【完結】転生令嬢はハッピーエンドを目指します！

12話 今度こそ

「おかえりなさいませ　ティアさま…でよろしいですか？」

「ええ、私の今の意識はティアだわ。お久しぶりねジョルジュ。元気だったかしら？って精霊に言うのは変ね。」　

「ティアさま、少しスッキリしておられるようですね」

「わかる？

そうね、お母様になってみて、私を愛せなかった理由を最後に知れて、

許せるかと言われたらそれは無理だけど、納得はできたと思うわ。」

「では、この人間関係はいったんこれで終了し、しばらく精霊界で記憶の浄化でもなさいますか？」

「そうね、それもいいかなとは思うんだけど…でもやっぱりあとひとつ！どうしてもやりたいことがあるのよ」

「ほぉ、それは？」

ジョルジュが顔も見えないのにニヤリとした気がした。
変なの。

「うん、私ね、お兄様やお母様のことがよくわかったから、この記憶を残したままでティアをもう一度やり直したいの。

ティアとして幸せになって終わらないと次にいけない気がするのよ」

「そうですか。ちなみにご確認ですが、同じ人物で2度目の自死は冥界送りというのは覚えておいででしょうね？」

「わかってます。でもやっぱりこわいから、だからそれもあって記憶は全部連れて行くわ」

「覚悟の上なのですね。

では承知致しました。

どうぞお気をつけて。

幸せな、本当に幸せな結末を心よりお祈りしています。」

「ありがとう！じゃあ行ってきます！」

言うや否やまたすうっと光が消え始める。

あっ？そういえば！この時に話しかけるなって言うの忘れてたわ！しまった！

と思ったと同時にジョルジュがやはり何かを言っている！
悔しい！また聞き取れないー！気になるー！

「ふふふ…よかったですね～、やっとティアを選んでもらえて。

まぁ、あなた様の場合、簡単ではないかもしれませんけれど…

悲願が叶いますよう、私も微力ながら祈っておりますよ。ではいってらっしゃいませ。どうか、お幸せに。」

ニヤニヤしながら煽るジョルジュに言い返す声があった。

「毎度毎度うるさいんだよ、お前は！黙ってろ！」

そういうともうひとつの大きな光も同じように消えていった。