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72話 天国?
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「ぅ…ううん…?…」
クロードは目が覚めた。
一連の騒動と、自分の腹を刺した記憶がしっかりあったため、
なぜ目が開いて、いつもの見慣れた天井を見ているのだろうかと、
意識のはっきりしない頭で、ぼぅっと眺めていた。
なんだかやっと死ねて嬉しいような、
どこか死んだらいけないような…
なんだったかな…
ここは、天国?
天国も同じような世界なのか?
体はあるみたいだけど、傷はどうなったのだろう
色々不可解で、一度起きあがって身体を見てみようと、ベッドから体を起こすと、
妙に重い。
何か重しがのせられているようだ。
…死神でも迎えに来たかな…?
そう思って、寝ながら下の方に目を向けると…
マルシェがベッドのそばに椅子を置き、
そこに座ってはいるが、
寝ているクロードの太腿あたりにうつ伏せてすやすやと眠っていた。
「⁉︎⁉︎……」
クロードは一瞬心臓が飛び出しそうなほど驚いたが、
ここは天国でも地獄でもなく現実なんだとわかった。
寝着をまくって、お腹の傷を確かめると、
傷の形は残ってはいるが、すっかり塞がって、
痛みさえなくなっていた。
本当に光魔術師の聖力には脱帽だった。
ひとまず、落ち着いたクロードは
マルシェのまだあどけない寝顔を見ているうちに、
徐々に最後の記憶がよみがえってきて…
思い出しながら、クロードはみるみる顔が紅潮してくる。
マルシェは私のお嫁さんになるのが夢だって言っていた。
あれは、どういう意味だろう…
子どもの戯言か?
お父さんに娘が言うような?
しかし、マルシェは18歳だ…
そんな大きくなった子がそんなこと言うのか?
考えれば考えるほど、あの言葉が本気にしてはいけない気がして、
紅潮していた顔も冷め、少し肩を落とした。
でも、自分を心配して、こうしてそばで寝ているマルシェを見ると、
素直に嬉しかった。
とても可愛いくて、とても愛しくて。
つい、そっと、頬を触ってしまった。
クロードは目が覚めた。
一連の騒動と、自分の腹を刺した記憶がしっかりあったため、
なぜ目が開いて、いつもの見慣れた天井を見ているのだろうかと、
意識のはっきりしない頭で、ぼぅっと眺めていた。
なんだかやっと死ねて嬉しいような、
どこか死んだらいけないような…
なんだったかな…
ここは、天国?
天国も同じような世界なのか?
体はあるみたいだけど、傷はどうなったのだろう
色々不可解で、一度起きあがって身体を見てみようと、ベッドから体を起こすと、
妙に重い。
何か重しがのせられているようだ。
…死神でも迎えに来たかな…?
そう思って、寝ながら下の方に目を向けると…
マルシェがベッドのそばに椅子を置き、
そこに座ってはいるが、
寝ているクロードの太腿あたりにうつ伏せてすやすやと眠っていた。
「⁉︎⁉︎……」
クロードは一瞬心臓が飛び出しそうなほど驚いたが、
ここは天国でも地獄でもなく現実なんだとわかった。
寝着をまくって、お腹の傷を確かめると、
傷の形は残ってはいるが、すっかり塞がって、
痛みさえなくなっていた。
本当に光魔術師の聖力には脱帽だった。
ひとまず、落ち着いたクロードは
マルシェのまだあどけない寝顔を見ているうちに、
徐々に最後の記憶がよみがえってきて…
思い出しながら、クロードはみるみる顔が紅潮してくる。
マルシェは私のお嫁さんになるのが夢だって言っていた。
あれは、どういう意味だろう…
子どもの戯言か?
お父さんに娘が言うような?
しかし、マルシェは18歳だ…
そんな大きくなった子がそんなこと言うのか?
考えれば考えるほど、あの言葉が本気にしてはいけない気がして、
紅潮していた顔も冷め、少し肩を落とした。
でも、自分を心配して、こうしてそばで寝ているマルシェを見ると、
素直に嬉しかった。
とても可愛いくて、とても愛しくて。
つい、そっと、頬を触ってしまった。
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