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煌めきの都
不本意な結婚 Ⅰ
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イェソド州の様々な地域から取り寄せられた魔石は、州都の街を彩る。それは昼夜を問わず、ぼんやり、と輝きを放ち、夜には街灯の役割も果たしていた。霧に覆われることが多い州都は、その明かりも手伝い、滲むように輪郭をぼかして眠りにつくのである。
煌めきの都__そう人々は呼ぶ。
初めてこの都を見る者は、この世のものとは思えない幻影をみた、と言うほどその光景はこの世ならざる景色。
他の主要な都市も__イェソドに限らず、他州においても__こうして飾られているが、ここはその比ではない。
一見して虚栄とも言えるほど魔石で飾り立てているようであるが、その実イェソドの州都から、瘴気を遠ざけるための機構として組み込まれているもの。
瘴気は地上のどこにでもあるが、その濃度が濃くなればなるほど淀み、魔物も活発になる。イェソドは昔から、瘴気が濃くなりやすいのが特徴で、故に、州都は魔石で防衛してきた。
そうした防衛機能がある州都に住むことを希望する者は必然的に多い。だが、住むには条件が厳しく難しい。特に、課税については重く、これがあるから、一極に集中するのを防いでいると言えた。
マイャリスは、その景色を暮れ泥む頃、宮中庭園から見下ろし、そして屋敷の中へ戻るのがほぼ毎日の日課だった。
__それももう、見られない。
昼には、いよいよこの都を離れ、南部のハイムダル地方へと嫁ぐのだ。
イェソド州の南部、ハイムダル地方は標高がやや高く、壁のように聳える山脈の向こうはネツァク州である。
州都から片道一週間はかかるここの主要な産業も、やはり鉱山。
ここから産出されるものは、鉄鋼よりも玉石である。玉石はイェソドでは比較的良質なものが多く、ここからは数は少ないものの魔素を含む玉石__魔石も出る。
州都を飾る魔石にも、もちろんこの地方のものも使われている。
オーガスティン曰く、ハイムダル地方は、先の報奨としてリュディガーに与えられた管轄区__封土だそう。
__何故そこなのかは、行けば聡明なマイャリス様ならわかるかと。
「行けば、か……」
リュディガーは、州侯の気に入りの近衛長。それがそんな離れた地域を与えられるとは、マイャリスは疑問に思っている。
嫁ぐにあたり、希望はマーガレットをつけてもらう他には、何もなかった。
相手側にもなく、挙式もハイムダル地方の小さな教会で、ひっそりと執り行われるだけである。
なくてもいいが、帝国では教会や大聖堂などで挙式を行わなければ、夫婦としては認められない。
どちらもそこまで積極的ではない故、かなり簡易なものになるだろう。
__マーガレットには悪いけれど。
輿入れについて、侍女として彼女なりに張り切っていたのだ。それが、庶民とそう変わらない規模でひっそりと行うことになったから、残念がっていた。
父が決めて嫁ぐことになるだろう、とずっと思っていたマイャリスは、婚姻について夢を見たことはなかった。相手が望むような形の挙式に従うだけだ、と。
__いえ……正直に言えば、一度__一瞬、夢見たことはあった……。
リュディガーと遣らずの雨の中で、心を通わせあった頃。
軽薄だとは思わないでくれ、といった彼。
__私は、誰彼構わずああしたことをする人間じゃない。
さらにそう続けた彼は、もはやいない。
抱擁と接吻を交わしたのが、今では幻影だったとしか思えないし、今回の相手がリュディガーであっても、夢を見られないのは、今の彼が『氷の騎士』という立場だからだろう。
苦しい。
ただただ苦しく、そして申し訳ない。
__あちらも、不本意な結婚に違いないのだもの。
難色を示したと言うが、父に言われたのであれば、彼の立場上、最終的には従うしかない。
__3年前も、今回も……振り回されてうんざりしているに違いないわね。
彼は、自分の厚意を踏みにじった相手と結局夫婦にならざるを得ないのだ。
__彼は、今の私をどう思って見ていたのでしょうね。
結局、戻っても何もできていない自分。
元の生活に戻っただけの自分。
__キルシェ・ラウペンと、偽り騙し続けていたのだもの……。その相手に、同情して様々な厚意を向けてくれたのに……裏切ったようなものだわ。
彼が望むなら、離縁をするのも厭わないが、この婚姻には離縁など選択肢はないことは、お互いの立場からすれば明白だ。
ならばせめて、これ以上迷惑のかからないよう、彼の思惑に従おう。
はぁ、とため息をこぼすと、昼の鐘が、遠く地上から木霊してきた。
見納めだ、と東屋から庭を見渡していれば、屋敷の方からマーガレットとオーガスティンが木々の合間を進んでくるのが見えた。
やがてたどり着く2人は、恭しく礼をとった。
「出立のお時間です」
はい、と頷き、今一度庭を見渡す。
__分かってはいたけれど……天塩にかけて手入れしたから、名残惜しいわね。
今更だが、望みはあった。この庭をそっくりそのまま持ち出すこと__そんな無理なことを言うほど野暮な女ではないが、それでもこの庭が自分の世界の全てだったのだ。
ゆっくり、と庭の景色を眺めながら、オーガスティンに続いて進む。
「……また、新しいところで、始めればいいだけのことよ」
「何かおっしゃいましたか?」
肩越しに振り返るオーガスティンに、マイャリスは思わず言葉を零していたことを知り、ごまかすように笑った。
「まだまだこれからだったな、と庭をみて思ったの」
「__空中庭園をそっくり再現した庭を用意しろ、とでも仰せになればよかった」
オーガスティンの言葉に、マイャリスは驚いて足を止めた。
「庭ができたら、輿入れします__そのぐらいの甲斐性はみせてみろ、と言ってしまっても罰はあたりませんよ」
呆気にとられて何も言えないでいるマイャリスに、オーガスティンは人の悪い笑みを浮かべる。
「マイャリス様はこれから嫁ぐ。夫婦になる。今後は、対等の立場の方との交渉ができるわけです。__意味はおわかりになりますよね」
わからない、と小首をかしげているマイャリス。
「交渉のしようがある、ということです」
「……交渉……ですか」
__どうなのだろう。
確かに、相手は父ではないからまだやりようがあるのかもしれないが__。
「さぁさぁ、とにかく参りましょう」
深く考えかけた気配を察し、オーガスティンはくつくつ笑って先を促した。
物が無くなり、ひっそりとした部屋を進み、廊下へと出る。
途中途中で使用人の面々と挨拶を交わし、やがて至った玄関ホールには、執事と家政婦長が待ち構えていた。
彼らと少しばかり長い別れの言葉を交わして、両開きの玄関をくぐる__ここをくぐるのは、これで2回目だった。
父が州侯になって、この建物に入ることになったあの日以来。
そして、少し離れたところにある橋を渡るのも。
そこから先に見える城は、州城の官邸である。
「こちらを」
威厳を具現化したような、いかにも堅牢そうな州城を目を細めて見つめてから、自分が暮らした小ぶりな城を振り返っていると、オーガスティンが横から恭しく差し出した。
それは、金糸で刺繍が施された白い絹の薄衣。
「州侯のご指示です」
受けとって広げてみる。
それは羽織物ではなく、それは頭から被るもの__顔を覆うもののようだ。表から見ると向こう側は見えにくい。しかしながら、被ってみると、思っていた以上に視界はよく見える。
__内側からは見えるのね。
「マイャリス様は、秘蔵っ子ということですので」
さりげなくマーガレットが薄衣を調整してくれる最中、そういうこと、とマイャリスは頷いた。
外へその顔を晒さないための処置__州城に務める官吏でも、マイャリスの存在を知る者は限られているのだろうか。
__まあ、確かに、嫁ぐ花嫁は家から出るときから薄衣を被るものだものね。
おそらく、道中はずっとこれを被って行くのだろう。
煌めきの都__そう人々は呼ぶ。
初めてこの都を見る者は、この世のものとは思えない幻影をみた、と言うほどその光景はこの世ならざる景色。
他の主要な都市も__イェソドに限らず、他州においても__こうして飾られているが、ここはその比ではない。
一見して虚栄とも言えるほど魔石で飾り立てているようであるが、その実イェソドの州都から、瘴気を遠ざけるための機構として組み込まれているもの。
瘴気は地上のどこにでもあるが、その濃度が濃くなればなるほど淀み、魔物も活発になる。イェソドは昔から、瘴気が濃くなりやすいのが特徴で、故に、州都は魔石で防衛してきた。
そうした防衛機能がある州都に住むことを希望する者は必然的に多い。だが、住むには条件が厳しく難しい。特に、課税については重く、これがあるから、一極に集中するのを防いでいると言えた。
マイャリスは、その景色を暮れ泥む頃、宮中庭園から見下ろし、そして屋敷の中へ戻るのがほぼ毎日の日課だった。
__それももう、見られない。
昼には、いよいよこの都を離れ、南部のハイムダル地方へと嫁ぐのだ。
イェソド州の南部、ハイムダル地方は標高がやや高く、壁のように聳える山脈の向こうはネツァク州である。
州都から片道一週間はかかるここの主要な産業も、やはり鉱山。
ここから産出されるものは、鉄鋼よりも玉石である。玉石はイェソドでは比較的良質なものが多く、ここからは数は少ないものの魔素を含む玉石__魔石も出る。
州都を飾る魔石にも、もちろんこの地方のものも使われている。
オーガスティン曰く、ハイムダル地方は、先の報奨としてリュディガーに与えられた管轄区__封土だそう。
__何故そこなのかは、行けば聡明なマイャリス様ならわかるかと。
「行けば、か……」
リュディガーは、州侯の気に入りの近衛長。それがそんな離れた地域を与えられるとは、マイャリスは疑問に思っている。
嫁ぐにあたり、希望はマーガレットをつけてもらう他には、何もなかった。
相手側にもなく、挙式もハイムダル地方の小さな教会で、ひっそりと執り行われるだけである。
なくてもいいが、帝国では教会や大聖堂などで挙式を行わなければ、夫婦としては認められない。
どちらもそこまで積極的ではない故、かなり簡易なものになるだろう。
__マーガレットには悪いけれど。
輿入れについて、侍女として彼女なりに張り切っていたのだ。それが、庶民とそう変わらない規模でひっそりと行うことになったから、残念がっていた。
父が決めて嫁ぐことになるだろう、とずっと思っていたマイャリスは、婚姻について夢を見たことはなかった。相手が望むような形の挙式に従うだけだ、と。
__いえ……正直に言えば、一度__一瞬、夢見たことはあった……。
リュディガーと遣らずの雨の中で、心を通わせあった頃。
軽薄だとは思わないでくれ、といった彼。
__私は、誰彼構わずああしたことをする人間じゃない。
さらにそう続けた彼は、もはやいない。
抱擁と接吻を交わしたのが、今では幻影だったとしか思えないし、今回の相手がリュディガーであっても、夢を見られないのは、今の彼が『氷の騎士』という立場だからだろう。
苦しい。
ただただ苦しく、そして申し訳ない。
__あちらも、不本意な結婚に違いないのだもの。
難色を示したと言うが、父に言われたのであれば、彼の立場上、最終的には従うしかない。
__3年前も、今回も……振り回されてうんざりしているに違いないわね。
彼は、自分の厚意を踏みにじった相手と結局夫婦にならざるを得ないのだ。
__彼は、今の私をどう思って見ていたのでしょうね。
結局、戻っても何もできていない自分。
元の生活に戻っただけの自分。
__キルシェ・ラウペンと、偽り騙し続けていたのだもの……。その相手に、同情して様々な厚意を向けてくれたのに……裏切ったようなものだわ。
彼が望むなら、離縁をするのも厭わないが、この婚姻には離縁など選択肢はないことは、お互いの立場からすれば明白だ。
ならばせめて、これ以上迷惑のかからないよう、彼の思惑に従おう。
はぁ、とため息をこぼすと、昼の鐘が、遠く地上から木霊してきた。
見納めだ、と東屋から庭を見渡していれば、屋敷の方からマーガレットとオーガスティンが木々の合間を進んでくるのが見えた。
やがてたどり着く2人は、恭しく礼をとった。
「出立のお時間です」
はい、と頷き、今一度庭を見渡す。
__分かってはいたけれど……天塩にかけて手入れしたから、名残惜しいわね。
今更だが、望みはあった。この庭をそっくりそのまま持ち出すこと__そんな無理なことを言うほど野暮な女ではないが、それでもこの庭が自分の世界の全てだったのだ。
ゆっくり、と庭の景色を眺めながら、オーガスティンに続いて進む。
「……また、新しいところで、始めればいいだけのことよ」
「何かおっしゃいましたか?」
肩越しに振り返るオーガスティンに、マイャリスは思わず言葉を零していたことを知り、ごまかすように笑った。
「まだまだこれからだったな、と庭をみて思ったの」
「__空中庭園をそっくり再現した庭を用意しろ、とでも仰せになればよかった」
オーガスティンの言葉に、マイャリスは驚いて足を止めた。
「庭ができたら、輿入れします__そのぐらいの甲斐性はみせてみろ、と言ってしまっても罰はあたりませんよ」
呆気にとられて何も言えないでいるマイャリスに、オーガスティンは人の悪い笑みを浮かべる。
「マイャリス様はこれから嫁ぐ。夫婦になる。今後は、対等の立場の方との交渉ができるわけです。__意味はおわかりになりますよね」
わからない、と小首をかしげているマイャリス。
「交渉のしようがある、ということです」
「……交渉……ですか」
__どうなのだろう。
確かに、相手は父ではないからまだやりようがあるのかもしれないが__。
「さぁさぁ、とにかく参りましょう」
深く考えかけた気配を察し、オーガスティンはくつくつ笑って先を促した。
物が無くなり、ひっそりとした部屋を進み、廊下へと出る。
途中途中で使用人の面々と挨拶を交わし、やがて至った玄関ホールには、執事と家政婦長が待ち構えていた。
彼らと少しばかり長い別れの言葉を交わして、両開きの玄関をくぐる__ここをくぐるのは、これで2回目だった。
父が州侯になって、この建物に入ることになったあの日以来。
そして、少し離れたところにある橋を渡るのも。
そこから先に見える城は、州城の官邸である。
「こちらを」
威厳を具現化したような、いかにも堅牢そうな州城を目を細めて見つめてから、自分が暮らした小ぶりな城を振り返っていると、オーガスティンが横から恭しく差し出した。
それは、金糸で刺繍が施された白い絹の薄衣。
「州侯のご指示です」
受けとって広げてみる。
それは羽織物ではなく、それは頭から被るもの__顔を覆うもののようだ。表から見ると向こう側は見えにくい。しかしながら、被ってみると、思っていた以上に視界はよく見える。
__内側からは見えるのね。
「マイャリス様は、秘蔵っ子ということですので」
さりげなくマーガレットが薄衣を調整してくれる最中、そういうこと、とマイャリスは頷いた。
外へその顔を晒さないための処置__州城に務める官吏でも、マイャリスの存在を知る者は限られているのだろうか。
__まあ、確かに、嫁ぐ花嫁は家から出るときから薄衣を被るものだものね。
おそらく、道中はずっとこれを被って行くのだろう。
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