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18話 宰相を置く理由
しおりを挟む気を取り直して、王に聞いてみる。
「一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?」
「おうおう、なんでも聞くがよい。退屈しておったところじゃ」
「はい、では、遠慮なく。
なぜ、今回、宰相職を復活させても良いとお思いなったのですか?」
横で立っていたルシードが、
物おじせずに質問するトレイルのすごさに
感心するのと同時に、
あの王に何をされるかわからない恐怖で、
ドキドキしながら見守った。
「ああ、そのことか。
いや、そろそろあんまりこの王宮に金が届かんようになってきたからのう。
お前の頭を使ってどんどん稼いでもらおうと思ってな!
何せ、この女どもを養ってやらねばならんからなぁ。
宰相ドノ!しっかり頼んだぞ‼︎」
バンっバンっ
と、背中を思い切り叩かれて、ソファから転げそうになる。
それを見た王は
「ガハハハ
大丈夫か?宰相ドノ⁇
そんな軟弱で、しっかり儲けてくれるのかのう?
ワハハハハ」
と、どうしようもないことを言いながら
笑っているが、
女性たちも機嫌をとるためか、
一生懸命顔を引きつらせながらも、
合わせてケラケラ笑っている。
私はその女性たちに、
がんばれ…ほんと、おつかれさま…
生きるって大変よね…
と社畜時代を思い出し、心の中で応援した…
そんなことを思いながら、王と女性たちに揉みくちゃにされていると、
「さあさあ、呑め呑め!」
と、どんどん王がお酒を呑ませてくる。
私は28歳の日本人だった頃も、
お酒は苦手だったのだが、
この体も、どうやらあまりお酒は
受け付けないということが最近わかった。
ガルティアでは、社交のこともあるため、
18歳からお酒は飲んでも良いことになっていたので、
一度何かのパーティーで
ワインのようなお酒を一杯飲んだら、
ふらふらになって、苦しくなって、
倒れてしまったので、
それ以来飲まないように気をつけていた。
「い、いえ、あの、お酒は苦手で、飲んだら倒れてしまうので…」
と、押し返していると、
「なんじゃ、わしの酒が飲めんのか?」
と、絡んできて、
王は手に持った酒を私にぶっかけてきた…
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