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帝都の大学
李の種
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リュディガーは上体を起こすと、合切袋を漁った。
そして取り出したのは、平たい木製の小物。
何だろう、と見ていれば、彼は手にしていた種に、水差しから細く水を垂らしながら、親指の腹で強く表面の汚れ__残った果肉を擦るようにして落としにかかった。
いくらかそれをして、水を払うと膝の上に種を置き、今度は先程取り出した平たい小物に持ち替える。そして、彼は親指で上半分を押して滑らせた。どうやら小物入れらしい。
だが、何かを入れるにしても、その親指二指分の幅しかなく、また深さもないような入れ物だ。用途があまりにも無いように思われる。
その小物入れにリュディガーは、洗った種を仕舞い、蓋をした。
「……それ、どうするのです?」
「蒔く」
拘りなくさらり、というリュディガーに、きょとん、としていれば、彼は笑った。
「それは……植える、ということ?」
「ああ。子供の頃、すごく美味しい李をもらって、もっと食べられるように、とその種を植えたことがある。李ができたら、そのくれた人にお礼であげようとも思ってな」
リュディガーは、街道の彼方を見やった。
「実はなったの?」
問うてみれば、その横顔にどこか影がさしたようにキルシェの目には映った。だが、それがどうにも引っかかったはいえ、すぐに失せてしまって、触れるに触れられなかった。
__無闇に踏み込むべきではないものね。
自分自身、彼には伏せていることがあるのだ。
相手を傷つけるというわけではないが、やはり触れてほしくない部分、伏せておきたいことというものは、いくら親交が深くなってもなくならないものだと、キルシェは思う。
「……いや、引っ越してしまったから、その後はどうか知らない」
「そうなの」
彼は、養子だという話を伏せている。幼少期の話のようだから、それに関わるから、伏せているのだろう。
痩せ細っていた、と彼の養父ローベルトは、初めて会った子供の彼をそう形容していた。
__そうよ。もしかしたら、くれた人というのが、その時のローベルトお父様だったかもしれないわよね。
食べ物を分けあたえて、その翌日も気になって農作業を手伝ってもらうのを口実に、食事をわけたようなのだ。であれば、その可能性はある。
__お礼を……したかったのね。
つくづく彼は、思いやりに長けた性格だと思う。
あらためて街道の、その向こう。その地平の果てへ思いを飛ばすように見つめるリュディガーを、キルシェは見守るように目を細めた。
「それからなんとなく、李を食べる度に気が向いたら植えてみてはいたんだ。龍騎士になる前までの話だが」
「龍騎士になる前まで……?」
「ほら、龍騎士は各地に派遣されるだろう? 身軽で居たほうがそういう意味ではいいし、いつ戻れるかわからないから、管理しきれないのでしなくなった。父に頼むのも忍びなくて」
おみ足が悪い彼の父は、身の回りのこともままならないことが多いのだ。そんな身体の父に、仕事をひとつ増やすようなことを、思いやりのある彼ができるはずもないことは、想像に容易い。
「そうは言っても、芽が出たことは稀で、出ても数日後には倒れて腐ってしまって育たなかった」
「では、改めて植えようとしているの?」
「してもいいかな、と。必修は、優秀な指南役殿のおかげで終えられたから、油断なく順当にいけば2年後の新年には卒業が見込める。その間は世話ができるだろうし、手がかけられなくなったら、大学に植えていけばいいさ」
大学に、とキルシェが反芻すれば、リュディガーは人の悪い笑みを向けてきた。
「__鳥が咥えて運んできた種が、芽吹いた体で」
これには、キルシェはくすくす、と笑ってしまう。
「じゃあ、リュディガーはご先祖様と同じことをするのね」
「同じこと?」
片眉を釣り上げて怪訝にするリュディガーに、キルシェは頷く。
「ほら、前に教えてくれたわ。ナハトリンデンの由来。菩提樹を夜な夜な植えていたって」
「あぁ……確かに、同じことをしているな」
気づかなかった、と言う彼は、どこか照れたように笑った。
「__なら、ビルネンベルク先生に気づかれないようにしなければ」
「どうして?」
「踏襲してあだ名をつけられそうだ。我が宗主になぞらえて……と言い出しかねない」
彼のナハトリンデンという名字は、ビルネンベルクの宗主が付けたという話だ。それを思い出して、キルシェは笑った。
「プフラウメン、でしょうかね?」
勘弁してくれ、と手を振って苦笑いするリュディガー。
「__まあ、植えたところで、同じ質の実がなるかは甚だ疑問だが」
「そうなの?」
「甘さだとか酸味だとか、風味だとか、同じ実をつけるとは限らないんだ。病気に極端に弱かったりするし……無論、親の木よりも優れた木になる可能性はあるが、それはすぐにはわからない。味にしたって、実がならなければわからないだろう。だから、同じ質の木や実に確実になるから、大抵は接ぎ木や挿し木で増やす。そのほうが、遥かに早く実がなるしな」
キルシェは、え、と目を見開いた。
「__種からでも、翌年には実ができるのではないの?」
「まさか。そんなすぐに実はならない。十年ぐらいはかかるという話だ」
それだけ待っても、親以上の質になるとは限らない。実がなるまで、丁寧に世話をするが、それがすべて徒労に終わる可能性がある。
__ある意味、賭けね。
「それでも、植えてみないとわからないから、植えるのね」
「……まあ、そうだな」
種を入れた小物入れへ視線を落とし、しばし見つめてから、それを合切袋へと仕舞い、その手で今度は懐から懐中時計を取り出して、時刻を確認する。
「もうそろそろ、戻りますか?」
「いや……もう少し日が傾くまで休もう。急いで戻る必要はない」
「はい」
キルシェの頷きを聞きながら、リュディガーは遠くの空や近くの空を見比べつつ、再び敷布に身を横たえた。
「君も横になってみるといい。地面の冷たさが心地いいし、眺めも悪くないぞ」
抵抗がないのなら、と添えるリュディガーは、どこか挑戦的な意地の悪い顔をしていて、キルシェはそれを受けて立つ、とばかりに一度大きく息を吸ってから仰向けになる。
じんわり、と背中と後頭部から伝わる地面の冷たさは、彼の言う通り心地いい。冷やされたところから、疲れが溶けて出ていくような感覚がする。
枝葉を揺らして抜けていく風は夏草の香りを孕んでいて、思わず肺いっぱいに吸い込みたい衝動を掻き立てる。その衝動に従って大きく何度も吸い込むと、より身体の怠さが薄れたように思えた。
揺れる枝葉の向こうに見える空をなめるように進む雲の塊は、まだまだ白く、日が高く日差しが強いことを示す。
ぼんやり、と見つめるのは、春のように霞んでいない蒼穹。そこを、気持ちよさそうに飛ぶ白い鳥の姿。あれは、鷺だろうか。雲に負けない純白の翼は、力強く風を打つ。
__穏やかな、いい眺め……。
キルシェは知らず識らず、口角が上がっていた。
そして取り出したのは、平たい木製の小物。
何だろう、と見ていれば、彼は手にしていた種に、水差しから細く水を垂らしながら、親指の腹で強く表面の汚れ__残った果肉を擦るようにして落としにかかった。
いくらかそれをして、水を払うと膝の上に種を置き、今度は先程取り出した平たい小物に持ち替える。そして、彼は親指で上半分を押して滑らせた。どうやら小物入れらしい。
だが、何かを入れるにしても、その親指二指分の幅しかなく、また深さもないような入れ物だ。用途があまりにも無いように思われる。
その小物入れにリュディガーは、洗った種を仕舞い、蓋をした。
「……それ、どうするのです?」
「蒔く」
拘りなくさらり、というリュディガーに、きょとん、としていれば、彼は笑った。
「それは……植える、ということ?」
「ああ。子供の頃、すごく美味しい李をもらって、もっと食べられるように、とその種を植えたことがある。李ができたら、そのくれた人にお礼であげようとも思ってな」
リュディガーは、街道の彼方を見やった。
「実はなったの?」
問うてみれば、その横顔にどこか影がさしたようにキルシェの目には映った。だが、それがどうにも引っかかったはいえ、すぐに失せてしまって、触れるに触れられなかった。
__無闇に踏み込むべきではないものね。
自分自身、彼には伏せていることがあるのだ。
相手を傷つけるというわけではないが、やはり触れてほしくない部分、伏せておきたいことというものは、いくら親交が深くなってもなくならないものだと、キルシェは思う。
「……いや、引っ越してしまったから、その後はどうか知らない」
「そうなの」
彼は、養子だという話を伏せている。幼少期の話のようだから、それに関わるから、伏せているのだろう。
痩せ細っていた、と彼の養父ローベルトは、初めて会った子供の彼をそう形容していた。
__そうよ。もしかしたら、くれた人というのが、その時のローベルトお父様だったかもしれないわよね。
食べ物を分けあたえて、その翌日も気になって農作業を手伝ってもらうのを口実に、食事をわけたようなのだ。であれば、その可能性はある。
__お礼を……したかったのね。
つくづく彼は、思いやりに長けた性格だと思う。
あらためて街道の、その向こう。その地平の果てへ思いを飛ばすように見つめるリュディガーを、キルシェは見守るように目を細めた。
「それからなんとなく、李を食べる度に気が向いたら植えてみてはいたんだ。龍騎士になる前までの話だが」
「龍騎士になる前まで……?」
「ほら、龍騎士は各地に派遣されるだろう? 身軽で居たほうがそういう意味ではいいし、いつ戻れるかわからないから、管理しきれないのでしなくなった。父に頼むのも忍びなくて」
おみ足が悪い彼の父は、身の回りのこともままならないことが多いのだ。そんな身体の父に、仕事をひとつ増やすようなことを、思いやりのある彼ができるはずもないことは、想像に容易い。
「そうは言っても、芽が出たことは稀で、出ても数日後には倒れて腐ってしまって育たなかった」
「では、改めて植えようとしているの?」
「してもいいかな、と。必修は、優秀な指南役殿のおかげで終えられたから、油断なく順当にいけば2年後の新年には卒業が見込める。その間は世話ができるだろうし、手がかけられなくなったら、大学に植えていけばいいさ」
大学に、とキルシェが反芻すれば、リュディガーは人の悪い笑みを向けてきた。
「__鳥が咥えて運んできた種が、芽吹いた体で」
これには、キルシェはくすくす、と笑ってしまう。
「じゃあ、リュディガーはご先祖様と同じことをするのね」
「同じこと?」
片眉を釣り上げて怪訝にするリュディガーに、キルシェは頷く。
「ほら、前に教えてくれたわ。ナハトリンデンの由来。菩提樹を夜な夜な植えていたって」
「あぁ……確かに、同じことをしているな」
気づかなかった、と言う彼は、どこか照れたように笑った。
「__なら、ビルネンベルク先生に気づかれないようにしなければ」
「どうして?」
「踏襲してあだ名をつけられそうだ。我が宗主になぞらえて……と言い出しかねない」
彼のナハトリンデンという名字は、ビルネンベルクの宗主が付けたという話だ。それを思い出して、キルシェは笑った。
「プフラウメン、でしょうかね?」
勘弁してくれ、と手を振って苦笑いするリュディガー。
「__まあ、植えたところで、同じ質の実がなるかは甚だ疑問だが」
「そうなの?」
「甘さだとか酸味だとか、風味だとか、同じ実をつけるとは限らないんだ。病気に極端に弱かったりするし……無論、親の木よりも優れた木になる可能性はあるが、それはすぐにはわからない。味にしたって、実がならなければわからないだろう。だから、同じ質の木や実に確実になるから、大抵は接ぎ木や挿し木で増やす。そのほうが、遥かに早く実がなるしな」
キルシェは、え、と目を見開いた。
「__種からでも、翌年には実ができるのではないの?」
「まさか。そんなすぐに実はならない。十年ぐらいはかかるという話だ」
それだけ待っても、親以上の質になるとは限らない。実がなるまで、丁寧に世話をするが、それがすべて徒労に終わる可能性がある。
__ある意味、賭けね。
「それでも、植えてみないとわからないから、植えるのね」
「……まあ、そうだな」
種を入れた小物入れへ視線を落とし、しばし見つめてから、それを合切袋へと仕舞い、その手で今度は懐から懐中時計を取り出して、時刻を確認する。
「もうそろそろ、戻りますか?」
「いや……もう少し日が傾くまで休もう。急いで戻る必要はない」
「はい」
キルシェの頷きを聞きながら、リュディガーは遠くの空や近くの空を見比べつつ、再び敷布に身を横たえた。
「君も横になってみるといい。地面の冷たさが心地いいし、眺めも悪くないぞ」
抵抗がないのなら、と添えるリュディガーは、どこか挑戦的な意地の悪い顔をしていて、キルシェはそれを受けて立つ、とばかりに一度大きく息を吸ってから仰向けになる。
じんわり、と背中と後頭部から伝わる地面の冷たさは、彼の言う通り心地いい。冷やされたところから、疲れが溶けて出ていくような感覚がする。
枝葉を揺らして抜けていく風は夏草の香りを孕んでいて、思わず肺いっぱいに吸い込みたい衝動を掻き立てる。その衝動に従って大きく何度も吸い込むと、より身体の怠さが薄れたように思えた。
揺れる枝葉の向こうに見える空をなめるように進む雲の塊は、まだまだ白く、日が高く日差しが強いことを示す。
ぼんやり、と見つめるのは、春のように霞んでいない蒼穹。そこを、気持ちよさそうに飛ぶ白い鳥の姿。あれは、鷺だろうか。雲に負けない純白の翼は、力強く風を打つ。
__穏やかな、いい眺め……。
キルシェは知らず識らず、口角が上がっていた。
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