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帝都の大学
安堵する香り
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遠のく馬蹄の音。後には沈黙が場を満たす。
キルシェは、鎮圧されて動かない浪人らを見、彼らから自分を隠すように身を引いた。
同じ空間にいるのさえ、嫌悪する。だが、こんなぼろぼろの身体では、歩くのも困難だ。ひとりで出ていくことなどできない。
胸元に__服に触れる。やはりそこは開かれていて、ボタンを留めようとするが、ほとんどがなくなっていた。強引に開かれたせいで、飛び散ったのだろう。
留められるところを震える手で留め終えたところで、咳払いをして喉を揉みながらリュディガーが歩み寄ってきて、屈んだ。
彼に見られるのも辛くて、キルシェは膝を抱える身を更に小さくし、組んだ腕に顔を伏せる。
震えを抑え込みたくて、組んだ腕を掴む手に力を込めたが、どうにも止まりそうもない。
その最中、側近くの彼が身じろぎをし、衣擦れの音が聞こえた。
震える身体を包み込むように、何かが羽織らされる。それはとても温かだった。そして同時に、ふわり、と香ってくるのはリュディガーの香り。よく一緒に行動しているから、鼻先をかすめることがある香りだ。
それが、その香りに包まれるとひどく温かくて、余計に涙を誘った。
「私がいる。もう大丈夫だ」
軽く咳き込んでから優しくリュディガーが言うので、キルシェは顔を上げる。
にじむ視界に彼の顔は、輪郭さえはっきりしない。
瞬けば、ぱたぱた、と膝に落ちる雫の音。
すると、幾分はっきり__左側は視界が狭いが__彼の顔を捉えることができた。
「リュディガーは、平気……?」
「何も怪我はしていない」
「首を、絞められて、いた……」
「あぁ……それか。私は頑丈だから」
裸絞めにされ、異常なほど顔を赤くして耐えていたとは思えないほど、普段どおりの顔色の彼の顔。
__よかった……。
彼は、衣嚢からハンカチを取り出して、キルシェの鼻と口元を優しく抑えるように拭う。
「私はどうでもいい。君の方が……辛かっただろう」
その白く清潔なハンカチが赤く染まったのを見て、鼻血が出ていたのを知ったキルシェ。
「汚れま、す……」
震える声を絞り出すようにして、辛うじて言う。口が上手く動かなくて、発音も呂律も怪しい。
彼の手を遠ざけようとすれば、柔らかく笑んだ彼は首を振って、ハンカチの別の面で、再び鼻のあたりを抑えてきた。
咳払いをまだ続ける彼の無言の労りがひどく申し訳なくて、嗚咽が漏れそうになるのを奥歯を噛み締めてこらえようとする。
その瞬間、鋭い痛みが顔から頭に抜けて走り抜けた。
ただでさえ鈍く痛み続けている頭から、幾本もの細かい針が脳みそを突き抜けたかという痛みは、やり過ごせも、誤魔化せもできなかった。
たまらず短い悲鳴が漏れてしまい、呼応するように再び溢れてきた涙で視界が霞む。
「……痛むな」
優しい気遣いの声に、上手く答えられない。
頭も、顔も、首も、肩も、腕も、腹も、背も、脚も__とにかくあちこちが痛むせいで、全身が怠いのだ。それを言葉にするのも、今は億劫でできない。
リュディガーは鼻を抑えているハンカチを抑えるように、キルシェの手を誘導して自らは手を放す。
「キルシェ、これを痛む方の奥歯で、無理のない具合で噛み締めてくれ」
涙を拭うと、彼が小指の爪ほどの大きさの、葉で包まれたものを示していた。
「止血を促すし、痛みも和らぐはずだ。できるか?」
__止血……。
ああ、そうか。自分は口の中を切っているのか。だから鉄の味がするのだ。
キルシェがこくり、と頷くと、もう一方の手にそれをしっかりと持たせるリュディガー。キルシェはそれを彼の言う通り、口に含もうとするのだが、口を開けようとするだけで、かなりの痛みがあった。
先程、彼が裸絞めをされていたのを見、叫んだときは無我夢中だったから気づかなかったのかもしれない。
痛みを堪えながら口に含み、舌で転がすようにして特に痛む左側の奥歯へと運び、軽く噛む。
途端に、すっ、とした清涼感が口の中に広がった。そして、じんわりと甘さがあるそれに、緊張がいくらか解けた。
「そう、それでいい。徐々に効いてくる」
リュディガーはその様子に少しばかり表情を和らげて頷く__が、そこで、はっ、とした表情になると、痛々しげに目元に力を込めた。
「腕は、痺れていないか?」
彼の問いかけと視線で、腕の異変に気づいた。
両の手首とも、くっきり、と鬱血とは言わないまでも赤く痕が残っていたのだ。おそらく、大柄の男に強く掴まれた時にできたものだろう。
「指は動くか? 痛みは?」
今は鈍い痛み__怠い感じが残っているだけだ。
それにさっきも彼の目の前で動かしていたのだ。そこまでは心配しなくてもいいだろうに__と思いながらも、鼻を抑えている手はそのままに、空いている右手の指を結んでは開いてを数度繰り返し、瞬きで頷いて答えた。
「骨は大丈夫そうだな」
ほっ、と安堵のため息を零した彼は、喉の違和感に咳払いをして、再び痛々しい表情になった。
「消えるには、時間がかかる__が、確実に消えはする」
小さく、痛みが走らない程度にキルシェは頷いた。
そして、彼は拘束した浪人2人を鋭く見やり、すっく、と立ち上がった。
手近なところで散乱する馬鈴薯や玉葱等といった食料は、壊れた木箱に収まっていたものだろう。それら様々な品をどかしながら物色し、その中で木の棒__おそらく木箱の残骸だろう__を軽く振って吟味し始めるリュディガー。
2本を見繕って一方は握り、残りの一方は手近な木箱へ立て掛けて、視線は2人の男へと向けた。
そして、散乱した物の中から今度は丈夫そうな紐を取り出して、男らに歩み寄り、なにやら作業をし始める。拘束をより強固にしたのかもしれない。
__ああ……武器を検めているのだわ……。
衣嚢はもちろん、身体全身を弄っていたリュディガーは、ひとしきりそれを行い、彼が持っていた木の棒を手に、ぬらり、と立ち上がった。そして、彼が先程木の棒を立て掛けた木箱へ歩み寄ると、そこに浅く腰を据えて腕を組む。
その位置はキルシェと男らの直線上で、キルシェからは死角に入って男らは見えないものの、彼が壁になるように陣取りつつも姿を見せてはくれているので、いくらか安心することができた。
無意識のうちに、小さく胸を撫で下ろす。
彼が言う通り、彼がいればもはや何の不安も抱かずにいられるから、不思議だった。
その彼の腰に龍騎士の証たる得物がないことに、キルシェは気づいた。代わりに今は、アッシスから渡された浪人のナイフが抜身で差してある。
彼は得物を、学長に取り上げられてはいない。
特殊な力を行使できないよう、封はされているようだが携行は許されている。
先日コンブレンの夕食の席やブリュール夫人の晩餐会でも、正装の一環として提げていたし、キルシェと矢馳せ馬の鍛錬に向かうときは、欠かさず腰に提げている。
しかしそれ以外__大学の構内では、提げてはいなかった。
では、何故いまは携行していないのだろう。用事があって街へ出かけるときは、どうだっただろう__。
キルシェは鈍い頭で考えてみるのだが、頭は茫洋として考えが滲むように四散してしまうように、まとまらない。
キルシェは、身を寄せる壁にさらに身体を預けるように寄りかかり、目を閉じた。
震えが止まらない。
夏であるから寒いはずはないのに__。
羽織物にあった温もりも、いつのまにか消え失せてしまっていて、掻き抱くように合わせ目を掴んだ。
不意に脳裏に蘇る、伸し掛かる男の姿に、キルシェは奥歯に力を込めて痛みでもってそれをかき消す。痛みはするが、リュディガーがくれた痛み止めの清涼な香りが、心もいくらか落ち着けることを助けてくれる。
どれほど経ったのか__緊張はまだしているのだが、それでも安心感と疲労感がましてきて、隙きを見せれば睡魔が顔を覗かせ始めた頃。砕けてその役目を果たせない扉の向こうで、ぱたぱた、と音がし始めて、睡魔が遠ざかった。
あまりにも音がない空間だったから気づくのが遅れたが、自分の耳はどうにか聴力をとりもどしたようである。
それは徐々に多くなり、つられるように視線を向ければ、見える表の地面が濡れ始めた。
__雨……。
ひやり、とした風が扉があったところから、室内に入ってきた。
キルシェは、鎮圧されて動かない浪人らを見、彼らから自分を隠すように身を引いた。
同じ空間にいるのさえ、嫌悪する。だが、こんなぼろぼろの身体では、歩くのも困難だ。ひとりで出ていくことなどできない。
胸元に__服に触れる。やはりそこは開かれていて、ボタンを留めようとするが、ほとんどがなくなっていた。強引に開かれたせいで、飛び散ったのだろう。
留められるところを震える手で留め終えたところで、咳払いをして喉を揉みながらリュディガーが歩み寄ってきて、屈んだ。
彼に見られるのも辛くて、キルシェは膝を抱える身を更に小さくし、組んだ腕に顔を伏せる。
震えを抑え込みたくて、組んだ腕を掴む手に力を込めたが、どうにも止まりそうもない。
その最中、側近くの彼が身じろぎをし、衣擦れの音が聞こえた。
震える身体を包み込むように、何かが羽織らされる。それはとても温かだった。そして同時に、ふわり、と香ってくるのはリュディガーの香り。よく一緒に行動しているから、鼻先をかすめることがある香りだ。
それが、その香りに包まれるとひどく温かくて、余計に涙を誘った。
「私がいる。もう大丈夫だ」
軽く咳き込んでから優しくリュディガーが言うので、キルシェは顔を上げる。
にじむ視界に彼の顔は、輪郭さえはっきりしない。
瞬けば、ぱたぱた、と膝に落ちる雫の音。
すると、幾分はっきり__左側は視界が狭いが__彼の顔を捉えることができた。
「リュディガーは、平気……?」
「何も怪我はしていない」
「首を、絞められて、いた……」
「あぁ……それか。私は頑丈だから」
裸絞めにされ、異常なほど顔を赤くして耐えていたとは思えないほど、普段どおりの顔色の彼の顔。
__よかった……。
彼は、衣嚢からハンカチを取り出して、キルシェの鼻と口元を優しく抑えるように拭う。
「私はどうでもいい。君の方が……辛かっただろう」
その白く清潔なハンカチが赤く染まったのを見て、鼻血が出ていたのを知ったキルシェ。
「汚れま、す……」
震える声を絞り出すようにして、辛うじて言う。口が上手く動かなくて、発音も呂律も怪しい。
彼の手を遠ざけようとすれば、柔らかく笑んだ彼は首を振って、ハンカチの別の面で、再び鼻のあたりを抑えてきた。
咳払いをまだ続ける彼の無言の労りがひどく申し訳なくて、嗚咽が漏れそうになるのを奥歯を噛み締めてこらえようとする。
その瞬間、鋭い痛みが顔から頭に抜けて走り抜けた。
ただでさえ鈍く痛み続けている頭から、幾本もの細かい針が脳みそを突き抜けたかという痛みは、やり過ごせも、誤魔化せもできなかった。
たまらず短い悲鳴が漏れてしまい、呼応するように再び溢れてきた涙で視界が霞む。
「……痛むな」
優しい気遣いの声に、上手く答えられない。
頭も、顔も、首も、肩も、腕も、腹も、背も、脚も__とにかくあちこちが痛むせいで、全身が怠いのだ。それを言葉にするのも、今は億劫でできない。
リュディガーは鼻を抑えているハンカチを抑えるように、キルシェの手を誘導して自らは手を放す。
「キルシェ、これを痛む方の奥歯で、無理のない具合で噛み締めてくれ」
涙を拭うと、彼が小指の爪ほどの大きさの、葉で包まれたものを示していた。
「止血を促すし、痛みも和らぐはずだ。できるか?」
__止血……。
ああ、そうか。自分は口の中を切っているのか。だから鉄の味がするのだ。
キルシェがこくり、と頷くと、もう一方の手にそれをしっかりと持たせるリュディガー。キルシェはそれを彼の言う通り、口に含もうとするのだが、口を開けようとするだけで、かなりの痛みがあった。
先程、彼が裸絞めをされていたのを見、叫んだときは無我夢中だったから気づかなかったのかもしれない。
痛みを堪えながら口に含み、舌で転がすようにして特に痛む左側の奥歯へと運び、軽く噛む。
途端に、すっ、とした清涼感が口の中に広がった。そして、じんわりと甘さがあるそれに、緊張がいくらか解けた。
「そう、それでいい。徐々に効いてくる」
リュディガーはその様子に少しばかり表情を和らげて頷く__が、そこで、はっ、とした表情になると、痛々しげに目元に力を込めた。
「腕は、痺れていないか?」
彼の問いかけと視線で、腕の異変に気づいた。
両の手首とも、くっきり、と鬱血とは言わないまでも赤く痕が残っていたのだ。おそらく、大柄の男に強く掴まれた時にできたものだろう。
「指は動くか? 痛みは?」
今は鈍い痛み__怠い感じが残っているだけだ。
それにさっきも彼の目の前で動かしていたのだ。そこまでは心配しなくてもいいだろうに__と思いながらも、鼻を抑えている手はそのままに、空いている右手の指を結んでは開いてを数度繰り返し、瞬きで頷いて答えた。
「骨は大丈夫そうだな」
ほっ、と安堵のため息を零した彼は、喉の違和感に咳払いをして、再び痛々しい表情になった。
「消えるには、時間がかかる__が、確実に消えはする」
小さく、痛みが走らない程度にキルシェは頷いた。
そして、彼は拘束した浪人2人を鋭く見やり、すっく、と立ち上がった。
手近なところで散乱する馬鈴薯や玉葱等といった食料は、壊れた木箱に収まっていたものだろう。それら様々な品をどかしながら物色し、その中で木の棒__おそらく木箱の残骸だろう__を軽く振って吟味し始めるリュディガー。
2本を見繕って一方は握り、残りの一方は手近な木箱へ立て掛けて、視線は2人の男へと向けた。
そして、散乱した物の中から今度は丈夫そうな紐を取り出して、男らに歩み寄り、なにやら作業をし始める。拘束をより強固にしたのかもしれない。
__ああ……武器を検めているのだわ……。
衣嚢はもちろん、身体全身を弄っていたリュディガーは、ひとしきりそれを行い、彼が持っていた木の棒を手に、ぬらり、と立ち上がった。そして、彼が先程木の棒を立て掛けた木箱へ歩み寄ると、そこに浅く腰を据えて腕を組む。
その位置はキルシェと男らの直線上で、キルシェからは死角に入って男らは見えないものの、彼が壁になるように陣取りつつも姿を見せてはくれているので、いくらか安心することができた。
無意識のうちに、小さく胸を撫で下ろす。
彼が言う通り、彼がいればもはや何の不安も抱かずにいられるから、不思議だった。
その彼の腰に龍騎士の証たる得物がないことに、キルシェは気づいた。代わりに今は、アッシスから渡された浪人のナイフが抜身で差してある。
彼は得物を、学長に取り上げられてはいない。
特殊な力を行使できないよう、封はされているようだが携行は許されている。
先日コンブレンの夕食の席やブリュール夫人の晩餐会でも、正装の一環として提げていたし、キルシェと矢馳せ馬の鍛錬に向かうときは、欠かさず腰に提げている。
しかしそれ以外__大学の構内では、提げてはいなかった。
では、何故いまは携行していないのだろう。用事があって街へ出かけるときは、どうだっただろう__。
キルシェは鈍い頭で考えてみるのだが、頭は茫洋として考えが滲むように四散してしまうように、まとまらない。
キルシェは、身を寄せる壁にさらに身体を預けるように寄りかかり、目を閉じた。
震えが止まらない。
夏であるから寒いはずはないのに__。
羽織物にあった温もりも、いつのまにか消え失せてしまっていて、掻き抱くように合わせ目を掴んだ。
不意に脳裏に蘇る、伸し掛かる男の姿に、キルシェは奥歯に力を込めて痛みでもってそれをかき消す。痛みはするが、リュディガーがくれた痛み止めの清涼な香りが、心もいくらか落ち着けることを助けてくれる。
どれほど経ったのか__緊張はまだしているのだが、それでも安心感と疲労感がましてきて、隙きを見せれば睡魔が顔を覗かせ始めた頃。砕けてその役目を果たせない扉の向こうで、ぱたぱた、と音がし始めて、睡魔が遠ざかった。
あまりにも音がない空間だったから気づくのが遅れたが、自分の耳はどうにか聴力をとりもどしたようである。
それは徐々に多くなり、つられるように視線を向ければ、見える表の地面が濡れ始めた。
__雨……。
ひやり、とした風が扉があったところから、室内に入ってきた。
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