあんな化け物を倒せたな。」
ゼルトが声をかけてくれたが、俺は息を吸うのに精一杯だ。
「あ・・・ああ。い、いろい・・ろ、あった。はぁ。ここの代表者は誰だ?」
「私です。」
そう言って前に出てきたのは、青い鱗で皮膚を覆われたあの女性だった。
「少し話をしたいのだが、落ち着いて話せる場所はあるか?」
「ええ、ありますが・・・。」
女性は目をソワしなく動かしながら言い淀んでしまった。
「なんだ?」
「あの・・・内海はこのままなのでしょうか?」
ああ、未だに魔術で海を凍らしたままだった。
「『解除』」
魔術を解除すると氷は海の中に消えていき、満月の月の光を反射しながら波打っている海に戻った。もとに戻ったことで、ここにいる集落の者たちがため息を吐いた。いや、流石に海が凍ったままにはしないぞ。
代表者だという女性に案内され連れて来られたのは、一軒のあばら家だった。まあ、集落の家はみんな同じ様な掘立て小屋といっていい作りの建物ばかりだったので、どこでも変わらないだろう。
「すみません。このような狭いところで。」
確かに中に入ると全てが土間で中央に穴を掘った囲炉裏のようなものがあり、端にゴザのような植物を編んだ物が敷かれていたので、そこが寝床なのだろう。全体的に8帖あるかないかの広さだった。
「まだ、寒いので火の側にどうぞ。」
俺達と代表者である女性は囲炉裏のような場所を囲むように座り、女性は白湯を出してきた。お茶はないのか。
「まずは200年前までここにダンジョンがあった事を知っているか?」
「ダンジョンですか?父には昔、良い狩場があったが、内海が出来てしまったことで、無くなってしまったところがあると聞いたことがありますが、それがダンジョンかどうかはわかりません。」
「その良い狩場っていうのがまだ存在していたとしたらどうする?」
「それはもちろん里の者たちを連れて狩りに行きます。」
女性は目を輝かせて言い切った。
「ああ、街をダンジョンに取り込んで人の住みやすい環境にしておけば、ダンジョンの維持が用意にできるだろ?」
『確かに、町をダンジョンとしてしまえば、常に人がいることになる。ダンジョンの維持をするのに、もう困らなくていいのか。理に適っている。』
黒い鳥は雷に打たれたようにぷるぷるとしている。大丈夫か?
「一つ聞きたいのだが、あのリヴァイアサンは一撃で倒せるものなのか?HPを視た限りでは無理のような気がしたのだが。」
『ん?なんだ、お前はステータスを見れるのか?そんなものダンジョン内でのステータスだ。ダンジョンの外では半減する。だが、レベル100を超えたお前なら、倒せる相手だ。』
何!レベルが100を超えているだって!いつだ!いつレベルが100になったんだ?
『だから、ロロも普通の鳥とかわらん。』
いや、普通の鳥は「アホー」とは鳴かない。
『それじゃ、今から緊急工事にはいるから、良い情報ありがとうな。経験値は倍にしておいたから。じゃあな。』
そして、アホー鳥は『アホー』っと鳴きながらリヴァイアサンがいたことでそこだけ海面が見えている海の中に潜っていった。あの鳥、海の中でも泳げるんだ。
「ソル。戻ろうか。」
「ああ。それから一旦ミレーテに戻っていいか?」
「どうした?」
ソルは手に持っている物を見せながら
「剣が耐えられたくて、折れた。」
ソルの手には剣の柄だけが握られていた。
「それは、リヴァイアサンが硬すぎて折れたのか、強化しすぎで折れたのか?」
「リヴァイアサンの鱗には刃は入ったんだが、変なふうに力が入りすぎて、捻じり折れた。」
俺が悪いと。
「はぁ。レッドドラゴンの牙で作った剣が捻じれ折れるなんて、聞いたことないぞ。」
ドラゴンの牙で作った剣!そんな物を普通に使っていたのか、いいなぁ。じゃなくて、その牙で作った剣が外因的要因で折れたってことが問題なんだよな。それも、硬いとされたリヴァイアサンの鱗ではなく、ソルの力わざで折れてしまった。
「悪ぃ。」
「いや、謝ることじゃない。いつかは壊れるものだ。まだ、一本予備があるが、エンに強化してもらうときは気をつけなければならないなぁ。」
マジですまん。そこまで、強化されてしまうなんて思わなかったんだ。もしかして、最後の斬撃強化はいらなかったのか?
そして、俺はソルに荷物のように抱えられ、氷の海を疾走している。俺を抱えているソルはまだ、魔術の効果が残っているので、氷の上を滑るように駆けていくのを楽しんでいるが、俺は風に煽られて息が出来ない。速すぎだ!
舟を引っ張ってもらった行きとは違い、2、3分程で陸にたどりついたが、それ以上は持たなかったぞ。俺の息が。
「エン!よくあんな化け物を倒せたな。」
ゼルトが声をかけてくれたが、俺は息を吸うのに精一杯だ。
「あ・・・ああ。い、いろい・・ろ、あった。はぁ。ここの代表者は誰だ?」
「私です。」
そう言って前に出てきたのは、青い鱗で皮膚を覆われたあの女性だった。
「少し話をしたいのだが、落ち着いて話せる場所はあるか?」
「ええ、ありますが・・・。」
女性は目をソワしなく動かしながら言い淀んでしまった。
「なんだ?」
「あの・・・内海はこのままなのでしょうか?」
ああ、未だに魔術で海を凍らしたままだった。
「『解除』」
魔術を解除すると氷は海の中に消えていき、満月の月の光を反射しながら波打っている海に戻った。もとに戻ったことで、ここにいる集落の者たちがため息を吐いた。いや、流石に海が凍ったままにはしないぞ。
代表者だという女性に案内され連れて来られたのは、一軒のあばら家だった。まあ、集落の家はみんな同じ様な掘立て小屋といっていい作りの建物ばかりだったので、どこでも変わらないだろう。
「すみません。このような狭いところで。」
確かに中に入ると全てが土間で中央に穴を掘った囲炉裏のようなものがあり、端にゴザのような植物を編んだ物が敷かれていたので、そこが寝床なのだろう。全体的に8帖あるかないかの広さだった。
「まだ、寒いので火の側にどうぞ。」
俺達と代表者である女性は囲炉裏のような場所を囲むように座り、女性は白湯を出してきた。お茶はないのか。
「まずは200年前までここにダンジョンがあった事を知っているか?」
「ダンジョンですか?父には昔、良い狩場があったが、内海が出来てしまったことで、無くなってしまったところがあると聞いたことがありますが、それがダンジョンかどうかはわかりません。」
「その良い狩場っていうのがまだ存在していたとしたらどうする?」
「それはもちろん里の者たちを連れて狩りに行きます。」
女性は目を輝かせて言い切った。
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