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7話 どうなってるの?

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アリアは邸に戻ると、自室のベッドに寝転んで考えていた。

どうにも日本人の、しかも、一般人だった自分の記憶があるために、

いつも令嬢らしい振る舞いをするのは大変で、

自室ではこっそり、だらけた28歳を出してしまっている。

「えーっと、確か事件は夜に起きて…

次の日の夜には、

もう助け出されて、

帰ってきたティアと公子は公爵邸でイチャイチャしてなかった?

それで、そこから三日後に、

公子がクロード様に宰相やらなんやらの提案を話しに

地下牢へ行ったのよね…

それで、クロードが捕まった時に骨折したのと、

薬物の中毒を治すまで、

地下牢で治癒してから、

ルバニアに帰らせるって言ってたから…


え?それって大体どれくらいかかるの?

3ヶ月くらいかしら?

うーん…

あっ、でも、それより先に、

誰を派遣するか必ず打診が

知力の公爵家にくるはずよね?…

とりあえず待つしかないかしら…

アリアは考えを巡らせているうちに、

いつの間にか眠ってしまっていた…


———そして、

あれから3ヶ月くらい経ったのだが…

アリアに何の話もまだ来ていなかった。

宰相どころか、教育者の養成の人材としてさえも!

クロードの件は極秘案件のため、

必要な人材派遣も秘密裏に始動しているとは思っていた。

しかし、知力の筆頭公爵家であれば、

情報は自分の耳にも入るだろうと

タカを括っていた。

アリアは、

まさかもう知らない間にクロードが帰ってしまっていたらどうしようと、とにかく焦った!

お父様に聞いてみよう!

でも、なんで知ってるのかって聞かれたら、なんて言う?

あー!もう、どうしよう!
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