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151話 ここは?

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「う、う…ん」

ティアは目が覚めると、ベッドに寝ていたので、

一瞬寝ぼけて自室と勘違いしそうになるが、

お腹の溝落ちあたりが痛いと感じ、

それによって、先程自分が何をされたのか、

キャロラインが何をされていたのか、

ブワッと脳裏に映像が浮かんで恐怖する。

自分がそれからどうなったのか確認するために、

まずは周りを見て、情報を集めていく。

部屋の中にはいる…

部屋も割と豪華ではある…

でも、たぶん公爵邸ではない。

置いている家財道具が、どれも悪くはないが中堅クラスの物だ。

公爵家は王家の次の位であり、

その邸も家財道具も、全てが国宝級なのだ。

中堅クラスと国宝級クラスの差が、

ユークリウス公爵邸での生活で目が肥えていたティアの目にはわかった。

周りを見まわしていた途中で、

部屋のソファに真っ赤なドレスが垂れ下がっているのが見えた。

…あれは!

そう、キャロラインのドレスだ。

無事かどうか確かめるために、ティアはベッドから降りようとして、

ギシッと音がすると共に、突然声がした!

「ティア?起きたの?」

ベッドからは死角になっていた、

部屋の奥にある、扉のない続きの別室から、

紅茶の入ったティーカップとソーサーを持ったクロードが現れた!

「大丈夫?」

とベッドの脇に座って、結局ベッドから降りられなかったティアに紅茶を渡す。

「ありがとうございます。

…あの、クロード様が助けてくださったんですか?」

「…そうだといいね。まぁ、ティアに関しては、そうとも言えるのかな?」

クロードは悲しそうに笑った。

「どういうことでしょうか?

…あの、あちらのキャロライン様は大丈夫なのでしょうか?」

「ああ、もちろんだよ。大事なお客様のご令嬢だからね」

「?」

「ふふ、気にしなくていいよ。君は何も、ね?」

「えっと、あの、キャロライン様は4人ほどの男性に拐われかけていたようなのですが、

クロード様がお一人で助けてくださったんですか?」

あまりにわからないことだらけで、

やっぱりもう一度聞いてしまった。

「ティア?

君が僕の妃になってくれるなら、全部話してもいいんだけどなぁ?

なってくれる?」

クロードはティアの目を見つめて聞いてきた。

「いえ、あの、…申し訳ありません。先程も申し上げました通り、それは無理です。」

公爵家でのことといい、なんの冗談だろうと思いながらも、生真面目なティアはきちんとお断りしておく。

「そうかぁ…残念だなぁ。本当に残念だ…

ティアのこと、本当にこんなに大好きになってしまったのに、どうしたらいいのかなぁ…」

クロードはティアに向かって、小首を傾げて見せた。

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