66 / 247
帝都の大学
記念品
しおりを挟む
ふと、半歩先を行くリュディガーを見上げる。
穏やかな笑みを称えた口元。そしてその目元は、どこか遠くを見ていた。
まるでそれは、別れた少年の未来の多幸を想っているようで、キルシェはいいものを見られた、と遠のく露天を肩越しに振り返る。
しかしもうその時には、人の流れの向こうに隠れて見えなかった。
「__そういえば、リュディガーは重石はないの?」
「野暮なことを訊く」
見上げるリュディガーは、くつり、と笑う。
「貴方は……」
その表情だけで、彼の意図することがわかったキルシェは微笑み、小さい店番のことを思い描きながら、手にしたペンと重石を胸に押し抱く。
__……さりげなくそういう事が出来る人なのよね。
「あってもいいな、と思ったのは事実だ。__好みであったのも」
「そう。私も……素敵なものが買えました」
「気に入ったものだったか?」
「ええ。だから、これにしたの」
手にある少しばかり歪な、それでいて限りなく真心を込めて包まれたそれ。
「__こうした物を近くで見る機会は中々なかったので……今日の記念にもいいな、と」
初めての帝都の夏至祭であり、最後の帝都の夏至祭__キルシェは小さく自嘲した。
「そうか。なら、贈り甲斐があるな」
「え__?」
思わず足を止めるキルシェに、リュディガーも遅れて足を止めた。
喧騒から遠のき、まるで切り離されたような錯覚に陥る。この通りに入ってから人の流れはあまりなく、突然足を止めても往来の邪魔にはならなかった。
祭りの日でこれなのだから、普段からきっと利用する人は少ないのだろう。
「言っただろう。今日一日連れ回したお詫びとお礼だ、と」
「でも、それはあの場での……あの子の前だから、その場をまとめるためでしょう?」
「無論それもあったが、譲る気はない」
ややはっきりと強めて言う彼だが、その表情は笑っている。
「こう考えてくれ。今日譲ると、今後、頼み事がしづらくなる、と。矢馳せ馬のことも、これでも実はかなり気にしているんだ」
キルシェはきょとん、とした。
「……そうなの?」
「ああ。さっき見て、これはやらかしたかもしれない、と思ったのは認める」
彼の言う通り、現状の自分の腕前であんな高度なことをやれる境地に達するとは中々想像できない。
__しかも、より儀式めいているのだとしたら、一矢一矢が重みを増すはず。
以前リュディガーが療養した折、願掛けじみたことをして弓射をしてみたが、気負ってしまったせいで日頃の成果には到底及ばなかった。そんな自分が、できるのだろうか。
「ま、まあ……候補のひとり、というだけですから」
「今は、な。他の面々がどうなのかわからないだろう」
それはたしかに、とキルシェは内心ひやり、とした。
__どうなるのかしら……。
候補とはいえ、鍛錬はかなり厳しいものだろう。
__候補だからこそ、厳しいと言えるものね。
あれだけの芸当を、どのように仕上げるのか__と、忘れかけていた憂いを思い出していれば、リュディガーが咳払いをするので、我に返った。
「__で、それは受け取ってもらえるのか?」
視線でキルシェが持つ箱を示す彼。
「……ありがとう。受け取ります」
よろしい、と少しばかり偉そうに言う彼が憎らしく、キルシェは軽く二の腕あたりを押す。
そして仕切り直すように先を促すリュディガーは、どこか下手に出るように妙に丁寧で、笑うしかない。
「__失敗したな」
そうして数歩歩いたところで、リュディガーがぼやく。
「何?」
「最後に買えばよかった」
これを、と言って示すのは、竹筒に入れてもらった水餃子だった。
「やはり、煮崩れるものなの?」
「試したことはないが……ぐずぐずかもしれない」
「それは……もったいないわね……でも、ほらスープみたいには__」
「君も食べるんだぞ」
「え?」
「だから、これだけのものを多めに買ったんだ。確かに土産もあるが……」
気づかなかったのか、と言われ、キルシェは首を振る。
「__父のことだ。この時間に戻ったら、ご一緒に、って言うに決まっている」
「……それは、そうかもしれないですね……」
かつて、彼の療養中のこと。父ローベルトの元を訪れれば、必ずご相伴に預かる流れが出来上がっていた。
独りで食事というのは味気ないだろう__それもあって、キルシェは望まれれば一緒に食事をしていた。
望まれれば、とはいうが、それはもはや必ず。義務感もあったが、それ以上に彼の父との食事はとても楽しくて、だから、自分も好きで食卓を囲んでいた。
別段それをリュディガーに話したことはないが、きっと彼は察していただろうし、退院後は父との会話でそれは話題にも出て知っていることに違いない。
団欒というものは、こういうものなのか__それを確かめたくて、噛み締めたくて。遠い記憶の彼方にあるはずの、それ。
__昔の家族団欒に触れられているような心地になれるから……。
家では、養父と団欒を過ごしたことは、引き取られた最初の頃だけだ。その後は、独りきり。養父よりも使用人との会話のほうが多かった。
修道院の寄宿学校では大勢との共同生活だったが、必要最低限の会話しか許されていない。四六時中それを求められ、静寂を尊んでいた生活。
無論、同じ生活を送る同年代の間では、監視の目を盗んで会話はしていることもあったが、本当に息を潜めるようにしなければならなかった。
だから、大学へ入学して、最初はにぎやかすぎて戸惑った。同じ様な環境だと思っていたからだ。
__そして、ビルネンベルク先生のお付きをしたり、リュディガーのお父様のお家にお邪魔させていただいたり……。
これほど生活が変わるとは思いもしなかった。
「すまないが、もう少しだけ時間をくれ」
罰が悪そうな顔に、キルシェは首を振る。
「謝っていただくようなことでは……私こそ、気づかない間に、気を使わせてしまったようで。__では、お言葉に甘えさせてもらいます」
「そう言ってもらえると、救われる」
「__では、急ぎましょうか。私もお腹、減っていますから」
ああ、と頷くリュディガーに、キルシェは少しばかり足さばきを早めてみせる。すると、リュディガーもいたずらに笑んで、自慢の長い足で余裕な大股を披露するのだった。
それがどうにもこそばゆい。
__浮かれているのだわ……私。
ぐっ、と胸に押し抱く記念品を、少しばかり力を込めて寄せた。
穏やかな笑みを称えた口元。そしてその目元は、どこか遠くを見ていた。
まるでそれは、別れた少年の未来の多幸を想っているようで、キルシェはいいものを見られた、と遠のく露天を肩越しに振り返る。
しかしもうその時には、人の流れの向こうに隠れて見えなかった。
「__そういえば、リュディガーは重石はないの?」
「野暮なことを訊く」
見上げるリュディガーは、くつり、と笑う。
「貴方は……」
その表情だけで、彼の意図することがわかったキルシェは微笑み、小さい店番のことを思い描きながら、手にしたペンと重石を胸に押し抱く。
__……さりげなくそういう事が出来る人なのよね。
「あってもいいな、と思ったのは事実だ。__好みであったのも」
「そう。私も……素敵なものが買えました」
「気に入ったものだったか?」
「ええ。だから、これにしたの」
手にある少しばかり歪な、それでいて限りなく真心を込めて包まれたそれ。
「__こうした物を近くで見る機会は中々なかったので……今日の記念にもいいな、と」
初めての帝都の夏至祭であり、最後の帝都の夏至祭__キルシェは小さく自嘲した。
「そうか。なら、贈り甲斐があるな」
「え__?」
思わず足を止めるキルシェに、リュディガーも遅れて足を止めた。
喧騒から遠のき、まるで切り離されたような錯覚に陥る。この通りに入ってから人の流れはあまりなく、突然足を止めても往来の邪魔にはならなかった。
祭りの日でこれなのだから、普段からきっと利用する人は少ないのだろう。
「言っただろう。今日一日連れ回したお詫びとお礼だ、と」
「でも、それはあの場での……あの子の前だから、その場をまとめるためでしょう?」
「無論それもあったが、譲る気はない」
ややはっきりと強めて言う彼だが、その表情は笑っている。
「こう考えてくれ。今日譲ると、今後、頼み事がしづらくなる、と。矢馳せ馬のことも、これでも実はかなり気にしているんだ」
キルシェはきょとん、とした。
「……そうなの?」
「ああ。さっき見て、これはやらかしたかもしれない、と思ったのは認める」
彼の言う通り、現状の自分の腕前であんな高度なことをやれる境地に達するとは中々想像できない。
__しかも、より儀式めいているのだとしたら、一矢一矢が重みを増すはず。
以前リュディガーが療養した折、願掛けじみたことをして弓射をしてみたが、気負ってしまったせいで日頃の成果には到底及ばなかった。そんな自分が、できるのだろうか。
「ま、まあ……候補のひとり、というだけですから」
「今は、な。他の面々がどうなのかわからないだろう」
それはたしかに、とキルシェは内心ひやり、とした。
__どうなるのかしら……。
候補とはいえ、鍛錬はかなり厳しいものだろう。
__候補だからこそ、厳しいと言えるものね。
あれだけの芸当を、どのように仕上げるのか__と、忘れかけていた憂いを思い出していれば、リュディガーが咳払いをするので、我に返った。
「__で、それは受け取ってもらえるのか?」
視線でキルシェが持つ箱を示す彼。
「……ありがとう。受け取ります」
よろしい、と少しばかり偉そうに言う彼が憎らしく、キルシェは軽く二の腕あたりを押す。
そして仕切り直すように先を促すリュディガーは、どこか下手に出るように妙に丁寧で、笑うしかない。
「__失敗したな」
そうして数歩歩いたところで、リュディガーがぼやく。
「何?」
「最後に買えばよかった」
これを、と言って示すのは、竹筒に入れてもらった水餃子だった。
「やはり、煮崩れるものなの?」
「試したことはないが……ぐずぐずかもしれない」
「それは……もったいないわね……でも、ほらスープみたいには__」
「君も食べるんだぞ」
「え?」
「だから、これだけのものを多めに買ったんだ。確かに土産もあるが……」
気づかなかったのか、と言われ、キルシェは首を振る。
「__父のことだ。この時間に戻ったら、ご一緒に、って言うに決まっている」
「……それは、そうかもしれないですね……」
かつて、彼の療養中のこと。父ローベルトの元を訪れれば、必ずご相伴に預かる流れが出来上がっていた。
独りで食事というのは味気ないだろう__それもあって、キルシェは望まれれば一緒に食事をしていた。
望まれれば、とはいうが、それはもはや必ず。義務感もあったが、それ以上に彼の父との食事はとても楽しくて、だから、自分も好きで食卓を囲んでいた。
別段それをリュディガーに話したことはないが、きっと彼は察していただろうし、退院後は父との会話でそれは話題にも出て知っていることに違いない。
団欒というものは、こういうものなのか__それを確かめたくて、噛み締めたくて。遠い記憶の彼方にあるはずの、それ。
__昔の家族団欒に触れられているような心地になれるから……。
家では、養父と団欒を過ごしたことは、引き取られた最初の頃だけだ。その後は、独りきり。養父よりも使用人との会話のほうが多かった。
修道院の寄宿学校では大勢との共同生活だったが、必要最低限の会話しか許されていない。四六時中それを求められ、静寂を尊んでいた生活。
無論、同じ生活を送る同年代の間では、監視の目を盗んで会話はしていることもあったが、本当に息を潜めるようにしなければならなかった。
だから、大学へ入学して、最初はにぎやかすぎて戸惑った。同じ様な環境だと思っていたからだ。
__そして、ビルネンベルク先生のお付きをしたり、リュディガーのお父様のお家にお邪魔させていただいたり……。
これほど生活が変わるとは思いもしなかった。
「すまないが、もう少しだけ時間をくれ」
罰が悪そうな顔に、キルシェは首を振る。
「謝っていただくようなことでは……私こそ、気づかない間に、気を使わせてしまったようで。__では、お言葉に甘えさせてもらいます」
「そう言ってもらえると、救われる」
「__では、急ぎましょうか。私もお腹、減っていますから」
ああ、と頷くリュディガーに、キルシェは少しばかり足さばきを早めてみせる。すると、リュディガーもいたずらに笑んで、自慢の長い足で余裕な大股を披露するのだった。
それがどうにもこそばゆい。
__浮かれているのだわ……私。
ぐっ、と胸に押し抱く記念品を、少しばかり力を込めて寄せた。
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

義母の企みで王子との婚約は破棄され、辺境の老貴族と結婚せよと追放されたけど、結婚したのは孫息子だし、思いっきり歌も歌えて言うことありません!
もーりんもも
恋愛
義妹の聖女の証を奪って聖女になり代わろうとした罪で、辺境の地を治める老貴族と結婚しろと王に命じられ、王都から追放されてしまったアデリーン。
ところが、結婚相手の領主アドルフ・ジャンポール侯爵は、結婚式当日に老衰で死んでしまった。
王様の命令は、「ジャンポール家の当主と結婚せよ」ということで、急遽ジャンポール家の当主となった孫息子ユリウスと結婚することに。
ユリウスの結婚の誓いの言葉は「ふん。ゲス女め」。
それでもアデリーンにとっては、緑豊かなジャンポール領は楽園だった。
誰にも遠慮することなく、美しい森の中で、大好きな歌を思いっきり歌えるから!
アデリーンの歌には不思議な力があった。その歌声は万物を癒し、ユリウスの心までをも溶かしていく……。

お妃候補を辞退したら、初恋の相手に溺愛されました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のフランソアは、王太子殿下でもあるジェーンの為、お妃候補に名乗りを上げ、5年もの間、親元を離れ王宮で生活してきた。同じくお妃候補の令嬢からは嫌味を言われ、厳しい王妃教育にも耐えてきた。他のお妃候補と楽しく過ごすジェーンを見て、胸を痛める事も日常茶飯事だ。
それでもフランソアは
“僕が愛しているのはフランソアただ1人だ。だからどうか今は耐えてくれ”
というジェーンの言葉を糧に、必死に日々を過ごしていた。婚約者が正式に決まれば、ジェーン様は私だけを愛してくれる!そう信じて。
そんな中、急遽一夫多妻制にするとの発表があったのだ。
聞けばジェーンの強い希望で実現されたらしい。自分だけを愛してくれていると信じていたフランソアは、その言葉に絶望し、お妃候補を辞退する事を決意。
父親に連れられ、5年ぶりに戻った懐かしい我が家。そこで待っていたのは、初恋の相手でもある侯爵令息のデイズだった。
聞けば1年ほど前に、フランソアの家の養子になったとの事。戸惑うフランソアに対し、デイズは…
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる