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帝都の大学
鍛錬再開
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鞍上で立ち上がる__と言っても、走る馬の衝撃をやりすごすために膝を柔らかく、それでいて鞍を挟んで安定させるのは欠かせない。
そうしていながら持った弓に矢を番える。その間も、驚くほどに頭の高さはもちろん、上体の軸はぶれず同じ体勢を維持していて、腕だけが迷いなく、ぬるり、と動くだけ。
目標を定め、固定されたような上体が腰からわずかに捻られるだけで、あとは一切身体がぶれずに馬とともに進んでいく。
満を持して矢が放たれ、的を砕いた。
小気味いい音を気にもとめず、すでに目線は次の的。すかさずもう一矢。このときも、まるで身体は動かない。ただぬるり、と腕だけが矢筒と弓とを往復するだけだ。
第二矢が放たれ、またも的を砕く。
第二矢は、やや的を過ぎてから放った様である。
すぐに第三矢を取って番えたが__。
「__惜しいものでしたね」
思い出していたところで、先を言われて我に返れば、マルギットが天井を振り仰いでいた。
湯気に満たされた部屋は、矢馳せ馬の候補者が身支度を整えるための建物の一室。鍛錬終了後に汗を流すための浴室である。
暑い盛りの中での鍛錬で、かなりの汗を人も馬もかいている。この配慮は本当にありがたいものだった。
「やはりナハトリンデン卿は、筋がいい」
「そうですね」
今、冬至へ向けての矢馳せ馬の鍛錬をしている候補者の中で、もっとも安定して成績がいいのはリュディガーだった。
彼は第二矢まで安定して当てていて、第三矢が六割の確率で当たるかどうかというところである。
キルシェはよくて二矢当たれば良い方という成績。しかもそれは、一の的と三の的に対して__二の的はどうしても矢を番えるのが間に合わないでいる。
他の候補者もキルシェとほぼ同等である。
リュディガーは暇があれば鍛錬中、矢筒から矢を引き抜き番える動きを繰り返し反復して練習していた。キルシェが見る限りでもそこがもっと素早く無駄なく動かせられれば、彼は完璧にこなせるだろうと思っている。
彼ほど鞍上で安定した上体、姿勢を保てる者はいない。
伊達に馬以上に不安定な龍の鞍に跨る職業に就いていたわけではないのだ。
__弓射で落第しかけていたとは思えない。
キルシェは内心、苦笑を浮かべる。
誰かの目があるせいで、集中を欠いていたと思えないのだ。
矢馳せ馬の鍛錬では常に他人の視線がある状況である。
加えて、龍帝従騎士団の龍騎士だった彼はそれなりに実力があって当たり前__そんな周囲の期待や先入観も抱かれているはず。だというのに、まるで気にしている風もない。
__ちょっとは鍛錬が必要だけれど、できて当たり前だった必修の弓射が不得手……対して、できないかもしれない、できなくても不自然ではなく、寧ろできなくて当たり前の矢馳せ馬では、心の構え方がそもそも違ったのかもしれないわね。
今では、指南役と弟子が入れ替わっているという状況に、キルシェはくすり、と笑ってしまった。
まったくもってぶれない上体、姿勢。
その的を射抜く鋭い視線は、決して逃すまいとして魔物を狩るそれのようにも時折見える。
__勇壮な……。
龍に跨り、戦線に出ている彼を間近にすることはないだろうが、きっとああした姿なのだろう。
__国を負っている背中、か……。
ぼんやり思いを馳せ、キルシェはお湯を掬って顔を拭う。
「今日の様子を見る限り、お怪我はもう大丈夫そうですね」
「……はい」
矢馳せ馬の鍛錬に復帰したのは、強姦事件から一週間後の先週である。
石階段で滑って転げただけだ。身体を動かしても痛みがほぼなく普段どおりに過ごせるのであれば、大学から出て矢馳せ馬の鍛錬に参加すべきだろう__そう思って、先週から復帰した。
「ご心配をおかけしまして」
「いえ。先々週でしたか……お休みの理由をナハトリンデン卿から伺って驚きましたが、よかったです」
無論その理由は、濡れた石階段で滑って転げた、という方便だ。
馬の歩く振動が、どこともなく鈍く痛んだから、先週は馬を流すだけで終わった。そこからは、リュディガーと大学の馬を借りて個人的に慣らせていっていたから、どうにか感覚を取り戻せて今日に至っている。
普段どおりに。なるべく早く__それをリュディガーが察して手伝ってくれたお陰だ。
__あれから、本当に色々とお世話になりっぱなしだわ……。
以前からも事あるごとに気にかけてもらっていたが、事件後は特に。
ビルネンベルクに言われているからかもしれないが、だとしても気がつけば必ずと言っていいほど彼がいる。
__何かお礼をしないと……。
ふむ、と独りごちて唸っていると、マルギットが浴槽から上がるので、キルシェもあがった。
改めて身体を拭いながら怪我の経過をみてみるが、痣はどこもかしこも綺麗になくなっている。
濡れた石階段で滑って転んだ__周囲にそう触込んでいるし、怪我も消えている今、自分でも強姦未遂なんてものに遭遇していなかったのでは、と錯覚してしまう時がある。
それをしかし現実だったと思わせるのは、矢馳せ馬の鍛錬場と大学とを行き来する間に見かける、見ず知らずの体躯がいい男を目撃すると、思わず足がすくんでしまう反応があるから。
心臓が早く拍動して、呼吸も早く浅くなってしまう。小さく震えまで出てきてしまうのだ。
足がすくんで動けずにいれば、そこですかさず側近くにいるリュディガーが手を掴んで意識を引き戻してくれるから、それでどうにか往復できているような状況だ。
始終うつむいて彼についていくのが、今の所の足を止めずに進むための最良の行動手段。
普段どおりというのであれば、いつまでもこのままというわけには、いかない。
それはわかっている。
だが、身体が反応してしまうのだ。
__出歩かなければ……大学内ならこのままでもいいのでしょうけれど……。
だが、自分はビルネンベルクのお使いも頼まれていたような者で、彼のお伴で同道していたこともあるのだ。
そこまで戻れなければ、これまで通りではない。
__あの事件はなかったのだもの……でも……。
どうしたものか、と内心悩みながら、身支度を整えて建物の外へ出ると、ちょうど通りかかっていたらしい馬車がひとつ出立したところだった。
他の候補者と談笑している中で、キルシェが出てきたのを認めると、彼は軽く挨拶をすませて駆け寄ってきた。
「今日は馬車でここを出るでいいのか?」
開口一番で問われ、キルシェは頷く。
ここ二の馬場がある二苑から、帝都の街__四苑までの間は、区間ごと往復する馬車が動いているが、キルシェはその乗り合いを避けて行きたかった。
街では乗り合い馬車に乗るほうが、人に遭遇する人数は格段に少ないからそちらを選ぶのだが、ここでは同じ候補者との他愛ない世間話を持続させる自信があまりないのだ。__だがそれは先週までの話。
先週は少し身体を動かしたいから、ということで歩いて帰る道を選んだ。
今日からは、これまで通りにしよう__そうリュディガーには話している。
マルギットに別れを告げ、馬車に乗り込むキルシェ。
道中、息を潜めるようにしながらも、不自然にならないよう表情で会話に加わって__気を張ったままどうにかそこを脱した。
街を巡回する乗合馬車に乗り継いで、ふぅ、とため息をこぼすと、リュディガーが様子を伺うように顔を向けてくる。
「大丈夫です。ちょっと気を張ったので、疲れただけで」
そうか、と答えるリュディガーをよそに、キルシェは周囲から身を隠すように座席に深く沈む。
__駄目ね……難しい……。
やはり構えてしまう。
「__こんな調子では、先生のお使いもままならない……」
「ん? 何か言ったか?」
知らず識らずこぼれていたらしい言葉を拾われ、キルシェは思わず口を抑えて身体を弾ませた。
__少し……もう少し……。
そう、何か。
この長期休暇の間にもう一歩、踏み出せるようにならなければ__なっておかねば。
馬車が笛の音を合図に揺れ始め、風景を切り取った車窓の、その風景が滑り出す。
眩しい景色のなか、多くの人々の往来が見える。前はここに居ても、なんら恐れなかったというのに__。
今では、リュディガーがいて、どうにかこうにか歩けるだけだ。それも彼が選んでくれた、安全とされる道で。
「__あの、リュディガー……」
「何だ?」
「ひとつ、長期休暇中にお願いがあるの」
改まった口調に怪訝な顔向けるリュディガーを、キルシェはまっすぐ見つめて口を開く。
そうしていながら持った弓に矢を番える。その間も、驚くほどに頭の高さはもちろん、上体の軸はぶれず同じ体勢を維持していて、腕だけが迷いなく、ぬるり、と動くだけ。
目標を定め、固定されたような上体が腰からわずかに捻られるだけで、あとは一切身体がぶれずに馬とともに進んでいく。
満を持して矢が放たれ、的を砕いた。
小気味いい音を気にもとめず、すでに目線は次の的。すかさずもう一矢。このときも、まるで身体は動かない。ただぬるり、と腕だけが矢筒と弓とを往復するだけだ。
第二矢が放たれ、またも的を砕く。
第二矢は、やや的を過ぎてから放った様である。
すぐに第三矢を取って番えたが__。
「__惜しいものでしたね」
思い出していたところで、先を言われて我に返れば、マルギットが天井を振り仰いでいた。
湯気に満たされた部屋は、矢馳せ馬の候補者が身支度を整えるための建物の一室。鍛錬終了後に汗を流すための浴室である。
暑い盛りの中での鍛錬で、かなりの汗を人も馬もかいている。この配慮は本当にありがたいものだった。
「やはりナハトリンデン卿は、筋がいい」
「そうですね」
今、冬至へ向けての矢馳せ馬の鍛錬をしている候補者の中で、もっとも安定して成績がいいのはリュディガーだった。
彼は第二矢まで安定して当てていて、第三矢が六割の確率で当たるかどうかというところである。
キルシェはよくて二矢当たれば良い方という成績。しかもそれは、一の的と三の的に対して__二の的はどうしても矢を番えるのが間に合わないでいる。
他の候補者もキルシェとほぼ同等である。
リュディガーは暇があれば鍛錬中、矢筒から矢を引き抜き番える動きを繰り返し反復して練習していた。キルシェが見る限りでもそこがもっと素早く無駄なく動かせられれば、彼は完璧にこなせるだろうと思っている。
彼ほど鞍上で安定した上体、姿勢を保てる者はいない。
伊達に馬以上に不安定な龍の鞍に跨る職業に就いていたわけではないのだ。
__弓射で落第しかけていたとは思えない。
キルシェは内心、苦笑を浮かべる。
誰かの目があるせいで、集中を欠いていたと思えないのだ。
矢馳せ馬の鍛錬では常に他人の視線がある状況である。
加えて、龍帝従騎士団の龍騎士だった彼はそれなりに実力があって当たり前__そんな周囲の期待や先入観も抱かれているはず。だというのに、まるで気にしている風もない。
__ちょっとは鍛錬が必要だけれど、できて当たり前だった必修の弓射が不得手……対して、できないかもしれない、できなくても不自然ではなく、寧ろできなくて当たり前の矢馳せ馬では、心の構え方がそもそも違ったのかもしれないわね。
今では、指南役と弟子が入れ替わっているという状況に、キルシェはくすり、と笑ってしまった。
まったくもってぶれない上体、姿勢。
その的を射抜く鋭い視線は、決して逃すまいとして魔物を狩るそれのようにも時折見える。
__勇壮な……。
龍に跨り、戦線に出ている彼を間近にすることはないだろうが、きっとああした姿なのだろう。
__国を負っている背中、か……。
ぼんやり思いを馳せ、キルシェはお湯を掬って顔を拭う。
「今日の様子を見る限り、お怪我はもう大丈夫そうですね」
「……はい」
矢馳せ馬の鍛錬に復帰したのは、強姦事件から一週間後の先週である。
石階段で滑って転げただけだ。身体を動かしても痛みがほぼなく普段どおりに過ごせるのであれば、大学から出て矢馳せ馬の鍛錬に参加すべきだろう__そう思って、先週から復帰した。
「ご心配をおかけしまして」
「いえ。先々週でしたか……お休みの理由をナハトリンデン卿から伺って驚きましたが、よかったです」
無論その理由は、濡れた石階段で滑って転げた、という方便だ。
馬の歩く振動が、どこともなく鈍く痛んだから、先週は馬を流すだけで終わった。そこからは、リュディガーと大学の馬を借りて個人的に慣らせていっていたから、どうにか感覚を取り戻せて今日に至っている。
普段どおりに。なるべく早く__それをリュディガーが察して手伝ってくれたお陰だ。
__あれから、本当に色々とお世話になりっぱなしだわ……。
以前からも事あるごとに気にかけてもらっていたが、事件後は特に。
ビルネンベルクに言われているからかもしれないが、だとしても気がつけば必ずと言っていいほど彼がいる。
__何かお礼をしないと……。
ふむ、と独りごちて唸っていると、マルギットが浴槽から上がるので、キルシェもあがった。
改めて身体を拭いながら怪我の経過をみてみるが、痣はどこもかしこも綺麗になくなっている。
濡れた石階段で滑って転んだ__周囲にそう触込んでいるし、怪我も消えている今、自分でも強姦未遂なんてものに遭遇していなかったのでは、と錯覚してしまう時がある。
それをしかし現実だったと思わせるのは、矢馳せ馬の鍛錬場と大学とを行き来する間に見かける、見ず知らずの体躯がいい男を目撃すると、思わず足がすくんでしまう反応があるから。
心臓が早く拍動して、呼吸も早く浅くなってしまう。小さく震えまで出てきてしまうのだ。
足がすくんで動けずにいれば、そこですかさず側近くにいるリュディガーが手を掴んで意識を引き戻してくれるから、それでどうにか往復できているような状況だ。
始終うつむいて彼についていくのが、今の所の足を止めずに進むための最良の行動手段。
普段どおりというのであれば、いつまでもこのままというわけには、いかない。
それはわかっている。
だが、身体が反応してしまうのだ。
__出歩かなければ……大学内ならこのままでもいいのでしょうけれど……。
だが、自分はビルネンベルクのお使いも頼まれていたような者で、彼のお伴で同道していたこともあるのだ。
そこまで戻れなければ、これまで通りではない。
__あの事件はなかったのだもの……でも……。
どうしたものか、と内心悩みながら、身支度を整えて建物の外へ出ると、ちょうど通りかかっていたらしい馬車がひとつ出立したところだった。
他の候補者と談笑している中で、キルシェが出てきたのを認めると、彼は軽く挨拶をすませて駆け寄ってきた。
「今日は馬車でここを出るでいいのか?」
開口一番で問われ、キルシェは頷く。
ここ二の馬場がある二苑から、帝都の街__四苑までの間は、区間ごと往復する馬車が動いているが、キルシェはその乗り合いを避けて行きたかった。
街では乗り合い馬車に乗るほうが、人に遭遇する人数は格段に少ないからそちらを選ぶのだが、ここでは同じ候補者との他愛ない世間話を持続させる自信があまりないのだ。__だがそれは先週までの話。
先週は少し身体を動かしたいから、ということで歩いて帰る道を選んだ。
今日からは、これまで通りにしよう__そうリュディガーには話している。
マルギットに別れを告げ、馬車に乗り込むキルシェ。
道中、息を潜めるようにしながらも、不自然にならないよう表情で会話に加わって__気を張ったままどうにかそこを脱した。
街を巡回する乗合馬車に乗り継いで、ふぅ、とため息をこぼすと、リュディガーが様子を伺うように顔を向けてくる。
「大丈夫です。ちょっと気を張ったので、疲れただけで」
そうか、と答えるリュディガーをよそに、キルシェは周囲から身を隠すように座席に深く沈む。
__駄目ね……難しい……。
やはり構えてしまう。
「__こんな調子では、先生のお使いもままならない……」
「ん? 何か言ったか?」
知らず識らずこぼれていたらしい言葉を拾われ、キルシェは思わず口を抑えて身体を弾ませた。
__少し……もう少し……。
そう、何か。
この長期休暇の間にもう一歩、踏み出せるようにならなければ__なっておかねば。
馬車が笛の音を合図に揺れ始め、風景を切り取った車窓の、その風景が滑り出す。
眩しい景色のなか、多くの人々の往来が見える。前はここに居ても、なんら恐れなかったというのに__。
今では、リュディガーがいて、どうにかこうにか歩けるだけだ。それも彼が選んでくれた、安全とされる道で。
「__あの、リュディガー……」
「何だ?」
「ひとつ、長期休暇中にお願いがあるの」
改まった口調に怪訝な顔向けるリュディガーを、キルシェはまっすぐ見つめて口を開く。
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