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58話 到着
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「やぁ、アレスフォード殿にミリア聖女様!
よくぞ我が国カルーアまでお越し下さいました。
どうぞ滞在中はごゆるりとお過ごし下さい」
ニコラスとマリアンヌは、船から降りて来た2人に丁重な礼をして出迎えた。
「これは、丁寧な出迎え痛み入ります。お忙しい中お手を煩わせてしまって申し訳ない。
今日のこの日を、ミリアととても楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願い致します」
丁重な出迎えにアレスも丁寧に応えた。
昨日眠り始めてからまだ数時間。
今はエストリアを出航してから5日目の、もうすぐ正午になる少し前だった。
「では、このあと、カルーアの王宮に部屋を用意しておりますので、そちらへご案内致します。今日の夜には、晩餐を予定しておりますが、大丈夫でしょうか?」
「ええ、もちろんです。よろしくお願いします」
アレスはそう返事し、準備されていた大きな馬車にミラと一緒に乗り込んだ。
———ガラガラガラガラ…
「ミリア?ここから王宮はすぐのようだけど、大丈夫かい?疲れているなら一度馬車を停めてもいいんだよ?」
ミラの顔が青ざめているような気がして、アレスは心配していた。
「ありがとうございます。大丈夫ですよ?とても穏やかな町ですね」
と、心配させないよう微笑むと、誤魔化すように、窓の景色を眺めるふりをした。
あの夜、アレスとあんなことがあって目が冴えた2人は、そのまま談笑を楽しみ、自然と同じベッドで疲れて眠っていた。
ベッドに入ったのは空が白み始める頃で、ただ眠気に任せて一緒に眠ったというだけだったが、アレスとミラは明らかに心の距離が近づいていた。
その証拠に、今も馬車の中で、向かい合わせではなく、隣に寄り添うように座っている。
…しかし、それによって、ミラは昨日の夜カーティスとの連絡を忘れてしまったのだ!
今までにも一度そういうことがあったが、その時に怒られて以来、忘れたことはなかったのに…
…どうしましょう…またやってしまいました…
というわけで、ミラは今日起きてその事に気づいてから、ずっと青ざめていた。
今日の夜しっかり謝って許して貰えるように頑張らないといけませんね…
何と説明したものかと悩みながら、ミラは窓の外を見つめていた。
よくぞ我が国カルーアまでお越し下さいました。
どうぞ滞在中はごゆるりとお過ごし下さい」
ニコラスとマリアンヌは、船から降りて来た2人に丁重な礼をして出迎えた。
「これは、丁寧な出迎え痛み入ります。お忙しい中お手を煩わせてしまって申し訳ない。
今日のこの日を、ミリアととても楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願い致します」
丁重な出迎えにアレスも丁寧に応えた。
昨日眠り始めてからまだ数時間。
今はエストリアを出航してから5日目の、もうすぐ正午になる少し前だった。
「では、このあと、カルーアの王宮に部屋を用意しておりますので、そちらへご案内致します。今日の夜には、晩餐を予定しておりますが、大丈夫でしょうか?」
「ええ、もちろんです。よろしくお願いします」
アレスはそう返事し、準備されていた大きな馬車にミラと一緒に乗り込んだ。
———ガラガラガラガラ…
「ミリア?ここから王宮はすぐのようだけど、大丈夫かい?疲れているなら一度馬車を停めてもいいんだよ?」
ミラの顔が青ざめているような気がして、アレスは心配していた。
「ありがとうございます。大丈夫ですよ?とても穏やかな町ですね」
と、心配させないよう微笑むと、誤魔化すように、窓の景色を眺めるふりをした。
あの夜、アレスとあんなことがあって目が冴えた2人は、そのまま談笑を楽しみ、自然と同じベッドで疲れて眠っていた。
ベッドに入ったのは空が白み始める頃で、ただ眠気に任せて一緒に眠ったというだけだったが、アレスとミラは明らかに心の距離が近づいていた。
その証拠に、今も馬車の中で、向かい合わせではなく、隣に寄り添うように座っている。
…しかし、それによって、ミラは昨日の夜カーティスとの連絡を忘れてしまったのだ!
今までにも一度そういうことがあったが、その時に怒られて以来、忘れたことはなかったのに…
…どうしましょう…またやってしまいました…
というわけで、ミラは今日起きてその事に気づいてから、ずっと青ざめていた。
今日の夜しっかり謝って許して貰えるように頑張らないといけませんね…
何と説明したものかと悩みながら、ミラは窓の外を見つめていた。
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