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帝都の大学
リュディガーとかつての愛馬
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早速、馬の割当が行われていく。
15頭__このうち3頭は装備が一様に違うのだが、これは神殿騎士が乗ってきたものらしい。
差し引いた12頭を割り当てていく最中、遅れてさらに4頭、5頭、と到着する馬。馬たちは、前の馬が進むに任せ、それに追従するように躾けられているらしく、乗り手がいなくても好き好きに行動を起こさない。柵に繋がなくてもよく落ち着いて、待機している。
その最後に到着した群れの中で、目を引く馬があった。
それは他に比べ、少しばかり躰ががっちりとして大きな黒い馬__青毛の馬。大きさが目立つというよりも、その落ち着きの無さが際立っていた。
連れてきた馬番が手綱を取って落ち着けようと引っ張るものの、鼻息荒く前脚で土を掻き、ぴくぴく、と全身の表皮を震わせてみたり、あるいは優美な黒い尾を振るう。
終いには手綱を引っ張られるのを嫌がってか、後ろ足で立ち上がって抵抗を見せる始末だ。
__元気な子ね。
キルシェがくすり、と笑って自分の番を待ちながら見守っていれば、リュディガーがその馬に駆け寄って手綱を持つ。
「サリックス! 待て! 落ち着け!」
__サリックス?
リュディガーが諌めるように名を呼んでいれば、すぐそばで眺めるゲオルクがくつくつ喉の奥で笑う。
「そりゃぁ、怒るだろう。ずっと会っていなかったんだ。覚えていてもらえてよかったじゃないか、リュディガー」
やっと落ち着いた馬__それでも、尾はよく振るったまま__は、リュディガーの肩に鼻面を押し付ける。その鼻面__鼻筋を撫でるリュディガー。
「まさか、こいつが私の馬ですか?」
「当然だろう。かつての相棒がいるんだから、それを使わない訳があるまい。粋な計らいに感銘を覚えるがいい」
龍騎士には、愛龍の他に地上用といて馬が一頭ずつ与えられている。
かつての相棒、というのだから、あれはきっとリュディガーとかつては組んでいた馬なのだろう。
「__ラウペンさんのは、こちらです」
マルギットに引かれてきた最後の一頭は、明るい茶色__河原毛。鬣も明るい色で、足先には白い足袋のような毛が生え、次いで黒い毛が足の付根まで染めている馬。
まるで、秋の枯野のような趣がある馬だった。
「名前はなんと?」
「ミスカンサスです」
よろしくね、とその首筋を撫でると、ひとつ尾を振るうミスカンサス。
ミスカンサスは、リュディガーの馬と違い、最も落ち着き払っている馬だった。
マルギット曰く、一番冷静とのことだ。
__冷静ということは、乗り手をよく見極めているのかもしれない。
長いまつげの下の、明るい茶の目。水を打ったように静かな相貌は、間違いなく自分を見ている。
__あなたに恥じない乗り手にはなりますからね。
しばらくよろしく、と改めて心の中で言って、キルシェは笑った。
「今後は、自分で馬具の準備などはしてもらう。厩は最後に案内するので、とりあえず今は乗って、馬場を走らせろ。今日はそこまでだ」
ゲオルクは言って、装備が異なる馬に跨った。それに倣ってヘルゲもまた騎乗する。__とその傍らで、早速リュディガーが黒い馬に跨った。
淀みない動きで乗ると同時に馬が再び興奮して嘶き、まさしく地面を蹴るようにして駆け出した。
「いっ__」
走る馬の足音にかき消されかけたが、リュディガーが短い悲鳴を上げたのを、キルシェは聞き漏らさなかった。
その初速たるや、大きな躰から想像していた以上の速さだった。それは、皆が手を止めて眼を見張るほど。
サリックスは柵の縁まであっという間に達してしまいそうになると、急激な停止をしてみせる。その勢いは、乗り手のリュディガーも心得ていたようで、いくらか前につんのめるぐらいで済んだが、通常であれば振り落とされていても可笑しくない勢いだった。
その後も、馬場の一番外を走りながら、急激な加速、減速、転回などなど、縦横無尽に動き回るリュディガー__サリックス。その馬は見るからに嬉々として、自分の力を見せつけているよう。
__リュディガーも楽しそうにして……。
それは乗り手も同じらしい。
指示は出しているようだが、かなり好きにさせているのが手綱から伺い知れる。
慣れたもの__それもしばらくぶりのそれに触れたのだ。乗り手も馬も。であれば、嬉しいことは違いない。
__絆が深ければ深いほど、きっとそうよね。
見ているキルシェも、清々しいほどの楽しい気持ちになってくる。
「リュディガー! 牛追い馬術じゃなくて、せめて馬場馬術にしないか!」
「まあまあ、ヘルゲ」
「駄目です。他の者が使えないでしょう」
言って、ヘルゲは馬をリュディガーらの方へと走らせる。しかしながら、その時すでにリュディガーがサリックスの思うままの行動を御していたところだった。
鼻筋を地面に対して垂直にした姿のサリックスは、まさしく乗り手が掌握していることの現れである。先程までのことが嘘のように落ち着き払った馬になっているから、それもまた驚かされる。
「__普段は、女鞍でしたか?」
そんな騒ぎの隙きに、マルギットは自身の馬を引いていた。
「はい」
「お独りで、乗れそうですか?」
「大丈夫だと__」
マルギットに答えるのだが、それを皆まで言えなかった。なぜなら、先程懸けまわっていた重みのある蹄の音が近づいて来たからである。
「乗れそうか、キルシェ」
それは先程まで騒ぎの中心だった、リュディガーとサリックス。彼らが来たのは、おそらくなかなか騎乗しないのを見たからだろう。
サリックスは動き回ったせいでとても息が荒いものの、明らかに落ち着きを取り戻していた。それを御すリュディガーは、いつになく表情が明るく、それでいて凛々しい。気の合う馬が、そうさせているのだろう。
「今乗るところです」
「鐙で身体を持ち上げながら、一気に足を後ろへ振り上げるんだ。その鞍の乗り方に慣れていないだろうから、大げさだろう、ってぐらいあげていい。馬の尻__……臀部を蹴ることになるから。その勢いのまま、振り上げた足で馬体を跨ぐ要領で」
「はい」
リュディガーが途中言い方を改めてまで、気にかけて細かく説明してくれることに、ありがたくも申し訳なくもなり、キルシェは苦笑して頷く。
「足掛かりを__」
「大丈夫です。できると思います」
親切にも足掛かりをつくろうと、両手を組みつつ屈むマルギットを制して断る。そして、キルシェはミスカンサスの鞍に近い首を軽く叩いて、乗るからね、と声をかけた。
目の高さの鞍の前橋と後橋に手をかけ、鐙に左足をかけてからひとつ呼吸を整える。そして、いざ一気に体重を上げて、足を振り上げた。一瞬、体重を乗せた側に、身体が思っていた以上にぐらついたのだが、それでもどうにか振り上げた足で馬体を跨いだ。
__馬の体って、こんなに厚いの。
視線が一気に高くなって、高揚感を覚えた。
「乗る前に、ちゃんと鞍のベルトの締め具合は確認したほうがいい。していないだろう」
「……あ」
「そこそこぐらついていたぞ」
馬体を寄せるリュディガーは、鞍の様子を目視で確認を試みるが、目視では限界があることは彼も承知だ。それでもするのは、それなりに不安があるぐらつきだった、ということ。
「すみません、私がそのまま渡してしまったのがいけなかったんですよ」
遅れて騎乗したマルギットが詫びるが、リュディガーが首を振る。
「いえ、最終的に確認すべきは乗り手です」
だろう、とリュディガーに言われ、キルシェは、ごもっともです、と頷くしかない。
大学の馬術でも、必ずしていたことだ。しかし必修である馬術を修了してからは、ほぼ乗る機会などなかったから、染み付いていたはずのそれを失念してしまっていた。
明らかに、自分の失態。過失である。
「__私の出る幕は少なくなりそうですね」
リュディガーが早速馬を進ませている最中、耳打ちするように馬体を寄せるマルギット。
「出過ぎた真似ですよね。すみません。私からそれとなく__」
「いえ、いいんです。大勢の目で、それぞれが指摘し合ったりして、切磋琢磨し合うほうがいいと私は思っていますので。こういう場の指導役なんて、意見をまとめたり、揉め事を諌めるぐらいで十分だと」
くすり、と笑う彼女も馬を進ませるので、キルシェはその後に続いた。
15頭__このうち3頭は装備が一様に違うのだが、これは神殿騎士が乗ってきたものらしい。
差し引いた12頭を割り当てていく最中、遅れてさらに4頭、5頭、と到着する馬。馬たちは、前の馬が進むに任せ、それに追従するように躾けられているらしく、乗り手がいなくても好き好きに行動を起こさない。柵に繋がなくてもよく落ち着いて、待機している。
その最後に到着した群れの中で、目を引く馬があった。
それは他に比べ、少しばかり躰ががっちりとして大きな黒い馬__青毛の馬。大きさが目立つというよりも、その落ち着きの無さが際立っていた。
連れてきた馬番が手綱を取って落ち着けようと引っ張るものの、鼻息荒く前脚で土を掻き、ぴくぴく、と全身の表皮を震わせてみたり、あるいは優美な黒い尾を振るう。
終いには手綱を引っ張られるのを嫌がってか、後ろ足で立ち上がって抵抗を見せる始末だ。
__元気な子ね。
キルシェがくすり、と笑って自分の番を待ちながら見守っていれば、リュディガーがその馬に駆け寄って手綱を持つ。
「サリックス! 待て! 落ち着け!」
__サリックス?
リュディガーが諌めるように名を呼んでいれば、すぐそばで眺めるゲオルクがくつくつ喉の奥で笑う。
「そりゃぁ、怒るだろう。ずっと会っていなかったんだ。覚えていてもらえてよかったじゃないか、リュディガー」
やっと落ち着いた馬__それでも、尾はよく振るったまま__は、リュディガーの肩に鼻面を押し付ける。その鼻面__鼻筋を撫でるリュディガー。
「まさか、こいつが私の馬ですか?」
「当然だろう。かつての相棒がいるんだから、それを使わない訳があるまい。粋な計らいに感銘を覚えるがいい」
龍騎士には、愛龍の他に地上用といて馬が一頭ずつ与えられている。
かつての相棒、というのだから、あれはきっとリュディガーとかつては組んでいた馬なのだろう。
「__ラウペンさんのは、こちらです」
マルギットに引かれてきた最後の一頭は、明るい茶色__河原毛。鬣も明るい色で、足先には白い足袋のような毛が生え、次いで黒い毛が足の付根まで染めている馬。
まるで、秋の枯野のような趣がある馬だった。
「名前はなんと?」
「ミスカンサスです」
よろしくね、とその首筋を撫でると、ひとつ尾を振るうミスカンサス。
ミスカンサスは、リュディガーの馬と違い、最も落ち着き払っている馬だった。
マルギット曰く、一番冷静とのことだ。
__冷静ということは、乗り手をよく見極めているのかもしれない。
長いまつげの下の、明るい茶の目。水を打ったように静かな相貌は、間違いなく自分を見ている。
__あなたに恥じない乗り手にはなりますからね。
しばらくよろしく、と改めて心の中で言って、キルシェは笑った。
「今後は、自分で馬具の準備などはしてもらう。厩は最後に案内するので、とりあえず今は乗って、馬場を走らせろ。今日はそこまでだ」
ゲオルクは言って、装備が異なる馬に跨った。それに倣ってヘルゲもまた騎乗する。__とその傍らで、早速リュディガーが黒い馬に跨った。
淀みない動きで乗ると同時に馬が再び興奮して嘶き、まさしく地面を蹴るようにして駆け出した。
「いっ__」
走る馬の足音にかき消されかけたが、リュディガーが短い悲鳴を上げたのを、キルシェは聞き漏らさなかった。
その初速たるや、大きな躰から想像していた以上の速さだった。それは、皆が手を止めて眼を見張るほど。
サリックスは柵の縁まであっという間に達してしまいそうになると、急激な停止をしてみせる。その勢いは、乗り手のリュディガーも心得ていたようで、いくらか前につんのめるぐらいで済んだが、通常であれば振り落とされていても可笑しくない勢いだった。
その後も、馬場の一番外を走りながら、急激な加速、減速、転回などなど、縦横無尽に動き回るリュディガー__サリックス。その馬は見るからに嬉々として、自分の力を見せつけているよう。
__リュディガーも楽しそうにして……。
それは乗り手も同じらしい。
指示は出しているようだが、かなり好きにさせているのが手綱から伺い知れる。
慣れたもの__それもしばらくぶりのそれに触れたのだ。乗り手も馬も。であれば、嬉しいことは違いない。
__絆が深ければ深いほど、きっとそうよね。
見ているキルシェも、清々しいほどの楽しい気持ちになってくる。
「リュディガー! 牛追い馬術じゃなくて、せめて馬場馬術にしないか!」
「まあまあ、ヘルゲ」
「駄目です。他の者が使えないでしょう」
言って、ヘルゲは馬をリュディガーらの方へと走らせる。しかしながら、その時すでにリュディガーがサリックスの思うままの行動を御していたところだった。
鼻筋を地面に対して垂直にした姿のサリックスは、まさしく乗り手が掌握していることの現れである。先程までのことが嘘のように落ち着き払った馬になっているから、それもまた驚かされる。
「__普段は、女鞍でしたか?」
そんな騒ぎの隙きに、マルギットは自身の馬を引いていた。
「はい」
「お独りで、乗れそうですか?」
「大丈夫だと__」
マルギットに答えるのだが、それを皆まで言えなかった。なぜなら、先程懸けまわっていた重みのある蹄の音が近づいて来たからである。
「乗れそうか、キルシェ」
それは先程まで騒ぎの中心だった、リュディガーとサリックス。彼らが来たのは、おそらくなかなか騎乗しないのを見たからだろう。
サリックスは動き回ったせいでとても息が荒いものの、明らかに落ち着きを取り戻していた。それを御すリュディガーは、いつになく表情が明るく、それでいて凛々しい。気の合う馬が、そうさせているのだろう。
「今乗るところです」
「鐙で身体を持ち上げながら、一気に足を後ろへ振り上げるんだ。その鞍の乗り方に慣れていないだろうから、大げさだろう、ってぐらいあげていい。馬の尻__……臀部を蹴ることになるから。その勢いのまま、振り上げた足で馬体を跨ぐ要領で」
「はい」
リュディガーが途中言い方を改めてまで、気にかけて細かく説明してくれることに、ありがたくも申し訳なくもなり、キルシェは苦笑して頷く。
「足掛かりを__」
「大丈夫です。できると思います」
親切にも足掛かりをつくろうと、両手を組みつつ屈むマルギットを制して断る。そして、キルシェはミスカンサスの鞍に近い首を軽く叩いて、乗るからね、と声をかけた。
目の高さの鞍の前橋と後橋に手をかけ、鐙に左足をかけてからひとつ呼吸を整える。そして、いざ一気に体重を上げて、足を振り上げた。一瞬、体重を乗せた側に、身体が思っていた以上にぐらついたのだが、それでもどうにか振り上げた足で馬体を跨いだ。
__馬の体って、こんなに厚いの。
視線が一気に高くなって、高揚感を覚えた。
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「……あ」
「そこそこぐらついていたぞ」
馬体を寄せるリュディガーは、鞍の様子を目視で確認を試みるが、目視では限界があることは彼も承知だ。それでもするのは、それなりに不安があるぐらつきだった、ということ。
「すみません、私がそのまま渡してしまったのがいけなかったんですよ」
遅れて騎乗したマルギットが詫びるが、リュディガーが首を振る。
「いえ、最終的に確認すべきは乗り手です」
だろう、とリュディガーに言われ、キルシェは、ごもっともです、と頷くしかない。
大学の馬術でも、必ずしていたことだ。しかし必修である馬術を修了してからは、ほぼ乗る機会などなかったから、染み付いていたはずのそれを失念してしまっていた。
明らかに、自分の失態。過失である。
「__私の出る幕は少なくなりそうですね」
リュディガーが早速馬を進ませている最中、耳打ちするように馬体を寄せるマルギット。
「出過ぎた真似ですよね。すみません。私からそれとなく__」
「いえ、いいんです。大勢の目で、それぞれが指摘し合ったりして、切磋琢磨し合うほうがいいと私は思っていますので。こういう場の指導役なんて、意見をまとめたり、揉め事を諌めるぐらいで十分だと」
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