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帝都の大学
掻き捨て
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馬場本と馬場末までの直線は、帝都の東__四苑の左京の比較的広い広場の中に作られていた。
ここは他の広場と違い、見上げるほど高い木々がぽつぽつ、と生え、地面が剥き出しの公園という様相である。広さは、リュディガーが言うに、帝都の端に位置する大学の門から本棟まで広がる面積に匹敵するらしい。
運河から引いた水が流れる水路。そこからさらに引き込まれる形の水を溜めた池があり枝葉を広げた木々は大抵が落葉樹で、大きくなって肥えた葉が、うまい具合に広場を覆って木陰を作り出していた。
馬場の横には石を組んで作られた舞台がある。野ざらしのそこから半円形のすり鉢状の階段が上へと伸びているのだが、これは野外の観劇場。この日はそこも観客が収容されるようになっているようだった。
石の舞台には祭壇が設えてあって、椅子に腰掛ける数人の司祭といった神職と、その舞台の周囲に警備にあたっている神殿騎士が待機していて、厳かな気配に満ちている。
キルシェは、なるほど、神事であることに違いない、と改めて実感した。
神殿騎士と神官騎士の役割は異なる。
神の愛ぐ子である神子の護衛が、神官騎士。その下の地位に神殿騎士が据えられている。どちらも神職の武官であるが、神殿騎士は文字通り、各地の神殿やその周辺地域、聖地の守備が任務である。
馬が疾走を始める馬場本を過ぎ、直線に等間隔で並ぶ菱形の的の道に至ると、途端に人の密度が増し、なかなか進めなくなった。
的の目の前がやはり見ごたえがあるから、というのは理解できるが、それにしたってまだ開始まで30分はあるというのに、キルシェの予想を遥かに上回る人の集まり具合である。
「野外劇場を通って行くべきだったか……」
ぼやいたのはリュディガーで、どうやら彼の予想をも上回っていたようだ。
皆、馬場の方を向いている中、それでもリュディガーは先導して、人垣を横断するようにかき分けて進んでいる。__それがどうにも、忍びない。
立錐の余地がない、とは言わないが、それなりの群衆だ。
大柄のリュディガーが最低限の断りを言いながら避けるようにかき分けて進めば、小さく悪態が飛んでくる。
リュディガーは気にも留めないようだが、それを見聞きするキルシェには、かなり耐え難い光景だった。
__この辺りで、いいのではないの……?
身を縮こまらせながら、足を止めたくなるのを堪えて大きな背を追う__が、怯みがちなキルシェは、じりじり、とリュディガーに遅れを取り始め、終には人の影で時折見失いそうになる。
__このまま、ここで紛れてしまっても、見られはするのでは……?
微かに誘惑の囁きが聞こえた刹那だった。
「キルシェ」
名を呼ばれたと同時に、ぐいっ、と腕を掴まれ引かれた。
引いたのはリュディガーで、大きな彼の手はしっかりと、しかしながら優しく引いて放さなかった。これにはいよいよキルシェも観念して、必死に後についていく。
頭一つ分近くは俯瞰するかたちで出ているリュディガーには、単純に進みにくい程度なのだろうが、人に囲まれた視界のキルシェは、引かれているとはいえ見通しが効かず辛いことに変わりはない。
さらに混み合ってくると、彼の歩みも鈍化した。
そうなると彼は掴んでいた腕を引いてキルシェの身体を引き寄せ、背中側から腕を回して二の腕を軽く掴む。そして、半歩先に身体を出して空いた手でキルシェを庇うようにして進み、怯みがちなキルシェの背を太い腕が押すようにして歩みを合わせさせる。
「__すまない」
人だかりの波が落ち着くところまでたどり着き、少しばかり余裕が出たところで、ぼそり、とリュディガーが言うので、キルシェは顔を上げる。
「だが、行かなけらばならない」
耐えてくれ、と言うと、今一度回された彼の手に力がこもった。それにキルシェも覚悟を決めて、目の前に見える人だかりに踏み込んだ。
雲間が晴れたように群衆から出ると、リュディガーの身体が離れたので、はぁ、とキルシェは息を吐き出した。
どうやら無意識に、息を止めがちでいたらしい。
「大丈夫か?」
こくり、と頷くのが精一杯なほど疲れていた。
人に揉まれる、というのはこういうことなのだろうか__。
熱気がすごい。群衆から抜け出して、風の清涼さに彼らの熱気がいかに強かったかを気付かされた。
「もう少し、離れよう」
周囲を軽く見張ってから、リュディガーは少し離れたところを指し示す。
ゆるい傾斜の先に、風雨にさらされて地衣類が張り付いている石の塀があった。
リュディガーの提案通り、その石の塀までたどり着くと手を置いて、あらためてキルシェは大きなため息を吐いた。
「__いい気分じゃないだろう」
彼の言う通り、ただでさえこうした賑わいに慣れていない。眺めたことはあるとは申せ、その中を徒歩で行くなど、これまで一度たりともなかった。
先導してもらった彼に頷き難く、なんと答えていいかわからずにいれば、リュディガーが後ろ頭を掻いた。
そして、リュディガーは塀に浅く腰をおろした。背の高さに見合って長い四肢の彼だからこそ座れるような高さの塀だから、キルシェには高すぎて手を置くぐらいしかできない。
「私も、さっきみたいなことは苦手だ。君ならなおのこと__だから、連れて来るのを躊躇ったんだ」
慣れていないだろうからな、と苦笑するリュディガーに、キルシェは、きょとん、としてしまう。
「でも、あまり気にもしていなかったように見えたけれど……」
「まあ、君よりは慣れているし、仕事だから、と割り切ればいいだけだからな」
「私服じゃなければ、何も言われない?」
「恐らく。もっと言えば、甲冑姿なら道が勝手に開けたはずだ」
腕を組んで少しばかり威張った風にするので、キルシェは笑ってしまう。
リュディガーも笑って、そうしてから馬場へと視線を投げた。
「__全体を見渡したいから離れたのだが、ここから見えるか?」
振り返って馬場の様子を見るキルシェ。
ゆるい傾斜の上だから、まったく見えないということはないものの、群衆の影に的が見え隠れしていた。
馬が疾走する姿を想像して重ねてみるが、的を射抜いたかどうかは見届けられないにせよ、勇壮な姿は見物できると思われる。
是が非でも観なければ、という使命感で来ていたわけではないし、キルシェの中ではリュディガーの私服警備のほうが優先だと思っているから、十分だ。
「野外劇場の方で観られればいいのだろうが、あっちは持ち場ではないから。君だけであちらへ行ってくるというのも手だが」
顎をしゃくって彼が示すのは、馬場を挟んだ向かい側。木々の間に見える半円形のすり鉢状の階段の劇場。
どうする、と視線を投げかけられ、キルシェは笑って首を振る。
「ここで。__勝手がわからないですから。……それにわかっていても、リュディガーの傍にいたほうが、安心できます」
「……そうか」
一瞬、目を見開いたリュディガーは、ひとつ咳払いして寄りかかっていた石の塀に視線を落とす。そして、キルシェとを交互に見比べながら、何やら顎に手を当てて考える彼は、よし、とまるで膝を打つようにその石の塀を叩いた。
「__座ってみるか?」
え、とキルシェは言葉につまる。
「座った方が、君の場合、高くなるから見易いと思うが」
「それは……そうでしょうが……」
「はしたない、か?」
言葉を濁していれば、リュディガーが図星を突く。
椅子ならばまだしもこれは塀で、しかも容易に座れない高さだ。子供時分ならば許されるだろうが、もう自分はそうした事が醜聞にされてしまう年齢である。
__こんなに人がいるところで……。
「図々しく人を押しのけて来たというのに……。ほらよく言うだろう。旅の恥は掻き捨て、と」
「旅って……」
「君にしてみれば、旅だろう? 普段しないことをしているんだ」
「そう、ですね……」
これにはキルシェは苦笑するしかない。
「__冗談はさておき、ここから長くかかる。座れるなら座っていたほうがいい。無論、無理強いはしないが」
真摯な顔で言われ、キルシェは提案を受け入れるつもりで塀を改めて見てるのだが、そこで躊躇う。
「でも、これ、私には座れない高さだわ」
弾みをつけてどうこうできる高さではないのは、誰の目にも明白__だが、リュディガーは、肩をすくめて塀から離れると、その場に屈んだ。
そして、指を交互に嵌めるようにして組むと、キルシェを見上げる。
その彼の様を見て、キルシェは面食らった。
それは乗馬のとき、鐙が高く足を掛けられない者に対して、踏み台代わりに手を組んでつくる足がかりだった。
ここは他の広場と違い、見上げるほど高い木々がぽつぽつ、と生え、地面が剥き出しの公園という様相である。広さは、リュディガーが言うに、帝都の端に位置する大学の門から本棟まで広がる面積に匹敵するらしい。
運河から引いた水が流れる水路。そこからさらに引き込まれる形の水を溜めた池があり枝葉を広げた木々は大抵が落葉樹で、大きくなって肥えた葉が、うまい具合に広場を覆って木陰を作り出していた。
馬場の横には石を組んで作られた舞台がある。野ざらしのそこから半円形のすり鉢状の階段が上へと伸びているのだが、これは野外の観劇場。この日はそこも観客が収容されるようになっているようだった。
石の舞台には祭壇が設えてあって、椅子に腰掛ける数人の司祭といった神職と、その舞台の周囲に警備にあたっている神殿騎士が待機していて、厳かな気配に満ちている。
キルシェは、なるほど、神事であることに違いない、と改めて実感した。
神殿騎士と神官騎士の役割は異なる。
神の愛ぐ子である神子の護衛が、神官騎士。その下の地位に神殿騎士が据えられている。どちらも神職の武官であるが、神殿騎士は文字通り、各地の神殿やその周辺地域、聖地の守備が任務である。
馬が疾走を始める馬場本を過ぎ、直線に等間隔で並ぶ菱形の的の道に至ると、途端に人の密度が増し、なかなか進めなくなった。
的の目の前がやはり見ごたえがあるから、というのは理解できるが、それにしたってまだ開始まで30分はあるというのに、キルシェの予想を遥かに上回る人の集まり具合である。
「野外劇場を通って行くべきだったか……」
ぼやいたのはリュディガーで、どうやら彼の予想をも上回っていたようだ。
皆、馬場の方を向いている中、それでもリュディガーは先導して、人垣を横断するようにかき分けて進んでいる。__それがどうにも、忍びない。
立錐の余地がない、とは言わないが、それなりの群衆だ。
大柄のリュディガーが最低限の断りを言いながら避けるようにかき分けて進めば、小さく悪態が飛んでくる。
リュディガーは気にも留めないようだが、それを見聞きするキルシェには、かなり耐え難い光景だった。
__この辺りで、いいのではないの……?
身を縮こまらせながら、足を止めたくなるのを堪えて大きな背を追う__が、怯みがちなキルシェは、じりじり、とリュディガーに遅れを取り始め、終には人の影で時折見失いそうになる。
__このまま、ここで紛れてしまっても、見られはするのでは……?
微かに誘惑の囁きが聞こえた刹那だった。
「キルシェ」
名を呼ばれたと同時に、ぐいっ、と腕を掴まれ引かれた。
引いたのはリュディガーで、大きな彼の手はしっかりと、しかしながら優しく引いて放さなかった。これにはいよいよキルシェも観念して、必死に後についていく。
頭一つ分近くは俯瞰するかたちで出ているリュディガーには、単純に進みにくい程度なのだろうが、人に囲まれた視界のキルシェは、引かれているとはいえ見通しが効かず辛いことに変わりはない。
さらに混み合ってくると、彼の歩みも鈍化した。
そうなると彼は掴んでいた腕を引いてキルシェの身体を引き寄せ、背中側から腕を回して二の腕を軽く掴む。そして、半歩先に身体を出して空いた手でキルシェを庇うようにして進み、怯みがちなキルシェの背を太い腕が押すようにして歩みを合わせさせる。
「__すまない」
人だかりの波が落ち着くところまでたどり着き、少しばかり余裕が出たところで、ぼそり、とリュディガーが言うので、キルシェは顔を上げる。
「だが、行かなけらばならない」
耐えてくれ、と言うと、今一度回された彼の手に力がこもった。それにキルシェも覚悟を決めて、目の前に見える人だかりに踏み込んだ。
雲間が晴れたように群衆から出ると、リュディガーの身体が離れたので、はぁ、とキルシェは息を吐き出した。
どうやら無意識に、息を止めがちでいたらしい。
「大丈夫か?」
こくり、と頷くのが精一杯なほど疲れていた。
人に揉まれる、というのはこういうことなのだろうか__。
熱気がすごい。群衆から抜け出して、風の清涼さに彼らの熱気がいかに強かったかを気付かされた。
「もう少し、離れよう」
周囲を軽く見張ってから、リュディガーは少し離れたところを指し示す。
ゆるい傾斜の先に、風雨にさらされて地衣類が張り付いている石の塀があった。
リュディガーの提案通り、その石の塀までたどり着くと手を置いて、あらためてキルシェは大きなため息を吐いた。
「__いい気分じゃないだろう」
彼の言う通り、ただでさえこうした賑わいに慣れていない。眺めたことはあるとは申せ、その中を徒歩で行くなど、これまで一度たりともなかった。
先導してもらった彼に頷き難く、なんと答えていいかわからずにいれば、リュディガーが後ろ頭を掻いた。
そして、リュディガーは塀に浅く腰をおろした。背の高さに見合って長い四肢の彼だからこそ座れるような高さの塀だから、キルシェには高すぎて手を置くぐらいしかできない。
「私も、さっきみたいなことは苦手だ。君ならなおのこと__だから、連れて来るのを躊躇ったんだ」
慣れていないだろうからな、と苦笑するリュディガーに、キルシェは、きょとん、としてしまう。
「でも、あまり気にもしていなかったように見えたけれど……」
「まあ、君よりは慣れているし、仕事だから、と割り切ればいいだけだからな」
「私服じゃなければ、何も言われない?」
「恐らく。もっと言えば、甲冑姿なら道が勝手に開けたはずだ」
腕を組んで少しばかり威張った風にするので、キルシェは笑ってしまう。
リュディガーも笑って、そうしてから馬場へと視線を投げた。
「__全体を見渡したいから離れたのだが、ここから見えるか?」
振り返って馬場の様子を見るキルシェ。
ゆるい傾斜の上だから、まったく見えないということはないものの、群衆の影に的が見え隠れしていた。
馬が疾走する姿を想像して重ねてみるが、的を射抜いたかどうかは見届けられないにせよ、勇壮な姿は見物できると思われる。
是が非でも観なければ、という使命感で来ていたわけではないし、キルシェの中ではリュディガーの私服警備のほうが優先だと思っているから、十分だ。
「野外劇場の方で観られればいいのだろうが、あっちは持ち場ではないから。君だけであちらへ行ってくるというのも手だが」
顎をしゃくって彼が示すのは、馬場を挟んだ向かい側。木々の間に見える半円形のすり鉢状の階段の劇場。
どうする、と視線を投げかけられ、キルシェは笑って首を振る。
「ここで。__勝手がわからないですから。……それにわかっていても、リュディガーの傍にいたほうが、安心できます」
「……そうか」
一瞬、目を見開いたリュディガーは、ひとつ咳払いして寄りかかっていた石の塀に視線を落とす。そして、キルシェとを交互に見比べながら、何やら顎に手を当てて考える彼は、よし、とまるで膝を打つようにその石の塀を叩いた。
「__座ってみるか?」
え、とキルシェは言葉につまる。
「座った方が、君の場合、高くなるから見易いと思うが」
「それは……そうでしょうが……」
「はしたない、か?」
言葉を濁していれば、リュディガーが図星を突く。
椅子ならばまだしもこれは塀で、しかも容易に座れない高さだ。子供時分ならば許されるだろうが、もう自分はそうした事が醜聞にされてしまう年齢である。
__こんなに人がいるところで……。
「図々しく人を押しのけて来たというのに……。ほらよく言うだろう。旅の恥は掻き捨て、と」
「旅って……」
「君にしてみれば、旅だろう? 普段しないことをしているんだ」
「そう、ですね……」
これにはキルシェは苦笑するしかない。
「__冗談はさておき、ここから長くかかる。座れるなら座っていたほうがいい。無論、無理強いはしないが」
真摯な顔で言われ、キルシェは提案を受け入れるつもりで塀を改めて見てるのだが、そこで躊躇う。
「でも、これ、私には座れない高さだわ」
弾みをつけてどうこうできる高さではないのは、誰の目にも明白__だが、リュディガーは、肩をすくめて塀から離れると、その場に屈んだ。
そして、指を交互に嵌めるようにして組むと、キルシェを見上げる。
その彼の様を見て、キルシェは面食らった。
それは乗馬のとき、鐙が高く足を掛けられない者に対して、踏み台代わりに手を組んでつくる足がかりだった。
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