【完結】魔女のおしごと

かまり

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77話 魔王様の推理

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「そっちこそ!また出たな!死神が!」

アレスは腰の剣をサッと抜き取ると、カーティスに向けて構えた。

「はっ、もう全部わかってるんだ。そんな猿芝居はしなくていい。……精霊王アレスよ」

嘲るようにアレスを見て、カーティスはそう言った。

「⁇」

ミラはキョトンとカーティスを見た。

ミラが不思議そうにしているのが視界に入ったカーティスは、アレスから目を離さないようにミラに話した。

「ミラ、お前の能力は薬の調合能力の他に、もう一つあったはずだ」

「え?ええ。人の感情を感じる能力のことですか?」

突然何を聞くのかと、ミラはわけがわからなかった。

「そうだ。…お前、あいつから感情が伝わってきたことがあったか?」

「い、いえ。そんなこともあるのか、くらいに思っていましたが」

「わからなくて当然だ。あいつは人間じゃないんだからな」

「え⁈」

驚いて、目を瞠るとアレスを見た。どう見ても人間にしか見えない。しかし、カーティスは続けた。

「あいつは俺たち魔界人の宿敵、精霊界の王アレスだ。

魔界人が人間を好きになることなどない。おかしいと考えていた。しかし、人の心にうまく入り込む精霊なら、或いは魔界人にもそれができるのではないかと思った」

アレスは黙っている。

「毒を盛ったのはお前だな?魔界人を殺す毒は魔界人か…精霊にしか作れない。

お前たちは俺たちと反対にプラスエネルギー、つまり幸せな感情のエネルギーを喰らう。

だから俺たち魔界人とは宿敵同士という訳だが、

最近マイナスエネルギーを不足に追い込んでいた宗教はお前の手先だろう?

精霊界の計画を壊しに来たこのミラを取り込み、人を薬で助けさせ、ミラの計画を進行させて安心させておきながら、実はこの国のプラスエネルギーを増幅させていた…

そして、次の計画にミラが移ろうとした時、

信仰の邪魔をしようとしていたカルーアの王子と王子妃をミラ諸共消そうとした。

世界に信仰を広げるためなら、多少の戦争が起ころうとも、それはお前たち精霊にとって些細な犠牲だった。

違うか?」

カーティスはアレスからその鋭い目を離すことなく問う。
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