17 / 247
帝都の大学
果報者
しおりを挟む
「__私は……果報者ですね」
「キルシェ?」
ぽつり、と思わずこぼれてしまった言葉。それを拾い上げたリュディガーの怪訝な声に顔を上げる。
「これまで、先生以外で、これほど気にかけてくれた人に出会えたことがない。__あ、屋敷の使用人を除いて、ですよ。……幸か不幸か、それもあまり気にしなかった性分でしたから、これまで独りで……拒絶してきた覚えもないんですが、深く踏み込ませるには難しいので、私の場合」
「よく、わからないが……人それぞれ、事情はあるだろう」
「__私は、養子なんです」
リュディガーが目を見開いたのを見、キルシェは困ったように笑い、テーブルの上の鈴蘭に視線を落とした。
これを明かすのは、ビルネンベルク以外では初めてだ。
__もしかしたら、先生から他の教官にも話がそれとなく耳に入れているかもしれないけれど……。
場の空気が凍ったわけではないが、食事を前にするような話ではない__キルシェは誤魔化すように肩を竦めた。
「面白い話ではないので、私の話はこれでお終いに__」
「いや、続けてくれ」
言う先を制され、キルシェは驚いた。
「君にいとって、私は友人なのだろう?」
「それは……そうですが……そう思われること自体、ご迷惑では?」
なんの、とリュディガーは笑う。
「__私が弓射で、どれほど迷惑かけていると思っている。それに比べれば__むしろ、教えてもらっている立場なのに、友人としてくれている方が恐れ多い」
明るい口調で自嘲じみて言ったリュディガーは、そこで真摯な表情になる。
「__話せる範囲でかまわない」
キルシェは、ひゅっ、と息を詰めた。
__リュディガーは、よく解っている……察しが良すぎる。
そして、一度目を伏せてから、手元に視線を落としたまま口を開く。
「__言っても、変わらない生活だったんです。それでも声を上げていたら、煙たがられて、寄宿学校へ……」
「寄宿学校」
ええ、と頷いたところで、リュディガーが視界の端で手を軽く翳すのが見え、キルシェは口を噤む。リュディガーの視線の先を見れば、店員が近づいてきているところだった。
数種類の腸詰め、潰した馬鈴薯、牛の煮込み__それらを置いて去っていく店員。
「……父の恩人が私の実父だったらしく、小さい私を引き取ってくださいました。とてもご恩は感じています。だからこそ、父の仕事がもっとよくなるように、と善意からでしたが、口を出しすぎてしまったようです。だから、寄宿学校へ入れられました」
「ご尊父とご母堂は……?」
「魔物に襲われた、と聞いています」
「それは……お気の毒に……」
いえ、と首を振るキルシェ。
「寄宿学校というのは、社交界入りする前の、子女が入るような寄宿学校……?」
「修道院の」
苦笑して答えると、リュディガーが難しい顔をした。
リュディガーが言う寄宿学校は、良家の子女が社交界入りをする前、教養はもちろん、淑女としての礼儀礼節、舞踏などの嗜みを仕上げるように習うところだ。良家の子女の花嫁修業の場とも言える。
ここは入らなければならない、と言うものでない。家々の判断に委ねられている。
対して修道院の寄宿学校は、文字通り修道院__神学校という側面が強い。
大学よりもさらに隔絶された環境で、基本的な教養を身につけ、質素清貧な生活を営み、信仰を噛み締め、悔い改め、奉仕する心を養うというもの。良家の子女が送り込まれることは、ほぼない場所だ。そしてそういう子女は、訳あり__素行不良な子女とみなされ、ほんの僅かな失敗でも、厳しい躾をされる。
厳しさから逃げようとする子もいたほどだ。
朝の礼拝に備えて礼拝堂で待機するのを、わずかでも遅れただけで怠けているとされ、極寒の中、井戸水を浴びせられたこともある。そんなものは序の口で、おそらく、理不尽ということは味わい尽くしたように思う。
__灰色……。
リュディガーが言っていたが、その頃の記憶は思い出すと全てがまさしく灰色なのだ。
__夢だったようにも思える……。
曖昧で、ぼやけていて、まるで幻影のよう。
最終的に、声を上げるだけ無駄ということが続いていて、息をしながら死んでいたと言ってもいい。
考えることも放棄して、言われるがままという生活__当時は一切疑問に思わなくなっていた。
そこは3年で卒業になる。修道院の寄宿学校にいた子は、司祭などになりたがっていた信心深い子たちばかりだから、神官職についたはずだ。ただ自分だけ、故郷に帰った。
「寄宿学校を卒業して戻って、家では徹底して令嬢としての教育が待っていて……それは別に当たり前のことですし、父が望んでいるので従っていて……。でも、私も意外と強からしくて……嫁がされるのも構わないですが、もっと知識があれば状況が変えられるかもと思い、大学へ通わせて欲しい、と懇願して__今ここにいます」
そこへ、さらに運ばれてくる料理。チーズを綴じた平たく丸いパン、羊の香草焼き、鶏の串焼き、ほうれん草のペースト状の添え物。
「父にしてみれば、ちょうどよかったんですよ。一通り叩き込めるだけ叩き込んで、仕上げても、ときどき仕事に口を出すのは変わらずで……手に余るじゃじゃ馬だったはずですから」
__嫌なら、さっさと適当なところへ嫁がせればいいのに……。
実父が恩人だとは申せ、養父は物好きだと思う。
__まあ、それも時間の問題よね……。
キルシェは困ったように笑う。遅かれ早かれ、それは訪れることに変わりはない。
従うことが恩返しだと思っている自分は、素直にそれに従うだろう。
__それまでは、自由に……。
だからこそ、ここへ来た。
父の支えになりたい、ということももちろんだが、自分で今後を選べる可能性が広がるかもしれない__そうした下心もあってだ。もしかしたら嫁ぎ先が制約少なく、より自由になるかもしれない。
「……ここに来られてよかったです。__リュディガーと知り合えましたから」
「大げさだ」
「私には、大きなことです」
今後を選べる選べないにせよ、彼という得難い朋友を得られた。
__それだけでも、自分というものに価値がいくらかでもあったと思い直すことができたのだもの……。
「__と、まぁ……こんなところです」
これまで口外をしないでいたのは、人を選ぶ内容だからだ。賢しらに不幸を見せびらかして悲劇の主人公に酔っている、と思われても困るし、それ以上に変に気を使わせてしまっては申し訳ない。
そうか、とひとりごちるように頷くリュディガーは、逡巡する。そのわずかな間でさえ、キルシェには審判を待っているような心地だった。
「……食べようか。これ以上スープを冷ますのは、どうかと思う」
そして、とくに拘りなく、加えて冗談めかして言うリュディガー。その反応に、拒絶されることが杞憂に終わったことを知る。
「……そうですね」
自嘲するように苦笑を浮かべるキルシェ。そして、改めてテーブルの上を眺めるのだが、そこで固まってしまった。
会話の合間に届けられていた料理だったから、気づけなかったが、テーブルにぎりぎり乗り切ったような品数がそこにある。
豆とトマトのスープ、パン、葉物野菜のサラダと、キャベツを発酵させた漬物、チーズが数種類とハムが並ぶ皿、数種類の腸詰め、潰した馬鈴薯、牛の煮込み、チーズを綴じた平たい円形のパン、羊の香草焼き、鶏の串焼き、ほうれん草のペースト状の添え物__。
「__リュディガー、大学の食事は足りている?」
「別段、足りないと思うことはないが」
スープを飲んでいたリュディガーが、怪訝に眉をひそめる。
大学の食事は、毎日献立が変わるものの、目の前のテーブルに並んでいる量ほどはない。二人分で考えてみても、大学での二食分にはなる量だ。
「まあ、確かに龍騎士の頃よりは少ないのは間違いないな。それでも、私は大食らいじゃないし、身体をそこまで使うわけではないから、あれはあれで十分だ」
「……そうなのですか」
それにしても、量が多い気がするが__とは、キルシェは飲み込んで、カトラリーを手にとる。
「あえてテーブルが賑やかになるよう注文したんだ。__まあ、とにかく、食べようじゃないか。食べたら、美味しさで色々思うところはふっとぶのは保証する。気分が軽くなるはずだ」
早速スープを飲み干し終えたリュディガーは、羊の香草焼きをひとつ取皿に移して、促すようにキルシェの前に置くのだった。
まるでその表情はしんみりした場の空気を和ますかのように、いたずらに笑んでいる。
「__ありがとうございます」
何に対してとは明確には言わなかったが、ゆっくりと頷き返すあたり、彼は察してくれているのだろう。
__本当に……果報者だわ……。
「キルシェ?」
ぽつり、と思わずこぼれてしまった言葉。それを拾い上げたリュディガーの怪訝な声に顔を上げる。
「これまで、先生以外で、これほど気にかけてくれた人に出会えたことがない。__あ、屋敷の使用人を除いて、ですよ。……幸か不幸か、それもあまり気にしなかった性分でしたから、これまで独りで……拒絶してきた覚えもないんですが、深く踏み込ませるには難しいので、私の場合」
「よく、わからないが……人それぞれ、事情はあるだろう」
「__私は、養子なんです」
リュディガーが目を見開いたのを見、キルシェは困ったように笑い、テーブルの上の鈴蘭に視線を落とした。
これを明かすのは、ビルネンベルク以外では初めてだ。
__もしかしたら、先生から他の教官にも話がそれとなく耳に入れているかもしれないけれど……。
場の空気が凍ったわけではないが、食事を前にするような話ではない__キルシェは誤魔化すように肩を竦めた。
「面白い話ではないので、私の話はこれでお終いに__」
「いや、続けてくれ」
言う先を制され、キルシェは驚いた。
「君にいとって、私は友人なのだろう?」
「それは……そうですが……そう思われること自体、ご迷惑では?」
なんの、とリュディガーは笑う。
「__私が弓射で、どれほど迷惑かけていると思っている。それに比べれば__むしろ、教えてもらっている立場なのに、友人としてくれている方が恐れ多い」
明るい口調で自嘲じみて言ったリュディガーは、そこで真摯な表情になる。
「__話せる範囲でかまわない」
キルシェは、ひゅっ、と息を詰めた。
__リュディガーは、よく解っている……察しが良すぎる。
そして、一度目を伏せてから、手元に視線を落としたまま口を開く。
「__言っても、変わらない生活だったんです。それでも声を上げていたら、煙たがられて、寄宿学校へ……」
「寄宿学校」
ええ、と頷いたところで、リュディガーが視界の端で手を軽く翳すのが見え、キルシェは口を噤む。リュディガーの視線の先を見れば、店員が近づいてきているところだった。
数種類の腸詰め、潰した馬鈴薯、牛の煮込み__それらを置いて去っていく店員。
「……父の恩人が私の実父だったらしく、小さい私を引き取ってくださいました。とてもご恩は感じています。だからこそ、父の仕事がもっとよくなるように、と善意からでしたが、口を出しすぎてしまったようです。だから、寄宿学校へ入れられました」
「ご尊父とご母堂は……?」
「魔物に襲われた、と聞いています」
「それは……お気の毒に……」
いえ、と首を振るキルシェ。
「寄宿学校というのは、社交界入りする前の、子女が入るような寄宿学校……?」
「修道院の」
苦笑して答えると、リュディガーが難しい顔をした。
リュディガーが言う寄宿学校は、良家の子女が社交界入りをする前、教養はもちろん、淑女としての礼儀礼節、舞踏などの嗜みを仕上げるように習うところだ。良家の子女の花嫁修業の場とも言える。
ここは入らなければならない、と言うものでない。家々の判断に委ねられている。
対して修道院の寄宿学校は、文字通り修道院__神学校という側面が強い。
大学よりもさらに隔絶された環境で、基本的な教養を身につけ、質素清貧な生活を営み、信仰を噛み締め、悔い改め、奉仕する心を養うというもの。良家の子女が送り込まれることは、ほぼない場所だ。そしてそういう子女は、訳あり__素行不良な子女とみなされ、ほんの僅かな失敗でも、厳しい躾をされる。
厳しさから逃げようとする子もいたほどだ。
朝の礼拝に備えて礼拝堂で待機するのを、わずかでも遅れただけで怠けているとされ、極寒の中、井戸水を浴びせられたこともある。そんなものは序の口で、おそらく、理不尽ということは味わい尽くしたように思う。
__灰色……。
リュディガーが言っていたが、その頃の記憶は思い出すと全てがまさしく灰色なのだ。
__夢だったようにも思える……。
曖昧で、ぼやけていて、まるで幻影のよう。
最終的に、声を上げるだけ無駄ということが続いていて、息をしながら死んでいたと言ってもいい。
考えることも放棄して、言われるがままという生活__当時は一切疑問に思わなくなっていた。
そこは3年で卒業になる。修道院の寄宿学校にいた子は、司祭などになりたがっていた信心深い子たちばかりだから、神官職についたはずだ。ただ自分だけ、故郷に帰った。
「寄宿学校を卒業して戻って、家では徹底して令嬢としての教育が待っていて……それは別に当たり前のことですし、父が望んでいるので従っていて……。でも、私も意外と強からしくて……嫁がされるのも構わないですが、もっと知識があれば状況が変えられるかもと思い、大学へ通わせて欲しい、と懇願して__今ここにいます」
そこへ、さらに運ばれてくる料理。チーズを綴じた平たく丸いパン、羊の香草焼き、鶏の串焼き、ほうれん草のペースト状の添え物。
「父にしてみれば、ちょうどよかったんですよ。一通り叩き込めるだけ叩き込んで、仕上げても、ときどき仕事に口を出すのは変わらずで……手に余るじゃじゃ馬だったはずですから」
__嫌なら、さっさと適当なところへ嫁がせればいいのに……。
実父が恩人だとは申せ、養父は物好きだと思う。
__まあ、それも時間の問題よね……。
キルシェは困ったように笑う。遅かれ早かれ、それは訪れることに変わりはない。
従うことが恩返しだと思っている自分は、素直にそれに従うだろう。
__それまでは、自由に……。
だからこそ、ここへ来た。
父の支えになりたい、ということももちろんだが、自分で今後を選べる可能性が広がるかもしれない__そうした下心もあってだ。もしかしたら嫁ぎ先が制約少なく、より自由になるかもしれない。
「……ここに来られてよかったです。__リュディガーと知り合えましたから」
「大げさだ」
「私には、大きなことです」
今後を選べる選べないにせよ、彼という得難い朋友を得られた。
__それだけでも、自分というものに価値がいくらかでもあったと思い直すことができたのだもの……。
「__と、まぁ……こんなところです」
これまで口外をしないでいたのは、人を選ぶ内容だからだ。賢しらに不幸を見せびらかして悲劇の主人公に酔っている、と思われても困るし、それ以上に変に気を使わせてしまっては申し訳ない。
そうか、とひとりごちるように頷くリュディガーは、逡巡する。そのわずかな間でさえ、キルシェには審判を待っているような心地だった。
「……食べようか。これ以上スープを冷ますのは、どうかと思う」
そして、とくに拘りなく、加えて冗談めかして言うリュディガー。その反応に、拒絶されることが杞憂に終わったことを知る。
「……そうですね」
自嘲するように苦笑を浮かべるキルシェ。そして、改めてテーブルの上を眺めるのだが、そこで固まってしまった。
会話の合間に届けられていた料理だったから、気づけなかったが、テーブルにぎりぎり乗り切ったような品数がそこにある。
豆とトマトのスープ、パン、葉物野菜のサラダと、キャベツを発酵させた漬物、チーズが数種類とハムが並ぶ皿、数種類の腸詰め、潰した馬鈴薯、牛の煮込み、チーズを綴じた平たい円形のパン、羊の香草焼き、鶏の串焼き、ほうれん草のペースト状の添え物__。
「__リュディガー、大学の食事は足りている?」
「別段、足りないと思うことはないが」
スープを飲んでいたリュディガーが、怪訝に眉をひそめる。
大学の食事は、毎日献立が変わるものの、目の前のテーブルに並んでいる量ほどはない。二人分で考えてみても、大学での二食分にはなる量だ。
「まあ、確かに龍騎士の頃よりは少ないのは間違いないな。それでも、私は大食らいじゃないし、身体をそこまで使うわけではないから、あれはあれで十分だ」
「……そうなのですか」
それにしても、量が多い気がするが__とは、キルシェは飲み込んで、カトラリーを手にとる。
「あえてテーブルが賑やかになるよう注文したんだ。__まあ、とにかく、食べようじゃないか。食べたら、美味しさで色々思うところはふっとぶのは保証する。気分が軽くなるはずだ」
早速スープを飲み干し終えたリュディガーは、羊の香草焼きをひとつ取皿に移して、促すようにキルシェの前に置くのだった。
まるでその表情はしんみりした場の空気を和ますかのように、いたずらに笑んでいる。
「__ありがとうございます」
何に対してとは明確には言わなかったが、ゆっくりと頷き返すあたり、彼は察してくれているのだろう。
__本当に……果報者だわ……。
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
【完結しました】
王立騎士団団長を務めるランスロットと事務官であるシャーリーの結婚式。
しかしその結婚式で、ランスロットに恨みを持つ賊が襲い掛かり、彼を庇ったシャーリーは階段から落ちて気を失ってしまった。
「君は俺と結婚したんだ」
「『愛している』と、言ってくれないだろうか……」
目を覚ましたシャーリーには、目の前の男と結婚した記憶が無かった。
どうやら、今から二年前までの記憶を失ってしまったらしい――。
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる