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157話 勘違いなのか?
しおりを挟むリンドは馬を駆けさせながら、目の力を使ってティアの場所を探る。
目が光ると、ティアの様子が見えてきた。
どうやら馬車でどこかへ向かっているようだ。
目立たないように辻馬車に似せた馬車を使っているようだが…
俺の目を欺けると思うなよ!
そう思いながら、リンドはさらに中をよく見ると…
⁈⁈なっ⁉︎
クロードが、眠るティアを横抱きにして、
額と額を合わせていたのを見てしまった!
しかもクロードがとても愛しそうに、とても大事そうにしているのがわかった…!
どうなってる⁉︎
離れろ‼︎
…なんであの男、そんなに大事そうにティアを見ているんだ?
…誘拐じゃ、ないのか?
ティア?
お前は、まさか、その男がいいのか?
…眠らされてるんだよな?
自分から、…ただ気持ちよくて寝てるんじゃないよな…?
ティア?
俺が俺じゃなかった時のひどかったこと、忘れられないのか?
もう俺が嫌いになって、そいつの方がいいのか?
…俺…追いかけて…いいのか?
まさか、俺から逃げてるんじゃない…よな?
リンドは思いを巡らすと、不安になって馬のスピードをゆるめてしまった。
でも!
とすぐ思い直す。
ティアの口から聞くまではあきらめない!
ティアが俺にはっきり嫌いだと、俺から逃げたいと言うなら、
それがティアの望む幸せなら、
俺はティアを手放してやろう。
俺が望むのはティアの幸せなんだから。
だが、ティアから直接聞くまでは納得しない!
だから、俺は会いに行く!
ティアが嫌でも、会いに行く!
ティア、そんな我がままな俺を許してくれ…
気を持ち直したリンドは、先を急いだ。
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