219 / 247
天つ通い路
朔月の赦し Ⅰ
しおりを挟む
ぽつん、と真っ白い空間。
ただ白いというのではなく、靄のような霧のようなものに満たされた空間だとわかれば、そこに自分がぽつん、と佇んでいることにも気がついた。
風が頬を撫でた。
周囲の靄が動くのが見え、それが薄れていく。
その向こうに、陰影が見えた。
光が差し、陰影にはやがて色が添えられる。
鮮やかな草木。
抜けるような蒼穹。
しかし、その蒼穹の中央__真上に向かって、色が濃くなって昏く、よくよくそこを見れば星のようなものが瞬いて見える。
魔穴、という言葉がよぎったが、球にその昏い部分は見えないし、昏いといっても、闇色ではない。それに、瘴気があふれているようにも見えないから、違うものなのだろう、とマイャリスは考えた。
改めて周囲を見ると、立っているのは小高い丘で、見晴らしはよかった。
草原と点在する木々、森、点在する池かあるいは泉が広がる。そんな草地の向こうに山並みが見え、その麓に白く輝く人工物が見て取れる。
それが何なのか__目を凝らしてみれば、白い家屋だとわかった。規模から察するに、それなりの都市。州都ぐらいはあるだろう。
一際大きいものは、特に白く輝いて見える。それは、雲のようなものに包まれているから__否、雲そのもので出来ているかと見紛うほどの白さ。
流線と直線が織りなす構造物は、ぼんやり、としていた頭でも息を呑むほどの美しさなのだと思えた。
一歩そちらへ踏み出したとき、背後に何かがある気がして振り返る。
「__ぁ……」
思ったよりも、すぐ近くに人影あって、思わず半歩下がってしまった。
自分と同じ銀色の髪の男。
年齢は30前後だろうか。
男の額には、一角があった。
__獬豸、族…。
男の薄い紫の瞳が細められ、途端に、多くの忘れていた遠い記憶が去来した。
記憶はすべて鈍色だったが、そのことごとくがある瞬間から鮮やかに染まる。
そして、穏やかな表情の男に、マイャリスは、はっ、とした。
__この人は……。
口を開こうとした時、男の背後にいくつもの影があることに気づき、マイャリスは息を詰める。
黒かったそれは、やがて白くなり、いつの間にか人の姿になる。それは、老若男女問わず。
共通点は、濃薄の差、色味の差はあるものの、どれもが銀に準じた色の髪という点。そして、輪郭が光って見える点。そして、その額にいただく一角がある点。
「何も伝えられずとも、よく果たしてくれた。マイャリス・コンバラリア」
穏やかな口調でいう男。
__そうだった……。私の本当の姓はコンバラリア……。
養子として引き取られた当時は、稚すぎて自分の姓を意識していなくて、養子として得られたラヴィルという姓に疑いもしなかった。
「草の影に隠れても咲く者の一人として、ご苦労だった。__陛下が、望むのであれば、引き上げる、と」
「陛下……? 龍帝?」
ふわり、と男は笑って首を振る。
「天の綱を繋ぐお方だ」
「天、帝……?」
怪訝にその言葉を出せば、男は首肯し、周囲を示すように視線を移すので、マイャリスもつられて視線を巡らせた。
穏やかな景色。空気。それらは、郷愁にもにた心地を抱かせる。
おそらく、召し上げられるのはこの大地なのだろう。
__天津御国……。
「__望むか?」
__望む? 何故? わからない……。望む、とは何……。
マイャリスがふやける思考で思案していると、ふっ、と目の前の男は笑った。
「__私にそこまで似なくてよかった」
「お父様__」
そこで、がしっ、と背後から腕を掴まれたせいで、言葉を切られた。
弾かれるように腕を見れば、無骨な大きな手がつかんでいる。強く、しかしながら優しく掴む手は、手首と肘の中程までしかなく、その先は白い靄の中。
そこでふと、周囲は白い靄に再び覆われていることに気がついた。
唐突に、鼻孔をくすぐる香り。
何の香りだろう。
記憶にある香りだ。
とても安心する香り。
「__確かに、すぐには答えなくてもよいな」
男の言葉に、振り返る。
男もまた、マイャリスの腕を掴む手を見つめていた。
そして、視線を断つと再びマイャリスを見る。
「一度戻るといい。前触れをしておきたかった」
「前触れ……」
「いずれわかる」
男は、ふっ、と小さく笑った。
「マイャリス・コンバラリア。お前は、血に刻まれた大任を果たし、その血、その役から、許された」
「許された……」
許された、とはおそらく終えたということなのだろう__何となくだがそう思えた。
笑みを深める男は、目元をさらに穏やかに細める。
「__ただ心の赴くまま、健やかにあれ、と。我々も……私も、そう願う」
「__」
マイャリスが口を開こうとした刹那、すべての景色が靄に餐まれるようにして遠ざかった。
びくり、と身体が大きく震えて、それでマイャリスは目を開けた。
それはハイムダルの屋敷の私室。その寝台に自分は横たえられていた。
窓の外は夜の帳が降りていて、部屋の中は蝋燭と暖炉の炎の明かりのみ。
「具合はいかがでしょうか」
静かに問いかける声に、マイャリスは視線を滑らせる。
横たえられている寝台の脇に佇む者が声の主、フルゴル。
乾いた口で、うまく言葉が紡げないでいれば、彼女は小さく笑みを見せた。
「お水を」
こくり、と頷いて上体をやや起こし、彼女が差し出したグラスを素直に口で受けた。
ほのかに温かい水で、今の身体には飲み易い。
何口か飲み込んで、視線でもう十分であることを伝えると、彼女は意図を汲んで下げた。
「……私は、倒れたのですよね?」
「左様にございます。申し訳ございません。私の力が及ばず」
フルゴルが困ったように眉根を寄せた。
「お話いたしますが……よろしければ、リュディガーをここへお通ししても?」
「リュディガー?」
「はい。扉の向こうでお目覚めになられるのを待っております。大丈夫であるという姿を彼にお見せいただけると、契約相手である彼の心が落ち着きますので、私も楽になるのです。そしてなにより、処遇の話もしたいでしょう」
「決まったのですか?」
「おそらく」
処遇の話であれば、それは早く聞きたいもの。
マイャリスは身体を起こして、軽く身拵えの乱れを整えようと確認する。衣服は、夕食のために着替えておいたそれではなく、部屋着になっていた。
「お召し替えをさせていただきました。楽なものに」
「ありがとう」
楽なものと言っても、人に会うには不都合がない程度の格のものである。髪の毛も解かれて、ゆるく流れるように結ってあって、耳飾り以外の宝飾品も外されている。その耳飾りが違和感なくいられるぐらいの身拵え。
そのどれもが間違いなくフルゴルの配慮だろう、とマイャリスは察した。
お願いします、と伝えれば、羽織物を彼女は肩にかけてくれて、そうして扉へと向かった。
ただ白いというのではなく、靄のような霧のようなものに満たされた空間だとわかれば、そこに自分がぽつん、と佇んでいることにも気がついた。
風が頬を撫でた。
周囲の靄が動くのが見え、それが薄れていく。
その向こうに、陰影が見えた。
光が差し、陰影にはやがて色が添えられる。
鮮やかな草木。
抜けるような蒼穹。
しかし、その蒼穹の中央__真上に向かって、色が濃くなって昏く、よくよくそこを見れば星のようなものが瞬いて見える。
魔穴、という言葉がよぎったが、球にその昏い部分は見えないし、昏いといっても、闇色ではない。それに、瘴気があふれているようにも見えないから、違うものなのだろう、とマイャリスは考えた。
改めて周囲を見ると、立っているのは小高い丘で、見晴らしはよかった。
草原と点在する木々、森、点在する池かあるいは泉が広がる。そんな草地の向こうに山並みが見え、その麓に白く輝く人工物が見て取れる。
それが何なのか__目を凝らしてみれば、白い家屋だとわかった。規模から察するに、それなりの都市。州都ぐらいはあるだろう。
一際大きいものは、特に白く輝いて見える。それは、雲のようなものに包まれているから__否、雲そのもので出来ているかと見紛うほどの白さ。
流線と直線が織りなす構造物は、ぼんやり、としていた頭でも息を呑むほどの美しさなのだと思えた。
一歩そちらへ踏み出したとき、背後に何かがある気がして振り返る。
「__ぁ……」
思ったよりも、すぐ近くに人影あって、思わず半歩下がってしまった。
自分と同じ銀色の髪の男。
年齢は30前後だろうか。
男の額には、一角があった。
__獬豸、族…。
男の薄い紫の瞳が細められ、途端に、多くの忘れていた遠い記憶が去来した。
記憶はすべて鈍色だったが、そのことごとくがある瞬間から鮮やかに染まる。
そして、穏やかな表情の男に、マイャリスは、はっ、とした。
__この人は……。
口を開こうとした時、男の背後にいくつもの影があることに気づき、マイャリスは息を詰める。
黒かったそれは、やがて白くなり、いつの間にか人の姿になる。それは、老若男女問わず。
共通点は、濃薄の差、色味の差はあるものの、どれもが銀に準じた色の髪という点。そして、輪郭が光って見える点。そして、その額にいただく一角がある点。
「何も伝えられずとも、よく果たしてくれた。マイャリス・コンバラリア」
穏やかな口調でいう男。
__そうだった……。私の本当の姓はコンバラリア……。
養子として引き取られた当時は、稚すぎて自分の姓を意識していなくて、養子として得られたラヴィルという姓に疑いもしなかった。
「草の影に隠れても咲く者の一人として、ご苦労だった。__陛下が、望むのであれば、引き上げる、と」
「陛下……? 龍帝?」
ふわり、と男は笑って首を振る。
「天の綱を繋ぐお方だ」
「天、帝……?」
怪訝にその言葉を出せば、男は首肯し、周囲を示すように視線を移すので、マイャリスもつられて視線を巡らせた。
穏やかな景色。空気。それらは、郷愁にもにた心地を抱かせる。
おそらく、召し上げられるのはこの大地なのだろう。
__天津御国……。
「__望むか?」
__望む? 何故? わからない……。望む、とは何……。
マイャリスがふやける思考で思案していると、ふっ、と目の前の男は笑った。
「__私にそこまで似なくてよかった」
「お父様__」
そこで、がしっ、と背後から腕を掴まれたせいで、言葉を切られた。
弾かれるように腕を見れば、無骨な大きな手がつかんでいる。強く、しかしながら優しく掴む手は、手首と肘の中程までしかなく、その先は白い靄の中。
そこでふと、周囲は白い靄に再び覆われていることに気がついた。
唐突に、鼻孔をくすぐる香り。
何の香りだろう。
記憶にある香りだ。
とても安心する香り。
「__確かに、すぐには答えなくてもよいな」
男の言葉に、振り返る。
男もまた、マイャリスの腕を掴む手を見つめていた。
そして、視線を断つと再びマイャリスを見る。
「一度戻るといい。前触れをしておきたかった」
「前触れ……」
「いずれわかる」
男は、ふっ、と小さく笑った。
「マイャリス・コンバラリア。お前は、血に刻まれた大任を果たし、その血、その役から、許された」
「許された……」
許された、とはおそらく終えたということなのだろう__何となくだがそう思えた。
笑みを深める男は、目元をさらに穏やかに細める。
「__ただ心の赴くまま、健やかにあれ、と。我々も……私も、そう願う」
「__」
マイャリスが口を開こうとした刹那、すべての景色が靄に餐まれるようにして遠ざかった。
びくり、と身体が大きく震えて、それでマイャリスは目を開けた。
それはハイムダルの屋敷の私室。その寝台に自分は横たえられていた。
窓の外は夜の帳が降りていて、部屋の中は蝋燭と暖炉の炎の明かりのみ。
「具合はいかがでしょうか」
静かに問いかける声に、マイャリスは視線を滑らせる。
横たえられている寝台の脇に佇む者が声の主、フルゴル。
乾いた口で、うまく言葉が紡げないでいれば、彼女は小さく笑みを見せた。
「お水を」
こくり、と頷いて上体をやや起こし、彼女が差し出したグラスを素直に口で受けた。
ほのかに温かい水で、今の身体には飲み易い。
何口か飲み込んで、視線でもう十分であることを伝えると、彼女は意図を汲んで下げた。
「……私は、倒れたのですよね?」
「左様にございます。申し訳ございません。私の力が及ばず」
フルゴルが困ったように眉根を寄せた。
「お話いたしますが……よろしければ、リュディガーをここへお通ししても?」
「リュディガー?」
「はい。扉の向こうでお目覚めになられるのを待っております。大丈夫であるという姿を彼にお見せいただけると、契約相手である彼の心が落ち着きますので、私も楽になるのです。そしてなにより、処遇の話もしたいでしょう」
「決まったのですか?」
「おそらく」
処遇の話であれば、それは早く聞きたいもの。
マイャリスは身体を起こして、軽く身拵えの乱れを整えようと確認する。衣服は、夕食のために着替えておいたそれではなく、部屋着になっていた。
「お召し替えをさせていただきました。楽なものに」
「ありがとう」
楽なものと言っても、人に会うには不都合がない程度の格のものである。髪の毛も解かれて、ゆるく流れるように結ってあって、耳飾り以外の宝飾品も外されている。その耳飾りが違和感なくいられるぐらいの身拵え。
そのどれもが間違いなくフルゴルの配慮だろう、とマイャリスは察した。
お願いします、と伝えれば、羽織物を彼女は肩にかけてくれて、そうして扉へと向かった。
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

「帰ったら、結婚しよう」と言った幼馴染みの勇者は、私ではなく王女と結婚するようです
しーしび
恋愛
「結婚しよう」
アリーチェにそう約束したアリーチェの幼馴染みで勇者のルッツ。
しかし、彼は旅の途中、激しい戦闘の中でアリーチェの記憶を失ってしまう。
それでも、アリーチェはルッツに会いたくて魔王討伐を果たした彼の帰還を祝う席に忍び込むも、そこでは彼と王女の婚約が発表されていた・・・
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる