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ローパ―
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「疲れた! 」
我がままを言うガム。
「もう一歩も歩けません! 」
ガムったら本当に大人げない。
ワガママも甘えもド・ラボーの特権だと思っていた。でも違った。
本当にもう歩けないと言って下を向く。
うーん。困ったな……
「ほら大丈夫。もうちょっとだから」
「嘘ばっかり! 」
ここがガムの可愛くないところ。
我がままを続ければいいのに元のガムに戻ってしまう。
「もうちょっとだから…… ねえ頑張ろうガム」
「もうちょっとってどれくらい? 」
「あの山を越えたらコンプラ王国だと思う…… 」
「うう…… 」
確かに大変だ。いくらエリス王子との特訓で足を鍛えたとは言え今日中に登り切るのは難しいかも。
とりあえず一休み。
山の上ににはコンプラ王国がある。そこでは太郎王子の情報も手に入るだろう。ゆっくりしている暇はない。
「さあ歩くわよ! 」
「ステーテル! 先に行ってください。すぐに追いかけますから」
ガムはまだ立ち上がれないでいる。
「ガム…… 私はド・ラボーなのよ」
「分かっております。立派になられて大変うれしく思っております」
ガムがはぐらかす。
お付の者と離れる訳にはいかない。
なぜならド・ラボーとガムは常に行動を共にしなければならないからだ。数少ない決まりごと。
それくらいガムだって分かっているくせに。
「さあ行きましょうガム! 」
「あと少し。あともう少しだけ! 」
「もう! 」
このまま置いていく?
「ステーテル。私に構わずにお先に進みください」
随分と疲れた様子。
今まで馬車や船移動だったものだから今回の旅は堪えるのでしょう。
私だって足が痛い。でもそんなこと言っても始まらない。
「ガム! 」
「あれは何でしょう? 」
ガムはなおもはぐらかそうとする。困ったわね……
「ほらあのロープのようなもの」
「うん? 」
ロープが渡してある。確かにある。今まで気づかなかったのが不思議なぐらい。
「あれは一体何? 」
「行ってみましょう」
ガムは疲れが吹っ飛んだのかロープの出発点と思われる場所へ走りだした。
「もう待ってよガム! 勝手なんだから! 」
思ったよりも遠い。走って三十分はかかっただろうか。
はあはあ
はあはあ
ガムの姿が見えた。
ガムは疲れを感じさせない走りで引き離していた。
もうガム! あれ…… 何これ?
文句を言うのも忘れてただ呆然とする。
「ステーテル。どうですこれ? 」
「どうって言われても…… 」
「乗りたい! 」
ただそう思うのみ。別に体が疲れているからじゃない。全く想像のつかない乗り物に興味を惹かれたのだ。
「乗り心地はどう? 景色は? 落っこちない? ねえこれは何? 」
「私に聞かれても…… 」
「まさか空飛ぶ馬車? 」
「ははは! おかしなことを言う子だね。空飛ぶ馬車などあるわけないじゃないか」
男がバカにする。
「誰? 」
「俺はここの管理人だ」
「管理人? 」
「そうだ。これが動くかどうか点検管理しているわけだ」
動く箱と言う意味では空飛ぶ馬車と大差ない気もするけど。
「うん? ああ初めて見るのか。それはそれは珍しいだろ? 」
男は勝ち誇る。
「おじさんが作ったの? 」
「まさかそんな技術ある訳ない。これはなコンプラ国王の発案である」
「ねえ乗せて! あの山までお願い! 」
「いけません! ド・ラボーともあろう者が」
ガムは厳しい。自分だって乗りたがっていたくせに。
「済まないなあ。俺に頼んでも乗せられない」
「どういうこと? 」
「これはコンプラ国王の発案だって言ったろ」
「ええその話は聞きました」
「これに乗れるのはコンプラ国王かその一族。または招待された者。それ以外は何人たりともお乗せできない」
あっさり断わられる。
「ちなみにこれは何? 」
「ああ、国王発案の…… 」
「名前を聞いてるの! 余計な情報はいいから早く答えなさい! 」
「『ローパー』と言ってな…… 」
「ローパー? 」
聞き慣れない名前。
やはり空飛ぶ馬車ではないようだ。
ローパーね。面白そう。
ますます興味が湧いてきた。
続く
我がままを言うガム。
「もう一歩も歩けません! 」
ガムったら本当に大人げない。
ワガママも甘えもド・ラボーの特権だと思っていた。でも違った。
本当にもう歩けないと言って下を向く。
うーん。困ったな……
「ほら大丈夫。もうちょっとだから」
「嘘ばっかり! 」
ここがガムの可愛くないところ。
我がままを続ければいいのに元のガムに戻ってしまう。
「もうちょっとだから…… ねえ頑張ろうガム」
「もうちょっとってどれくらい? 」
「あの山を越えたらコンプラ王国だと思う…… 」
「うう…… 」
確かに大変だ。いくらエリス王子との特訓で足を鍛えたとは言え今日中に登り切るのは難しいかも。
とりあえず一休み。
山の上ににはコンプラ王国がある。そこでは太郎王子の情報も手に入るだろう。ゆっくりしている暇はない。
「さあ歩くわよ! 」
「ステーテル! 先に行ってください。すぐに追いかけますから」
ガムはまだ立ち上がれないでいる。
「ガム…… 私はド・ラボーなのよ」
「分かっております。立派になられて大変うれしく思っております」
ガムがはぐらかす。
お付の者と離れる訳にはいかない。
なぜならド・ラボーとガムは常に行動を共にしなければならないからだ。数少ない決まりごと。
それくらいガムだって分かっているくせに。
「さあ行きましょうガム! 」
「あと少し。あともう少しだけ! 」
「もう! 」
このまま置いていく?
「ステーテル。私に構わずにお先に進みください」
随分と疲れた様子。
今まで馬車や船移動だったものだから今回の旅は堪えるのでしょう。
私だって足が痛い。でもそんなこと言っても始まらない。
「ガム! 」
「あれは何でしょう? 」
ガムはなおもはぐらかそうとする。困ったわね……
「ほらあのロープのようなもの」
「うん? 」
ロープが渡してある。確かにある。今まで気づかなかったのが不思議なぐらい。
「あれは一体何? 」
「行ってみましょう」
ガムは疲れが吹っ飛んだのかロープの出発点と思われる場所へ走りだした。
「もう待ってよガム! 勝手なんだから! 」
思ったよりも遠い。走って三十分はかかっただろうか。
はあはあ
はあはあ
ガムの姿が見えた。
ガムは疲れを感じさせない走りで引き離していた。
もうガム! あれ…… 何これ?
文句を言うのも忘れてただ呆然とする。
「ステーテル。どうですこれ? 」
「どうって言われても…… 」
「乗りたい! 」
ただそう思うのみ。別に体が疲れているからじゃない。全く想像のつかない乗り物に興味を惹かれたのだ。
「乗り心地はどう? 景色は? 落っこちない? ねえこれは何? 」
「私に聞かれても…… 」
「まさか空飛ぶ馬車? 」
「ははは! おかしなことを言う子だね。空飛ぶ馬車などあるわけないじゃないか」
男がバカにする。
「誰? 」
「俺はここの管理人だ」
「管理人? 」
「そうだ。これが動くかどうか点検管理しているわけだ」
動く箱と言う意味では空飛ぶ馬車と大差ない気もするけど。
「うん? ああ初めて見るのか。それはそれは珍しいだろ? 」
男は勝ち誇る。
「おじさんが作ったの? 」
「まさかそんな技術ある訳ない。これはなコンプラ国王の発案である」
「ねえ乗せて! あの山までお願い! 」
「いけません! ド・ラボーともあろう者が」
ガムは厳しい。自分だって乗りたがっていたくせに。
「済まないなあ。俺に頼んでも乗せられない」
「どういうこと? 」
「これはコンプラ国王の発案だって言ったろ」
「ええその話は聞きました」
「これに乗れるのはコンプラ国王かその一族。または招待された者。それ以外は何人たりともお乗せできない」
あっさり断わられる。
「ちなみにこれは何? 」
「ああ、国王発案の…… 」
「名前を聞いてるの! 余計な情報はいいから早く答えなさい! 」
「『ローパー』と言ってな…… 」
「ローパー? 」
聞き慣れない名前。
やはり空飛ぶ馬車ではないようだ。
ローパーね。面白そう。
ますます興味が湧いてきた。
続く
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