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マウントシーの管理人
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現在マウントシーの山小屋。
当初の計画では昨日のうちに洋館までたどり着く予定だったが。
まあゆっくり周りから攻めるのも悪くない。
たぶんここには……
一階に降りると声がした。
「オウ元気になったかい。もう少しゆっくり寝てるといいのに」
ここの主人が助けてくれたらしい。
礼を述べ挨拶を交わす。
「俺はここの管理人。分からないことがあったら何でも聞きな」
「あの…… あの子は? 」
「ああ俺も良く分からない。お前と同様倒れていたのを拾ったんだ。
ここに何をしに来たのか俺には分からない。それはお前にも言えるがな。
それでなぜこの島へ? マウントシーに? まあいいやゆっくりしていくといいさ」
言葉も発さずに寝たり起きたりを繰り返している謎の少女。
まだ口が利ける状態ではない。無理はさせずに落ち着いてから事情を聴くそうだ。
男の話ではここに女性と二人で暮らしているとのこと。
夫婦でもなく恋人同士などでもなくただ仕事上の関係らしい。
見たわけではないので何とも言えないが話を聞く限りこの男より若そうだ。
「それで奥さんは? 」
「だから違うって。何度言えば分かるんだ。俺は独身だ」
「では何と? 」
「コックだから料理長とか…… 」
外から物音が。
「今帰ったよ」
女が姿を見せる。
「ああ元気になって良かったね」
二人は料理人と医者のコンビで近くの施設の世話をしている。
それだけではなくたまに来る観光客の相手と山小屋の管理も任されている。
「あんた名前は? ここに何しに来たんだい? 」
ぶっきらぼうに女性が質問を投げかける。
「その…… 」
「言いたくなきゃそれでいいさ」
信用のおける二人。副村長の紹介もある。ここは一つ腹を割るか。
彼らに事情を包み隠さずに打ち明け協力を求める。
朝食を済まし目的地である洋館へ。
間奏:
暑い。暑すぎる!
寒い。寒いよ!
交互に湧いてくる矛盾した感覚。
通常ではあり得ないような寒暖差に我を失う。
早くここから脱出せねば命がいくらあっても足りない。
頭が痛い。鼻水も止らない。咳もさっきから繰り返している。
情けないことに自分では暑いのか寒いのかもう分からない。
慣れていないのだ。この環境に慣れさえすれば問題ない。
だが慣れてどうすると言う疑問もある。
まあそれはさておき適応するのは並大抵ではない。
いっそのことこのまま寝てしまいたいが本当に明日がやってくるかも分からない。
そのまま呼吸が止まってしまわないか不安だ。
暑くて寒い場所は初めてだ。
なぜ俺はこんな目に遭わなければならないのか?
こんな目に遭わせた奴を許しはしない。
必ずここから這い上がって復讐を遂げてやる。
苦しければ苦しいだけその気持ちを胸に踏ん張る。
その為には明日を迎える必要がある。
意識を失ってはいけない。
早く脱出したい。
それにはまず体力を回復させるしかない。
脱出するには目の前の崖を休むことなく一気に駆け上がるしかない。
その力があればこんなところ。
何度も挑戦した。一度や二度ではない。十も二十も挑戦した。
そのたびに元の場所へ戻る。無限ループ。
前と変わらぬ無駄なことを繰り返している自覚がある。
同じことを一日中続ける。一時間、二時間。
そうすると自然と手が足が体が抵抗する。
いわゆる拒否反応。
しかし何度も登ればコツも掴むし筋肉もつく。
このまま続ければ今日中に登頂できそうだ。
食糧を心配する必要が無いのが唯一の救い。
これは神に与えられた試練であり超えるべきもの。
島の神の力を使い立ち向かう。
もうやるっきゃない。
うおおお!
雄たけびを上げる。
続く
キャラクター紹介①
主な登場人物。
謎の青年 大河 謎多き主人公。
マウントシーの少女たち。
岬アリア 五人の中で唯一感情が失われていない。
積極的に関わるあまり大河と対立することも。
今年来たばかりでまだ関係は浅い。
美波ブリリアント 過去のトラウマから感情を失っている。
ただ大河を気にかけてる素振り。
そう言う意味では感情は完全には失われていない。
ブリリアント編では一体何が?
島内シンディー ぼくが怖いのは人ではない。銃だ!
シンディー編ではマウントシーの悪夢が……
オオカミが少女を襲う。
防人ドルチェ 大河との秘密の関係。家が貧しい。
ドルチェ編は名前ほど可愛くも甘くもない。
深海エレン 秘祭・月祭りの犠牲者。
エレン編始まる前に物語が……
キャラクター紹介②へ続く
当初の計画では昨日のうちに洋館までたどり着く予定だったが。
まあゆっくり周りから攻めるのも悪くない。
たぶんここには……
一階に降りると声がした。
「オウ元気になったかい。もう少しゆっくり寝てるといいのに」
ここの主人が助けてくれたらしい。
礼を述べ挨拶を交わす。
「俺はここの管理人。分からないことがあったら何でも聞きな」
「あの…… あの子は? 」
「ああ俺も良く分からない。お前と同様倒れていたのを拾ったんだ。
ここに何をしに来たのか俺には分からない。それはお前にも言えるがな。
それでなぜこの島へ? マウントシーに? まあいいやゆっくりしていくといいさ」
言葉も発さずに寝たり起きたりを繰り返している謎の少女。
まだ口が利ける状態ではない。無理はさせずに落ち着いてから事情を聴くそうだ。
男の話ではここに女性と二人で暮らしているとのこと。
夫婦でもなく恋人同士などでもなくただ仕事上の関係らしい。
見たわけではないので何とも言えないが話を聞く限りこの男より若そうだ。
「それで奥さんは? 」
「だから違うって。何度言えば分かるんだ。俺は独身だ」
「では何と? 」
「コックだから料理長とか…… 」
外から物音が。
「今帰ったよ」
女が姿を見せる。
「ああ元気になって良かったね」
二人は料理人と医者のコンビで近くの施設の世話をしている。
それだけではなくたまに来る観光客の相手と山小屋の管理も任されている。
「あんた名前は? ここに何しに来たんだい? 」
ぶっきらぼうに女性が質問を投げかける。
「その…… 」
「言いたくなきゃそれでいいさ」
信用のおける二人。副村長の紹介もある。ここは一つ腹を割るか。
彼らに事情を包み隠さずに打ち明け協力を求める。
朝食を済まし目的地である洋館へ。
間奏:
暑い。暑すぎる!
寒い。寒いよ!
交互に湧いてくる矛盾した感覚。
通常ではあり得ないような寒暖差に我を失う。
早くここから脱出せねば命がいくらあっても足りない。
頭が痛い。鼻水も止らない。咳もさっきから繰り返している。
情けないことに自分では暑いのか寒いのかもう分からない。
慣れていないのだ。この環境に慣れさえすれば問題ない。
だが慣れてどうすると言う疑問もある。
まあそれはさておき適応するのは並大抵ではない。
いっそのことこのまま寝てしまいたいが本当に明日がやってくるかも分からない。
そのまま呼吸が止まってしまわないか不安だ。
暑くて寒い場所は初めてだ。
なぜ俺はこんな目に遭わなければならないのか?
こんな目に遭わせた奴を許しはしない。
必ずここから這い上がって復讐を遂げてやる。
苦しければ苦しいだけその気持ちを胸に踏ん張る。
その為には明日を迎える必要がある。
意識を失ってはいけない。
早く脱出したい。
それにはまず体力を回復させるしかない。
脱出するには目の前の崖を休むことなく一気に駆け上がるしかない。
その力があればこんなところ。
何度も挑戦した。一度や二度ではない。十も二十も挑戦した。
そのたびに元の場所へ戻る。無限ループ。
前と変わらぬ無駄なことを繰り返している自覚がある。
同じことを一日中続ける。一時間、二時間。
そうすると自然と手が足が体が抵抗する。
いわゆる拒否反応。
しかし何度も登ればコツも掴むし筋肉もつく。
このまま続ければ今日中に登頂できそうだ。
食糧を心配する必要が無いのが唯一の救い。
これは神に与えられた試練であり超えるべきもの。
島の神の力を使い立ち向かう。
もうやるっきゃない。
うおおお!
雄たけびを上げる。
続く
キャラクター紹介①
主な登場人物。
謎の青年 大河 謎多き主人公。
マウントシーの少女たち。
岬アリア 五人の中で唯一感情が失われていない。
積極的に関わるあまり大河と対立することも。
今年来たばかりでまだ関係は浅い。
美波ブリリアント 過去のトラウマから感情を失っている。
ただ大河を気にかけてる素振り。
そう言う意味では感情は完全には失われていない。
ブリリアント編では一体何が?
島内シンディー ぼくが怖いのは人ではない。銃だ!
シンディー編ではマウントシーの悪夢が……
オオカミが少女を襲う。
防人ドルチェ 大河との秘密の関係。家が貧しい。
ドルチェ編は名前ほど可愛くも甘くもない。
深海エレン 秘祭・月祭りの犠牲者。
エレン編始まる前に物語が……
キャラクター紹介②へ続く
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