【完結】魔女のおしごと

かまり

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最終話 幸せにする言葉

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「ミラ?」

怯えた目をしたカーティスが、ミラの顔を覗き込んだ。

「はい、どうされましたか?カーティス様」

なんだかよくわからないが、カーティスの不安を解こうと、優しく微笑んでミラは聞き返した。

「お前、…その、あの王子のこと、…本当にもういいのか?」

アレスはああ言っていたが、まだ信じられないカーティスは、恐いけれど試しに聞いてみた。

「どういうことでしょう?お互いある程度エネルギーを吸収するということで決着がつきましたよね?

もうあの王子に会う必要はないのでは?」

ミラはきょとんとする。

「…本当に?好きではなかったのか?」

もう一度念を押して、しつこく確認する。

「カーティス様?ご冗談はおやめください。
さすがに間抜けな私でも、人間を好きになることはないですし、ましてや宿敵の精霊王を好きになるはずもないじゃないですか?」

「…はぁ…」

と、安心したカーティスは大きく息を吐いて、座っていたソファの背もたれに身を投げ出した。

そして、隣に座るミラをゆっくり抱きしめると、頭を撫でながら、

「やっぱりお前はこの色がよく似合う」

と言って、頭に口づけ、目を丸くしたミラを覗き込んだ。

そして、ゆっくり深呼吸してから口を開くと…

「……好きだ、ミラ」

と言ってもう一度抱きしめた。

「…私も好きですよ?カーティス様」

優しく微笑んで言ったミラの言葉を

この先何万年もの間
隣にいるミラを見る度に

何度も何度もカーティスは思い返し

幸せな気持ちになるのは、
もう少し先のこと…



                  fin
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